パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

写真を撮ることを止めたのは

2023年11月01日 09時47分36秒 | ダイアリー

山に登っていた頃、カメラをもってところどころ写真を撮っていた
絵心がないものだから後でプリントされたものを見ても
何に感動して撮ったのかわからないものが大半だった
(フィルムカメラなので撮影時に確認はできない)

リュックの中には一眼レフ(キャノンEOS)とスモールサイズのCONTAX TVSをいれて
いちいちそこから取り出して2、3枚撮っては元に戻していた

面倒くさがり屋だからこの手間が苦痛だったが
そこにいた証拠として、また思い出のために、更にその場所の記憶を蘇らせるために
仕方ないと思っていた

ところが、それでは山を楽しめていないことに気づいた
いつも写真のことが頭の片隅に残っていて、今撮るべきか他の場所で撮るべきか?
などと考えていたのだ

それである時から写真を無理に撮るのはやめることにした
眼の前の驚くべき風景は、脳の中の記憶として保存しておくことにした
大事なのは記憶の中の風景で写真はおまけみたいなもの、、
そう考えることにした
すると、気持ちが楽になってより山を楽しめる様になった

写真には残っていないが、今でも思い出すことができるのは
槍ヶ岳で見た笠ヶ岳方面の朝焼け
槍ヶ岳から双六岳に向かう西鎌尾根の静寂な
ただそこにあるだけの奥ゆかしい風景で
それは思わず泣きそうになって、死んだらここに散骨してほしい!
と思うようなものだった

この他にも記憶の中にはいくつかの風景(山以外にも)が刻まれている

写真を撮るために登山や旅行に行くのではなく
頭の中に刻むために行く、、、と考えるほうが
そうやら自分の場合は良さそうだ!と思うことにした

頭の中に保存してある光景や、音(音楽)の記憶は自分だけのもの、、
こうしたものが沢山あるということが幸せなのかな、、と思ったりする






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