「半合宿状態で練習」+「教育のジャパンメソッド」

日曜からスタートし、今日まで、毎日9時から16時までの練習を続けた辰巳ジャンプです。
とはいえ、ホーム会場として使わせていただいている小学校地域は海沿いのため、この震災で液状化現象に見舞われ、著しい地盤沈下が起こって、現在緊急修復工事中。体育館を使える目途も立たない緊急事態なのです。そこで、平日の昼間ならば空いている私の勤務校の体育館を使わせていただきました。


年度末で、私自身やらなくてはならない仕事が山ほどあるものの、平日練習をするために休暇を取っている状態です。しかし、練習合間の時間をなんとか工夫して、その仕事もこなしながら、半合宿状態の練習を続けました。春休みだからといってのんびりできるような日本の現状ではないですし、大きな被災のなかった東京にあっては、子どもたちの一所懸命がんばる姿を引き出すことこそ復興への礎となると信じて活動しています。

ありがたいことに、子どもたちも願って練習に参加してくれました。
ほとんどの子が入部3カ月以内というチーム状態の中で、この4日連続の1日練習漬けは、私と子どもたちとの人間関係、信頼関係を深めることにも大きく役立ちました。一生懸命練習している子どもたちの姿を見ているだけで、私のエネルギーにもなるわけですね。




さて、私は今、この歴史的な大災害に見舞われた日本の中で、この国に根づいていた「教育力」に対して自信を深めています。

恐ろしいほどの困難に直面して、日本という国土に生きる私たちは、あり得ないほど冷静に戦えているのではないでしょうか。日本で2万人を超える犠牲者が出てしまったのは、70年前に始まった太平洋戦争以来のことです。さらに原子力発電所の被災によりる放射能の問題が起こり、他国では政権にまで影響をしているという報道が昨日現在ありました。

この日本の姿を「問題意識が低い」と見るか、「問題対処能力が高い」と見るかは分かれるとことだと思いはしますが、私はあえて「問題対処能力が高い国なのだ」と言いたいのです。

PISAテストの影響を強く受けてできあがった「新学習指導要領」の中には、「問題解決能力」を高めていく必要性を強く打ち出していますが、試験問題を解決できても、今回のような人類史上に残るような大災害からの復興という大問題を解決できなければ意味がない。この厳しい状況を、国民全員が力を合わせて「乗り越えられるはずだ!」とポジティブに行動している「思いやりのある姿」が世界の模範とならないわけがない。日本の本当の教育力は3月11日以降の全国各地の皆さんの行動によって、世界に証明されたと言えないでしょうか。

「団結する」「力を合わせる」「人を思いやる」ということが、民間レベルで通じあう日本の姿。
どの小学校の教育目標の中にも、「共に学ぶ」「思いやりの心」という児童像が盛り込まれている日本の教育。
みんなの力で大災害を乗り越えた次には、みんなの力で「ジャパンメソッド」の海外輸出に動きたい。
今の私の夢はそこにあります。


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こんな時だから花に目を向けよう! (3) 金八世代と私



ニュース報道によると、東京では今日が桜の開花宣言だったようです。

どんなに苦しい時であっても、間違いなく春の盛りとなりつつあります。桜だけでなく、様々な花が咲き、新しい出会いが生まれる春です。昨日の記事にも書きましたが、四季のある日本では困難な冬を乗り越えた時に、生命のエネルギーに満ち溢れる春が来る。何万年もの悠久の歴史の中で、地下水脈のように見えない流れとして、日本に根付いている精神的な基盤は、こうした冬を乗り越えて春を待つリズムであると思うのです。


さて、昨日のテレビドラマ「3年B組金八先生」を見た方も多かったことと思います。

私は金八先生第一世代の一人です。多感な青春時代にこのドラマをタイムリーに見て、教師という道を進むことになったのです。高校に入学した時点で、すでに自分の将来の夢に向かって努力を始めることができたのも、このドラマのおかげです。

その第一世代の一人、近藤真彦さんがこのように言っていました。

「長い間、"金八先生"という日本の理想の先生像をドラマの中だけでなく私生活においても背負ってきたことは、本当にすごいことだと思います。日本中の先生たちが金八先生のような先生になりたいと思った時期もあっただろうし、日本中の生徒たちが金八先生のような先生に担任になってもらいたいと思った理想の先生・・・」

確かに「教え子のことを信じぬく」という一点では理想の先生でした。私も自分の担任と金八先生を重ねて見ていた面がありました。教師となってからは、金八先生という理想を越えていける「スーパーティーチャー」を目指してきました。普通の授業ができない、周りの先生に迷惑をかけるという欠点のある金八先生は見習わない。そこだけは圧倒的に上回る。そのうえで、誰よりも教え子のことは信じぬく。ドラマという架空のストーリーと比較できるほど現実の教師業は甘くありませんでしたし、もっともっと複雑な問題が多くありましたが、金八先生の姿は、私の教師生活のひとつの目安にはできました。



社会の中でいろいろなことをしてくると、このドラマに出演していた方数人とも、直接的、間接的につながりができたりします。昨日のドラマを見ながら、そんな昭和54年世代の方々の姿を見て、いやいや年をとったもんだという妙な感慨が生まれました。32年もたったんですねぇ・・・・・


ドラマの最後、演出は金八先生にこのように語らせました。

「私は君たちのおかげで、金八先生であることができました。」

この言葉は、私もまったく同じです。どんなに授業力を磨いたところで、子どもたちがいなければ何もできないのが教師という仕事です。また、子どもたちがいろいろな問題を起こし、それに対処するたびに教師としての能力が伸びていったのも確かです。まさしく「子どもたちのおかげで、教師は力を伸ばすことができる」のです。


さらにドラマは、金八先生にこう語らせました。

「ひと隅を照らす者になってください。」

台本上、さらっと流れたこの言葉。もっと演出すれば良かったのに。時間がなかったんでしょうね。実はとてつもなく大きな一言だった。それに気づいた方も多いでしょう。しかし何のことか分からずに聞き流してしまった若い人も多いと思います。そこで、ここに楔(くさび)を打っておきます。

私は大学時代に、数々の偉大な先輩からこの言葉を教えていただきました。「ひと隅を照らす」という言葉ではなく、「一隅(いちぐう)を照らせ」という言葉でした。

人はそれぞれの立場で使命がちがう。社会に大きな光明を与える人もいれば、そうでない人もいる。大切なことは何か?それは少なくとも小さな自分の立場であっても、社会のひと隅に光を灯していける存在になるんだ。その灯が集まれば、まぶしいばかりの世の中になるはずだ。「一隅を照らせ!」・・・自身の使命を果たしていきなさい。そう言われたことを今でも鮮明に覚えています。

どうか20代の若手教師諸君は、この言葉を心に刻んで、「一隅を照らす」人間に育って下さい。


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こんな時だから花に目を向けよう! (2)







季節は確実に春を迎えています。

東北関東大震災で被災された地域の方々には、また、日本国全体も同様に、まだまだ厳しい季節が続いていますが、「冬は必ず春となる」という言葉がある通り、冬が秋に戻ることはありません。四季という色とりどりの季節に恵まれた日本だからこそ、生まれながらの実感として、「冬が必ず春となる」ということを実践できるのだと思います。日本は必ずこれまで以上に良い国に生まれ変わり、人類の希望の灯として輝くのです。


さて、今日から辰巳ジャンプの活動を再開しました。地震当初、3月中に再開することは難しいと考えていましたが、私としては1日も早く子どもたちの元気な笑顔を取り戻したかったのです。

ある子からメールで、
「バレーボールが出来ないのはとても悲しいです。早くみんなとバレーボールがやりたいです。」
「またバレーボールが出来るようになったら、いっぱい教えてください。これからもよろしくお願いします。」
という言葉を頂いていました。

実は私自身、練習は無理かなとあきらめ半分の気持ちもあったのですが、このメールで気を取り直しました。私の指導をこんなに楽しみにしてくれている子がいる。こんなにバレーボールに熱中してくれている子がいる。それだけで何としても練習を再開しなければならないという勇気をもらいました。

子どもたちが書いてきたノートを見ると、昨日は公園で自主練習もしていたらしい。そのやる気がたのもしい。

3時間の練習はたちまち過ぎました。楽しい時間は短く感じるものですね。

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「1年間、ありがとうございました」

今日は修了式でした。

昨年の6年生担任に引き続き、緊急登板だった4年生を1年間担任させていただき、大きく成長させて1年間を修了できたことを心ひそかに満足しています。

この1年間で、担任してきた4学年は大きく成長してくれました。特に受け持った当時、課題の大きかった私のクラスは、みんな子どもらしい笑顔や振る舞いを取り戻し、担任がいようがいまいが、自分たちの成長のために自分たちだけで活動を進めていける集団になってくれました。これは日本の小学校が目指している「学習指導要領」の前文にある、自ら学び、思考し、判断し、表現していく小学生に一歩も二歩も近づけたのではないかと思います。

パートナーとして組んだY教諭も“学年主任”として最高の力を発揮してくれました。私が学年以外の仕事を山ほど抱えていることを理解してくれて、学年の仕事、子どもたちへの指導はほとんどやってくれたのです。最高の学年だったと思っています。


4年生最後の授業として、しんみりとするのはふさわしくありません。高学年への希望をふくらませるような内容にしたいと思いました。そこで、高学年となる5年生ではどんなことが起こるのかをシュミレーションする話を15分ほどしてみました。

全校の仕事として「委員会」が始まること。

6月にある運動会では「組体操」をやるだろうから、今から「腕立て」「腹筋」「スクワット」を毎日して、体を鍛えること。

7月にある「林間学校」は、小学校生活の最高の思い出になるし、本当に楽しいから、今から楽しみにしておくこと。

等々、希望を持てるように話したつもりです。



子どもたちは教室から出る時に、「先生、1年間、ありがとうございました。」と言って出て行きました。

ていねいに私に語りかける姿を見て、「ああ、この子たちなら5年生になってからも、自分たちの力で目標を立て、ゴールを作り、自発的に進んでいけるうだろうな。」と感じました。

本当に素直に良く、大きく成長してくれた4年生でした。

進級おめでとう!!!

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女性教員に大評判の一冊! なのですよ!!!

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2011年 4/5号 [雑誌]
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日経BPマーケティング


雑誌ですが、この一冊は見ているだけで楽しい!
癒されるはずです!
特に女性が!

「ほらほら、この本開いてみて!」と手渡すだけで、女性教員の表情が明るくなります。

ワクワク文房具満載の情報誌です。

ここから情報を得たボールペンの「ジェットストリーム」を買ってみましたが、書きやすいったらありゃしない!

ジェットストリーム(1.0m/m)【黒】 SXN15010.24
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三菱鉛筆


この雑誌、小学校教師や幼保の教師は必見です!!!


ついでに紹介しておきますが、読書術の本も職場の若手に読ませています。

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2010年 9/7号 [雑誌]
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日経BPマーケティング


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最近読んでいる本

年度末でものすごく忙しいのですが、読書は私のエネルギーなので欠かせません。

チャンネル読書(テレビのチャンネルを変えるように、複数冊を代わるがわる読んでいく)が得意な私なので、最近読んでいる本を一気に紹介します。目標にしている「ブログの毎日更新」ができないものですから、紹介だけしておきます。


東洋脳×西洋脳―多極化する世界で生きるヒント (中公新書ラクレ)
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中央公論新社


花の鎖
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文藝春秋


選択の科学
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文藝春秋


錯覚の科学
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文藝春秋


変身・断食芸人 (岩波文庫)
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岩波書店


エースの系譜
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講談社


砂の栄冠(1) (ヤングマガジンコミックス)
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講談社


エチカ―倫理学 (上) (岩波文庫)
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岩波書店


官僚たちの夏 (新潮文庫)
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新潮社
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NHKオンラインで安否確認

気仙沼にいる大学の同級生の安否が確認できました。

NHKオンラインのサイト内にある安否情報検索にあげられた、東京にいるやはり同級生からの情報で、ご家族全員無事であったことを知ることができました。いまだ電話やメール等での連絡は取れないようなのですが、東京のご実家には避難所から連絡を入れたのか、みんな元気であるということです。

もし、安否確認の難しい方が、このブログを目にされた場合は、ぜひ検索してみてください。

NHKオンライン



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こんな時だから花に目を向けよう!







どんなに大災害があっても、ふと海の上を見ると、カモメが悠々と泳いでいたりします。

空を見ると、太陽や月、星々が輝いています。

都会の片隅にも、春の便りが次々と届いています。


私がリスペクトするZARDの酒井泉水さんがもし生きていたら、きっと「負けないで」を歌いながら、美しい花の写真で日本を励まそうとするかもしれません。

小さな個人の取り組みですが、街角の見落とされがちな生命を見つけて、写真で紹介していくことで、私の日本再生への一つのチャレンジをしてみようと思います。


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NHK教育放送でマインドマップを紹介

NHK教育テレビ「目指せ!会社の星」で、マインドマップが紹介されます。



「ひらめく!問題も解決!図解でスッキリ 応用編」

本放送:2011年 3月20日(日) 0:15-0:40 (教育・全国)※土曜深夜
つまり今晩ですよ!


再放送:3月21日(月)23:30-23:55(教育・全国)

司会:アンジャッシュ・杉浦友紀アナウンサー
   ゲストタレント:辺見エミリ

番組サイト「目指せ!会社の星」


欧米では大手企業のビジネスマンも使っているという図解法「マインドマップ」。スタジオでは、みんなでマインドマップ作りに挑戦。その意外な結末とは!?(紹介記事、番組サイトよりコピー)
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辰巳ジャンプの練習はしばらくお休みです

メーリングリストが行き届かないといけないので、ここにも書いておきます。

現在、江東区の小中学校では、東日本大震災の影響により、学校施設の一般開放を停止しています。

また、辰巳地域は液状化現象が起こったことによって危険な場所も多く、安全な活動を行うことが困難な状況にあります。春休みを前に、非常に残念ではありますが、状況が落ち着くまで活動をお休みすることに致します。
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地震と戦おう! 日本!

合掌。



あまりにも大きな災害です。

私の大学の友人も気仙沼で小学校の教師をしているので心配でなりません。
また、職場の同僚の中にも東北出身の方がいるので、気が気ではない。
私の母も東北出身で親戚も多いので、心穏やかではないです。

幸い、福島にいる妹家族は無事でしたし、災害の大きい宮城県にいる小学校の先生や、停電をしていた青森県の先生も、ツイッターを通して無事であることを確認できました。しかし、気仙沼の同期生の安否は分かりません。


当初こんな時にブログに記事をアップするのは不謹慎だと感じましたので無言でいましたが、自分にできることはすべてやっておいた方が良いだろう、教訓として残せるものは書き残しておいた方が良いだろうと思いますので、あえて書くことにしました。




3月11日(金)、14:45頃
私のクラス(4年生)は、習字の学習をしていました。

5,6時間目の2時間をたっぷり習字にかけていたので、3分の2の子どもが課題を終え、片付け作業に入っていました。
ちょうど廊下には、「15時すぎからお話をしましょう」とお呼びしていたFさんのお母さんが来て、待っていてくれました。

そこに大地震が起こりました。

始めは「ああ、地震が来たな・・・」程度の揺れでした。習字の片づけをしている子がたくさんいたので、半数以上は立って作業をしている状態の我がクラス。今振り返って考えてみると、私からの指示が通りにくい状況があったと思います。

数秒間は軽い揺れでした。

ところが時間がたつにつれてドンドン大きくなっていく。

まるで校舎が何か柔らかいものの上に乗っかって、上下左右に揺らされているような感覚。

ただちに子どもたちは机の下に避難しました。

すぐに止まるだろうと予想していた揺れは、なかなか止まりません。

そのうちに教室にある60㎝水槽から水があふれ出しました。

泣きだす子もいたので、私からは「大丈夫だから、このくらいの揺れで校舎はつぶれないから。声を出さずに静かにしなさい。」という指示。となりのクラスからも担任教諭の「みんなすごいよ!避難訓練通りにできてるよ!えらいっ!」という大声の指示が聞こえてくる。

揺れがおさまったところで防災頭巾をかぶり、整然と校庭に避難しました。


子どもたちが全員避難できたか人数確認をして副校長に報告。その後、校舎の状況を見て二次災害の危険がないかどうかの確認ために、男性教員で手分けして校舎内へ入る。そこで私は痛恨のミスを犯していたことに気づかされました。私たち教員は「子どもたちの安全」ということに対しては、月に1度の避難訓練によって徹底的に身につけているつもりです。ところが、子どもたち以外に意識がいかないことを今回痛感しました。

なんと個人面談をしに来ていたFさんのお母さんが一人、教室で水槽からあふれた水の片づけ作業をしていたのです。

子どもたちを避難させるという意識しか私にはなく、まさか大人のFさんが教室に残っているなんてことは考えもしなかったのです。

「Fさん! 片づけなんてしなくていいですから、早く校庭に避難して下さい!」

幸いなことに東京地方の余震は小さかったので、Fさんも安全に校庭避難できましたが、Fさんのことまで頭になかった私は強く反省をしました。私の地震災害に対する意識はあまりにも甘すぎる!

二度とこのようなことをしてはいけない。学校は地域全員の安全拠点なのだということを、しっかり心に刻んでおきます。





テレビ情報によると東北地方を中心とする大災害。関東地方も余震による危険があり、緊急時の「保護者への引き渡しによる下校」となりました。ところが電話がまったく通じない。メールも届いたのかどうかわからない。
中にはご家族が帰宅困難者になっている子もいて、全員を引き渡せたのが20時過ぎ。


子どもたち全員を保護者の方々に受け渡すことができて、初めて私たち教員は自分のことを考えられます。

交通網がすべてストップしてしまった東京にあって、私たちは完全な「帰宅困難者」になっていました。

しかし、学校は「避難所」としての役目もすることになっています。
駅に近い隣の小学校には帰宅できない方々が次々と訪れているという情報が入りました。
さらに収容しきれないので、次に駅に近い小学校も指定避難所となった。
私の勤務校にも車移動中の母親と子どもが2組避難しました。


地元に住んでいて、歩いて帰ることのできる教員は帰宅。その他のほとんどの教員は学校待機となり。緊急時対応。


私のツイッターには、クラスの子の父親から「家と連絡が取れません。我が子は大丈夫でしょうか?」とメッセージが入る。
そこで安全を確認して返信。


落ち着いて、ふと思い起こすと、地震が起きた時に出張していたり、休暇を取り帰宅の途についていた同僚がいる。
そこで、ご自宅に連絡をすると、一人は歩いて帰宅途中という。
一人は友人の車の中にいて動けないらしい。
ただ一応連絡が取れたのでひと安心。


夜遅くまで、さまざまな電話での問い合わせにも対応する。


何もしないで待機していても無駄なので、来年度の年間指導計画を徹夜で作っていました。

その間、刻々と伝わってくる東北地方の被害に胸をしめつけられました。



史上最大の地震災害。私たち日本に住む仲間は、自分のできることを自ら見つけて、団結し、この試練と戦わなくてはなりません。

まずは明日、緊急募金活動をやりましょうと呼びかけるつもりです。
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在校生も卒業式の主役である!

卒業式のシーズンがやってきました。
何しろこの4年間で3回も卒業学年を担当し、過去には10回も卒業学年を受け持ってきた私です。卒業式には並々ならぬ思いがあります。

今年、久々に卒業学年担任ではない私は、6年生を送り出す側の在校生(4,5年生)を指導しています。

先日、第1回目の4,5年合同練習を行いました。

はじめに起立と着席が全員そろってできるまで、何度も何度もやり直しをさせるところから指導をスタートしました。実はこの指導は全日本バレーボール男子チームがどん底の状態から蘇ってきた最初の取り組みなのです。小さいことなのですが、たかが起立ひとつとっても、なかなかそろうことはないのです。100人いる子どものうち、少しでもそろわないと集団の空気に違和感が生まれます。この違和感が集団の意識を食いつぶしていくと私は感じています。アリの穴から堤防が崩れるという物語があるように、小さいことを見逃していって、良いものが生まれるとは思えません。

このような指導の次に、いつも必ず行うのは「卒業式の意義」を考える指導です。

今回は在校生指導ですから、5年生は5年生なりの、4年生は4年生なりの意義を見出さなくてはなりません。在校生はただ「卒業生をお祝いするため」だけに参加するのではない。卒業式はその場に居合わせた全員の、小学校生活すべての学習成果が発揮される場なのだと私は考えます。さらにその場に居合わせたすべての人にとって、新しいスタートを切る節目でもあるとも思います。節目を見事に飾ることこそ人生勝利の鉄則です。

こうした考え方を元にして指導したことは2点です。


(1)卒業式の意義【在校生編】

5年生「最高学年になるためのスタートの意義がある」

4年生「6年生になった年に迎える開校90周年の主人公としてのスタートの意義がある」

どちらもこれからの1年間、2年間の小学校生活で、素晴らしいまとめができるかどうかの第一歩を踏み出す卒業式なのだという意義を伝えました。今回の卒業式でつまづいていたら「最高の学年」になるまでにまだまだ時間がかかってしまいます。小学校最大のイベントである卒業式を通して、在校生も大きく成長してもらおうと思っています。


(2)自分にとっての卒業式の意義を考える

学年集団の意義としては私から分かりやすいスローガンである5年生の「最高学年になる」ということと、4年生の「開校90周年の主人公」というものを投げかけました。しかしそれだけでは不十分です。100人全員、一人ももれなく「卒業式の主体者」に育ってくれなくてはなりません。そこで宿題を出しました。

「自分なりに今回の卒業式の意義を考えて紙に書いて、金曜日までに担任の先生に提出すること。それは例えば、こんなことを書けるかもしれないね。」

◎在校生の姿で参加者を感動させる卒業式
◎最高学年になるということを練習を通して感じられるような卒業式
◎立派だったと言ってもらえるような卒業式
◎自分自身の1年間をしっかりまとめる卒業式
◎6年生に心から喜んでもらえる卒業式

どんなことに取り組む時も、まずはじめに必要なのは「意識革命」と「意味付け」です。
人間は「意味」が腑に落ちた時には全力を発揮できる生き物だと思います。逆に取り組んでいることの「意味」を知らされずに練習しているのは、あきらかに“やらせ”と言わざるをえないと感じています。

小中学生がよく言うマイナス言葉に「意味ないじゃん」というものがありますね。その通りなのです。意味がないことに取り組むことは人間には難しい。深い意味を感じ取った(腑に落ちた)瞬間に、次の行動への高いモチベーションが生まれるものです。

さあ、今年の卒業式はどんな空気感に包まれるのでしょうか?
楽しみです。


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「卒業式の意義」といった難しい内容も、マインドマップを使って考えれば楽に深く可視化できます。
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ベーコンわすれちゃだめよ!

ベーコンわすれちゃだめよ! (ハッチンスの絵本)
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今週、保護者ボランティアの方が読み聞かせてくれた本です。
子どもたちの笑いを誘う楽しい本です。
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いのちのあさがお

1月に行った「道徳授業地区公開講座」で学校の若手教員が教材として使用し、子どもたちの涙を誘ったという本です。「すごく良い授業ができました。」と教えてくれましたので、皆さんにも紹介します。

えほん いのちのあさがお
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いのちのあさがお―コウスケくんのおくりもの (綾野まさるのドキュメンタル童話シリーズ)
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ハート出版


命のアサガオ永遠に―子を亡くした母の願いが骨髄バンクに実るまで
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江東区小学生バレーボール教室 6年生さよなら大会

江東区スポーツ会館で「江東区小学生バレーボール教室 6年生さよなら大会」を行いました。このイベントは、これまでチームの中心になって頑張ってきた6年生を、江東区のみんなで中学に送り出す卒業記念の意味合いがあります。

今回から江東区として新しい取り組みを行いました。東京都小学生連盟の指導普及委員やソフトバレー委員の皆さんが考えたアイデアで大会を2部構成し、1部を「チーム対抗のリーグ戦」を行い、所属チームの下級生といっしょに最後の試合をする。2部として、江東区を3つに分けた「地域連合6年生チーム」と「男子連合チーム」を作り、1セットマッチのリーグ戦を行う。これによって、ライバルチームとして1年間試合をしてきた他チームの友達との思い出を作る。こうして江東区がひとつになって、6年生との思い出作りをしたわけです。

卒業していく6年生の今後の活躍と、今回素晴らしいアイデアで大会を運営して下さった役員の皆さんに拍手です。
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