東京都教職員のストレス調査が実施されます

東京都教育委員会サイトによると、来年度の定期健康診断の内容に、問診票による「ストレス調査」が盛り込まれました。



(以下、東京都教育委員会サイトの引用です)

 東京都教育委員会は、全国に先駆けて、平成23年度から都内公立学校全教職員を対象にストレス検査を定期健康診断の項目に追加して実施しますので、お知らせします。
 ストレス検査の実施は、本人にこころの病に対する自覚を促し、精神科への手遅れ受診を防ぐために行うもので、「早期自覚」「早期対処」を基本とするメンタルヘルス対策のひとつです。
 今後、東京都教育委員会では、「東京都立学校職員健康管理規則」の改正等を行います。

1 ストレス検査の概要(別紙のとおり)
 1.ストレス問診票は、精神科医などの専門家を交えて東京都が独自に作成
 2.ストレス検査の結果は、本人に通知し、学校長等へは傾向分析を通知

2 対象者
 東京都公立学校教職員 約6万人

3 実施時期
 平成23年4月から定期健康診断で実施

ストレス検査の概要

東京都公立学校教職員休職者の現状

(引用ここまで)


この健康診断が実施させる背景には、東京都教職員のメンタルヘルスに大きな課題があるからです。同サイトに添付された資料には、教職員の精神疾患の数をグラフにしたものがあり、最近6年間の推移が分かります。それによると、平成16年度に精神疾患で休職した教職員は277名だったのに対して、平成21年度には532名と約2倍に増えています。このまま何の対策も講じていかないと、この数は3倍4倍になりかねないでしょう。そういう意味では、東京都教育委員会も努力をしてくれているのです。

メンタルヘルスは、早めの対処が本当に大事だと私も思います。お一人の教職員が休職することだけで、その方の人生にもマイナスですし、職場的にも大きな負担を強いられます。東京都には6万人もの公立学校教職員がいるわけですが、1%の人数でも600人。私的には休職者が0.2%の120名程度に抑えられるように、何とかできないかと思うのです。

これには、今回情報アップした「ストレス検査」だけでは改善できるはずもありません。
三楽病院の調査によると、教師の職場内ストレス要因の中で、ウェートの重いものは、以下の通りです。

1位 児童・生徒指導上の問題
2位 保護者対応上の問題
3位 同僚・管理職との人間関係

すべて学校現場の意識を改善していく必要がありそうです。教師が指導方法について日常的に学び合い、仲良く団結している雰囲気があれば、悩んでいる先生のことも早めに応援していくことができる。東京都教育委員会は、いち早く「主幹教諭」や「主任教諭」という制度を作ったわけですから、この立場の教員がリーダーシップを発揮して、笑顔あふれる職場作りをし、学校をあげて仲良く進んでいけるような環境を作る必要があります。

また、これからの時代、学校だけでなく、社会的にも「うつの時代」に入っているということが言われており、自殺者の数は年間3万人を超え、日本は世界第6位の自殺率という異常な時代を迎えています。学校における教職員のメンタルへルスだけではなく、児童・生徒、または保護者のメンタルヘルスまで視野に入れて、この問題解決に立ち向かっていく必要もありましょう。


年末に暗い話題となってしまいましたが、教職員のメンタルヘルスに関して動きを起こしてくれている東京都教育委員会の担当者の方に敬意を表し、今後も大事になってくるだろうこの課題解決に対して、より一層の力添えをお願いしたいと思い、記事にしてみました。

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「同一パターンのグレードアップ」をさせる練習

国語の研究をしている私の勤務校。そのキーワードとなっているのが「同一パターンのグレードアップ」です。

では、「同一パターンのグレードアップ」とは何なのでしょうか?

研究の中では全学級の指導法を「音読」「学習シートブックへの書き込み」「話し合い」「主人公日記」「ふりかえり」というパターンを統一して指導。年間配置された文学教材3単元でくり返し同じ指導を続けることで、子どもたちの読解力や文章力が一歩ずつレベルアップしていくという考え方です。

目新しい考え方ではなく、すべての技能はこうした基本をくり返し練習することで身についていくことは当たり前ですね。



先週から辰巳ジャンプのバレーボール練習もまた、「同一パターン」をくり返して行うことにしています。

基本中の基本である「ワンバウンドをアンダーハンドで打つことによるフォーム作り」から始まり、サーブカットまで徐々にステップアップしていく練習。さらに3分間隔で練習を切り替えていくことで、集中力もつけていくようにしています。1時間で20パターンの練習内容。休みなしで一気に行きますが、リズム良く練習することを意識しているので、精神的には楽なはずです。

要するに、「同一パターンのグレードアップ」という考え方は、国語だけに言えるのではなく、あらゆる課題にあてはまる考え方であることを訴えておきます。




さて、今日の練習には、OGで大学生のシモケイが来てくれました。
「この時季だから、もしかしたら練習しているかなと思って来てみました。」というシモケイの言葉が嬉しかった。部内練習試合でBチームに入ってくれて、レギュラーチームの課題を明らかにしてくれました。

ここに欠点を書くと、江東区の他チームが有利になってしまいますから、良かった点だけ書いておきます。

(1)レシーブ力は確実にあがっている
 大学生シモケイの打ってくるスパイクを、バックのレシーバーがしつこく拾い上げ、得点を許さなかった。最近の練習がそのまま成果として顕れました。

(2)新加入のHさんがチームになじんでいる
 Hさんは12月に入ったばかりの子。それなのに、今や完全にチームの一員になっている。自分の役目をしっかり果たしていることに私は驚いている。この子がAチームに入ったことで、不思議とチームのまとまりができている。

(3)アタッカーが自分の仕事に専念できる
 左右のアタッカーが、スパイクを決めるという本来の仕事に専念できるだけの守備力に、もう少しで到達できそうだ。


シモケイチームと試合をすることで、マイナス要素も浮き彫りになりました。これを2011年、スタートの練習試合で修正していくことになります。

辰巳ジャンプ保護者の皆さん、子どもたちは教育大会で応援し甲斐のある試合をしてくれると思います。
4年生が主体のチームですから、勝ち負けはまだまだ度外視して、応援する大人の心に響くような試合をしていけるように、1月に仕上げていきますので、保護者の皆さんもチームワークの良い応援をして、子どもたちの力となれますようによろしくお願い致します。





ところで、日曜日のマインドマップフェロー養成講座の後で、茨城県の元校長先生・M先生から、このような言葉をいただきました。

「井上先生、どんな立場になっても、バレーボールの指導を決してやめてはいけないよ。先生にとってバレーボールの子どもたちは、これからも大きな力となってくれるから、大変だろうけど指導を続けるべきだよ。」

その通りだと思います。

辰巳ジャンプに集ってくれる子どもたちは、自分から進んで私の指導を受けたいと参加してくれている子どもたちです。なんのしがらみもない。純粋に「井上先生」を求めて来てくれる。そんな子どもたちを指導できる環境を失ってはいけないという、M校長先生からのアドバイスだったのです。

部員が4人も増え、にぎやかになった辰巳ジャンプ。
改めてアファメーションしておきましょうか。

「2011年3月1日。辰巳ジャンプは、男子1チーム、女子2チームができる人数となり、部内で練習試合をすることができるくらいに、にぎやかで楽しいチームになっている。」


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岡本真夜さんのクリスマスコンサート

25日の土曜日の夜。岡本真夜さんのクリスマスコンサートに参加しました。

場所が私の庭と勝手に認識している「天王洲銀河劇場」だったので、これは行くしかないとチケットを取ったわけです。

真夜さんは、MCでいろいろなことを語ってくれました。

デビュー15周年を目の前にした昨年、体調が崩れて、歌手としては致命的な聴覚と喉をやられてしまい、引退も考えたこと。そういえば、私が敬愛するZARDの坂井泉水さんの体調がすごく悪くなったのも15年過ぎてからだった。そういう節目なのでしょうか?

デビュー5年目の頃に、歌手をやめたいと思った時、病気で命を落とした親友が残した、真夜さんの取材記事を集めたスクラップノートを、その方の両親に見せてもらい勇気づけられ、「もう一度頑張ろう!」と復活できたこと。

今年の春に起こったS万博のテーマソング問題もについても、引退を考えている中で起こった出来事で、きっと天国から親友の方が「もっと頑張って!まだまだやれるから!」と励ましてくれている、そのために起こった問題だったんだと前向きにとらえたそうです。

赤裸々な話をご本人から聞けただけでも、行って良かったと思えるコンサートでした。


もちろん歌の方もとっても楽しかったですよ!


「TOMORROW」「そのままの君でいて」「Alone」など聴き慣れた曲ばかり。

面白かったのは、ご本人も「恥ずかしい」と言いながら、会場全員で踊りながら歌った「Help me」

パペポピ神様 助けて下さいな♪
最近 私 失敗ばかり♪
どうして こんなに 続くのだろう・・・♪

簡単なダンスで、会場全員がすぐに覚えてしまいました。


真夜さん自身、この日のコンサートですごく元気が出たみたいです。
関心のある方は、下記ブログをクリックしてご覧下さい。

岡本真夜オフィシャルブログ

この記事は、真夜さんから「ブログにコンサートの様子を書いて、宣伝して下さいね!」という言葉もありましたので、それにお応えして書いてみました。

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第7期マインドマップフェロー養成講座

今日は飯田橋のとある会議室を使って、公認マインドマップフェロー第7期・11名の「養成講座」に参加しました。昨年度、学年担任を組んでいたモジャ先生と私で、教育実践報告を担当したからです。

マインドマップの活動も4年目に入り、教育現場でもかなり使われてきました。今回の養成講座を受けに全国から集まった先生方も、大学の教授をはじめ、それぞれがマインドマップがなくてもその道のスペシャリストばかり。そんな実力のある先生方が、マインドマップに可能性を見出して、3日間たっぷりの研修を受けに来ているわけです。このことだけでも十分にマインドマップのパワーを証明していると言えるでしょう。


さて、今日は16時過ぎくらいから、モジャ先生の話に始まり、6名もの実践報告者が語り継ぎました。終わったのがなんと20時。なんと4時間近くも代わる代わる話をし続けたのです。聞いていらっしゃる研修生の先生方は、それまでにも午前中からワークを続けていて疲れているのに、私たちの話を真剣に聴いてくれました。本当にありがとうございます。また、きっと今ごろ、今日の宿題で出された「ビジョンマインドマップ」に取り組んでいらっしゃることでしょう。人によっては寝られずにかいていることと思います。マインドマップフェローの研修は本当に厳しい研修ですが、やったことはすべて自分のためになりますので、受講生の先生方はフェローに公認されるまで、絶対に挫折せずに頑張って下さい。



このブログ記事は、全国のフェローの皆さんの目に触れると思いますので、その期待に応え、講義記録をしたマインドマップを載せておきました。ポイントだけ書いておきますので、気になるフェローの先生は、コメント欄で質問をして下さい。コメント欄での私とのやりとりが、また新しいアイデアを生むかもしれません。よろしくお願い致します。



ひとつだけ、私の中で大きな気づきがあったので、そのことだけ紹介しておきます。


盲学校での実践事例です。

目が見えない子どもたちを指導している盲学校ですから、マインドマップをかかせることはできません。そこで、担当の先生が生徒との対話を続けながら、生徒が話したことをマインドマップで書き取っていく。すると、不思議なことに、盲の生徒がまるでマインドマップをかいたかのような効果が顕れる。その対話の際に、「それだけ?」「それから?」という投げかけをしてあげるだけで、生徒は言葉を広げていく。すると、指導している教員がマインドマップでメモを取っているために、自然を質問内容も自然と「階層化」していく。言葉を「階層化」することによって、生徒の脳内には対話が「整理」され、強く「記憶」に残っている。つまり、論理的思考力が働き、エピソード記憶として脳内に刻みつけられていくという状況が生まれているのではないか?

目の見えない教員に協力を仰いで、いったい「文字という視覚情報」ではない方法で、言葉をどのようにイメージ化しているのかくわしく聞いてみてほしい。

これをすることによって、目の見えない方々の思考方法が明らかになり、今後の盲教育に大きな影響を与えるのではないか。そんなことを思いました。


あとのくわしい内容は・・・・・秘密!

コメント欄に質問して下さった方に返信する形で明らかにしようと思っています。


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東京スカイツリー 2010-12-24

夕方、学校にいらした保護者の方から、「先生、東京スカイツリーがライトアップされていますよ。きれいだから見て下さい。」と教えていただき、教員4人で校舎の4階にあがりました。目の前に出てきたのは夜空にキラキラ光っているスカイツリー。4人ともいっせいに「うわ~!」「きれ~!」と声をあげていました。

それぞれ持ってきたカメラやケータイで撮影会となりましたが、何しろ夜空なので、きれいに撮るのが難しいこと難しいこと。やっとの思いで撮れたのが、この記事に添付した写真です。(やはり肉眼で見た方が、美しさは断然上です。クオリアが違うのですね。)

12月24日なので、クリスマス用にライトアップしてくれたのですね。忙しかった今年の疲れをちょっと癒してくれた、おしゃれな眺めでした。
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若手教師からの推薦マンガ 「GIANT KILLING」

GIANT KILLING(1) (モーニングKC)
ツジトモ
講談社


職場の若手から、「井上先生!ぜひ読んでほしいマンガがあるんです!」と教えてもらったのが、この「GIANT KILLING(ジャイアント キリング)」です。頼りにしている若手教員が「読め」と言うならば、読まないわけにはいきません。全巻、大人買いして読んでみました。

サッカー監督が主人公のマンガなのですが、学級担任としてもバレーボール監督としても参考になる点がありました。その中から3点、書きとめておきます。

(1)ワクワクするような未来ビジョンを語りかけることによって、目の前の試合に対するモチベーションを高める。

(2)綿密なスカウティングによって試合の相手が何をしてくるのかを先取りし、自チームの選手のやるべきこと(課題)をはっきりさせる。

(3)明確なチームビルディングイメージを持っている。すべての行動がそのイメージから発している。

マンガですから、ちょっとした時間に気軽に読むことができます。スポーツ指導者の皆さんに特にお薦めしたい一書です。
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すごいデビュー! 新人バレーボーラー!

今日の辰巳ジャンプはご近所のチームに来ていただいての練習試合でした。相手チームのご厚意に甘えて、辰巳ABチームを作らせていただき、3チームでの練習試合としました。

今週は、この練習試合に向けて、ひとつの目的を持って色々と考えてきました。12月に入部した4年生をどう使ってあげたら能力を発揮できるかという点です。私、このようにバレーボールを指導しているので、余裕があるように見えてもけっこう忙しい。いろいろなことを考える時間は、ほとんど「通勤電車の中」になります。月・火・水曜日と、電車の中でああでもない、こうでもないと考えをめぐらし、メモしていったのが写真画像のものになります。マインドマップ+ポストイット活用ですね。これはアメリカの元副大統領であったアル・ゴア氏の思考作業といっしょです。

なぜこの入ったばかりの4年生をチームに入れようと思ったのかというと、理由はいくつかありました。

(1)ボールが来る場所を感じ取る能力がある。

(2)集中力が高い。

(3)素直で明るい。

(4)私の話をすぐに理解できる頭の良さがある。

(5)足がものすごく速い。

(6)経験者に遠慮をしない。

要するに、この子は「バレーボールセンスのかたまり」だと感じさせてくれたわけです。

しかし、バレーボールを始めてまだ1か月もたっていない子に難しいことをさせるわけにはいかないので、監督としての楽しくも苦しい悩みがスタートしたのです。そして昨日の朝、電車の中で気づいたことは、「そうだ!そうだ!むかし辰巳男子が都大会に出ていたころやっていたフォーメーションを使えば、すべてがうまくいくぞ!」ということでした。


これを今日の練習試合で試したのです。結果は大満足!
新人は大活躍。「お~!あのボールをカバーリングできたか!」「サーブカットもしっかりできたぞ!」次々とできることが増えていく姿に驚くばかりでした。さらにフォーメーションを変えたことでセッターのポジション取りが簡単になり能力開花。レシーブ力のあるアタッカー二人がどちらか必ずレシーブに入ることができるようになりボールがつながる。そうなるとレシーバーの負担も極端に減り、ミスが少なくなる。すべてが良い方向に動き始めました。

こうなると、これまで入っていた2年生もウカウカしていられなくなるでしょう。今は2年生の方がサーブが入るので、どちらを先発メンバーで使っても良い状態。教育大会までの約1カ月間でレギュラー争いをすることになります。



小学生バレーボールの監督をしていると、2つの楽しみがあります。
ひとつは、ボールを投げたり取ったりすることもできなかった子に地道に指導をして、できることが増え、成長していってくれる楽しみ。もうひとつは、高いセンスを持っている子どもと出会った時の楽しみ。どちらも監督というボランティアをしていないと味わえない醍醐味です。

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小山正見先生の「俳句教室」

12月21日(火)・22日(水)の2日間、江東区教育委員会学校支援課相談員の小山正見(おやままさみ)先生に来ていただき、中学年の俳句教室を行いました。小山先生は元・八名川小学校の校長先生で、校長時代には自ら俳句の授業を行い、「10分間俳句」という考え方を生み出しました。八名川小学校は江東区の森下にあり、この地には松尾芭蕉の業績を展示している「芭蕉記念館」や、「芭蕉稲荷神社」がある俳句の地元なのです。

こうした地元の財産を学校教育に活かすため、江東区教育委員会でも「俳句の地元・江東区」の特色ある教育としての取り組みを推奨しています。その先頭を切っていらっしゃるのが小山先生です。

小山先生と私のお付き合いは、私の前任校時代に小山先生といっしょに「日光移動教室実踏」を仕切ったことから始まりました。平成18年度、6年生の担任をしていた私は、区の移動教室実踏の「世話人」を仰せつかりました。そして全体の「責任者」として一緒に実踏したのが小山先生だったのです。

当時、私は「小学校ホームページの可能性」について、全力をあげて研究していました。時を同じくして、小山先生の八名川小は、ホームページの記者として「PTAボランティア」によるサイト更新に取り組んでいました。江東区内小学校で、ホームページを毎日更新していたのが、小山先生の八名川小学校と、私がサイト管理する辰巳小学校でした。つまりホームページ運営のライバル校だったわけです。私としては、同じ区内に、共に更新の努力をしている学校があるということが励みになって、平成18年度の「全日本小学校ホームページ大賞」の東京都NO1に選んでいただきました。

小山先生とは、こうした「学校広報」としてのホームページのあり方や効果について、行き帰りのバス内で熱く語り合ったことが
思い起こされます。それ以来、私のことを折にふれ気にかけていただき、ご支援下さいました。

小山先生はこの12月に「10分間俳句」という著書を出版されましたので、教育関係者はぜひ一冊手元に置いておくことをお薦めします。学校での指導について私が最も注目したのは、“簡単に指導でき、大きな成果が顕れる”という点です。俳句を作るという活動を通して、言葉に敏感な子どもを育てることができます。言葉に敏感な子どもには、豊かな心が育まれます。豊かな心を持った子どもたちが増えることで、学校はどんどん良くなります。学級経営にも学校経営にも役に立つ“簡単な取り組み”である「俳句指導」は、きっと江東区の大きな財産になるはずです。

どの子もできる10分間俳句
小山 正見
学事出版



さて、

今回の俳句教室は、各学級ごとに「句会」を行いました。

(1)事前準備
小山先生の授業を受けるにあたり、事前に児童全員が俳句を作っておき、その作品一覧を担任が作りました。
一覧にまとめた俳句には、児童の名前は書いていない状態です。だれがどの俳句を作ったのか、まったく分からない状況で授業が始まります。

(2)俳句の観賞・選句
「良いと思う俳句を5つ選びなさい。」という小山先生の指示に従って、子どもたちは一生懸命に俳句を選びました。
「後で良いと思う理由を聞くから、理由をメモしておきなさい。」という指示もあったため、いいかげんな気持ちでは選べません。みんな真剣に選んでいました。

(3)投票
良いと思う俳句に投票します。今回は一人が5票持っています。票が入らなかったという俳句はほとんどなく、人によって「俳句の良さ」の感じ方にちがいがあることを、ここで実感することができます。「ちがっていて良いのだ。」という感覚は学級経営には絶対に必要な要素なのです。この感覚が耕かされれば、教室内は、どんな子も皆「良さ」を持っている大切な存在なのだという空気になることでしょう。

(4)選んだ理由の交流
入った票の多かった俳句について、選んだ子どもたちの意見を聞きました。この時点では、誰の俳句なのかが分かっていませんので、自分の作品が選ばれて褒められている本人は、すごくドキドキしていたことでしょうね。

ちなみに4年生1,2組で選ばれた俳句は次の通りです。


大そうじ なつかしい物 見つけたよ

三毛猫が こたつの中で まるまった

スケートで すってんころりん しりもちだ

久しぶり 雪のけっしょう 手に落ちて

冬の夜 星がまたたき きれいだな

初日の出 とてもきれいな 雪降った


(5)先生による選句とその理由説明
投票数に関係なく、小山先生が選んだ俳句を紹介し、選句理由を説明してくださいました。

私の学級で小山先生が選んだ俳句は、「クリスマス サンタクロース くる予定」でした。選句理由は『意外性』ということでした。サンタクロースが来るかどうか分からない。もしかしたら来ないかもしれない。こなかったらどうしよう・・・そんなことを想像させてくれる俳句であった。このように「あたり前じゃないことを俳句にすること」が良いものになるということでした。一番意外なものに人は心を動かされる。意外なものに目を向けることで、自分の視野が広がる。そんなお話をうかがいました。



授業後、校長室で休憩をとっていらっしゃる小山先生の元にお邪魔し、今後の取り組みに向けてのご指導もいただきました。たくさんの質問もし、意見交換をさせていただきましたが、その中でも特に心に残ったことを書き残しておきます。

「俳句は作る人だけでなく、読む人がどう想像するかで良い俳句になる。観賞眼を育てることができる。これが最大の力となる。」

小山先生とじっくりお話しする時間がなかったのがとても残念でしたが、区の俳句指導をさらに活性化させていくために、私も全面的に協力をしていくことをお約束してお別れしました。じつは自校には私以上に俳句指導を専門に取り組んでいる教員がおりますので、間違いなく良い指導計画を作り上げることができると確信しています。


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保護者の思い・・・読み聞かせ 『わたしからありがとう』

わたしから、ありがとう。 (レインボーえほん)
河原 まり子,中島 啓江
岩崎書店


オペラ歌手の中島啓江さんが企画した絵本だそうです。

ご本人の実体験を絵本化したものです。

「ありがとう」

なんと心を動かす言葉なのでしょうか。

「ありがとう」

と言われて、嬉しくならない人はいないかもしれません。

「ありがとう」

が心と心を結びつけることって、たくさんあります。

だから、

「ありがとう」

の言える人生を歩んでいきたいですね。
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著名な指揮者「佐渡裕さん」についての話を聞きました

今日は辰巳ジャンプの「クリスマス・チーム対抗ソフトバレーボール大会」を開いた後、五反田でのある研修会に参加しました。そこで聞いたのが「佐渡裕」氏についての話でした。

佐渡さんは、世界的に有名な指揮者です。

佐渡裕オフィシャルサイト

その佐渡さんを小学校時代に指導していたのが平井俊春先生という方で、平井先生によって佐渡さんが音楽の道に進んだと言ってもいいくらいに影響力のあった先生だったようです。佐渡さんは、その平井先生のことを現代教育新聞のインタビュー記事ではこのように紹介しています。

「フルートのきっかけは当時の担任平井俊春先生。子どもには無理という発想ではなく、興味がある子にやらせてくれましたね。子どもの限界を大人が勝手に作っている気がするんですが、先生はそうではありませんでしたと感謝する。小学校時代は縦笛を吹くのが得意で、テレビ主題歌のタイガーマスクやマグマ大使などを得意になって吹いていた。みなが喜んでくれるのが嬉しかった。この自分を表現できる喜びと幸福感が佐渡さんの原点にある。」

そして私が最も注目したのは、この佐渡さんもまた、小学校の卒業文集の中で「大人になったらベルリンフィルの識者になる」と書いていることです。

この夢を実現した佐渡さんは、平井先生の元を訪れ、「夢が叶いました」と報告をしたそうです。


このことは、私が高学年の担任をしていた昨年、一昨年と取り組んできた、「子どもたちに大きな夢を持たせる」という指導とまったく一致しているわけです。今回の話を聞いた瞬間に、(ああ、またここでも夢は文章に書き残すという「夢実現プログラム」の法則が生きているんだ!)と嬉しくなりました。

夢実現プログラム「PX2」の開発者であるルー・タイス氏が著書である「望めば、叶う」の中で言っている目標設定について引用します。



目標を設定するかしないかで、ほんとうに最終的な達成感に違いが出てくるのだろうか。一言で言えば、答えは「その通り」である。わたしは何年も前から、みなさんの手伝いをして、正しい目標設定こそすべてを可能にする現実的な習慣であることを理解してもらってきた。こんな例がある。1953年のエール大学卒業生を対象とした調査だ。学生たちに、彼ら自身についていろいろ質問したのだが、そのなかに目標に関する項目が三つあった。
「あなたは目標を設定していますか?」
「その目標を書きとめてありますか?」
「目標を達成するための計画がありますか?」
全部の質問にイエスと答えたのは、学生の3%にすぎなかった。

20年後、追跡調査が実施された。その結果、目標設定に関する質問にイエスと答えた3%の学生は残りの学生に比べて幸せな結婚をし、選んだ職業でも成功し、家庭生活にも満足し、健康状態も良好だった。それだけではない。53年卒業生の総資産の97%は、この3%の手に集中していたのだ。これでおわかりになっただろうか。はっきりした目標を決めると、それまでは閉ざされていたチャンスが開かれ、これからお話しするような、一生を通じて役に立つプロセスが始まる。 




卒業文集に具体的な夢を書くという作業をするだけで、ここに書いたような3%に入ることができるのです。もちろん小学生の夢ですから、すべてが実現するとは言いません。途中で夢を修正していくことも大切な姿勢です。重要なことは、現実生活の中に、「夢」に向かって具体的な歩みを進める行動を起こすということなのです。この行動を習慣化できるかどうかなのです。


今日の研修会でも語られた「夢実現プログラム」の証明者である佐渡裕さん。
私は小学校の教師ですから、今、目の前の子どもたちに、また、これから新しく出会う子どもたちに、自分がつかんでいる方法を伝えていくことにチャレンジしていくつもりです。

僕はいかにして指揮者になったのか (新潮文庫)
佐渡 裕
新潮社


望めば、叶う―自分を高め人を導く成功法則
ルー タイス
日経BP社


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スーパー小学生バレーボーラーたち

部員や保護者の皆さんが努力してくれて、再び部員増加の波が起こっている辰巳ジャンプです。

新しい子どもたちとの出会いは指導者の心を揺り動かしてくれますね。
「この子はどんな子なのだろうか? どう育てたら良い選手になるだろうか?」
このように考えることじたいが指導者をしている者の幸せなのです。なぜなら未来を考えることができるからです。人間、現状を維持することばかり考えるととても辛い。未来に夢を抱くことが脳科学的にも最も楽であり、楽しいことなのです。

この12月に入部してくれた子は、どうやら天才的なバレーボールセンスを持っているようです。それはたった2回の練習参加にも関わらず、キャプテンのアドバイスを受けながら「バレーボールノート」を書いてきたことにあります。その内容に、私は驚きました。どうして入ったばかりの子がこんなに高いレベルのことを書けているんだ!
本人もすごいし、アドバイスしたキャプテンはもっと素晴らしい!
指導者として、これほど嬉しいことはありません。

では、どのようなことが書かれていたのでしょうか。
ご紹介します。

**************

①手の土手の部分で打つようにしたら、サーブが入った。

②バックが打つ時、ボールの方に体を向けるようにする。

③ミニカゴにボールを入れる時、強い力を加えない。

④仲間が「ドンマイ」「もうちょっと」と、はげましの声をかけてくれて、とってもうれしかった。仲間がおうえんしてくれて、自分もがんばったから、ミニカゴに入ったと思う。

⑤練習試合で仲間と協力し、声をかけ合いながら試合をすると、笑顔でバレーができる。

⑥つまさきをネットの方に向けてサーブをする。

⑦サーブを打つ時、ほかの人の動きをよく持てやるとうまくできる。

⑧ランニングやストレッチで元気に声を出せた。

⑨ひざを曲げ、うでをのばし、足を前にすると、ま上に上がった。

⑩試合で、みんなで笑顔ですると、たちまち勇気がわいてくる。

(目標)
①元気に声出し、笑顔でバレーをやる。

②もう少しサーブが出来るように工夫する。⇒手の土手で力いっぱい打つようにする。

③ボールをよく見て行動する。

**************

これが入部2日目の子どもの書くバレー日記でしょうか?
しかも4年生です。
かつて私は、これほどまでに頭の良い、センスのある子どもを見たことがありません。

そして何度も書きますが、この日記を書かせたキャプテン(やはり4年生)のリーダーシップも素晴らしいと思っています。


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「いってみヨーカドー」・・・内なる心に火をつける

子どものモチベーションをアップさせるためには、ありとあらゆる情報をつかんで、その中からビシッと決まるようなものを選ぶことが大事だと思っている私です。

先週のことです。一人の男子が書いた文章を私が紹介する機会が偶然に生まれました。その文章は、現在上映中の「スペースバトルシップ・ヤマト」について書いたものでした。

「今日、スペースバトルシップ宇宙せんかんヤマトを見にいった。内容は、こわれた地球を守るため、ヤマトがイスカンダルに行きます。そこにはとてつもないものが。つづきはげきじょうで。」

ほとんど内容を教えてくれず、「つづきはげきじょうで。」と言った内容に、クラスの仲間は大爆笑したのです。「何にも分からないじゃん!」と。

ここで私は、この子が活かされるチャンスを見ました。つかまえました。

「つづきはげきじょうで、なんて言われたらさ、先生はげきじょうに行くしかないじゃん。じゃあ、今晩行ってみようかなぁ。」

自分が書いた文章がクラスの仲間の爆笑をさそい、さらに担任の先生が実際に「ヤマト」を見に行ってしまう。このような状況に、この子は心を震わせるような喜びを感じたようです。2日後の日記にこのような文章を書いています。

「今週、ぼくは調子のりのりです。いつもは芸でしらけていたぼくが、今週はしらけない。まず、月曜日は、日曜日に書いたマイ新聞、宇宙せんかんヤマトの映画を見たことを書き、内容を少し書いたところで、『つづきはげきじょうで』と書き、井上先生が発表したら、クラスのみんなは笑ってくれた。その日、井上先生が『今夜映画を見に行くよ』と言ってくれた。
 そして水曜日の2時間目の算数の面積の勉強中、みんなの前で問題解くことになり、ぼくの前に発表していた子とバトンタッチをするときに、『イッテミヨーカドー』と言ったら、みんなが大笑いした。
 ぼくはこのように、調子にのりのりだ。これからも調子のりのりにしていきたい!」

人間は、自分の存在を認められた瞬間に、これ以上ない喜びを感じます。
学級担任に限らず、“教師”の仕事の最大のポイントは、勉強を教えることだけでなく、こうして子どもの心に火をつけることが大事だと思うのです。

アメリカの教育者であるウイリアム・ウォード氏の有名な言葉にこのようなものがあります。

凡庸な教師は指示をする。
良い教師は説明をする。
優れた教師は範となる。
偉大な教師は内なる心に火をつける。

内なる心に火がついた子どもたちは、教師が何の指示をしなくても、自ら高みに昇っていくことができるようになります。


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研究授業「ごんぎつね」

12月15日の水曜日は校内で研究授業でした。

授業を行うのは私の学年・4年生。教員全員が参観する授業はお隣の組に任せ、私が授業する時間は公開授業として、参観可能な教員のみ見に来てくれました。

授業は「ごんぎつね」を教材として行いました。なぜこの時期に4年生の最終単元である「ごんぎつね」なのかというと、校内研究が物語文の読解ということなので、2~3月に行う「ごんぎつね」を前倒しして授業したのです。

我が校の今年の授業研究は、江東区の国語教育に関して長い間指導をし続けてこられた進藤猛先生に年間を通して講師をお願いし、指導をいただいてきました。6月から始まった研究授業も、この12月で6回目となります。進藤先生の指導の中でキーワードとなっているのが「同一パターンのグレードアップ」なのです。つまり、学習方法はまったく同じやり方をしているけれども、その内容が時期によってレベルアップしていくことこそ、本当の読解力が身についていくのだという考え方です。確かにその通りだと私も思います。いろいろな学習方法を行うのではなく、ひとつのことを徹底的に指導していくことで、子どもたちは高い実力を身につけるにちがいありません。


さて、学校として6回目の研究授業となると、これまでの5回の授業の反省を活かして、レベルアップさせた授業をしなくてはならないわけです。そういう意味では、私たち4年生の担任2人にはプレッシャーが小さくはなかったわけです。進藤先生の指導の特徴は、「学習シートブック」という自作教材を使って授業します。その流れは以下の通りです。

(1)前時に学習した文章を黙読し、学習をふりかえる。

(2)本時に学習する文章を「微音読」し、見通しを立てる。

(3)何人かに音読させ、本時に学習する文章の区切りを意識させる。

(4)本文に「人物の気持ち」「情景」が分かるところにサイドラインを引かせる。

(5)自問自答しながら本文に書き込みをする。

(6)書き込んだことを元に、発表をして学び合う。

(7)学び合ったことを活かして、登場人物の「日記」を書く。

(8)本時の学習のふりかえりをする。

これは「一読総合法」から派生した指導方法です。


私たち4年生の担任は、今回の研究授業に向けて、一読総合法に対峙する方法を用いました。事前に宿題として徹底的に「音読」させるという方法を試しました。そのわけはひとつ。授業をしている担任でさえ、「ごんぎつね」を何十回も読み込んで読解しているわけです。それを小学4年生の子どもが「1回読んだだけで深い読解ができるわけがない」という考え方です。そこで、「暗記するくらいに音読をしなさい」と指導徹底しました。そこまで読み込めば、授業をしていても、「ごんが兵十と加助の後についていった場面」とひと言いえば、子どもたちがすぐに分かる状態になるでしょう。そうなれば、授業も加速化すると判断したのです。つまり教科書がなくても授業ができるくらいに読み込むという効果は大きいと訴えたいのです。

次に努力したのが、ごんぎつねの作者である新美南吉の研究に全力投球したことです。
私自身が愛知県半田市にある「新美南吉記念館」に日帰り弾丸ツアーまでして、南吉の人生に迫っていきました。そして、学年担任二人で毎日、新美南吉のことを語り合いました。今日はこんなことが分かった。昨日こう思っていたことは実はもっと深い事実があった。連日発見に次ぐ発見があり、研究授業をするのが楽しみでなりませんでした。
こうした活動を通して、担任二人は新美南吉作品に惚れ込んでいったわけです。
このように、指導者が「作品に惚れ込む」ということが、子どもたちに与える影響力はとてつもなく大きいのです。

新美南吉童話の本質と世界
北 吉郎
双文社出版


さらに担任二人の話ははずんでいきました。
南吉記念館で購入した研究紀要を読んでいくと、「ごんぎつね」の授業をしている先生の例がありました。その授業は、「ごんのことを悲劇で終わらせないようにするために、兵十がしたことを考えてみよう」というテーマの事後談授業でした。私たち担任は、子どもたちの実態(良いアイデアを思いつく子が多く、話し合いも活発に進む)を考えて、「この授業は面白い!」と判断しました。
この問いかけからは、おそらく「ごんのためにお墓を作ったと思います。」というような答えが出ると予想しました。そこで、それだけでは終わらせず、「では、どこにお墓を作ったの?」とどんどん突っ込んでいく授業をしようと考えました。この“突っ込み”によって、子どもたちの思考は一歩深まり、「兵十は自分の家の近くにお墓を作るだろう。なぜなら毎日お参りがでいるから。」「村の真ん中に作るだろう。村の人にごんの真心を伝えるために。」「ごんの住んでいた山の中に作るだろう。静かに眠らせてあげるために。」といった深まりのある授業ができると判断しました。


そんな授業を学年2学級で共に行いましたが、ここでは私の学級の反応を紹介しておきます。

「兵十はおかあさんのお墓にごんもいっしょに入れたと思います。なぜなら、ごんがうなぎを逃がしてしまったことで、兵十のお母さんが死んでしまったとごんは思っていて、そのおわびに、くりやまつたけを兵十の家に持ってきたのだから、おかあさんのお墓に入れてあげることで、ごんもおわびができるからです。」

「兵十のおかあさんのお墓に入れてあげる理由はまだあります。おかあさんのお墓に入れてあげれば、兵十は毎日おまいりができます。」

「お墓の中には火縄銃も入れたと思います。それはもう動物を殺さないという兵十の気持ちを込めて入れたのです。」

「兵十は、村の人たちにも、ごんは悪いキツネではなかったと話したと思います。」

「もしかしたら権現山にお墓を作って、ごんをすみかにもどしてあげるかもしれません。」

「手紙にごんへあやまる文を書いて、お墓にいっしょに入れたかもしれません。」

「ごんが毎日くりやまつたけを持ってきてくれたように、兵十も毎日、死んだごんへ、くりやまつたけを持って行ったかもしれません。」


このように、なかなか深い意見がかわされました。



今回の研究授業を通して、担任はかなり頑張って学びました。授業が終わった時には、スーッと力が抜けるような、心地よい疲れを感じていました。もっともっと子どもたちの力を引き出してあげられたかもしれないね、という反省の会話もしましたが、楽しく新美南吉のことを学べましたし、着実に授業力をつけることもできたと感じています。

担任がこう感じているということ=子どもたちも学ぶ力を高めることができたはずです。

きっと思い出に残る学習になっただろうと思っています。

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AKB48「会いたかった♪」で47都道府県を覚える

要するに替え歌です。
どうせ47都道府県を覚えるなら、楽しく覚えた方がいいではないですか。そこで考えたのが、子どもたちにもおなじみになってきたAKB48の最もポピュラーな曲「会いたかった」に47都道府県をかぶせていく替え歌です。

文字だけでは歌うのは難しいと思いますが、なんとかこじつけてみて下さい。

AKB48 - Aitakatta 会いたかった



『47都道府県の歌』
(AKB48の「会いたかった」で歌って下さい)

知りたかった 知りたかった 知りたかった イエス
(会いたかった 会いたかった 会いたかった イエス)

都道府県(とどうふけん) おーぼえて いつも100点 きみに♪
(会いたかった 会いたかった 会いたかった イエス きみに)


北海道(ほっかいどう) 青森(あおもり) 岩手(いわて) 秋田(あきた)
(自転車 全力で ペダル)

宮城(みやぎ) 山形(やまがた) 福島(ふくしま)
(こぎながら 坂を のぼる)

茨城(いばらき) 栃木(とちぎ)に 群馬(ぐんま) 埼玉(さいたま)
(風に ふくらんでる シャツも)

千葉(ちば) 神奈川(かながわ) 東京(とうきょう)
(今は もどかしい)

新潟(にいがた) 山梨(やまなし)
(やっと気づいた)

長野(ながの)に静岡(しずおか)
(本当の気持ち)

石川(いしかわ) 福井(ふくい)
(正直にゆくんだ)

岐阜(ぎふ) 愛知(あいち) 富山(とやま) 中部(ちゅうぶ)地方(ちほう)~
(たったひとつ この道を 走れ)

滋賀(しが) 奈良(なら) 和歌山(わかやま) 京都(きょうと) 三重(みえ)
(好きならば 好きだと言おう)

大阪(おおさか) 兵庫(ひょうご)で近畿(きんき)地方(ちほう)
(ごまかさず 素直になろう)

岡山(おかやま) 広島(ひろしま) 鳥取県(とっとりけん)
(好きならば 好きだと言おう)

山口(やまぐち) 島根(しまね) 中国(ちゅうごく)地方(ちほう)
(胸のうち さらけ出そうよ)

愛媛(えひめ) 香川(かがわ) 高知(こうち) 徳島(とくしま) 四国(しこく)地方(ちほう)
(会いたかった 会いたかった 会いたかった イエス)

福岡(ふくおか) 大分(おおいた) 長崎(ながさき) 熊本(くまもと) 鹿児島(かごしま) 宮崎(みやざき)
(会いたかった 会いたかった 会いたかった イエス)

佐賀県(さがけん)~ 
(君に~)

沖縄(おきなわ)~!
(会いたかった~)




これをプリントして、さりげなくお便りボックスに入れておきました。配り係の子が教室に運んでいく時に、
「このAKBと書かれているプリントは、いったい何だろう???」
と疑問を持ち、クラスの仲間の話題になると面白いなぁと仕掛けておきました。

予定通り、翌朝、教室に行ってみると、すぐに子どもたちから質問が来ました。

「先生!このプリントは何ですかっ?!」

しめしめ!

「これはですね、47都道府県を歌って覚えるためのプリントです!」

「どうやって歌うんですか???」

「AKBの“会いたかった”に合わせて歌ってみて!」

「分かりませんよ。先生、歌ってみて下さい。」


ということで、作詞した私が歌いましたところ、大ウケでした。
それ以来、この歌詞を気にいってくれた子は、暇さえあれば、「北海道♪ 青森♪ 岩手~ 秋田♪・・・・・」と歌っています。家でも歌って、家族に「うるさい」と怒られた子もいたようですが(笑)

子どもたちが夢中になるような仕掛けを作るのが大好きな私です。

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保護者の思い・・・読み聞かせ 『たっちゃんぼくがきらいなの-たっちゃんはじへいしょう(自閉症)』

たっちゃんぼくがきらいなの―たっちゃんはじへいしょう(自閉症) (いのちのえほん)
さとう としなお
岩崎書店


教員生活のスタートが「養護学校」だった私にとっては、小学校の子どもたちにハンディキャップを持った子どもたちのことを少しでも分かりやすく伝えるのは、自分に与えられた使命だと思っています。

今回、保護者の方が選んで下さった絵本は自閉症の理解を進めるための一冊でした。

今回の読み聞かせをお聞きしながら、
(ああ、私が担任している4年生のうちに、できるだけの障害児理解を深めてあげることも大事だなぁ。)
と思っていました。

私が体験してきた養護学校時代の体験は、命の可能性をとことん追求したものです。
そんな一端でも紹介していくことが大事なんだろうなぁと思わせてくれた一冊でした。
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