さあ! 次は中学年チームの出番です!

高学年チームの秋季大会を終え、次は中学年チームの集中練習に入りました。
自由奔放の高学年チームとは正反対の中学年チームだと私は思っています。極めて真面目で、丁寧な説明をしながら、理論的に納得をさせるとどんどん伸びる子供たちだと思います。 

実は今日、午前中はブロック校長会でいなかったのですが、昼過ぎに学校に戻って、担任たちの今週の授業計画を確認すると、これは私が入れば担任も子供たちも一気に伸ばせると判断した授業計画を目にし、すぐ行動。5時間目に4年1組に授業の応援に行きました。
そして、授業の途中から、「私に授業を手伝わせて!」と割り込み、子供たちや担任の思いをファシリテーションしながら、意見を引き出していったのが黒板の写真です。

最低限の説明をしながら、
「これをこう考えると、天才の脳になるんだよ。」
と輝ける未来を感じさせ、むずかしいなぁとつぶやく子がいれば、
「その難しいというつぶやきが心の動きだから、なにか意味があるんだよ。」
と意見として生かし、しまいには私が何もしなくても、子供たちの意見が止まらない状態。あとは担任に任せれば、さらに深く考えていけそうなところまで行けました。
こんなに楽しく考えられるなら、もっと考えてみたいという子供たちの要望を受けて、黒板のマインドマップを消さずに、明日の朝一番で続きを考えてみようとなりました。

学年全体がこのような雰囲気ですから、バレーボールも同じように、学習指導要領最大の目標である思考力、判断力、表現力の豊かなチームに育てたいと指導目標を立てています。私、そんじょそこらの校長とは違って、小学生バレーボール指導を通しての学習指導要領総則目標の達成方法について、ひそかに考え続けています。それができるのも、私自身が管理職にはあり得ない、子供の指導を続けているからです。ですから、私を理解してくださるかつての保護者の方々から、
「井上先生から授業を取ったら意味がないから、校長なんかやってないで、早く担任に戻った方がよい。」
という不思議なお言葉をいただくのです。

さて、中学年チームは、高身長の子がいませんから、ボールを絶対に落とさない忍耐力も伸ばす必要があります。私、そういうチームを予選を通過させ、都大会に勝ち上がらせることは、割と得意な方かもしれません。

というわけで、子供たちのステージを上がらせてあげるために、そろそろ来年度の東京都小学生バレーボール連盟への登録をご検討ください。
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天才的な頭脳をもつ子どもとの出会い

先週、小学4年生学級で目標設定をするための授業をした際に、子どもたちの意見をマインドマップで板書していきました。
それがこの写真です。



翌日にマインドマップの理論やワークを通して、かき方の入門編を指導することになったわけですが、なんとその指導をする前に、私がマイインドマップを板書していった過程を見ただけて、そのしくみを直感的に理解し、すぐにかけるようになってしまった子が現れました。食事についてこの子なりにまとめあげたものです。私にこのマップを見せに来る前に、この子からある質問を投げかけられました。
「先生、食事って主食、主菜、副菜のほかに何がありましたっけ?」
この子がなぜこの質問をするのかと不思議に思いましたが、いちおう答えておきました。
「汁物とか、デザートとかがあるよね。」
本人は、
「ふーん。」
とすまし顔で聞き、すぐに自席にもどって、黙々と何かをかきはじめました。

しばらくして持ってきたのが、ほぼ完成系の「食事を表現したマインドマップ」でした。
私は驚きました。何も教えていないのに、マインドマップを見ただけで理解してしまう子がいるんだと。これまでたくさんの小学生にマインドマップを教え、その子どもたちは学習やスポーツに成果をあげてきましたが、これだけいとも簡単にマップをかけるようになった子は初めてです。持ってきたマップはブランチの上に言葉だけがのっているものだったので、
「ここに絵でイメージを入れていくと、もっと分かりやすいマインドマップになるからチャレンジしてみよう。」
とすすめました。その結果、「先生、できました。」と持ってきたのが下の写真のものです。



初めてかいたマインドマップでここまでかける子がいるんですね。
私の評価方法として、「このマインドマップはすごすぎるから、世の中に紹介してもいいかな?」という言葉かけをしました。どうやらその評価は本人にとってすごく嬉しいことだったようで、それまでとても冷静に受け答えしていたこの子が、目を輝かせ、笑顔で「はい!ぜひお願いします!」と言うものですから、ここに紹介をしました。

10歳でこれだけのことができる子は、将来どれだけすごい人間になるのだろう? とても楽しみです。
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試験で高得点を取るためのマインドマップ

昨日、今日の2日間、神田の消防技術試験講習場に足を運び、「防火防災管理新規講習」を受講してきました。

昼食休憩の1時間をはさみ、午前9時から午後5時までの目いっぱいの講習。「途中で寝たら資格は認めません。」という冒頭の厳しい指導に、マインドマッパーである私としては「モチベーション上昇目盛り」が振り切りました。

2日間でかいたマインドマップは5枚。この5枚で消防法を根拠にする「防災管理者」の仕事はほぼ頭の中に入りました。配布されたテキストは3冊。

「防火防災管理の知識」・・・・P358
「消防関係法令集」・・・・・P1054
「消防計画の作成」・・・・・・P457

5枚のマインドマップで概要はキャッチしました。

はっきり認識したのは、この「防火防災管理新規講習」は全教職員が受講した方が良いということです。子どもたちの命を預かっている私たち学校職員の仕事。そしてこれから何年か後に「東京湾北部地震」が確実に起こるだろう現実。この2点だけを取ってみても、全教職員の防災意識を高める必要は100%あります。

私自身、明日からさっそく防災管理という目で学校を見ていこうと感じています。


さて、この講習会、全講習を終えた直後に「効果測定」があります。70点が合格点。取れないと居残り講習です。
いわゆる「テスト(試験)」です。

消防署としては全員を合格させないと「防災管理者」が増えないので、必ず合格するようにさまざまに工夫してくれるのです。ですから落ちることはないのですが、「テスト」という状況になったらマインドマップ効果を試してみたくなるんですよマインドマッパーは。そこで、満点を取ることを自分の課題にしてみたわけです。

休憩時間に他の人たちは喫煙に行ったり、のんびり休んでいたりしていましたが、私は黙々と復習のマインドマップをかいていました。それが画像のものです。

セントラルイメージは東京消防庁のマスコットキャラクター「キュータくん」です。(あんまりうまくかけませんでした。)

そして出題可能性の高い内容をブランチにかいていきました。

記憶に残さないといけないので、忘れそうなところにはイメージの力を活用していきました。例えば、特定防火対象物のブランチにある「2回↑/年」というイメージ。効果測定の時に、この回数ですごく悩んだのですが、脳裏に浮かんだのは「2」という数字を「赤の太字」にしたこと。不思議なことに試験中「2」がものすごく強いイメージで思い起こされました。

また、休み時間中に「イメージ(絵)」をかき入れていたブランチは、試験中に確実に思い出すことができていました。

受講生全員を合格させなくてはならない簡単な効果測定だったわけなので、もっと難しい試験にマインドマップは対応できるのか?という疑問も残りますが、それでも休憩時間中も集中をとぎらせることなく学習を続けることができたということは、マインドマップの「楽しく学習する」という効果であることは間違いありません。


自分の実戦(試験)にマインドマップを活用することで、また新しい道を開けたような感覚を得ています。


「防災計画」もマインドマップでかいたら、もしかしたら皆さんの命を救える可能性が高まるかもしれませんね


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日本経済新聞社の取材を受けました 【マインドマップ実践授業】

本日、「マインドマップを使った授業を取材させてほしい。」という日本経済新聞社さんからのご依頼を受け、5年生クラスで特別授業をさせていただきました。

テーマは「高学年らしさとは?」という道徳の授業です。

道徳授業の王道とはまったくちがった授業内容で実践したのではありますが、学習指導要領の道徳の目標には、

「道徳教育の目標は,第1章総則の第1の2に示すところにより,学校の教育活動全体を通じて,道徳的な心情,判断力,実践意欲と態度などの道徳性を養うこととする。
 道徳の時間においては,以上の道徳教育の目標に基づき,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動における道徳教育と密接な関連を図りながら,計画的,発展的な指導によってこれを補充,深化,統合し,道徳的価値の自覚及び自己の生き方についての考えを深め,道徳的実践力を育成するものとする。」

とありますから、私の行う道徳の授業を受けると、まず間違いなく『道徳的実践力』はアップします。なぜなら具体的な実践課題を子どもたちが考え、その実践を行うことで見えてくる「近未来の姿」を見せてあげるからです。その「近未来の姿の可視化」のためにマインドマップが必要となります。


授業内容な次の通りです。

(1)本時の授業のねらい確認

(2)本時のタイムテーブル確認

(3)マップをかいていく視点を確認

(4)個人作業(マインドマップワークシートにかきこむ)

(5)班ごとにマインドマップにかいたことを個人発表して交流学習をする

(6)班の代表による話し合い内容の発表

(7)教師の訓話



今回の道徳授業が王道とは全くちがうのはどこかというと、学習指導要領に定められた指導内容のうち、「1.主として自分自身に関すること。」というカテゴリーのすべてを1時間で指導したことです。カテゴリーの中にある項目は下記の6点です。

(1) 生活習慣の大切さを知り,自分の生活を見直し,節度を守り節制に心掛ける。
(2) より高い目標を立て,希望と勇気をもってくじけないで努力する。
(3) 自由を大切にし,自律的で責任のある行動をする。
(4) 誠実に,明るい心で楽しく生活する。
(5) 真理を大切にし,進んで新しいものを求め,工夫して生活をよりよくする。
(6) 自分の特徴を知って,悪い所を改めよい所を積極的に伸ばす。

子どもたちには、「本来6時間で行う内容を1時間でやる。」とも伝えて授業をしました。そして、「これは担任のT先生が、これから行う道徳の授業を深いものにするための導入授業となります。」とも伝えて授業実践しました。要するに、1年間の道徳授業の導入をしてみたわけです。

ありがたいことに、子どもたちは私が語った内容をよ~く記憶してくれます。今回も「学習指導要領の中にある指導内容6項目を1時間でやるよ」と語ったことを覚えていて、「高学年として学習指導要領の内容をしっかり身につける」というブランチを伸ばした子がいたほどでした。


授業の様子は、いつもどおり、個人作業では集中状態が起き、意見交換は自分の言葉で自然に話す子どもばかり。班代表発表も同様で、マインドマップの特徴がよく表れた授業となりました。



今回、この記事に添付した画像は、私がかいたマインドマップです。
これは、子どもたちが考えたマインドマップすべてをまとめ、集約したものです。こうすることで、学級全員の意見を反映させることができます。マインドマップでかいてあるので、慣れていない人には何を書いてあるのか理解しにくいこともあるでしょうが、日常的にマインドマップに触れている子どもたちには、この1枚だけで理解できてしまいます。そして1年後に振り返ってみると、子どもたちはここにかかれている内容で「道徳的実践」を自然にしてしまうのが不思議な現象です。

潜在意識に強く訴える効果がマインドマップにはあるからです。なぜなら、キーワードで単純にかかれており、イメージやカラーを使って右脳に働きかけており、ブランチによって階層化された表現内容だからです。



この授業については、もう少しくわしく伝える必要もありそうですから、後日指導案的な内容でブログに再掲載するかもしれません。



なお、今回取材を受けた記事は、『日本経済新聞』で4月下旬に記事にしていただけると担当の方にうかがっております。皆さん、ぜひ読んで下さいませ。

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スーパー2年生になるためのマインドマップ

2年生の廊下にこのようなマインドマップが掲示されていました。
(オッ!すごい!やってくれるなぁ、2年生!)と思い、さっそく写真に撮らせてもらいました。

ここに書かれているのは「2年生の目標」です。

目標マインドマップは、はっておいて、毎日視野に入れるだけでも効果がありますが、せっかくなので私がアファメーション文にしてあげようと思いました。

【アファメーション】

わたしたちはスーパー2年生である。
どんなことでもがんばるし、なんでもできる!

わたしたちは友だちどうしで力を合わせ、助け合い、なかよく楽しい学年である。みんなでよくあそんでいる。
つまり、2年生ぜんいんが友だちなのである。
友だちには自分からすすんで話をし、ケンカがあっても、すぐになかなおりをすることができる。

学しゅうも集中してできる。にが手なことにもちょうせんしている。
いつもやる気があって、かん字やかけ算、さかあがりをがんばっている。じゅぎょう中の発表もがんばっている。

学しゅうのルールもしっかり守る。
まず、休み時間には、つぎのじゅぎょうのじゅんびをしっかりやっている。
そして、じゅぎょうがはじまったら、しずかに集中し、先生や友だちの話をよく聴いている。

学校生活では、チャイムの合図で教室に入り、「しゃべらない」「すわる」という合図も守っている。
自分のもちものや、教室はいつも「せいりせいとん」している。
給食は早くじゅんびし、ゆっくりしっかりかんで食べている。出されたものはぜんぶ食べて、のこさない。
このように、わたしたち2年生は、1年生のお手本となっている。

2年生みんなの心はいつでも楽しい!前向きな心である。
「スーパー2年生になる!」という目ひょうに向かって、いろいろなことをがんばっている。
これからも先のことまで考え、えがおがかがやく2年生になっていく。




今、学校内で一番元気なあいさつをするのが2年生です。
どんどんこの「スーパー2年生イメージ」に近づいていっている手応えがあります。


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「場」や「立場」がその子を育てることもある

昨日の土曜日。学校は休みでしたが、担任する4年生の代表児童12名を引率して、「江東区トンボまつり(2010)」に参加しました。目的は総合的な学習で行った「ヤゴ救出作戦」の実践発表を子どもたちに行ってもらうためです。今年度は残念なことに私の勤務校だけが発表校だったので、聞いてくれる方が少なかったのですが、それでも参加したことには意味があります。

「公の場で子どもたちを育てる」
「学校を代表して、学校外で発表をすることにより、リーダー性を伸ばす」
こういうねらいを持って指導してきたつもりです。

発表を聞いて下さった方は、江東区の職員の方々やネイチャーリーダーの方々、そして参加児童のご家族といった、「内輪」のメンバーでしたが、発表する児童にとっては、それでも十分緊張感を感じられる「公の場」でした。

何しろ、12人の友達と2人の担任と一緒にバスに乗ってお出かけするだけでもワクワク感があったようですから、初めて訪れた文化センターでの発表が子どもたちの脳裏に強く刻まれたことは間違いないでしょう。


発表は1組、2組別々に行いました。
私の組は、代表児童から「マインドマップで発表したい」という希望が出ましたので、画像のような「iMindMap」をプレゼンモードで動かしてやってもらいました。子どもたちが手に持っていたのは画像のマップ1枚。6人でブランチごとに交代しながら原稿なしで話して約6分間。聞いていた大人の方々は、きっと「ノー原稿」だとは思っていなかったことでしょう。



午前中には学校にもどり、子どもたちを帰した後、昼食も十分に取る時間もなく、午後は辰巳ジャンプの練習にかけつけました。

今の辰巳ジャンプは4年生が中心メンバーですから、7月に行われる予定の「U10キッズ交流バレーボール大会」に向けてのチーム作りが中心目標になっています。その4年生チームの中にただ一人、2年生を「レギュラー」として入れることにしました。この子は練習中も試合中もいつも大きな声を出してはチームを盛り上げてくれます。高学年の子が打ってくるスパイクにも怖がらずにレシーブしに行きますし、もしかしたら今のチーム内では一番“辰巳ジャンプらしい子”と言えるかもしれません。

ファミリーマートカップ予選敗退が決まった直後、すぐに「7月の大会ではレギュラーだよ。」と申し渡しました。今、この「レギュラーという立場」がこの子のバレーボールに対する意識を大きく伸ばしています。自覚が生まれたと言えばいいのでしょうか。レシーブ技術がどんどん伸びています。さらには「2年生チーム」を作るべく、次々とお友達を練習に誘って部員増加に貢献しています。現在2年生は5名まで増えましたので、あと1人で1チームできあがりですね。
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ノートはデコレ!

昨日、私にICT機器(ペンタブレット)を貸して下さっていて、授業に協力を頂いている企業の「WACOM」さんの営業を担当している若手女子社員のOさんが教室に来て下さり、ICT教育機器の可能性について語り合う機会を得ました。

OさんはW大学出身の優秀なスタッフであり、大学の授業の中で「マインドマップ」にも触れることがあったという経験を持っている方です。さらに教育にできる限りの力を尽くしたいという希望を持たれていて、私の授業にも一生懸命に協力して下さっています。多くの方々の支えを得て、私も新時代の教育方法を開拓していけると感じています。

なぜOさんが私の教室に来たかと言えば、現在授業で使わせていただいている「WACOM」製の教材提示装置「ペンタブレット」の活用について意見交換をすることが目的でした。ところが、あれこれと話をしているうちに、「マインドマップの可能性」についての話題になってしまったのです。この2年半に私のクラスで起こったエピソードを紹介しながら、子どもたちがかいたマインドマップを見せていくうちに、Oさんも教育という分野のやりがいと、子どもたちを育てるという使命感を高めてくれたように思いました。

一期一会と言いますが、私も命が長いわけではないので、時間を無駄にすることはできない。出会った方には全霊を注いで何かをつかんでもらいたいのです。


ところでOさん、さすが大学を卒業したばかりの柔軟な若い感覚をお持ちでした。
様々なマインドマップを紹介しているうちに、こんなことをつぶやいてくれました。

「マインドマップって、私たちのような女の子が大好きな『デコメール』や『デコレーションノート』に感覚が似ている感じがします。」

な~るほどぉ~!

それは言えますね!

マインドマップは工夫してかいていくと、どんどん楽しくなって、もっとこうしたい、これでは満足できないと、いろんな飾りをつけていき、その分、記憶のフックにかかって、強い記憶に残るという効果があります。

「デコる」という意味で、私が感服したマインドマップがありますので画像で紹介します。

今回の画像は昨年の6年生女子がかいたもので、「室町時代」についてまとめたものです。文字は一切ありません。すべて「絵」で描かれています。これこそ「デコる」感覚なのではないでしょうか。

ちなみに私は子どもたちにも大人にもよく、「絵をかける力は、文字でかける力の1000倍すごい」と言わせていただいています。学んだことを「絵」にできる人は、その学びをしっかり理解した人なのだと思います。
ちなみにこのマインドマップをかいた子は、最優秀の学力と友達を大切に思う優しい心を持っていた子です。
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【マインドマップ】 こんな4年生になろう!

「どんな4年生になりたいか?」というテーマで目標設定をするために行った先週の道徳の授業では、ブレインストーミング(KJ法)を用いて子どもたちに意見を出してもらいました。子どもたちの将来のために、こうした話し合い技術を教えていくのも学校の教員の役目だと思います。最近こうした技術を教えていくことを「スキルの習得」と称して、「ソーシャルスキル」とか「コミュニケーションスキル」等々の取り組みを導入している学校も少なくありません。これからの時代は、それだけ「スキルの習得」をしているかどうかがものを言う時代なのでしょう。

今回の授業では、短時間に大量のアイデアを出していくための「スキル」である「KJ法」を体験してもらったわけです。この方法はかなり一般的に使われていますので、会社や大学などで活用してきた保護者の皆さんも多いのではないでしょうか。小学4年生の子どもたちでも、おそらく3回もやってみれば習得できる技術です。一度身につければ一生涯使っていけますので大人になっても「消えない学力」のひとつになります。

子どもたちは25人でたった10分間に300以上のアイデアを出してきました。もちろん“のべ数”ですから、何人もが同じような内容のアイデアを出しているわけです。しかし、それもすべて認めていく、そして出された意見に対して批判は決してしてはならないという姿勢に立つのがブレインストーミングの大原則です。ですから短時間にこれだけのアイデアを出してきた子どもたちのエネルギーを大いに褒めてあげてほしいわけです。


出された意見を私が全力投球のマインドマップに描いてあげました。
それが画像のものです。

何が書かれているのかを文章化することも、全員がこのマインドマップを理解するという目的のためには大事なことなので、「アファメーション」の手法を使った文章に書きなおしてみます。

**********

私たち4年1組はみんな親友のように仲良く、友達がいっぱいいる。男女は一丸となってまとまっている。

みんなの心は、素直でやさしく、いつも下級生や弱い立場の子を守っている。そしてクラスの仲間もお互いに守り合っている。そのため、いつも元気で全員が休まずに出席している。性格は明るく、健康で、聞いている人を元気にしてしまうあいさつをしている。いつも「ミラーニューロン」を意識して、お互いに良い影響を与え合っている。

自分の生活態度についてはきびしいが、人にはやさしい。自分でできることは何でも行う。最近は料理や掃除なども、大人から言われなくてもしっかりやる。もっと上のレベルに行けるようにと、上級生の良いところをどんどん見習っている。

態度を良くしていくことにも挑戦している。
4年1組のみんなは、いつもニコニコ明るく笑っている。教室は笑い声にあふれていて、そこにいるだけで、だれもがみんなうれしくなってしまう。
言葉づかいも良く、「さんづけ」も学校のどのクラスよりもしっかりできている。人を傷つけるような言葉はけっして言わず、気持ち良さバッチリである。
また、先生や友達の話をしっかり聞いているし、何を言おうとしているのかを理解して聞いていこうとする態度も持っている。
みんな、いつも真剣で、ビシッと決めている。授業態度はまじめで静かだ。そんな4年1組は心も体もたくましいクラスである。

やってはいけないこともしっかり分かっている。
先生や大人には、はむかわない。
勉強や係、当番の仕事もさぼっていない。
苦しくても難しくても、絶対にあきらめない。
人に迷惑のかかるようなことを、たとえば、うるさくしたりしていない。
怒りの気持ちが起こったとしても、みんな自分の力でおさえることができ、けんかになることはない。

そんな4年1組の能力はとても高く、特に集中力はどんどん上がっている。その結果、テストをやれば全員が100点ばかりであり、IQも急上昇し、天才の集団なのではないかと思えるほどである。それはすべて「ミラーニューロン」を意識しているからこそ、お互いに伸びていこうとするのである。

このような4年1組を私たちは「世界最高、最強のクラスであり、世界一である。」とイメージしている。他の人が見ても、すごいクラスだと認めてもらっているし、だれもが「あのクラスはうらやましい」と思っている。だからこそ、他のクラスの人にもよろこばれるような行動をし、だれからも好かれる学級となっている。その結果、みんなが「あのクラスはかっこいい!」とあこがれを持ってくれている。

私たちが目標としていることは、4年生のうちにクラスの全員が、読書100冊を読み、4年生で習う漢字200字を全部覚えること。そしてマイ新聞をまずは全員が100号達成し、200号、500号、1000号、3000号と、どんどん達成していくことだ。その結果、クラスでは10000号など軽く達成できることが見えている。また、下級生や困っている人のめんどうもしっかり見ていきたい。
これだけではない。もっとがんばるつもりである。
運動ではスーパードッジボール大会で優勝する。
マインドマップをたくさんかいて、上手になり、名人と言われるクラスになる。
声のものさしを意識して、場面に応じた声の大きさで話せるようにする。
字をきれいに書く。

このような目標を達成できるようにがんばっていくことで、私たちはみんな、2011年3月1日には、勉強を十分にしており、勉強することが好きになり、みんなよくできる子どもたちになるのである。

これが「宇宙の大新星・4年1組」なのである。

**********

いかがでしょうか。
このように「現在型」で「強い肯定宣言」をしていく文章にすることを「アファメーション」と言います。
明日から、この「アファメーション」を教室に掲示することになります。すると不思議なことに、子どもたちの脳が子どもたち自身を「自動操縦」することを始めます。知らず知らずのうちに、このマインドマップにかかれた方向に進んでいきますし、今回はこんなに強い「アファメーション文」にまで書きましたから、もっと力強く脳が動いていくことになります。
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シリーズ・学校教育目標を考える授業④ 「思いやりのある子」 【マインドマップ活用授業】

このシリーズの授業も第4回目を迎えました。学校教育目標の4項目の最後、「思いやりのある子」とはどんな子なのかを考えるわけです。

今回の授業についての記事を書く前に、これまでの授業をリンクしておきます。

シリーズ・学校教育目標を考える授業① 「考える子」 【マインドマップ活用授業】

シリーズ・学校教育目標を考える授業② 「がんばる子」 【マインドマップ活用授業】

シリーズ・学校教育目標を考える授業③ 「じょうぶな子」 【マインドマップ活用授業】

4回目ともなると授業方法は同じパターンです。

【授業展開】
(1)課題把握
・「がんばる子」とは何かということを考える授業を行うことを意識する。
・始めに個人で思考し、その後、全員で意見交流をすることを知る。

(2)個人思考
・10分間で「がんばる子」に関するメモマインドマップをかきながら、自分の考えを整理する。

(3)全体交流
・考えたことを発表し、学級マインドマップを作成していく。

(4)ふりかえり
・この学習で感じたことをふりかえり、短文で書く。


そしてこの1時間に考え出された「思いやりのある子」イメージは次の通りです。(マインドマップの解説にもなります)


・やさしい心を持てると、他人に好かれるし、友達もたくさんできる。友達がたくさんできた方が得だと思う。
・協力する心を持っていると、自然に友達も増える。
・だれから言われて行動するのではなく、自分から人のために役立つ行動をすることが大切である。
・困っている人を進んで助ける。手伝う。
・お互いに励まし合っていくこと。
・お互いに助け合うことが思いやり。
・みんなのことを笑顔にしてあげられるようにする。
・自分の思いを人に伝えることも思いやりである。
・あいさつをどんどんしていくと、お互いの心の温かさが伝わって思いやりのある子になる。
・友だちと仲良くしようという気持ちが大切。
・心の「やさしさ」を大切にしていきたい。
・自分の苦手なことにもチャレンジしていくことと、最後まであきらめないことも思いやりにつながる。
・生き物を大切にすることも思いやりだ。
・けんかになっても、素直にあやまって、早く仲直りすること。
・人のダメな行動を注意して、良くしていくことも思いやり。
・ルールを守ることも人への思いやりだ。
・学校ではろうかを走らないというルールを守ることで、けがをさせないことや迷惑をかけないことになる。
・言葉づかいに気をつけることも思いやりになる。
・忘れ物をしないことは自分への思いやりだと思う。

【思いやりのある子になるとどうなるか】
・みんなから認めてもらえる。
・友だちから信用される人になれる。
・その結果、人気者になるだろう。



今回の授業を通して、ひとつ感じた点がありました。
これまでの3回の授業で学んだ「考える子」「がんばる子」「じょうぶな子」の3つの時とは違って、子どもたちの発言も、マインドマップによる個人思考も今ひとつだったのです。どうしてなんだろうなと私は授業後に考えてしまいました。少人数算数から帰ってきた直後で落ち着きがなかったかなとか、もしかしたら私自身のモチベーションが下がっていて、それが影響したかなと考えました。そして最終的にあることに気づきました。

これまでの3回の学校教育目標は「個人」に関わる内容であり、自分自身のことを深く考えれば良かったので考えやすかったんだろう。今回の「思いやりのある子」というテーマは、個人だけでなく「他者とのかかわり」の中で生じてくるテーマである。となると、4年生という具体的思考から抽象的思考に発達していく途中にある子どもたちには、まだまだ経験不足である。少ない経験の中で、高度な内容の思考をしなくてはならなかったことで、実感の伴わない思考におちいっていたのだろうと感じました。

また、3月まで教えていた6年生(現中1)や現中2の子どもたちに「思いやりのある子」を考えさせたら、たぶんこのマインドマップ画像の2~3倍はイメージが出てきただろうと想像できますから、やはり発達段階的に難しいテーマだったのでしょう。

そこで、これからの1年間で私がどのような指導をしていくかで「思いやり」というものは育っていくのだろう、それを引き出す私の役割は大きいと自覚しました。


最後に数人の児童の授業のふりかえりを紹介して記事のまとめとします。

「人のことを思いやって、人にやさしくしたり、ルールを守ることをしたり、問題がおきた時は、人にあやまって仲なおりをしたりして、思いやりのある子になっていきたいです。」

「思いやりのある子で話し合いました。私はみんなから信用される人気者になりたいです。」

「心から思いやりをもちたいです。」

「今日は、思いやりのある子をマインドマップにまとめました。みんなにやさしい気持ちを考えることがだいじだと思いました。」

「今日の思いやりのある子のマインドマップは、友だちときょうりょくしあって、みんなから人気者になれて、思いやりのある子の勉強は、自分でやさしくできる勉強だと思いました。」

「思いやりのある子に必要なことがいっぱいあることが改めてわかりました。」

「今回、教育目標を考えるのはさいごだったけど、このことを考えると、自分のやった事が、いくつかあるので、これからは、このマインドマップに書いてある事全部できるようにがんばりたいです。」

「今回やった思いやりのある子を考えてみたら、思いやりのある子は、いろんな人の事を考えたり、自分の思いを伝えるんだなと思った。」

「この授業で、思いやりで大切なのはなんなのか、思いやりを持つとどうなるか、ルールを守るとどう思いやりにつながるのかなど、いろいろなことがわかりました。」



これで学校教育目標の4つを考えることができました。
実はこれで終わりなのではなく、このシリーズ授業を受けて、次に「自分はどう行動するのか」という、今年度1年間の行動目標を考えることでしめくくりをするつもりです。

思考を深めて心を耕し、行動化して本当の実力を伸ばす。このリズムによって、子どもたちの中に素晴らしい人間性が育っていくのだと信じています。
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シリーズ・学校教育目標を考える授業③ 「じょうぶな子」 【マインドマップ活用授業】

このブログは、全国、全世界の問題意識のある先生方、各地教育委員会の方々、
井上学級の卒業生や現役生、保護者の皆様、思考法や教育に関して研究されている方々、出版新聞各社の皆様方、教育関連企業の皆様方、バレーボール関係の皆様方、私の友人や家族親族を始め、真面目に前向きに教育を考えて下さっている方々を読者対象と考え、情報発信させていただいております。

また、2007年問題にあえぐ教育現場にあって、若手の先生方には教育について学ぶ場として存在しているブログになりつつあります。私は職務上、職場の若手教師育成を全魂を込めて行っているつもりで、ベテランの先生方も皆、同じ意識を持ってくれています。ありがたいことに私の職場の若手教師は素直な心を持っていて、私たちのアドバイスを真っ直ぐに受け止め、素晴らしいスピードで授業力を伸ばしてくれています。

そうした環境にない若手の方々に、少しでも勇気を送ることができればとの思いも込めて、メッセージを送っているつもりです。

教育公務員という立場上、個人情報保護や勤務校にマイナスにならないように配慮をしながら文章を作成しておりますが、辰巳ジャンプバレーボールクラブに関しての情報のみ、“チーム関係者だけ”に分かるような個人を特定できる書き方をすることがたま~にあります。とはいえ、人間が発信している情報ですので、何か問題点に気づかれた方は、遠慮なく井上本人にお申し出下さい。(大会が近いので、あえてこのような話題を書きました。)


さて、


学校教育目標に関する授業の3回目です。授業方法は第2回目の「がんばる子」と同じですが、一歩一歩ステップアップしてもらうことをねらっているので、授業者としての子どもたちへのアプローチを変えました。

1回目は、「考え方」を徹底することをねらいました。そのため、個人で思考する時間を取らず、担任主導で時間をかけて全体指導を行いました。これによって、「みんなの意見を集めると良いことが起きる」と実感してくれれば良かったのです。

2回目は、「個人の思考作業」を深めることをねらいました。たった10分間ですが、「がんばる子」ということについて、自分の頭の中に何があるのかを紙の上に可視化する作業をしてもらったのです。自分の頭の中にあるものを外に出す、いわゆるアウトプットするのはけっこうエネルギーのいる作業であり、慣れている大人でも苦しさを伴うものだと思います。これを箇条書きでやれと言われると、ほとんどの人は30秒間でいったん発想が止まることが多いわけです。
ところが、マインドマップを活用すると多くの子たちが「止まらない発想」を体感することになります。そのため、前回の授業後に振り返った感想に、「自分の考えを出すのは大変だけど、マインドマップを使うとだんだん楽しくなってきた」という内容のものが多かったのです。

3回目。今回のステップアップは「こどもたちの発言に対して、一歩つっこんだ問いかけをする」ということをしました。たとえば、「じょうぶな子になるためには運動することが大事です。」と子どもが発言してくれた時には、「では、どんな運動をしたらいいと思うの?」と追加質問をし、「ランニングがいいと思います。」という次の発言促し、考えをつなげることに意識を向けさせます。
なぜ「つなげる」ということに意識を向けさせるのかというと、脳の最大の機能が「連想」であり「むすびつけ」だからです。この機能が授業中に強化され続けることにより、子どもたちの脳力は向上し、さらには「超プラス思考」の子どもたちに生まれ変わることになります。このことは、過去2年間の卒業生たちの取り組みから、体験的に証明された事実です。



文章が長くなりますが、3回目の「じょうぶな子」について、子どもたちが考えてくれたことを文章化しておきます。

井上学級が考える『じょうぶな子』とは?

1.体について
・いつも健康で風邪をひかないようにする。
・元気な体を作っていく。

2.約束について
・約束を守るとほめられてうれしい。時間を守る習慣をつけると良い。
・ほめられてうれしいと元気になって健康になる。

3.食べることについて
・たくさん食べると力がついてじょうぶになる。
・好き嫌いなく、おいしくご飯を食べていこう。
・栄養を意識して食べると良い。赤や黄色や緑の栄養をとるようにする。
・食べる時には最低30回はかんで食べると良い。
・三食しっかり食べる。特に朝ご飯は欠かさず食べる。
・楽しく食事をすれば胃にも優しいはず。
・魚を食べると頭が良くなる。
・野菜を食べると肌が美しくなる。

4.飲むことについて
・牛乳を飲めば、骨がじょうぶになる。
・水を飲めば体がうるおう。

5.歯について
・歯をしっかりみがけば、虫歯にならない。
・歯といえば「8020運動」を意識することが大事。

6.勉強について
・考えることをがんばれば、100点を取れるようになる。
・勉強をすれば頭がじょうぶになる。
・勉強すれば脳にも刺激を与えられる。

7.運動について
・体力をつければじょうぶな子になる。ランニングをすると良い。
・寒くても外遊びをすれば体はポカポカして、寒さもへっちゃらになる。
・運動をすればたくさん元気になる。

8.生活について
・早く寝れば病気にもならない。
・早寝早起きをすれば勉強をはじめ、何でもスッキリした気分でできる。
・寝不足をしたらダメだ。睡眠時間をしっかりとることがでじょうぶな子になる。
・毎日の生活の中で、手洗いやうがいに注意していれば、風邪になりにくい。
・生活リズムを良くしていくことでじょうぶな子になる。

9.心について
・面白いことを言えば、楽しくて元気になる。
・笑うことで健康になる。面白いことがあれば笑える。
・気合を入れてがんばることも大事だと思う。
・人に優しくしていく心を持てば、友達も増えて気持ちが元気になる。
・何ごとにも負けない情熱を持とう!


今回の授業も、子どもたちにとっては「まだまだ発言したいことがある!」という状態で時間切れになってしまいました。学校教育目標をこれほどまでに考えぬいた子どもたちは、非常にまれであると言わせていただきます。なぜなら、学校の「教師」でさえも、ここまで学校教育目標を考え抜いた人はそれほどいないのではないかと思うからです。現場の教師は忙しすぎて、すでに決まっている学校教育目標について論議するという余裕がなかなか取れませんから。

私の学級の子どもたち、本当によく頑張ってくれています。私のような、まだまだ試行錯誤の状態の未熟な一教師の投げかけに、全力で応えてくれようとしているのですから、私の心には「感謝」の思いがいっぱいなのです。
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シリーズ・学校教育目標を考える授業② 「がんばる子」 【マインドマップ活用授業】

学校教育目標を考える授業の第2回目は「がんばる子」とは何かというテーマでした。

第1回目「考える子」の授業で、どんなふうに考えていったら良いかをいうことを全員討論で体験した4年生井上学級ですから、同じような学習をしても成長がないので、2回目の授業はレベルをワンステップ上げ、個人思考の10分間を入れました。

【授業展開】
(1)課題把握
・「がんばる子」とは何かということを考える授業を行うことを意識する。
・始めに個人で思考し、その後、全員で意見交流をすることを知る。

(2)個人思考
・10分間で「がんばる子」に関するメモマインドマップをかきながら、自分の考えを整理する。

(3)全体交流
・考えたことを発表し、学級マインドマップを作成していく。

(4)ふりかえり
・この学習で感じたことをふりかえり、短文で書く。


【学級マインドマップ(参照画像)の解説】
〈苦手ブランチ〉
がんばる子とは、苦手なことを克服していける子のことで、たとえばテストの問題をくりかえし学習し、100点を目指す。100点を取れば、もっとがんばる気持ちがおきるし、苦手が得意にかわっていくこともある。

(努力ブランチ)
あきらめずに努力し続けることが大事だ。そうすれば実力もつくし、天才になれる。

(算数ブランチ)
算数でがんばることは、かけ算、わり算、たし算など、よくたしかめて問題をやるべきであり、計算を早くできるようにがんばりたい。

(勉強ブランチ)
理科は植物や虫など、生き物を育てながら観察をすることをがんばる。
社会は歴史や時代をいろいろと知ることでをがんばる。
国語では漢字をたくさん書いて覚えることや音読、作文、読書をがんばる。
勉強はむずかしいこともあるけどがんばる。

(読書ブランチ)
読書をいっぱいがんばれば、学芸会でもよい演技をすることができる。

(守るブランチ)
チャイムの合図を守ることをがんばる。
学校のきまりやマナーを守る。
電車やバスで席をゆずったりする。

(生活ブランチ)
生活リズムを正しくしていく。
社会人になった時にそれが役に立つ。

(勉強力のブランチ)
勉強をがんばることで「調べる力」「読解力」「記憶力」「質問力」などがつき、理解力が深まる。


まだまだ意見は出る状況でしたが、残念ながら時間切れ。それにしてもマインドマップで考えてもらうと、その後の討論は100%「意見が止まらない状態」になります。


【学習のふりかえり】
「やってみるとおもしろかった。これからもっとマインドマップをかきたい。」

「おもしろい。マインドマップ楽しい。」

「自分ががんばる事がまとめられて良かった。そしてりっぱな社会人になるために、今日のマインドマップにかいてあった事をがんばる。」

「『がんばる子』をマインドマップにすることで、『がんばる子』についてよくわかった。マインドマップっていいものだなぁと思った。」

「いっぱい考えたから、ひょうげんするのが楽しかった。」

「今日やってみて、10分ぐらいでこんなに意見が出てすごいと思いました。」

「楽しかったです。やっているうちに楽しくなってきて、これからもMMをいっぱいかきたいな!」

「みんなで話し合いをして、どんどん頭がよくなって楽しい。」

「やったら頭が良くなりそう。だからいっぱいやって身につける。」

「楽しかった。マインドマップ!!サイコー」

「これからは苦手なことでもがんばるようにしたいです。」
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シリーズ・学校教育目標を考える授業① 「考える子」 【マインドマップ活用授業】

昨年来、考えてきた授業実践を始めています。


私の勤務校の教育目標は「考える子」「がんばる子」「じょうぶな子」「思いやりのある子」という4本の柱からできています。これを意識化に深く刻んでいく授業を4週連続授業の形で進めています。

第1回目は「考える子」とは何かを考えた授業です。



ここでブログを読んでくださっている方にお聞きします。
教員の方であれば、
「ご自分の学校の教育目標を言えますか?」
保護者の方であれば、
「これまで所属した学校の教育目標を意識したことがありますか?」
児童・生徒の皆さんであれば、
「自分が通っている学校の教育目標を言えますか?」

学校は、この教育目標を柱に動いているはずなのに、それをそらんじることもできないことが多くないですか?

私はこの実態はいかがなものか、マイナスなのではないかと感じています。
学校教育目標はその学校の大黒柱であり、進むべき指針であり、これを意識しているか否かで、その学校に関わるすべての人たちの成長が決まると言っていいと思っています。


私の勤務校は教育目標が4つもある。正直なところ、なかなか覚えられません。

前任校では校長先生の英断でひとつにまとめたんです。その話し合いにも参加した私は、本当に貴重な経験をさせてもらえました。

「にこにこ元気にやりぬく子」

この短い言葉にすべての思いを込めたのが前任校の教育目標でした。1年間かけて何回も話し合って決めた学校教育目標でしたからその定着度はかなり高かったのです。ある年に、テレビ東京「おはスタ」の取材を受けたのですが、その放送のしめの言葉に「にこにこ元気にやりぬく子」という教育目標が使われました。

動画はこちらです。



昨年、現在の勤務校の教育目標も、「みんなが覚えられるものに変えましょう」と私から提案しましたが、残念ながら実現しませんでした。



今回、新しく学級を担任するにあたって、学校教育目標を考えてもらう授業を4回シリーズで展開することにしました。おそらくこの4回の授業を行うことによって、担任する4年生は学校の中では飛び抜けた優良学級になるはずです。学校の目指す「児童像」を強く意識するわけですから、飛び抜けるのは当然だと思います。

第1回目の話し合いだったので、子どもたちがグループマインドマップに慣れていなく、話題からずれていくこともありました。これは今後、話し合い活動をくり返し体験していくことによって話のが流れにそって意見を言えるように育っていくはずなので、あまり気にしていません。

出てきた意見はこのような内容でした。

(1)いろいろな人から学ぶ。親、先生、社会人、町を歩いている人、その他、どんな人からも学ぶことができる。

(2)考えるということは頭を使うので想像力がつく。

(3)苦手なことをくりかえしやっていくことによって、克服することができる。

(4)いろいろな問題を解くことが考えることにつながる。

(5)質問をすることも考えることになる。賛成意見や反対意見、つけたしの意見をどんどんすると良い。

(6)行動も考えた方が良い。礼儀正しく、あいさつも気持ち良くしているかどうか考える。

(7)調べる活動をすることで考える力がつく。理科で花や生き物を観察したり、社会では調べることで新しいひらめきが生まれるかもしれない。漢字を調べて覚えることで、頭もよくなる。

(8)読むことも大事。本をたくさん読むと歴史上の出来事や人物のことをたくさん知ることができる。音読をくりかえしすることでスラスラ読めるようになる。

(9)勉強することが考えることになるのは当たり前だ。がんばって努力をすれば、必ず頭が良くなる。考える力を強くして頭を良くするためには、予習・復習・自習をしっかりやっていくこと。頭が良くなればほめられて嬉しい。

(10)書くことも大事。文章力も計算力も紙に書いていくことで良くなる。ノートにメモをたくさんして復習することで、勉強が分かるようになる。そうすればテストも100点を取れる。


以上10点が画像のマインドマップから文章化した内容です。

大人から与えた「教育目標」ではなく、子どもたちが考えた「教育目標」にしてあげることで、学校という組織は劇的に良くなるはずです。子どもたちの学校への所属感も深まるでしょうし、自然な形で「愛校心」を育むことにもなるでしょう。



長い文章を読んでいただきありがとうございました。
この「学校教育目標を考える授業」は4回シリーズの報告になりますので、また読んでいただけますようお願い申し上げます。
次回は「がんばる子」の報告になります。
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マインドマップで3年生の「クラス目標」を考える

この記事の写真は、私のクラスのものではありません。私は今年度、4年生の担任となりました。この写真は3年生のクラスで行われた授業の記録です。

学級始めにクラスのみんなで目標を考える時に、グループマインドマップを活用したそうです。当然ながら、意見は次々と出て、止まらない状態になったそうです。もはやマインドマップを活用して話し合い活動をするということの効果は明らかに大きいです。それは私の勤務校で、12学級中6学級が実践をし、100%その成果を担任が感じております。毎回、私のところに、
「井上先生、子どもたちの発言が止まらなくなりました!授業をしていてこんなに楽しく話し合い活動をできるなんて、すごいですね!」
という報告をいただきます。


さて、この「学級目標マインドマップ」で授業をしている時に、担任はひとつの壁にぶつかったようです。それは、
模造紙に書いていく時に担任として上手にカテゴライズできない。
という悩みです。次々と続く子どもたちの意見を書きとめていくことで精一杯で、上手に整理して書けないというのです。

私からはこのようにアドバイスしました。

①授業中に子どもたちの意見をうまくまとめてカテゴライズするには、マインドマップに熟練して「脳内マインドマップ」を描けるくらいにならないと難しいかもしれない。(「iMindMap」を活用すると授業中に修正しやすいので、私は最近、話し合い活動ではほとんど「iMindMap」を使う。)

②そこで、授業中にたくさん出た意見を、授業後にもう一度整理しなおして、『清書マインドマップ』をかいた方が良い。

③特に今回は「学級目標」というクラスの根幹にかかわる重要なテーマなので、担任として全力投球の『本気マインドマップ』にする。そしてそれを教室の中で、一番見やすい位置に掲示しておく。そうすると子どもたちは意識的にも無意識的にも、マップにかかれた情報を目から潜在意識に取り込んでいくから、描いた通りのクラスになる。


3年生のクラスもどんなに素晴らしいクラスになるか、楽しみになってきました。



昨年度は担当学年を立派に卒業させることに全精力を使っていましたが、今年度は3~4年生全体をグググ~~~っと引き上げていくことに力を注ぎたいと思っています。

『人類最強頭脳のウルトラ中学年』を目指します。
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卒業した君たちへ その2・・・最高の贈り物 『感謝状マインドマップ』

まずは画像を見て下さい。

「史上最高の卒業式」を目指して頑張り、卒業していった子どもたちがみんなで考えて描いてくれた私への「贈り物マインドマップ」です。マインドマップ活用法を必死になって作り上げてきた私には100%嬉しいプレゼントです。書いてある内容が私への褒め言葉ばかりなので恥ずかしいのですが、描き手の努力に応えるために、あえて文章化しておきます。



井上先生
いままでありがとうございました。

先生の存在は、その出会いじたい奇跡です。私たちには手の届かないくらい、スーパーな先生です。たぶん世界でNO1の先生なのではないかと思うくらいです。
先生は人の心を見抜く目を持っていて、私たちの心を分かってくれました。そんな特別な先生です。
みんなは先生の力におどろき、尊敬しています。

先生はマインドマップという新しい勉強法を教えてくれました。
最初はどうやってかいたらいいのか分からなくて困っていましたが、今ではマインドマップを使うことがあたりまえのようになりました。このマインドマップを使っていると、将来の夢を見つめる力がつき、きっと夢を実現していけるだろう、そして将来の夢に今の自分たちの努力がつながっていくことを実感しました。
マインドマップを使うと自分の考えていることの細かいところまでくわしく書けるので、今まで分からなかった自分の事や友達の考えていることが理解できるようになりました。

自分たちはこの1年間、とても良く変わりました。それは井上先生のおかげです。井上先生がいなかったら、ここまで変わることはできなかったと思います。もちろん最高の卒業式なんて夢の夢だったし、そんなことも考えていなかったと思います。
だから先生にはすごく感謝しています。

いよいよ今日は卒業式です。
自分たちの力でこの卒業式を素晴らしいものにします。
目標としては、会場にいる先生方、お母さんたち、お客さんたちを感動で泣かせてみせます。
そして、みんなが納得するような卒業式にします。
「史上最高の卒業式」をすることで、一生忘れない思い出を作ります。

最後に千羽づるをみんなで折ったので受け取ってください。

*************************

この文章で、子どもたちの言いたかったことはほとんど表せたと思います。
卒業生のみんな、ちがっていたらコメントしてね。
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史上最高の卒業式のイメージを創る 【マインドマップ活用授業】

4月にマインドマップⓇ公認フェロー二人が担任となり、「マインドマップ学年」を作り、この1年間、はっきりした目標として「史上最高の卒業式になる」ということを合い言葉にしながら前進してきました。残すところ2週間を切ったわけですが、今が一番良いタイミングと判断して、次のようなテーマで授業を行いました。

「史上最高の卒業式のイメージを創る」


【授業のゴール】

☆全員の力で史上最高の卒業式イメージを創り上げること


【授業の展開】
今回は45分間の授業ではどうしても時間が足りないと判断し、60分間使いました。

①メインブランチのBOI指定のマインドマップで個人作業を行う。(30分)

②かいたマップを元にして、クラスミーティングを行う。進行はすべて児童が行い、教師は書記に徹する。まとめていく作業にはPCソフト「iMindMap」を使い、プロジェクターで大きく写して表示する。(25分)

③授業を通して感じたことを短文にまとめる。(5分)

この結果、できあがったマインドマップが写真画像のものです。イラストやクラウドと言われる雲のような色は、私が仕上げ作業として行いました。小学生がたった25分間の話し合いで、ここまでの「卒業式イメージ」を創り上げてしまうのです。これは教師が一人で考えても、なかなかここまでは出てこないと思いませんか。

さらにすごかったのは、子どもたちがみんなの意見を聞きながら、お互いの意識の高さを認め合っていたことです。それが最後の5分間で書いた文章に表れていますので、長くなりますがご紹介します。


「みんなはすごくいい考えを持っていて、多分、最高の卒業式になるなと思いました。これだけの考えが集まれば、あとは実行するのみだと思います。なので、卒業式練習をきっちりやりたいと思いました。」

「ぼくは、今まで育ててくれた親や、色々とお世話になった先生方に感謝の気持ちを伝えられるような卒業式にしたいです。あと、みんなの考えが分かってよかったです。マインドマップは全員でやると止まらないから、どこまで続くのかなあと思いました。

「みんな一人一人ちがう考えを持っていて、その意見をもっと出しあえば『最高の卒業式』になると思います。」

「『最高の卒業式』とは、みんなで作りあげるものだと感じました。みんなの力を合わせて『史上最高の卒業式』をつくりたいです。」

「ひとりひとりが力を合わせて、来た人にすごいと言われるような最高の卒業式にしたいです。」

「最高の卒業式にするには、みんなが協力しあわないとできないと思いました。」

「最高の卒業式にするためには、たくさんの強い気持ちが必要だと思った。」

「今日、みんなでまとめた事を、卒業式でやり、みんなが感動できるような最高の卒業式にしたいです。そのために今からその練習をじゅうぶんにやり、本番には自分達でも感動できるような卒業式にしたいです。」

「ぼくは、史上最高の卒業式にするのは大変だなぁと思ったけど、大変なりにすごいことなので、最高の卒業式にするために、みんなで心を一つにし、協力して卒業式を成功させたいと思いました。」

「ぼくは『最高の卒業式』にするためにはどうすればいいかという授業をやって、去年の6年生の卒業式もすごかったけど、自分たちも負けないぐらいの卒業式にしたいなぁと思いました。」

「ぼくはこのことを考えてみて、このマインドマップに書いたことを実現するためには、皆の心を一つにして実現させたい。」

「最高の卒業式にするためには、一人一人がしっかりやることをやればいいと思いました。私も、このマインドマップに書いたことをしっかりやれるようにして、卒業式本番にのぞみたいです。そして、さびしさだけでなく、感動で泣きたいです。」

「みんなの思いが分かり、このマインドマップに書いたことをすべて実行して、来賓の方々も感動させれば、最高の卒業式になると思う。」

「この1時間で最高の卒業式のイメージがずいぶんふくらんだと思いました。このイメージを思いうかべて、最高の卒業式にしたいです。」

「ぼくは、みんなで力をあわせれば、きっと最高の卒業式にできるんだなと思いました。」

「私は今日まとめたマインドマップを頭に入れて、卒業式にのぞみたいです。自分もお客様も一生心に残る卒業式にしたいと思います。」

「この1時間でみんながどれだけ最高の卒業式にしたいのかが、すごく良く分かりました。みんなでこのマインドマップに書かれた事を実行して最高の卒業式にしたいと思います。」

「みんな一人一人ちがう考えを持っていて、そして、みんなの考えがかさなれば、最高の卒業式はできると思いました。」

「最高の卒業式はむずかしい事なんだなと思いました。見ている全ての人達を感動させられる、最高の卒業式にしたいなと思いました。」

「最高の卒業式をするという思いがつまっていると感じました。」

「一人一人がこんな卒業式にしたいということがわかった。もっとイメージを深めて、史上最高の卒業式にしたいと思った。」

「私は卒業式について考えて、最高の卒業式っていうのは、とても大変なんだなぁと思いました。でも、実際に最高の卒業式ができたら、大変だった分、感動も大きいんじゃないかなぁと思いました。なので、みんなで心を一つにして、史上最高の卒業式にしたいなぁと思いました。」

「(保健室で休んでいてほとんど授業を受けていないのだけど)とちゅうから教室に入ってきたときに、みんなの発言を聞いて、すごいなと思った。『最高の卒業式』は実現できるなとも思った。で、実現のために練習にはげみたいと思った!」


いかがでしょうか。

このレベルの卒業式をするんだと決意をしている小学校6年生は、日本広しといえども多くはないと思います。あとは卒業式までの残りの日数の中で、式練習だけでなく、一切の行動が『最高の卒業式をするため』という一点に焦点化されたら、普通ではない卒業式の空気になるに違いありません。

私の役目は、その『史上最高の卒業式』を演出するプロデューサーと言えるでしょう。


なお、この授業を創価大学教職大学院の院生さんが6名参観をされました。皆さん、子どもたちがマインドマップで発想の枝を次々に伸ばしていることと、それを元にして活発に論議をする姿、そしてその話している内容に驚いていました。ある意味、歴史的証人となってくださった6名の先生方と言えます。
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