パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「受付」と「受理」

2021年04月03日 08時20分11秒 | あれこれ考えること

その道の人には当たり前のことだろうが、一般人にはわかりにくいことがある

昨日のテレビ番組で紹介されたのがその例だ
ある方が持続化給付金か何かの補助金の手続きを申請した
その申請は了解され支給金額も決定されたのと書類が届いたので
そのつもりで設備投資をして、領収書等の必要書類を揃えて
あとは振り込みを待つばかりとしていたのが
届いたのは支給金額はゼロと書かれた連絡だけだった
何が起きたのかさっぱりわからない彼は事務局に問い合わせたが
個々の支払い不可の理由については答えられないとの冷たい対応だった

これを慣れた方々の理屈によると
最初の「申請が了解された」との連絡は、支払金額を含めての申請が了解されたのではなく
とりあえずその申請にエントリーしたことは了解されたということで
金額等については税金が元になっているのでしっかり精査してからでないと
支払われないということだ

税金の使い方を慎重にするのは良いとしても、素人の人が最初の連絡で
補助金がもらえると思うのは無理はないと思う
書類をよく読めばとか補助金の仕組み等を理解していれば
全部が全部申請者の思い通りになるわけではないことがわかるはず
と、この手の書類に慣れた人は言うかもしれないが、それは素人には苛酷な気がする

その必要性があって言葉は使い分けているのだろうが、法的な用語はすんなりと理解できない
少し前に自分たちが起こした住民監査請求では「受付」と「受理」の用語があった
「受付」というのは監査員事務局が請求を受け取ったとの意味で
「受理」は受け取った書類を不備がないかを確かめた上で、調査を行うに値すると判断したという意味
ややこしいのはこの監査請求の答えを出す期間が、受理から60日以内ではなく、
受付から60日以内となっているのだ
「受付」と「受理」が単なる概念の問題だけでなく、現実の作業工程においても
このように使われているので、ややこしいことになる
自分らの場合はこれは大して問題にならなかったが、自分らの後で住民監査請求をされた方は
「受付」はなされたが「不受理」との回答があり住民監査請求の作業は行われなかった
その理由というのは、住民監査請求は自治体に損害があったときにその損害の支払いを
該当するところに請求するもので、今回の場合は契約に瑕疵があったとしても
実態として損害が生じていないので住民監査請求の要件に当たらないとするものだ
瑕疵はあっても損害が生じていないので問題なし、、、
少しばかり違和感を感じるものだが、裁判所ではこのような裁判例があったとのことだ
(監査員事務局はそれだけで不受理としたのではないとしている)

このように法的な文章はその定義やら解釈が直感的にわかりにくい
確かアメリカの話だと記憶しているが、法律の文章はあまりにもわかりにくいので
誰にでもわかるような文章に書き直すように取り組んでいるとか

わかりにくい文章を理解するのは特殊な才能を要することになり
それが専門家による官僚の文書主義、あるいは秘密主義に繋がってしまう可能性もある
地方自治体でも条例は議決が必要だが、条例の執行にあたる規則は運営する当事者が決めることができる
規則が割合自由に好きにできてしまうことは、公文書管理法で国民固有の財産である公文書を
自分たちのつくった法令で都合の良いタイミングで破棄できることを可能にしている

何事も法で縛られているのような社会だが、実態は気をつけないと
法に詳しい良からぬ人間性のグループに振り回されてしまう事にならないかと思うこの頃

それにしても冒頭の補助金の例は酷い!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする