「勝利を目指す前に大切なことがある」(日本卓球協会 作成)

小学生スポーツの指導者は、自分が指導している競技からだけでなく、あらゆるスポーツの良い面を取り入れていく必要があります。そうすることで、指導者としての幅が広がることは間違いありません。今日紹介するものは、スポーツ指導者だけでなく、小学校の教師にもぜひ読んでほしい内容です。

この4月、日本卓球協会が渾身の思いを込めて作成した冊子があります。スポーツを指導する立場の方々に、ルールやモラルを学ぶこと、そして子どもたちに教えることの大切さをとても分かりやすくまとめています。さらに卓球協会はすごい!と思わせられることがあります。それは、この冊子が大人向けのものだけではなく、なんと子ども用の冊子まで作られたことです。日本卓球協会は長い年月をかけて、計画的にオリンピックや世界選手権でメダルを取れる選手、そしてマスコミの中でも引き立つスター選手を育ててきました。その一端が子ども向けの冊子にていねいに表現されています。この冊子を一目見れば、「良き選手である前に、良き人間であってほしい」という思いが伝わってきます。素晴らしい冊子です。辰巳ジャンプでもさっそく活用します。この記事を読んだ方は、ぜひダウンロードしてご自身の指導の糧にしてください。

啓発冊子「勝利をめざす前に大切な事がある」

この指導者向け冊子の最後に、有名な言葉が載っていますので、紹介します。


「子ども」  ドロシー・ロー・ノルト

批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる

殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる

笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる

皮肉にさらされたこどもは 鈍い良心の もちぬしとなる

しかし、激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる

寛容にであった 子どもは 忍耐をおぼえる

賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる

フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる

友情を知る 子どもは 親切を おぼえる

安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる

可愛がられ だきしめられた 子どもは 

世界中の愛情を 感じとることを おぼえる


「あなた自身の社会」(川上邦夫 訳)より
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【副校長の仕事の楽しさ(1)】 予算を勝ち取る

今日から新たなチャレンジを開始します。副校長職のイメージをより良くする記事を不定期ですが書かせてもらいます。

私は学校の副校長をしていますが、どこへ行っても言われる言葉があります。それは、
「副校長先生をしているのですか。大変ですね。どの学校も副校長先生は一番忙しそうで大変ですね。体に気をつけてください。」
ということなのです。私はこのような言葉をかけてくださった方の思いやりを無駄にはしたくないので、「そうなんですよね。本当にハードな仕事です。」と答えています。しかし、ハードな仕事だからといって自分自身の成長につながらなければ、やらない方がましだとも思っています。私は、やらされている受け身の仕事が最も嫌いで、仕事とは自ら創造するものと考えています。そう考えれば、どんなことも意味のあるものになります。

副校長の仕事には、楽しいことがたくさんあります。そのひとつが予算を左右する交渉の場があることです。今日、私の勤務校に大型楽器の「チューバ」が届きました。その価格、約42万円。昨年度、この予算を勝ち取るために入念に策を練り、4種類の事業計画を作って、教育委員会と交渉しました。その結果、他校にはないほどの大型予算を認めていただき、今日のチューバ獲得となったわけです。

新品でキラキラ輝くチューバを見て、本当に嬉しい笑顔を見せてくれた音楽の教員の姿に、仕事をした私も嬉しかったし、何よりも、この楽器を使う子供たちが、もっと喜んでくれました。頑張った甲斐がありました。担任にはできない分野の仕事です。
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教育実践も頑張っています!!!

親戚の叔父さんに、「教育実践のことを書かなくなったね」とご指摘を受けています(笑)。
そろそろ本気で学校改革に取り組もうかな(汗)。

今、かつて学校キャラクター作りで共同戦線をはった、タニコーさん(辰巳ジャンプキャラクター・たもちゃん作成の協力者)とのコラボを復活させて、スクールキャラクター作りに力を注いでいます。私が副校長として勤務している学校は明治7年開校の、スーパー伝統校なのです。その歴史を21世紀に再び輝かせるために、全力をあげて取り組んでいます。取り組みのひとつがスクールキャラクター作り。タニコーさんと力を合わせて、学校の歴史に永遠に残るようなキャラクター作りを進めていきます。

私はこれまでに指導してきた若手教員に、「勤務校に自分のつめ跡を残すんだよ。」と強く言ってきました。素直な後輩たちはそれを実現し、いろいろなものを学校に残してきました。私は副校長として何が残せるでしょう?最も残したいのは、100年続く伝説でしょうかね(笑)。「伝説の副校長」を目標に、今年度は頑張りましょう!

叔父さん! 頑張りますからね!!!
楽しみにしていてね!
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体罰指導は時代遅れなのです

今日は平成26年度のスタートにあたり、体罰指導について私の考え方をチーム保護者の皆さんにお伝えしておきます。

東京都小学生バレーボール連盟から、今年度、下記のような宣誓書を各団体の指導に携わる大人全員が署名捺印し、提出するように指示がありました。私たち辰巳ジャンプも指導にあたっている5名の署名捺印をしました。

(宣 誓 書)
当団体は、公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)の定める『倫理規定』および『指導における倫理ガイドライン』を理解し、その遵守を誓います。一切の体罰・暴力、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントを否定し、選手の人格と人権を尊重しながら、健全なバレーボールの発展に貢献し、社会の良きシンボルとして信頼されるよう努めます。
当団体において、体罰・暴力、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントが行われた際は、貴連盟よりのいかなる処分も受け入れます。
当団体は、他団体においての体罰・暴力、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントを確認した際、その事実を速やかに貴連盟に報告いたします。
以上、宣誓いたします。


辰巳ジャンプチームとしては、あまりにも当たり前の内容であり、こうした話題がネット上で白熱化した10年以上も前に、「体罰をする指導は無能指導者の証明」という考え方を示しました。

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『体罰はなぜいけないのか』(2001年10月10日の辰巳ジャンプブログ記事より)

なぜ今、このようなことを書くのか。それはアメリカの軍事行動が始まったからです。今からその共通点を私なりに明らかにします。

「同時多発テロ事件」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。

「報復攻撃」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。

「教育上の体罰」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。

みんな根っこは同じ。土の上に出てくる幹が太いか細いかのちがい。たった1度でも体罰で解決することを味わった子どもは、その子が指導者や親になって、せっぱ詰まった時に「体罰」で解決することを思い出すのです。何人もの親がそのことを証明してくれました。「私も子どもの時にそうだった」と言って・・・・・。
この思想を根絶やしにすること以外に平和はないと確信しています。

『体罰をする人間は、実力がない人間。』これが私の信念です。

指導者は「忍耐の鎧(困難を耐え忍ぶこと)」を身にまとった勇者。これが辰巳ジャンプの指導者像です。

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じつは都小蓮が体罰に関する宣誓書を義務付けた1年目、辰巳ジャンプは最後の最後まで宣誓書を提出しませんでした。その理由は、「体罰はダメだ!」と訴えた私の主張を抑えられた経験にありました。数年前、強く体罰禁止の主張をした我がチームの意見は取り上げられず、その後数年間、体罰指導を放置していたのに、今さら宣誓書を出せとは何なのか? 辰巳ジャンプでは体罰などありえない。だから絶対に宣誓書を出す必要はない。これが宣誓書を出さない理由でした。連盟の役員から何度も出すように説得をされ、しぶしぶ提出したのが辰巳ジャンプの歴史です。

だから辰巳ジャンプに体罰指導はありえません。チームの保護者の皆さんも、子供たちも、安心してバレーボールを続けてください。キラキラと笑顔輝く、誰もが応援したくなる子供たちの姿こそ、辰巳ジャンプの目指す小学生バレーボーラー像です。そうなるように指導を工夫していきます。

もうすぐファミリーマートカップ全国大会予選が始まります。一人も脱落することのない「全員バレー」の辰巳ジャンプで予選を勝ち抜きます。そのことが辰巳ジャンプ史上最強チームの証です。さらにご近所のチームの力も引き上げて、一緒に都大会に出ることができたら、それが私たち辰巳ジャンプのメンバーの力にもなると私は思っています。


東京都教育委員会では、体罰防止について下記リンクのような対応策を示しています。学校の管理職は皆、この方針を熟読しています。

体罰根絶に向けた総合的な対策について

全部読むのも大変なので、チーム保護者の皆さんにぜひ読んでいただきたい記事をリンクしておきます。

体罰防止に関する特別講演会の記録(講演者 瀬古利彦氏、小出義雄氏、セルジオ越後氏、山口香氏)

チームに関わる大人全員で学び合い、みんなで協力してこれからも子供たちを輝かせていきましょう。大人の努力に対して、子供たちが『感動』という心の宝物をプレゼントしてくれます。それを楽しみに頑張りましょう。

時代は確実に変わっています。東京オリンピックに向けて動き出した日本です。スポーツ指導(メンタルトレーニング)も科学的・心理学的に効果のある指導を開発していけたら素晴らしい。小学生スポーツの指導が世界一レベルになっていくように、今から取り組んでいかないと間に合わない。辰巳ジャンプは世界の人たちの模範となれるようなチームを目指していきたいですね。
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初夢=原点に帰れということか?

初夢をみた。
夢はいつも不思議な内容が多いが、今年は私が初任者教員時代に経験した特別支援学校(城南養護学校)のはっきりした夢だった。

今はもう亡くなってしまった教え子、筋ジストロフィーのN君が、元気に学校に来ていた。しかも私が担任していた時より、自分の意思をしっかり語り、科学を勉強してみたいので、事務室にあるはずの特殊な石を借りに連れていって欲しいという。その事務室には、なぜか辰巳小時代にお世話になったIさんが事務主任として対応してくれた。
もしかしたらN君は、病気がなく、元気な身体をもっていたら、科学者になっていたのかもしれない。自分の思うように身体を動かせるということは、なんと貴重なことかとあらためて思う。


また、教員の学年会議の場面もみた。
一人一人の子供たちのことを、全員が熱く語り合い、どう指導していこうか議論を戦わせていた。主な主張は、
「すべての発達段階の子供であっても、子供の本音を引き出し、受け止め、最も適切な教育をしていかないと、この学校の子供たちは活かされない。」
このことを具体的な事例を通して話し合っていた。夢の中なのに、心に炎が燃え上がるような高揚を感じていた。



この初夢はおそらく、今年は「原点に帰れ」という啓示なのではないかと思われる。特別支援教育は教育の原点とも言われる。すべての人に優しい教育、深い配慮のある授業、施設や教材の整備をしていくことがユニバーサルデザイン。理想的な教育である。

また、自分の初任者教員時代のことを初夢でみるということも、「原点に帰れ」「原点が大事だ」と、なにかが指し示したものと感じられる。


辰巳ジャンプとしても大勝負の年だし、自分の仕事上でも大きくステップアップしなくてはならない年である。このタイミングで意味深い初夢がおりてきたものだ。
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教育学者・森信三の言葉

実は今、愛知県半田市では「ごんぎつね」や「手袋を買いに」で著名な、新美南吉の生誕100周年の記念行事が行われています。この記事を目にした子は、これをきっかけにして、この夏休み中に新美南吉の本を1冊読みましょう。きっと一生の記憶に残るはずです。私が日帰り弾丸ツアーで半田市に行った時の写真集がありますからクリックしてみてください。
「ごんぎつね」の故郷



さて、半田市にある新美南吉記念館の一室には「森信三」氏を紹介するスペースもあるのです。森信三氏は1896年(明治29年)9月23日 から 1992年(平成4年)11月21日)を生きた有名な哲学者であり教育者です。この方が「教育実践の再建三原則」として残した言葉があります。

「場を浄める」
「時を守る」
「礼を正す」
これ現実界における再建の三大原理にして、いかなる時・処にも当てはまるべし。



辰巳ジャンプもこの三原則を徹底していきます。

「場を浄める」
このことは昨日の記事に書きましたが、大切なことなので再掲載します。

【辰巳ジャンプトイレの伝統】
(1)辰巳ジャンプのメンバーは、子供も大人も体育館を使わせてもらうことに感謝し、体育館のトイレを使う前よりもきれいにして帰ることとする。
(2)強いチームや選手はトイレを必ずきれいに使うことを知っておくこと。
(3)「トイレの神様」という話があるが、辰巳ジャンプのメンバーはトイレをきれいにすることで、自分自身の心をピカピカ、キラキラ輝くものにすること。
(4)トイレをきれいにすることは、辰巳ジャンプが心がけている「3%成功法則」にピタリと当てはまる行動となる。(世の中で成功する人は全体の3%である。どんなことでもいいから、3%以内の人しかやっていない良いことに挑戦すること。良い習慣を身につけること。)
(5)このことはトイレだけに限らず、すべてに当てはまる。体育館もきれいにするし、自分の持ち物もきれいにする。家に帰ってもこのことは同じ。親に言われなくても「場を清める」こと。


「時を守る」
当然、練習開始時刻に遅れないようにします。練習中はキャプテンを中心に、時間を考えながら行動します。練習時間が少ないチームなので、1分1秒を大切にして、他チームの3倍濃い内容の練習をするつもりで努力します。さらに次のことを重要視しているのが辰巳ジャンプです。
森信三氏は、その著書の中で「人に見られていないところで、いかに真面目に努力できるかで、その人の価値が決まる」と主張しています。これは日頃から辰巳ジャンプで徹底してきた考え方です。練習時間ではないところで「時」を見つけて、バレーボールがうまくなるように人知れず努力をする。こういう姿の中に「自律の心」=「自分に厳しくできる心」を育んでいきたいと思っています。

「礼を正す」
辰巳ジャンプはあらゆる場面で礼を正していきたいです。先日、このような話を子供たちにしました。
「挨拶をしたり、礼儀正しくしたりすることをいつも教えている。ところが昨日、君たちが練習を終えて校庭から校外へ出ていく時に、校庭で練習をしているテニスの大人たちに何も挨拶できなかった。これは大きな間違いである。君たちは練習の合間で通路で休んでいる方々の前を、何も言わずに通っていった。そんなことをしてはいけない。人の前を通るときは、『前を失礼します』と言いながら、頭を下げて通らなくてはいけない。後ろを通る時にも同じだ。『後ろを通していただきます』と伝えて通るべきだ。練習の合間だから『お疲れ様です』と一言あってもよい。いつも人のことを考えて、挨拶をすることができる人間に成長していくのが辰巳ジャンプの子供だ。」



辰巳ジャンプの子供たちは、この3つとも素直に真面目に取り組んでいます。
そうそう、森信三氏は「真面目」ということについても論述しています。真面目とは「真の面目(めんぼく)」という意味を持たせたいという考え方です。なるほどそういう考え方は力になると私も思いました。何事も真面目に取り組める背筋の通った生き方ができる子は、「真の面目」が立っていることになります。

「面目」とは「世間や周囲に対する体面・立場・名誉。」「世間からの評価。」「おおもとになるもの。おきて。」という意味があります。真に世間からの評価を受けるような行動をしているかどうか。自分の行動が周りの人たちを勇気づけているのか。そういう人間として高みの中に、辰巳ジャンプの子供たちを進ませたいと考えています。

森信三一日一語
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修身教授録 (致知選書)
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指導力の95%はモチベーションをあげることに費やす

私の勤務する学校では、教員を目指している学生や非常勤講師をたくさん雇用しています。この若きメンバーが力を発揮できるようにコーディネートするのも私の大きな役目です。その中の一人が、教員採用試験突破に向けて熱心に質問をしてくれます。今日も「子供たちが見通しを持つことということはどういうことなのでしょうか?」という質問をしてくれました。大変大事なことなので、ここに書き残しておきます。

見通しを持つことは、子供だけでなく大人にとっても大事なことです。きっとだれもが見通しを持ちながら活動をしているはずなのです。いくつか例をあげましょう。

(1)辰巳ジャンプの練習
我がチームの練習の中のミーティングは他チームとちょっと変わっています。多くの小学生チームのミーティングは、練習や試合は終わった後にすることが多いのではないでしょうか。辰巳ジャンプの場合はその逆で、練習を始める前のミーティングに力を注いでいます。今日の練習ではこんなことを達成するためにやるという“見通し”をもたせます。そのために、練習前のミーティングが時には1時間もかかることがあります。いろんなことを考えさせ、モチベーションが最高にあがるように語りかけ、脳が活性化されたところで練習に入る。スタートからその日の目標と見通しを持っている子どもたちは、やらされている練習ではなく、自発的に求めて練習をする。この自ら考え行動する姿を理想の姿として子供たちを鍛えています。

(2)授業の中でも見通しを
日常の授業の中でも、次のような見通しを持たせることが大事だと感じています。

①「短期的見通し」
 この1時間の授業でどのような力をつけるのか、何ができたらねらいを達成するのか、こうした見通しをもたせた上で授業をするのと、漠然と授業に入るのでは大きな違いが出ます。

②「中期的見通し」
 この3ヶ月間で、どのような成長をしていくのか。あの行事(運動会、宿泊行事、学芸会等々)までにどんな姿になっているのか。中期的な見通し、中期的な目標をもって活動することも大事です。

③「長期的見通し」
 この1年間で、どんな自分になるのか。学級は?学年は?1年間という長いスパンでどこまで実力をつけていくのか、教師だけでなく子供達自身が見通しをもちながら進んでいれば、行動はぶれることなく良い方向に向かっていきます。国語や算数では、この1年間努力していくことで、こんな力がつくんだよといった解説を子どもたちにでき、腑に落とせるような指導力をもちたいですね。

(3)やる気がない子は、見通しをもつことがない
指導者がいくら見通しを持たせようとしても、子どもたちにやる気がなければ意味がありません。「この学習をすれば、こんなに素晴らしい未来の自分になれるんだ」という見通しを持ち続けられるように、導入時点でのモチベーションアップに全力を尽くすことです。練習スタート時や授業開始時に、子供たちが高いモチベーションを持てたならば、あとは子供たちが自らの力でどんどん学び合い、高め合っていくことでしょう


若手との雑談の中で語った内容なので、あまりまとまった文章を書けませんでした。モチベーションアップのことについては、また新しく記事を起こして書いていこうと思います。


このブログについて、ブログランキングを上位にあげることを再び目標にしました。
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辰巳ジャンプ新たなチャレンジ「ありがとうの手紙」

全日本小学生バレーボール全国大会が毎年8月に開催されます。この大会のスポンサーになってくださっているのがファミリーマートさん。ですからこの大会は「ファミリーマートカップ」とも言われています。これはファミリーマートさんのCSR活動(企業の社会的責任 corporate social responsibility)として取り組んでいただいている活動です。
ファミリーマートこどもバレーボール

小学生バレーボールを支えてくださっているファミリーマートさんは、他にもCSR活動に取り組んでいます。その中で、私たち小学生バレーボールチームが全国的に取り組んだ方が良いと思える素晴らしい取り組みがありますので、このブログで大きく紹介し、賛同してくださるチームの方々に一緒に取り組んでほしいと思います。

では、それが何なのか。これです。クリックして開いてください。

ありがとうの手紙コンテスト

小学生バレーボールの全国大会テーマは「ありがとう」です。ファミリーマートさんが世の中に投げかけようとしていることとマッチしています。であるならば、小学生バレーボールチームはこのコンテストに参加するべきなのではないでしょうか?

今年、辰巳ジャンプは子どもたちへの教育活動のひとつとして、このコンテストに全員の作品を応募することにします。子供たちに、バレーボールを楽しくできるのはたくさんの人たちからの支援を受けているからなのだということを、一歩深く感じてほしいと思います。手紙を書くコンテストに出す作品になりますので、もちろん私がコンテストの意味や手紙の書き方などを指導してから取り組むことになります。時間を使ってマインドマップを教え、子供たちの発想力を耕す時間も作ります。

この「ありがとうの手紙コンテスト」は今年で5年目を迎えますが、学校単位での参加が多いようです。昨年度のコンテストから、学校に限らず、様々な団体からの応募も受け付けてくださるようになったようです。ならば、多くの支援をいただいている小学生バレーボールチームの中から、たくさんのチームがこのコンテストに応募してほしいと感じます。今年、辰巳ジャンプが先陣を切って参加していきます。そして、子供たちの心の中に、「ありがとう」の心をしっかり育んでいきます。チームの保護者の皆さん、ご協力をお願いします。
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「楽しい」ということの意味

私の上司である校長先生が、今日の月曜朝会の話で素晴らしい話題を提供してくださいました。これは小学生スポーツにも通じるものなので、記憶に残しておくためにブログ記事に起こしておきます。

「楽しい」という言葉の意味は何でしょうか? 大辞林によると次の3つが書いてあります。

(1)心が満ち足りて、うきうきするような明るく愉快な気分である。

(2)食物などが十分にあって快い。

(3)富んでいる。豊かである。

これを辰巳ジャンプ流に意味変換して、我がチームの練習はこうあるべきという指針にしてみようと思います。




辰巳ジャンプの楽しい練習とは?・・・・・

(1)心が満ち足りるとは?
バレーボールをすることが楽しくて楽しくて、コートに立っているだけでも十分に満足感を得られる。チームの仲間と心を合わせて練習していくことで、自分一人だけでは満たすことができない心の器をたっぷり満たすことができる。これまでできなかった色々な技が練習をすることによってできるようになり、自信も深め、もっとレベルの高いプレーをしたいと思うようになる。どこまでも伸びていこうとする心こそが満ち足りた状態です。

(2)うきうきするような
辰巳ジャンプでは、キラキラ輝ける未来の自分の姿をイメージすることを、大きな課題として子どもたちに与えています。今は大したことができない自分であっても、明日にはできるかもしれない。明日にできなくても1ヶ月後、半年後、1年後には想像以上のレベルでバレーボールをすることができている。そんな輝ける未来の自分をできるだけはっきり見ることができるように、「マインドマップ」と「アファメーション」という手法をリンクして使い、指導をしています。

(3)明るく愉快な気分
バレーボールの活動の中で、もっとも明るく愉快な気分になれる瞬間は、みんなで力を合わせてチームの大きな目標を勝ち取った瞬間にあるでしょう。この愉快な気分を子供達だけでなく、応援する全ての方々と共有していきます。また、小さな次元ではありますが、日々の練習の中にも、この明るく愉快な気分になれるように創意工夫をしているつもりです。そのひとつが「バボゲット」と言っている、サーブのシール制度です。試合の時に自分のサーブで3点連続得点できたら、バボちゃんシールを1枚もらえることになっています。「バボゲット」した子は、大人が想像している以上に、明るく愉快な気分を味わっています。

(4)富んでいる。豊かである。
子供たちの最高の笑顔。これを求めて辰巳ジャンプの活動をしています。指導陣や保護者会からの温かい愛情を栄養にして受けながら育まれた辰巳ジャンプの子供たちの笑顔や振る舞いが、チームの枠を超えて、体育館にいるすべてのチームの応援団を魅了するようになることをチーム目標として進んできました。これはチーム目標であって、現実にはまだまだ自分のチームも魅了できていない状態ですが、来年には必ずこのようなチームになります。すると「辰巳ジャンプでバレーボールをやりたい!」という子どもたちが続々と現れる流れになります。各学年に1チームできるくらいに部員数が増えるでしょうし、入部した子供たちがさらに新しい部員を増やしてくれることでしょう。

(5)ノーリミット
私がマインドマップを学んだイギリスのマインドマップ発明者であるトニー・ブザン氏は言いました。
「ノーリミット!」
私たちの脳の可能性は無限大=ノーリミットです。制限は全くありません。年齢も関係ありません。関係があるのはたくさんの知識を持っているかどうかです。そして新しいものを生み出そうとする意欲です。新たなる創造とは、既存の知識を新しく組み直していったところに生まれます。まったくの無からは何も生まれることはありません。どれだけ多くの知識を持っているかどうかが創造力につながります。辰巳ジャンプでは大人のビジネスセミナーで紹介してもいいようなレベルの高い知識を子どもたちに与えます。バレーボールにチャレンジするためのモチベーションを与えます。限界を感じない脳科学の世界の応用。これを「ホールブレイン・バレーボール(全脳思考バレーボール)」と名づけて研究を続けています。
辰巳ジャンプの子どもたちは「ノーリミット」な子どもたちに育ちます。


このように「楽しい」という言葉一つとっても、非常に深い意味があります。このブログに書いた内容のように、週末の練習で最高に楽しいバレーボール指導をできるように努力していきます。
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運動部指導のガイドライン(文科省が公表)

5月27日に文科省より「運動部指導のガイドライン」が打ち出されました。この影響力は、単に学校の運動部活動の範囲に限らず、私たち小学生スポーツ指導者も同様の見方をされると思っていた方が良いでしょう。なぜなら、このガイドラインには学校の教員だけでなく、教員免許を持っていない外部指導員(コーチ)に対しても指針として打ち出されているからです。私たち小学生バレーボール指導者は、社会体育・社会教育または、スポーツ少年団指導員といった立場で活動していますが、その立場は中学高校の外部指導員以上に影響力を持つものです。心の抵抗力の少ない大切な小学生時代にマイナスな指導を体験させるのは避けたいところです。そのため、当ブログで文科省のガイドラインの中で、必ず読んでおいたほうが良い箇所を紹介しておきます。本記事を目にした指導者の方は、「そんなこときれい事だよ」「うちにはうちのやり方がある」と思う方も中にはいるかもしれませんが、そのような心の壁をいったん取り外して、冷静な感覚で、文科省の打ち出しを熟考し、明日からの指導に役立てていただければ幸いです。

まずは文科省のガイドラインへのリンクです。

運動部活動の在り方に関する調査研究報告書 ~一人一人の生徒が輝く運動部活動を目指して~

全部で19ページもあるので、読むのが大変。そこで私が必要な部分を抜き出して紹介していきます。

スポーツの指導において体罰を行うことは、このようなスポーツの価値を否定し、フェアプレーの精神、ルールを遵守することを前提として行われるスポーツと相いれないものであり、スポーツのあらゆる場から根絶されなければなりません。現にトップアスリートとして活躍する者の中で、指導において体罰を受けた経験がないと述べる者がいるように、優れた指導者、適切な指導を行える指導者は、体罰を行うことなく技能や記録の向上で実績をあげており、スポーツの指導において体罰は不必要です。」

日本が現状よりも競技力を向上させるためには、体罰指導よりも「科学的指導」を重視することが大切だと私自身は思っています。子供の指導は学べば学ぶほど様々な気づきが指導者にも子供たちにも生まれ、その気づきが成功体験や充実感、楽しさに結びつきます。人間の脳は楽しいことを最も好みますから、気づくことの楽しさをたくさん経験できた子供は自ら努力し、向上していくようになります。これがひとつの「生きる力」だと思います。


【通常のスポーツ指導による肉体的、精神的負荷として考えられるものの例】
計画にのっとり、生徒へ説明し、理解させた上で、生徒の技能や体力の程度等を考慮した科学的、合理的な内容、方法により、下記のような肉体的、精神的負荷を伴う指導を行うことは運動部活動での指導において想定されるものと考えられます。
(生徒の健康管理、安全確保に留意し、例えば、生徒が疲労している状況で練習を継続したり、準備ができていない状況で故意にボールをぶつけたりするようなこと、体の関係部位を痛めているのに無理に行わせること等は当然避けるべきです。)
(例)
・バレーボールで、レシーブの技能向上の一方法であることを理解させた上で、様々な角度から反復してボールを投げてレシーブをさせる。



最近、監督間の話題に「ワンマンレシーブ練習は体罰なんだって。だからワンマンはもうできなくなるよ。」ということがあがっていましたが、それは間違いです。計画的な指導の中で効果がある練習で、さらに指導を受ける子供がその練習の意味を理解しているのであれば、ワンマンレシーブ練習はまったく体罰には値しません。では何が体罰なのか?それは指導者の思い通りに子供が動いてくれないイライラをぶつけたり、誰が見ても暴力的な行為として球出しをしていたらそうなります。学校の教員だと「戒告処分」が下ります。ひどい行為の場合は「停職」や「減給」になります。1ヶ月以上の障害を負わせた場合は「懲戒免職」になる可能性もあります。


ここからが具体的な体罰・問題指導の例となります。

【体罰等の許されない指導と考えられるものの例】
運動部活動での指導において、学校教育法、運動部活動を巡る判例、社会通念等から、指導者による下記の①から⑥のような発言や行為は体罰等として許されないものと考えられます。
また、これらの発言や行為について、指導者と生徒との間での信頼関係があれば許されるとの認識は誤りです。指導者は、具体的な許されない発言や行為についての共通認識をもつことが必要です。

①殴る、蹴る等。

②社会通念、医・科学に基づいた健康管理、安全確保の点から認め難い又は限度を超えたような肉体的、精神的負荷を課す。
(例)
・長時間にわたっての無意味な正座・直立等特定の姿勢の保持や反復行為をさせる。
・熱中症の発症が予見され得る状況下で水を飲ませずに長時間ランニングをさせる。
・相手の生徒が受け身をできないように投げたり、まいったと意思表示しているにも関わらず攻撃を続ける。
・防具で守られていない身体の特定の部位を打突することを繰り返す。

③パワーハラスメントと判断される言葉や態度による脅し、威圧・威嚇的発言や行為、嫌がらせ等を行う。

④セクシャルハラスメントと判断される発言や行為を行う。

⑤身体や容姿に係ること、人格否定的(人格等を侮辱したり否定したりするような)な発言を行う。

⑥特定の生徒に対して独善的に執拗かつ過度に肉体的、精神的負荷を与える。

上記には該当しなくとも、社会通念等から、指導に当たって身体接触を行う場合、必要性、適切さに留意することが必要です。
なお、運動部活動内の先輩、後輩等の生徒間でも同様の行為が行われないように注意を払うことが必要です。



このように文科省から公式に発表された文書を指導者は安易に考えてはなりません。この文書はかなり大きな影響力を持ちます。なぜなら、日本中の校長、副校長クラスは一斉にこの文書に目を通し、自分の学校内(開放施設を使っている外部団体も含んで)で体罰指導が行われていないだろうなと監視の目を光らせるようになるからです。今の指導がチーム内で納得されていても、その競技とまったく関係のない第三者から指摘を受ける可能性を想定しておくべきです。要するに、いつ誰が見ていても、「このチームの練習は素晴らしい!勉強になる!」と言われるような指導方法に近づいていく努力をしていくことが大事なのではないでしょうか。

できるかどうかは別として、辰巳ジャンプの指導はそのような道を目指していくつもりです。今日も新しいメンバーが練習試合に出てくれましたが、最高に楽しそうに試合をしてくれました。サーブで3点取れたら「バボちゃんシール」をもらえる「バボゲットシステム」にワクワクしながら、また、3点目を取る時のサーブにドキドキしながら試合をしていました。自分の努力でシールをゲットした時の喜ぶ笑顔といったら本当に子供らしいですね。
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体罰は無能指導者の証明

5月23日、東京都教育委員会は「都内公立学校における体罰の実態把握について(最終報告)」という報道発表をしました。

ある校長先生の言葉によると、これは東京都教育委員会の決意の表れだということです。この発表によって、各地域の教育委員会も、多くの学校も1校ももれなく対応に追われ、また、世間の教育に対する不信感を増長するのではないかという批判もありながらも、あえて公表するということは、体罰を含む教員の不祥事に対して、本気で根絶しよう。革命的な意識変革をしていこう。そういう決意の表れだと捉えられるというご意見でした。

私自身は、小学生バレーボールチームのホームページが活発に立ち上がりはじめた2000年頃から一貫して、「体罰をする指導者は、自ら自分は無能だと宣伝しているようなものだ」と主張してきました。2001年10月10日には次ようなことを書きました。

***************

『体罰はなぜいけないのか』(2001年10月10日)

なぜ今、このようなことを書くのか。それはアメリカの軍事行動が始まったからです。今からその共通点を私なりに明らかにします。

「同時多発テロ事件」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。
「報復攻撃」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。
「教育上の体罰」
暴力によって何かを分からせてやろうという思想から行動している。

みんな根っこは同じ。土の上に出てくる幹が太いか細いかのちがい。たった1度でも体罰で解決することを味わった子どもは、その子が指導者や親になって、せっぱ詰まった時に「体罰」で解決することを思い出すのです。何人もの親がそのことを証明してくれました。「私も子どもの時にそうだった」と言って・・・・・。
この思想を根絶やしにすること以外に平和はないと確信しています。

体罰をする指導者を見たとき、その指導者のことを私は大笑いしているのです。
「ハハハハハ! あの人は自分のことを『私は指導力がありません』と宣伝しているようなものなのだ。」

『体罰をする人間は、実力がない人間。』これが私の信念です。

指導者は「忍耐の鎧(困難を耐え忍ぶこと)」を身にまとった勇者。これが辰巳ジャンプの指導者像です。

****************

この考えは今でもまったく変わっていません。「体罰をする者は自分の無能を周囲に宣伝しているようなものである」この言葉を辰巳ジャンプは合い言葉にしていきます。と、かっこよいことをいっても、私自身、多少の威嚇的な指導をしていないとは言えず、そのたびに反省をしています。


ところで、体罰はなぜ起こるのでしょう?それはたぶん次のような仕組みがあります。

(1)指導者は自分の理想とする高いチーム像や選手像を持っている。

(2)子どもたちの現実と指導者の理想像には大きな隔たりがある。

(3)指導者は自分のイメージに近づけようとする。しかし子どもたちは指導者の思うようにはなかなかプレーできない。

(4)この成功イメージと現状の力量のずれが、指導者の大きなストレスとなる。要するに、自分の思い通りにならないストレスを感じるわけである。

(5)ストレスがたまると人はイライラする。

(6)このイライラを解消するために、怒鳴ったり、怒ったり、体罰するといった発散の仕方で行動化される。

(7)体罰指導や威嚇指導で育てられた子は、指導者の顔色を気にするようになり、自ら成長しようとする意欲が低下する。



私に指導力があるなんてことは思っていませんし、他チームのことを指摘するつもりもまったくありませんが、体罰や威嚇をしないで圧倒的に子どもたちを伸ばす小学生バレーボール指導方法を、多くのチームの指導者の皆さんと一緒に開発していければいいなぁと思います。

【参考文献】
叱らず、問いかける--子どもをぐんぐん伸ばす対話力 (ファミリー新書)
クリエーター情報なし
廣済堂出版


サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法 (edu book)
クリエーター情報なし
小学館


サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10(DVD付)
クリエーター情報なし
カンゼン


サッカーで子どもがみるみる変わる7つの目標 (edu book)
クリエーター情報なし
小学館


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これからの指導は、「時を感じ、機に応じる」ことが必要である

小学生バレーボールだけでなく、他のスポーツも含めて、いろいろな指導者が書いているブログを読ませてもらうと、子どもたちが今までと違うと悩んでいるケースがよく見受けられる。これを学校教育の立場から考えてみようと思った。

子供の教育とはその年によって全然違うのである。最近よくベテランの教師が行き詰まることが多いが、それは過去の自分の実績にとらわれているからである。過去は過去である。その時代には通用した指導方法があったであろう。しかし時代は日々動いている。新しい時代を、その時代自身が生み出している。過去の業績は改変していかないと通用しない。

私の持論に「授業はライブだ!」という考え方がある。1回1回の授業は“生もの”であり、その教室にいる教師を含めた全員が、まるでライブ会場にいるかのように主体的に授業を展開してこそ効果的なものになるという考え方である。スポーツ指導もまた同じである。時代もメンバーも毎年ちがう。過去と比べるような思考を指導者がした瞬間にチームの停滞が始まる。新しい時代には新しい指導方法が必要なのである。指導方法の更新に次ぐ更新を繰り返せるエネルギーを持っているかどうかが指導者の必要条件なのではないだろうか。


今回の記事の題名を「時を感じ機に応じる」と書いた。

「時を感じる」とは、今現在の時代風潮を感じることである。政治・経済・教育・医療・芸能・芸術等々、今はどんな時代なのかを感じることが指導者に求められる。また、時とはチームの状況を表す時でもある。チームとして今は鍛錬期なのか、試合期なのかで指導が変わる。長い目で見て、今はどんな時なのかをいつも模索している必要がある。さらに「機に応じる」ということが非常に大事である。

その昔、釈迦が仏教を開いた時代、スタート時に民衆相手に重要な悟りを語ったところ、難しすぎて誰も理解できなかった。民衆の機が熟していなかったのである。そこで非常に易しい方便(ウソやたとえ話)から指導を始め、民衆の機が徐々に高まるように指導をし続けた。そして、40年間以上も本当のことを教えず、ねばり強く弟子や民衆の知識(機)を育み続けた。最後の最後に民衆の機が熟したことに応じて、「今ならば本当のことを理解できるだろう」と、心に秘めていた本質を指導した。これが機に応じる指導です。

目の前の子どもたちのレベルに合わせて、最も適切な指導を入れていくことしか、私たち指導者にはできないのだと思います。もちろん「最高レベルの目標=ゴールイメージ」を決してあきらめないことが大事だとも思います。


時代は日々動いています。私たち指導者は過去の栄光を喜んで捨て(喜捨)、常に自己革命をしていくことで、その時代に合ったチーム運営をしていくことができるのではないでしょうか。
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教え子からの便り

前任校で最後に担任をした子供たちから贈り物が届きました。お手製のコースターです。作ってくれたのは3人の男子児童。私が思いを込めて育てた3人からの心こもった贈り物に、年度始めの副校長としての激務の中、ホッとする一時をプレゼントしてもらえました。3人とも、自分の夢に向かって進むんだということをメッセージにも書いていました。私は全面的に応援していきたいと思います。卒業生こそ、私の教員人生の宝です。

昨日は、大田区の小学校に勤務してきた頃、2年生の担任をしていた時に教えた子からメールが来まして、このたび大学を卒業し、都内の名門小学校に教師として着任したとの報告がありました。その学校の校長先生は、私が江東区時代にお世話になり、心から尊敬している方です。不思議な縁に驚きました。さっそく返信のメールを出し、「私はあの生意気な井上先生の教え子です。」と自己紹介してみたら、きっと喜んでもらえるよと応援しておきました。(応援になっていないかな・・・笑)

この4月、この他にもいろいろな再会ドラマが私の周囲に起こっています。すべて素晴らしい瑞相(ずいそう)なのだととらえています。もっともっと素晴らしい何かが起こる前ぶれです。それが辰巳ジャンプに起こるように願っています。
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ツメ跡を刻む教育実践

私、新人教師であった25年前から肝に銘じてきたことがあります。それは、勤務した学校に自分のツメ跡を刻んで次の学校に異動するということです。ツメ跡とは、自分の実績のことです。それが長い間、その学校の行く末を決めていれば、私の実践は正しかったと思えるわけです。

大学を卒業したばかりの初任校では、右も左も分からず猪突猛進していました。しかし、その時に実践した取り組みを論文にまとめ、ある懸賞論文に応募したところ、「新人奨励賞」を受賞することになり、ひとつの結果を残すことができました。

次に赴任した小学校では、自分がプレー経験したこともないバレーボールを指導することになりました。未経験の私はいろんな方々に迷惑をかけながら監督業をさせていただきました。スタートの5年間は指導者として未熟すぎました。その間に指導した子どもたちには、私の未熟さ故に嫌な思いをさせてしまうことばかりで、申し訳ない思いしかありません。6年目に初めて都大会出場を果たすことができました。この都大会出場を節目に監督を退かせていただいたわけですが、これを引き継いでくださった歴代監督の皆さんのおかげで、このチームは今でも存続しています。

3校目に赴任した学校での実践は、今でもその学校の流れとして残っています。辰巳ジャンプを創ったのもここです。
・ホームページで全国ベスト8。その他数多くのコンクール入賞(読売新聞や文化放送でも紹介される)
・鮭の放流活動を通した全国交流
・幼少交流を定着させる。
・障害者更生施設との交流実現
・なわとび活動の提案、定着
・スクールキャラクター作成
そのほか、現在の学校でも取り組んでくだささっている私の遺産がたくさんあります。

次の学校では、
・誰でも簡単に更新できるホームページシステムの構築
・全教育活動の年間指導計画が実態に合うように作成
・マインドマップ活用教育を日本全国に紹介(NHKでも紹介される)
・電子黒板を始めとするICT機器活用授業を数々推進
・プラス思考の学校経営実践
・ユニバーサルデザイン授業の定着化


今まで勤務した学校すべてに、何らかのツメ跡を残してきました。そのすべてが今でもその学校で生きていることが心から嬉しいことです。

では、今勤務している学校には、私は何を残していけるでしょうか?
必ずツメ跡を残すために、強い教育実践を続けていこうと思っています。
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「夢の教室」・・・もっともっと広げよう!

トップアスリートが講師を務める「夢の教室」という取り組みがある。日本サッカー協会が組織した取り組みである。今日、私の勤務する学校でその授業が行われた。学校としてこれで3回目の「夢の教室」となる。

リンク「JFAこころのプロジェクト・ユメセン」

実はこの取り組みへの参加依頼は、2008年に個人的に受けている。なでしこジャパンの初代キャプテンである野田さんと食事を共にする機会があり、その際、「井上先生こそ、この夢の教室を活用してほしい」と切望されたことがある。それ以来、いつも心の片隅にあった授業であった。

今日、来てくださったのは、元ヴェルディの林健太郎さん。私は自分の仕事があったため、残念ながらどんな話をしてくださったのか立ち会うことはできなかったが、ボランティアで来ている大学生をサポート役として教室に派遣しておき、終了後感想を聞いてみると、「夢曲線」を使った林選手の挫折と成功の話に、子どもたちは実に真剣に聞き入っていたらしい。よろしいのではないでしょうか。トップアスリートの示す「人生モデル」は、子どもたちの生き方に確かに強い節目を刻むのだと感じます。

「こころのプロジェクトサイト」を見ると、この授業の実施回数が約2900回となっています。もっともっと回数を増やして、小学生の子どもたちにはっきりした夢を持たせてくれることを期待しています。体罰問題でマイナスなイメージにある日本スポーツ界ですが、プラス展開していくためにも、JFAだけでなく、できればJOCをあげて、子どもたちの「キャリア教育」に取り組んでほしいと感じます。ほとんどの指導者、選手は、体罰と無関係な世界で努力しているのですから。
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