パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ステレオタイプ

2024年12月26日 16時16分14秒 | あれこれ考えること

女性は理数系に弱い
血液型がB型の人は個性的な人が多い
これらはステレオタイプの例としてよく挙げられる

ステレオタイプはリップマンが「世論」の中で使った言葉で
多くの人に浸透している思い込み、先入観、固定観念のこと
問題はそれを信じる人が多いと、まるで事実のように思われてしまうことだ

現在、一番ステレオタイプの解釈がなされているのが
オールドメディアは嘘とか偏向が蔓延していて
SNSの中にこそ真実があるという考え方ではないだろうか

兵庫県知事選とか石丸氏に関してネット上にアップされるコメント
その中には「オールドメディアだから信用できない」
と無条件に断言しているものが多い

でも、そうだろうか?
冷静に振り返ってみるとそうばかりとは言えないのではないか
そもそもオールドメディア対SNSとの対立させて考えるのはいかがなものだろうか
ある人が呟いていたが、実は「本当のことと嘘のことの戦い」に過ぎないのではないか

オールドメディアの一つ、例えばテレビは嘘が報じられると
チェックが入りその放送局は謝罪と説明がもとめられる
ところが匿名のSNSは流しっぱなしで誰も責任を負わない
SNSでいちばん大事なのは閲覧数で、その数を稼ぐためには
(その数が収入源となる)
ひとの感情を刺激する負の部分の上手く活用している

比較の上で、どちらのほうが信用するに値するか?
を考えると、SNSの中に真実があるととは無邪気に言えない気がする

それでも現在は、「SNSの中にこそ真実がある」の主張は
かなりの数の支持を得ているようだ
そしてこのセリフは、黄門様の印籠のような使い方をされている

田舎のおっさんが心配するのはこの部分だ
世の中に蔓延するステレオタイプの解釈
その解釈を十分検証することなく安易に信じてしまうだけでなく
それを広めてしまう
そこには熟慮の過程が抜けている気がしてならない

ところでネット検索をしているとステレオタイプの特徴は以下のようだと紹介されている

・過度に単純化されていること
・不確かな情報や知識に基づいて誇張され、しばしばゆがめられた一般化・カテゴリー化であること
・好悪、善悪、正邪、優劣などといった強力な感情を伴っていること
・新たな証拠や経験に出会っても、容易に変容しにくいこと

いちいち頷くことが多く、それだけに不安は増すばかりだ

人は人を信用するのは良いが、適度に疑うことも必要だと思う
半ば常識となっていることも、本当にそうだろうか?
と疑ってみることも今の時代は特に必要と思える

「嘘も100回聞くと真実になる」という有名な言葉は
物事をよく知っている人には通じないそうだ
願わくば、一人ひとりが賢くなっていけば良いのだが





 


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