私は職業生活では、若い頃と今では随分変わったが、対人関係が基軸の仕事という面ではあまり変わってないかもしれない。
そして思うのだが、個性の美と言っても現実の世界では、むずかしい人がいて深く悩む人がいるのだ。
古今東西。こういうむずかしい人は人間の最大の悩み事かもしれない。今、自分の手元にはギリシャ神話があり、ナルキソスとエコーの話を開いているが、こうしたエコー悲劇はなくならない。源氏物語の弘黴殿女御のイジメも含め、周りの人を破壊するような事例は世界中にある。
<人を愛する方法>、<人の愛を素直に感じ取る方法>を知らない人は様々な波紋を投げかける。
そして、ナルキソスのような病理は決して特殊ではなく、私自身も含め現代社会に住んでいる人は、そうなる傾向を誰もがもっていると思う。人ごとではない問題なのだ。
自己愛パースナリティー障害の病理の判断はあくまでお医者様の世界ではあるが、その病理の実態を知り思索することは人間を知る上で。自分を守ったり大切にする上でとても大事なことだと思っている。
私の師匠のU先生は、「生き甲斐の心理学」という素敵なテキストを書かれていて(ブログの左のアマゾンで簡単に入手できるし、普通の本屋さんでもISBN978-4-9903527-2-1で注文できる)、悔いのない人生を歩むための臨床心理系の知恵を網羅されている。そして、その初めの第一章が自己愛パースナリティ障害についてである。
ちょっと本の宣伝になってしまったが、気になる方は、一度手にとって熟読されたらと思う。大きな問題なのに世の中では不思議に話題にならない問題。この知識はとても役に立つ。
個性の美 10/10