パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

秋に聴く曲(ブラームスとフォーレ)

2022年10月09日 18時49分47秒 | 音楽

秋は世界中で物悲しいような気持ちになる季節のようだ
真上から日光が照りつける日々からやっと開放されて
ようやく考える事ができるようになる秋

後悔と諦めとを静かに受け入れる様になると
聴きたくなる曲はどこか寂しい雰囲気を持つ曲になる

秋に聴く曲で、すぐに思い出すのがブラームスのクラリネット5重奏曲だ
冒頭の寂しさはそれだけで心を鷲掴みにする

ブラームス クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115 ライスター /アマデウスsq. Brahms : Clarinet Quintet

秋はブラームスなのかもしれない
マーラーが嫌ったブラームスの最後の交響曲は、若い頃はナヨナヨしていてなんとなく嫌だったが、
今はまるっきり反対で、マーラーの交響曲は聴かないが、ブラームスの4番は季節になると一度は聴く
冒頭の主題は、実はベートーヴェンの29番のピアノソナタの第三楽章にも出てくる音形だ
ただ、この曲の第4楽章は変奏曲形式だが、なんか中途半端な終わり方のように思えてしまう
それが不思議なことにフルトヴェングラーの演奏だけは、終わったという感じがする
何故なんだろう

カラヤン 最晩年のブラームス交響曲第4番 ライヴ

あと一曲、秋らしいと思うのがフォーレのピアノ4重奏曲第1番の第三楽章だ
まるで夜想曲のような雰囲気で、フォーレの曲の中で好きな方から1から2を争う曲だ

Fauré Piano Quartet No.1, 3mov. フォーレ ピアノ四重奏曲第1番第3楽章

これらの曲は、やっぱりレコードで聴くのが良い
マニアの例にもれず、CDの同じ演奏のを持っているが
空気感と言うか音の厚みというか、雰囲気はぜんぜん違う
いい音かどうかはわからないが好きな音は間違いなくレコードの音だ

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久しぶりに購入した本だったが、、、

2022年10月09日 09時51分57秒 | 

このところ図書館で借りた本ばかり読んでいた
それらはそこにある借りられる本からの選択で
本当に読みたい本ではなかったかもしれない
その反動で、久しぶりに読みたい本をアマゾンから購入した
「歴史とは何か」E.H.カー

だが読み始めると、想像していたのと違って手応えがあり過ぎた
現在と過去の間の対話、歴史の予言、進歩としての歴史、自然科学との関係など
面白いと感じる部分はあったが、歴史家というジャンルに住んでいない人には
引用される文献やら人物に馴染みがなくて手こずってしまった

この本の内容はケインブリッジ大学で行われた講演をまとめたものだが、
聴衆はそれなりの背景知識を持った人で、ヨーロッパ精神の流れをよく知らない自分には
勝手に想像するか無視して読み飛ばすしかなかった

この特殊な歴史家と言われる分野の人にのみ役立つような知識とか精緻な思考は
自己完結して、一歩間違うと広がりを持たず象牙の塔のそれに終始する気もする
それはヘッセが「ガラス玉演技」で名人があえてそうした世界から抜け出し
社会の中で生きようとしたことを思い出させた

歴史学は経済学を含めた社会学の中の一ジャンルとの扱いの方が合理的とした意見に
賛同できない著者だった(?)が、そう考えたほうが無理はない、思ったりした

それにしても欧米人の「進歩」という概念の深さとか経験は、生半可な知識では
追いつけないかもしれない
人間は進歩しうる存在で、時間を経れば(人間社会も)完成に近づくとされる考えは
ある時はヘーゲル、応用としてベートーヴェンの作曲法、分野を変えてマルクスと続くらしいが
このあたりのリアリティは、アジアの島国の素人にはわかりにくい

と言っても、大半は忘れたり理解できなかったとしても、きっと何かが残るだろうな
という実感だけは残っているし、気になるところは印がしてあるので
そのあたりを読み直せば、少しは理解が深まるかもしれない

それにしても、専門家の域にはどの分野においてもなれないという現実に
ちょいと情けなくなってきた

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