パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

いいもの見つけた(シモーネ・ヤングのブルックナーの8番)

2015年12月31日 09時56分42秒 | 音楽

偶然見つけたこのYouTubeの動画

シモーネ・ヤングのブルックナーの8番の交響曲の演奏
珍しい点は2つ
一つはあれこれ手直しする前の、ブルックナーが最初に発想した音楽が聴けること
そしてもう一つは、女性の演奏するブルックナーということ

思い込みもあるがブルックナーの音楽は女性には受けないものだと思っていた
ピアノ曲の「思い出」とか「秋の夕べの静かな想い」「幻想曲」なんかは 

女性でも好きになるかもしれないと思うが、8番や5番などはどう考えても
敬遠されそうな気がしてならない 

でも偏見を除いて耳をすますとこれがなかなかいい
この演奏はブルックナーが好きという感情に溢れている
あれこれ考えるよりも、音の要求するものを素直に具現化して
もしかしたらインバルの初稿の演奏よりも良いかもしれない

ブルックナーの8番は自分でもたくさんのアルバムを持っているが
クナッパーツブッシュ、フルトヴェングラー、シューリヒト、ヴァントなどの大物に混じって
結構好きなのが ハイティンクの演奏
なんとなくシモーネ・ヤングの演奏もこれに近い気がする

ところで初稿の8番
確かにまとまりがないというか、唐突な感じがしないでもない
特に第一楽章のピアニシモで終わるのではなく
突然の肯定的なフォルテシモ
普段聞き慣れているのとは随分違う
普段聞いているのは後期ロマン派の起承転結のはっきりした音楽
でも、本当にブルックナーの表現したい音楽だったのかというと
どこか違うかもしれない
ブルックナーは大都市ウィーンの都会人ではなく田舎の住人で
のどかな風景を原風景として生きてきた人間
そうした人の発想は、まとまりがよくて完成度が高いとしても
彼の思いとは違うのでは
そんな気がしてならない
特に聖フローリアン修道院地区ののんびりした風景を肌で感じた身にとっては
(一昨年聖フローリアンに訪れた)
ブルックナーには長生きしてもらって
もっと自分の最初に発想した音楽を 自信を持って世に出して欲しかったな

何れにせよ、年の最後にいい見つけ物をした
この分ではCDご購入ということになりそうだが
ま、いいか 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今年読んだ本など(読んでい... | トップ | 今年の聴き始めはK364 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

音楽」カテゴリの最新記事