つい先日、夜にNHKテレビで3月24日放映された「 ~完全解凍!アイスマン ~5000年前の男は語る」を興味深く見た。当時は四大文明では最初のメソポタミア文明が始まったころで、パンを食べ、銅製の斧を持ち、そして中国文明も始まっていないのにツボ治療を受けていたことに驚愕した。アイスマンが見つかったのは、イタリアのアルプス。文明の辺境のはずである。
そして、アイスマンというポッと現れた5300年前の遺体(ミイラ)は、5300年という時を超えて、ライブ感覚で当時の世界を垣間見させてくれる。それにも驚いた。どのようにアイスマンは亡くなったのか?アイスマンの社会的地位は?どんな宗教を信じていたのか?腰痛のツボ治療の知識はどこから来たのか?いろいろ考えてしまう。
アイスマンをめぐっては、もう20年位前に発見されたこともあり、いろいろな研究や話題が提供されている。DNA研究でアイスマンと自分と近い遺伝子だと判った方が、アイスマンを観る目が変わったという興味深い話も聴いたことがある。自分との繋がりを強く意識したのだろう。
私にとっては、アイスマンは直接の祖先かどうかは全く不明だが(自分のDNAを知りたいとは思っているが)、一つ確実に言えることは、このアイスマンが生きていたとき、確実に自分の祖先も息づいていたということである。アイスマンと同世代の自分の祖先は確実にいるのだ。アイスマンのようにパンは食べてなかったかもしれないが、縄文土器でコメを食べたり、同じように豊かな食生活をしていたかもしれない。そして、ひょっとしたらアルプスのアイスマンと同じように、ツボ治療を受けたりする。
さて、生き甲斐の心理学では、個性の美について、いろいろ学ぶ。当然ながら臨床心理学の流れを汲んでいるからだ。そして、学んでいくうちに病理以上に個性の美に関心が高まる。歴史を一般論で論じられても、余り面白くないと同様に、心の世界もライブ感覚で論じられると面白い。これから、個性の美を10回勉強していきたい。
個性の美 1/10