かつて矢口タートルズにはスーパー1年生がいた

バレーボールのメンタルレベルを示す意味でも、これまで指導してきた小学生の中で、高いレベルの子供たちを紹介します。
以下に書いているくらい努力して、はじめて都大会に出る実力がついていったのです。
今の矢口タートルズのメンバーの中で、ここまでバレーボールをつきつめられる子がいるでしょうか。現れてほしいと期待しています。

【2022年 1年生女子 8月に1人アンダーを100回できるようになったスーパー1年生(矢口タートルズ)】
こうちょうせんせいへ
バレーボールがたのしいです。
どうしてかというと、しあいでじぶんのチームがかつとうれしいからです。
それにじぶんのところにボールがくると、とってセッターにかえして、さいごのひとにボールをあげます。
そうやって、みんなでボールをつなげあうのがたのしいからです。
あと、こうちょうせんせいがおしえるときに、おもしろいからすきです。
おおきいこがやさしくしてくれるのもうれしいです。
れんしゅうすればするほど、うまくなるのもうれしいです。
つぎのれんしゅうがたのしみです。
これからもおしえてください。

まさに「ポジティブ思考」をしている文章です。
ポジティブ思考とは、前向きな考え方をすることをいいます。
ミスしても、次はそれとはちがうことをしてみようと思えば、失敗が成功に変わります。ポジティブ思考には失敗はありえません。9999回失敗しても、それをしてはいけなかったんだということが分かったからいいんだと考えれば、9999回の失敗ではなく、10000回目に成功する可能性が残されます。くよくよする態度をしていると、9999回の失敗が本当に失敗経験の積み重ねとなり、自信がなくなっていきます。人生はいつもポジティブ思考で考えることが大切です。


【2010年 2年生女子 こういう発想がパワーを生む!(辰巳ジャンプ)】
とても厳しい練習をした後で、少し時間を取ってミーティング。子どもたちといろいろなことを語り合いました。その中で、「夢」について話し合っていた時に、2年生のRさんが言った言葉が素晴らしかったのです。彼女はこんなことを言ってくれました。
「私は、全日本の6番(佐野さん)と12番(木村さん)の人みたいになりたい。それが夢なの。だからレシーブは全部あげられるようにしたい。」
ここまでは普通の発言でした。次に話し出したことが、誰も考えつかないような内容だったのです。
「私は、もっともっと高くジャンプしたい。2メートル跳びたい!!!それが夢なの。」
これを聞いた上級生は、たちまち否定を始めました。
「そんなの無理だよ。」
「2メートルも跳べるわけないよ。」
このやりとり。非常に面白い。認知脳と情動脳の戦いだからです。
昨日の研修会で辻先生から、
「人は認知脳で考えると、理屈で考えるようになり、根拠を求めるようになる。その結果、“無理”とか“できない”というブレーキをかけるようにできている。」
と教えていただきました。2年生の突拍子もない発言に対する上級生の発言は、まさに「認知脳」だったのです。自分たちの様々な経験を根拠から判断して、「無理だよ」という言葉が出てきたのです。私はすかさず話しました。
「なぜ“できない”と決めてしまうの? そんなことは分からないじゃん。もしかしたらRさんは2メートル跳べるようになるかもしれないじゃん。でも、それ以上に大事なことがあるんだ。Rさんは、2メートルジャンプしたいという、誰も考えつかないようなことを考えていたんだ。この“誰も考えないことを思いつく”という力が、自分の夢を実現していく力になるんだ。」
誰も考えないことを思いつければ、全人類のうちの3%しかいない「成功者グループ」に入ることができます。これがパワーとなります。


【2010年4年生女子 バレーボールについて自分一人で考えを深めてきた4年生(辰巳ジャンプ)】
【目標】
(1)試合で勝ちたい。21-0で勝つことをいつも自分たちの目標としてチャレンジしたい。
(2)勝つためにはサービスエースを連続で取れるようにする。
(3)勝ち続けて世界1になる。
(4)全国大会にも出て、たくさんの友達を作ることも目標にする。
(5)応援してくれる大人や友達がたくさん、私たちのファンになるくらいになる。
(6)世界中の人たちが私たちを応援してくれるようになる。
(7)取材を受けるくらいに有名になる。そうすれば部員も30人以上に増える。
【試合】
(1)試合は心をひとつにして、声も大きな声で勝つ!
(2)そのために元気に楽しく盛り上げる。どんどん喜ぶ。「よしっ!よしっ!」とハイタッチをする。
(3)大きな声で、みんなに指示を出す。
(4)しっかり聞こえる声で試合をする。
(5)今度の試合では、ミスらないし、怒られない。
【攻撃・スパイク】
(1)スパイクは、ミスをこわがらない気持ちと、みんながつなげてくれたという気持ちをもって打つ。
(2)スパイクの助走を力強く、足音が出るくらいに踏み込む。
(3)スパイクのバックスイングを忘れずに、大きく腕を振る。
(4)スパイクは思い切り打つ。
(5)あいている所をねらって打つ。
(6)ボールがはれつするくらいに強く打つ。
(7)そのために体全体を使って打つ。
【攻撃・サーブ】
(1)サーブはトスを前に投げて、ボールをミートして強く打つ。
(2)いつもサービスエースをねらう。
(3)相手がよけたり、はじいたりするくらいに強く打つ。
(4)あいているところや、ミスしやすい人をねらって打つ。
(5)ボールの真ん中をはじくように打って、変化球サーブにする。
(6)練習で100本中100本決まるように、休けい時間にも練習する。
(7)落ち着いて打てるように深呼吸をしてから打つ。
【守り】
(1)レシーブは正しいフォームでする。
(2)ボールが来る場所を予想して動く。
(3)全力で走ってレシーブし、絶対に落とさない。
(4)ボールだけを見ない。(ボールだけを見ているとスタートが遅れてしまいますから、相手チーム全体をテレビ画面を見るようになんとなく見て“感じる”ということを辰巳ジャンプでは指導しています。)
(5)小さすぎるレシーブをしない。次の人が一番動きやすいレシーブをする。
(6)カバーリングをしっかりやる。
(7)スライディングで最後まであきらめないために、腰を低くしながら動く。
(8)ブロックは手をかぶせるようにして、下に落とす。
(9)どんな球でも“バシーン”と決める。
(10)ネットの上に顔まで出るくらいジャンプできるようにする。
【練習】
書ききれなくなったので、もう1枚の紙に書きます。(実は練習の心がまえという、もう1枚も書いています。)

小学校4年生がここまで考えました。


【2012年6年生女子 5時間練習で井上が指導した言葉を52項目ノートに記録してきた6年生(辰巳ジャンプ)】
先週の土曜日は午後から5時間の練習を行なった辰巳ジャンプ。その5時間練習の中で、私が語ったことを思い出しながら、すべてノートに書いてきた子がいました。レフトのアタッカーです。毎回の練習前に提出させている「練習ノート」を開いた瞬間、思わずつぶやいてしまいました。「なんだこれは!すごいな!」と。私の指導、全部で52項目を箇条書きにしてきたのです。それをここに書き残しておきます。チームのみんなも読んで勉強して下さい。
(1)目の前を通るようにスイングする
(2)自分の足に動けと言い聞かせろ!!
(3)自分に甘い人がコートの中にいるとボールが落ちる
(4)「率先垂範」とは先頭に立って模範となること
(5)ドライブは手首
(6)左右はサイドステップで動け!!
(7)後ろ向きにさがらず、半身で走れ!!
(8)体育館に踏み出す一歩で今日は決まる
(9)「あいさつ」&「返事」をガンガン
(10)苦しい時は私の背中を見なさい→先頭に立っている
(11)カバーのスパイクはまっすぐ!!
(12)一歩目の足で判断しろ!!
(13)背中は向けない!ひねらない!
(14)左手は右肩の前!!
(15)足音を出してふみこみしろ!!
(16)かぶって打つな!!
(17)クロス打ちの練習!ストレート禁止!!
(18)半身で打たない!!
(19)左手が横だと力が入らない!!
(20)最後は手首で!!
(21)おすだけだとアウトになる!!
(22)スパイクカットはしぼれ!!
(23)人のいない所に打て!!
(24)人のいないところを埋めろ!!
(25)決めに行け!!
(26)ネット(アンテナ)外のボールは動けば簡単に返せる!
(27)自分にきびしくしろ!!
(28)カバーに走れ!!
(29)左ができても右ができなければダメ!
(30)あんだけ負けて泣いているのにボールに向かおうとしない!
(31)負けて悔しくないのか?!
(32)今日出来るようにならなかったら明日もおなじだよ!
(33)ひざが使われていない!!
(34)サーブミスが多い!!
(35)クロスの手は親指からスイング!
(36)ボールにかぶさる感じ
(37)トスが低いのにあごを引かない
(38)声、返事が出来ない人がコートにいても意味がない
(39)対人、トレーニングから全力でやるかどうか
(40)強い気持ちでコートに入れ!!
(41)手だけ出さないで足を動かせ!!
(42)自分の事だけでなく周りも見ろ!
(43)肩を入れてしぼれ!!
(44)自分の力の半分で打て(ナナコは)
(45)大きい声を出さないからねらわれるんだ!!
(46)集中攻撃されて負けたのに悔しくないのか??
(47)1,2,3ではない声かけをしろ!!
(48)パスする人に指示を出せ!!
(49)打点を高くしろ!!
(50)横からスイングするな!!
(51)ひじがさがったら強く打てない!
(52)プロの人はひじをさげて打たない!

よく記憶しているものですね。練習中に私がしゃべった言葉を思い出せる限り書いてみたそうです。自分以外の人へのアドバイス・叱咤・激励、すべてを聞き取り、自分のものにしてしまうのが、この子の人より一歩秀でた能力です。1回の練習中に私がこんなに指導をしているのだと驚きましたが、それ以上に、すべて記憶してくれる子どもがチームにいることが誇りです。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

辰巳ジャンプが都大会に出ていた頃のメンタル指導について

辰巳ジャンプが都大会によく出ていた頃、現在、私のもとで働いている現副校長は、辰巳地域の小学校教員として働いていたそうで、そのころのことを私に教えてくれました。「この子はなんて良い子なんだろうと思うと、必ずバレーボールをしている子だった。教員が監督をしているチームと聞いていた。まさかそれが井上先生だったとは。今さらながらなるほどと思いました。」ということです。

2010年から2015年ころに何度も都大会に出ていたのですが、目指す選手像として指導していた内容が次のことでした。

【辰巳ジャンプが目指す選手像】
(1)頭がいいこと
学校の成績は「オールA」をとるのが普通。すべての教科で手抜きしないで、「全校児童の模範」を目指す選手。思考力が高いこと。

(2)判断力・集中力が高いこと
バレーボールは一瞬の判断力が勝負の分かれ目になる。それを生み出すのが集中力である。辰巳ジャンプが最も嫌う選手は「ボー人間(ボーッとしていて、何も考えていない人間)」である。

(3)表現力が豊かなこと
辰巳ジャンプが最も得意としていることは「キャプテンを育てること」である。これまでの先輩たちは、辰巳ジャンプを卒業してから中学校や高校でキャプテン的な立場で頑張る子が多い。辰巳ジャンプの中で目立つ選手ではなかったのに、高校バレーでキャプテンとしてチームのために頑張った子が多い。その理由は、辰巳ジャンプ時代に、自分の思いを言葉でしっかり表現する訓練を積み上げているからだと考える。

(4)プラス思考なこと
辰巳ジャンプの子どもは、とにかく「プラス思考」である。これを習慣化するために指導を重ねている。「プラス思考」を身につけるために、生活すべてのことを前向きに考えるように指導をしている。「プラス思考」の習慣が身に付けば、一切のことに無駄がなくなる。すべての勉強も、バレー以外の習いごとも、家庭生活も、すべてがバレーボールの役に立つ。

(5)全世界の小学生の模範であれ
バレーボールがうまくても下手でも、技術は努力すれば多少はなんとかなる。しかし、「心がけ」「心根」だけは、本人が本気で良くしようとしないかぎり、どうにもならない。「私は世界一の小学生バレーボーラーなんだ」という自覚がある子、そういう態度を示そうとする子が、本当の辰巳ジャンプの選手です。


この5項目は矢口タートルズとチームが変わっても、私の中では変わらない指導方針だと思ってください。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

【LIVE】張本美和 vs 孫穎莎|WTT⼥⼦ファイナルズ名古屋2023 女子シングルス1回戦

【LIVE】張本美和 vs 孫穎莎|WTT⼥⼦ファイナルズ名古屋2023 女子シングルス1回戦


こんな試合をする日本の15歳の少女がいるとうことが素晴らしい。
世界チャンピオンを相手に、最後まであきらめない試合をした。
矢口タートルズもこういう試合をしたい。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

目標を高くする意味

今日の練習のはじめにミーティングを行い、2〜3月のチーム目標を示しました。茨城遠征から1週間、いろいろ考えて、現時点での最高レベルの目標を設定しました。その目標を勝ち取るために、今日から約2か月間のフォーメーション練習に入りました。これまで矢口タートルズは、子供たちのバレーボールへの興味関心がより高まるように、楽しく遊び半分の練習をしてきました。そのため、対外試合も少なく、バレーボールの戦術的知識も足りていません。私自身が普通のチームなら当たり前の、いろいろな指導を入れても、(何のことか分からない)といった表情をする子ばかりです。この状態から抜け出すために、「同一パターンのグレードアップ」的なフォーメーション練習をくり返すことで、子供たちの実力をじわじわとあげていきます。いよいよ本当のバレーボールチームを作り上げていく段階に入ったと思ってください。

さて、今日はいろいろな話題を書いていきます。

先週から今週にかけて、1年生のS.Hさんに、サーブの個人指導を続けています。これまでは指導を入れても、そう簡単には伸びない時期が続いていました。それは体が小さくて、100%がんばっても8m四方のコートが広すぎることが原因でした。また、まだまだ精神的にも幼くて、細かい指導を理解しきれないこともありました。しかし、もうすぐ2年生になろうというこの時期、この子の練習している様子を観察していると、(そろそろいけそうだな。)という手応えを感じました。この辺の判断基準はなく、これまでの小学生指導の経験から、いけそうだと感じたということです。案の定、毎回サーブの飛距離を伸ばし、あと少しでエンドラインからネットを越えるところまできました。S.Hさんには、「2月中にはサーブが入るようになるから、いっしょうけんめい練習しようね。」と動機付けしておきました。

次、チームにポジションごとの競争が起きるように、フォーメーションを組みました。
もっとも激しいポジション争いは、新チームのセッターポジションです。2人のうち、どちらのトスが、アタッカーにとって打ちやすいか、これを競い合ってもらいます。よけいなことをしないで、「ひまさえあればトス練習」をねばり強く続けた方が、正セッターのポジションをつかむでしょう。
次に新チームのバックレシーバーポジションを、固定しないようにしました。たくさんいる3,4年生のうち、競争に勝った誰かがポジションをつかみます。条件は、
(1)だれよりも走りまわって、ボールを落とさないこと
(2)やさしいアンダーパスでセッターにボールを入れられること 
(3)サービスエースを取れること
(4)チームの中で誰よりも動いていること
(5)コートの中のコーチ役となれること 
けっこう条件が多いです。なぜなら私のバレーボールは、バックの2人がチームリーダーになることを理想としているからです。

次に、表題の「目標を高くする意味」について説明します。
人間には「コンフォートゾーン」というものがあります。今いる快適な場所のことをコンフォートゾーンといいます。バレーボールのチームをひとりの人間だと仮定して考えると、今の矢口タートルズのコンフォートゾーンは、次のような位置になります。
「ミスをしてくれる相手なら、よい試合をすることができる。強いスパイクを決めなくても、相手がミスしてくれるからなんとなく勝てる。しかし、サーブやスパイクの攻撃力あるチームが相手だと、レシーブできないから10点取れたら合格。」
このようなイメージ空間がコンフォートゾーン(心の快適場所)となっています。そうすると、ここが快適なので、これまでにしたことのない、ものすごくよい試合をして大喜びすると、そのことに違和感が生じて、次の試合でダメダメになり、プラスマイナスで元の位置にもどってきます。
勉強に当てはめると、いつもはテスト80点平均の子が、100点をとって大喜びする。しかしコンフォートゾーンは80点なので、次のテストで60点をとって、無意識に80点のコンフォートゾーンに戻ろうとする。
このコンフォートゾーンのレベルを高くするために、チーム目標を最高レベルに設定したのです。
今日は最高レベル目標初日だったため、子供たちのコンフォートゾーンは、まだ高まってはいません。しかし、指導している私が、最高レベル目標に強くこだわって練習指導をしていくことで、次第に子供たちのコンフォートゾーンも高いレベルに動いていきます。こうした考え方の良いところは、コンフォートゾーンが動くことで、子供たちの練習する姿はこうなります。
「努力はいらない。なぜなら努力することが当たり前、普通になって、努力するという“遊び”になるから。努力は苦労ではなく、楽しみになるから。難しい練習をやりたくて仕方なくなるから。」
これが脳科学のバレーボールへの応用です。

Y.YさんやM.Yさんを前衛ブロッカーに抜擢してみたのも、このコンフォートゾーンの移動をさせてみたことになります。ブロッカーポジションをする前までは、練習にも遅れてきた子が、コンフォートゾーンを動かしたとたん、いかがですか。なんと練習開始20分前に体育館に現れたのですよ。こう書いていけば、大人の皆さまならもうお分かりでしょう。これがイノッチマジックなのです。

学級担任として応用しても同じことが起こります。
給食を投げ合って遊ぶような5年生、教室がカビだらけになる学級崩壊を見たことがありますか。これも6年生で私が担任して立て直しました。
いじめっ子が、いじめられっ子を、授業中に校舎内や校庭で、追いかけまわしている5年生、手が付けられなくて、副校長がはがいじめにしていて、この私が(これって体罰だよな・・・)と驚いた学年崩壊した5年生を見たことがありますか。これも6年生で担任し、卒業式では子供たちも保護者も「史上最高の卒業式だった」と言うくらいになりました。
5年生で担任いじめをして、担任が休職してしまい、学級内でたくさんのいじめも起きていた学年を見たことがありますか。私がやるしかないでしょうと校長具申して6年生で担任し、秋の学芸会では、私が何もしないで実行委員の相談に応えるだけで、台本から演出、舞台装置まで子供たちがやってしまった。
すべて指導する立場の私が、コンフォートゾーンを動かしたことによる、子供たちの潜在意識の変革です。言葉の世界を越えているので、パワーがものすごいのだろうと感じています。

2010年には、このコンフォートゾーンの理論と「U理論」というものをかけあわせて作り上げた、潜在意識の変革を利用した生活指導方法について、江東区の生活指導研究発表会で報告したこともあります。U理論もけっこう強力な思考方法です。興味ある方は分厚い書籍が出ていますから読んでみてください。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

成功するための習慣を指導

昨日、今日と、辰巳ジャンプがここ7年ほど指導を続けてきた「成功法則」を指導しました。期待される指導の効果を先に書くと、この法則が身につけば、子どもたちはバレーボールだけでなく、すべてのことに格段の成長を見せるようになりますし、脳内に本人にとってプラスになる情報に気付くことができる、キャッチすることができる「心のアンテナ」が作られることになります。

(1)最初から100%で取り組む人と、50%で取り組む人のちがい
 声の出し方にしても、バレーのプレーにしても、学校生活でいえば50m走の走り方や係活動の取り組み方、授業への参加の仕方、家庭でのお手伝いなど、すべてにわたって関係してくることです。最初から100%の力で取り組んでいる子は、先生や保護者、他の子どもたちからも、注意を受けることはまずありません。どちらかというと、「よく頑張っているね!」「それでいいんだよ!」「いつも頑張ってくれて助かるわ」と、まちがいなくプラス評価をされます。スタートから150%、200%に力を出す習慣が身についている子は、「そんなに頑張らなくても大丈夫だよ。」「あなたの姿を見ていると、こっちが勇気をもらうよ。」などというプラス評価の言葉を投げかけられることが多くなります。人間の脳はけっこう単純で、このようなプラス評価の言葉が耳から情報として入ってくると、本人が意識する意識しないにかかわらず、自分のしている行動が心地よくなり、「もう一度、その良いことをしてみよう!!!」という指示をするようになります。ですから、スタートから100%の力を出していく習慣がある子は、無制限に伸びていく可能性をもっています。

 反対に、スタートでは自分の力を出し惜しみ、50%や30%しか出さない子がいます。例えば、声を出すという、いとも簡単なことでさえも、最初は50%しか使えない習慣(くせ)のある子がいます。すると、指導者はもちろん、周囲の大人や、チームのメンバーでさえも、「声を出して!」「聞こえないよ!」「しっかりして!」「やる気あるの?!」というマイナス言葉をその子に投げかけることになります。スタート時点で100%を出す子とは、大きな差があるので、50%から必死に頑張っても、100%の子に追いつけることは絶対にありません。自分の力をせいぜい80%まで高めたらエネルギーがなくなります。スタート50%の子は、「自分の持っている力を出さないことで、自分を守る」というクセが身についているので、耐えなくてはならない苦しい場面(いわゆる瀬戸際)がくると、他人に頼ってしまうことが多くなります。

 100%の力をいつも出す子どもになるためには、バレーボールだけではなく、勉強や授業態度、家での行動、すき間の時間での取り組み(例えば、すきあれば練習する姿勢、すきあれば本を読む姿勢、すきあれば自分の課題に取り組んでいる姿勢)というものが、人の目を気にすることなく、挑戦的になります。じつは小学生の子どもは無限の可能性をもっているので、一気に成長させることは難しいことではなく、3週間以上かけて習慣を変えてあげればたちまち別人のように成長していきます。このことは、週末だけの指導ではなかなか難しいので、辰巳ジャンプでは半年くらいかけないと、「本気の一人」は出てこないかもしれません。

 子どもたちには宿題を出しました。
 「1週間後に、100%のスタートをするクセをつけるための努力を、どのようにしたか? 全員に聞くからね。」
1人でも毎日努力した子がいれば合格。「たいがいだれ一人できないよ」と伝えておきました。



(2)練習方法が身につくと、態度がどう変わるか、身についていない人とどう差がつくか
 この土日、「スパイクの助走から打つところまでの素振り」を、すき間の時間にできるだけたくさんすることという課題を与えました。試合中に誰がどのくらい自主練習しているか数えてみると、あるセットではこのような結果が出ました。

背番号 5番(11回)  6番(7回)  1番(2回)  3番(3回)

 11回と2回では5.5倍もちがいます。この原因は何かというと、「成功法則を習慣(クセ)にしているかどうか」ということです。
5番さんは、私が何も言わなくても、余裕があれば自然にスパイクの素振りをしています。しかし回数の少ない子は、「素振りしなくちゃ」と本人が意識したり、私から「素振りしなさい」と指示をしないとやりません。目立たないことなのですが、この差が本当に大きく結果に現れるのです。当たり前ですね、だれも知らないうちに5倍も努力しているのですから、時間がたてばたつほど差が広がります。
 このことを通して、子どもたちには次のように教えました。

・11回も素振りをしているということは、意識して練習していない。そうすることが自然にできている。だから努力を努力と感じていない。努力がふつうになっている。
・反対に、「素振りをすることが課題だよ」と言っているのに、あまり素振りをしないのは、「やろう」と意識しないとできないからだ。
・この「意識」の差が、ものすごく大きい。全員が「意識しなくてもすき間時間に努力できるチーム」にしたい。


(3)3%理論
 (1)のスタートから100%ということや、(2)の意識しないでも練習する習慣(クセ)にしても、ふつうにできる人は、100人中3人(3%)しかいない。この3%に入るかどうかで成功する人と、成功しない人に分かれる。もし小学生時代から3%に入ることを習慣(クセ)にしていけば、大人になってどんなことにでも成功する。このことは「7つの習慣」という本をはじめ、いろいろな本に書かれているので、将来ぜひ読んでほしい

まんがでわかる 7つの習慣
クリエーター情報なし
宝島社


7つの習慣―成功には原則があった! (CD付)
クリエーター情報なし
キングベアー


アファメーション
クリエーター情報なし
フォレスト出版


(4)私の反省 「子どもたちはプラス評価を待っている!!!」
 チームで試合練習をしている中、今の辰巳ジャンプの4年生は、まっすぐな心の子ばかりなので、試合が終わると、自分たちから「先生、アドバイスお願いします!」と聞きに来てくれます。そこで、「もっと攻めていくために、無理してでもスパイクを打ったほうがいい」とか「サーブをミスしすぎているから、集中してサーブからの点を増やすようにしよう」「プレー中、指示する声をもっと出していくこと」といった、マイナスをプラスにするアドバイスをしていました。そんな中で子どもたちから、
「先生、私たちの良いところはありませんでしたか?」
と質問されてしまいました。この一言が、私の心にグイっと刺さりました。
ああそうだった。子どもたちは、反省だけでなく、自分らの頑張りをプラス評価してほしいんだ。「あの場面のねらって打ったスパイクコースが良かった」とか、「スパイクを決められることなく、何度も何度も返すことがでいていた」とか、「あんな強いサーブは初めて打てたね!」という、“ほめてもらえること”を期待しているんだった。
 これを気付かせてくれた4年生の心根が、とてもありがたいことです。あらためて来週の練習から、私自身もプラス評価を増やせるように「習慣化(クセ)」していこうと思いました。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

辰巳ジャンプが目指す選手像

今日は「きゃんでぃりーぐ」を開催しました。今年に入って初めての取り組みになります。「きゃんでぃりーぐ」の主旨は、日頃なかなか試合に出ることができない下級生に試合経験を積ませたいことにありますが、辰巳ジャンプは中心になる子供たちが4年生なので、Aチームが参加しています。目的が「試合経験を積む」ことにあるので、今日は全員が試合に出ました。結果は2勝1敗の2位。Aチームで出ているので、1位でないと合格点にはできません。残念でした。

今日の試合での子どもたちの態度を見ていて、すごく気になったことがあったので、ここに記録しておかなくてはなりません。それは辰巳ジャンプ=私が目指す「選手像」ということです。こういうことをここに書くということは、今年の子どもたちの姿が目指しているイメージとはちょっと離れているからです。

【辰巳ジャンプが目指す選手像】
(1)頭がいいこと
学校の成績は「オールA」をとるのが普通。すべての教科で手抜きしないで、「全校児童の模範」を目指す選手。思考力が高いこと。

(2)判断力・集中力が高いこと
バレーボールは一瞬の判断力が勝負の分かれ目になる。それを生み出すのが集中力である。辰巳ジャンプが最も嫌う選手は「ボー人間(ボーッとしていて、何も考えていない人間)」である。

(3)表現力が豊かなこと
辰巳ジャンプが最も得意としていることは「キャプテンを育てること」である。これまでの先輩たちは、辰巳ジャンプを卒業してから中学校や高校でキャプテン的な立場で頑張る子が多い。辰巳ジャンプの中で目立つ選手ではなかったのに、高校バレーでキャプテンとしてチームのために頑張った子が多い。その理由は、辰巳ジャンプ時代に、自分の思いを言葉でしっかり表現する訓練を積み上げているからだと考える。

(4)プラス思考なこと
辰巳ジャンプの子どもは、とにかく「プラス思考」である。これを習慣化するために指導を重ねている。「プラス思考」を身につけるために、生活すべてのことを前向きに考えるように指導をしている。「プラス思考」の習慣が身に付けば、一切のことに無駄がなくなる。すべての勉強も、バレー以外の習いごとも、家庭生活も、すべてがバレーボールの役に立つ。

(5)全世界の小学生の模範であれ
バレーボールがうまくても下手でも、技術は努力すれば多少はなんとかなる。しかし、「心がけ」「心根」だけは、本人が本気で良くしようとしないかぎり、どうにもならない。「私は世界一の小学生バレーボーラーなんだ」という自覚がある子、そういう態度を示そうとする子が、本当の辰巳ジャンプの選手です。


今日は5つだけ目指す選手像をあげました。今後このことを整理して、練習訓に並ぶくらいの重要な目標にしていこうと思います。
ちなみに練習訓は次の三つです。

一、人に言われず進んで行動、全力プレーを心がけること
一、練習の時には常に集中し、心でバレーをやること
一、いつも明るく元気に声を出し、笑顔で練習すること

この練習訓どおりに頑張っていれば、これまでは辰巳ジャンプの目指す選手像に育ってくれたのですが、今年のチームの子どもたちはどうもそうはいかないようで、より具体的に言葉にしていかないとイメージがもてないようです。ねばり強く指導をしていきます。


【今日の個人成績 上位3位まで】
(サーブ成功率)
1位 4番 93%
2位 6番 89%
3位 3番 81%

(サービスエース率)
1位 1番 67%
2位 3番 44%
3位 5番 38%

(サーブ効果率)
1位 1番 147%
2位 3番 125%
3位 6番 122%

(スパイク・ブロック成功率)
1位 6番 80%
2位 1番 54%
3位 4番 38%


今日は試合のあと、マイ劇場としている天王洲銀河劇場で「がーまるちょばカンパニー」のライブに行って、大笑いしてきました。がーまるちょばの、お客を巻き込む演出が大好きで、銀河劇場での公演がある時には、必ず見に行っています。今日も最後には全員スタンディングオベーションで大拍手でした。

THE GAMARJOBAT COMPANY reverse walking / ザ・が~まるちょばカンパニー  逆再生


この動画は逆再生で作られたものです。がーまるちょばのパフォーマンスの高さを感じ取れるでしょうか。小学生の子どもたちは、「ん?どうなっているんだろう?」と考えながら、この動画を見ると、脳が鍛えられるでしょう。思考力が高まる動画だと私は思います。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

マイケル・チャンの名言

テニスの錦織圭選手が全仏オープン優勝を目の前の目標にしてがんばっているが、それを支えているマイケル・チャンコーチの名言がバレーボールにも役に立つ。

「自分を信じること」

「努力し達成すること」

「学んだことすべてを試せ」

「ショット以上に大切なこと、それは勝つ方法を見い出すこと」

「長所や短所は誰にでもある、だからこそ自分の長所を活かした戦いをすればいい」

「試合で楽をしたければ練習の鬼になれ」

この中で、とくに私が言いたいのは、「学んだことすべてを試せ」です。この言葉を目にした時、バレーボールやスポーツのことだけではないなと即座に思いました。毎日の学校の授業に当てはまります。学校では4年生以上は毎週28時間も勉強をしています。1年間にすると約1000時間となります。これだけの時間を意味のあるものにするためには、学習へのモチベーションをしっかり持っていることが大切になります。受身の学習では習得率がグンと下がります。学習者が「学んだことすべてを試そう」という積極的な価値観を持っていれば、自分でも思いもよらない成果が上がります。学習していることと自分の生活が結びついて、もともと高かったモチベーションがもっともっと上がることは間違いありません。小学生にこうした考え方を身に付けさせるためには、指導する者が自ら実践をし、模範を示す必要があります。なぜなら、小学生はこのようなことを1度教えても、すぐに忘れてしまうことがほとんどで、ほっておくと楽な方へと流されるからです。ですから指導する者が常に意識して、「学んだことすべてを試せ」という考え方を何度でも腑に落とさせ、根付かせることが必要になります。

6月の辰巳ジャンプの練習は「努力し達成すること」「試合で楽をしたければ練習の鬼になれ」を大切にし、7月のアンダー10大会に向けて「学んだことすべてを試せ」「長所や短所は誰にでもある、だからこそ自分の長所を活かした戦いをすればいい」という指導をしていこうと思います。


さて、チーム保護者の皆様が自発的に「部員増加の流れ」を作ってくださった影響か、今日は偶然通りかかった子も含めて3名の3年生が体育館に足を運んでくれました。この調子でたくさんの新人選手が入部してくれることを期待します。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

東洋の魔女について

1964年、東京オリンピック女子バレーボールで金メダルをとったのが、当時の大松監督率いる「東洋の魔女・全日本女子チーム」でした。会場となった体育館は「駒沢屋内球技場」です。私にとっても思い出の体育館です。というのも、今からはるか昔の高校時代、卓球部キャプテンだった私は、この体育館で何度も試合をした経験があります。特に思い出に残っている試合は、東京都ベスト16まで勝ち進んだ団体戦。ここまで勝ち進むとすべての試合が心シビれる厳しい試合になるのですね。完全にエピソード記憶に残っています。

この駒沢屋内球技場が改築されるそうで、その閉館イベントに辰巳ジャンプも参加表明をいたしました。

駒沢屋内球技場メモリアルイベント

5月24日(土)の「閉館記念小学生バレーボール大会」です。
東京都小学生バレーボール連盟からは、「当日よろしくお願いします。」という連絡もありました。
辰巳ジャンプの子供たちは、どうぞ楽しみにしていてください。

このブログでは、東洋の魔女チームについて、たびたび学習教材にしてきました。今、その内容を再掲載します。

(河西昌枝さん)
「試合に勝って泣き、負けて泣き、練習がきびしいといって泣き、しかられたといって泣き、泣きながら、ボールにむしゃぶりついていったりするのは、女子選手としては日常茶飯事であったのだから、よく泣けるということは、女である証拠かもしれない。わたしも、いつのまにか泣かない河西にされてしまったが、はじめのころはよく泣いたものであった。コートの中で、ワーンと泣いたことはないが、勝つたびに、負けるたびに、泣いていたこともあった。ひょっとしたら、女は泣きながら強くなる本能をもっているのかもしれない。」

(東京オリンピック金メダルチームキャプテン・河西昌さん)
「『あなたたち選手の全員に憎まれてもいい、チームが強くなってくれれば』という言葉を、わたしはしばしば使っています。練習の激しいさなかには、たしかに、そういう言葉を使いましたが、じっさいに全員に憎まれてはキャプテンは勤まるわけがありません。裏を返せば、信頼しあって、猛訓練に耐えていこうという表現だったのです。つまり私自身としては、選手に信頼されるキャプテンであろうとした、ということです。」

「わたしたちが、来る日も来る日も、何百回、何千回と練習してきた回転レシーブも、それこそ事実血を流して習得してきた回転レシーブでさえ、いざ実際の試合になれば、そのうちのほんの二つか三つぐらいしか応用できないということです。それに、ふだんあんなにうまく上げられたボールをミスすることさえあるではありませんか。いつだって努力の何分の一しか答えは得られないのです。やっぱり凡人であるわたしたちにできることは、努力することなのでしょう。」

「試合に勝って泣き、負けて泣き、練習がきびしいといって泣き、しかられたといって泣き、泣きながら、ボールにむしゃぶりついていったりするのは、女子選手としては日常茶飯事であったのだから、よく泣けるということは、女である証拠かもしれない。わたしも、いつのまにか泣かない河西にされてしまったが、はじめのころはよく泣いたものであった。コートの中で、ワーンと泣いたことはないが、勝つたびに、負けるたびに、泣いていたこともあった。ひょっとしたら、女は泣きながら強くなる本能をもっているのかもしれない。」

「わたしたちは、先生のためにやっているんですよ。だって先生は、わたしたちのためにやってくれてるんですもの。」

「わたしたちが続けた練習というのは、単に個々の技術の錬磨ではなかった。わたしがこういうトスを上げた方がいいんだと思って上げる。すると、こういうトスが来ると判断して待ち構えて打つ。あの人がああいうかっこうをしてレシーブしたら、ボールはこっちへ飛ぶ。わたしはこういうふうに出てこうする。この以心伝心の連繋動作が、よりいっそう緊密になり、6人が完全に一体となるための練習でもあった。」

「わたしたちは、『できない』ということは禁句であった。できないことをやるのが練習だったからである。そして、これらの過程で手足もからだも鍛えられた。」



(大松博文)
「おまえたちには、もう、試合において苦手もなければ、調子が悪くて力が出せなかったなどというようなことは起こらない。そういう、ほんとうの内容をもったチームに、わしはしている。」

(大松博文)
「日紡貝塚の選手たちの、絶対に勝つのだという根性は、勝つのだ、勝つのだ、というお題目から生まれたものではありません。絶対に負けない、というふだんのがんばりから生まれたのだと信じています。
 一口にいうならば、飛んでくるボールを“絶対に受けそこなわない”練習から生まれたのです。ボールを落とすことは負けに通じます。」

(大松博文)
「人間は、生まれて、ものごころがついてから死ぬまで、毎日が修養だ。とちゅうで1日でも怠ったら、真の人生からそれだけ後退する。それと同様に、バレーも、バレーを始めたら、バレーをやめる瞬間まで、それの連続だ。そのあいだ、1日でも練習を怠ったものは、世界のレベルから、ソ連その他から、一歩後退する。また、追いつかれ、追い抜かれる。しかも、やっているあいだは、いいかげんなやり方は許されない。全力を尽くしてやらなければならない。」

(大松博文)
「いま、つらつら考えるに、もしわたしたちが日紡貝塚バレーチームにつくった最大なものはと聞かれるならば、楽しいふんいき、ということかもしれない。強くなること、勝つこと、それに絶対必要なのはチームワークであり、そのチームワークは、楽しいふんいきがなければできない。
(中略)
とにかく、ウジウジしていたやつが、チームに入って1年もすると、みんな、まるで人間が変わってしまう。」

(大松博文)
「わたしたちが各セットごとに得た三分の一以上のスコアは、サーブポイントだ。この一貫した成功には、多大な努力がはらわれている。わたしはトレーニングにあたって、三分の一以上の時間を、サーブの技術革新に費やした。」

(大松博文)
「いちばんいけないことは、なんでも、やってみないで、自分にはできないと思うことです。できなければ、できるまでやる。その意志をつらぬく。それが、人間のいちばんだいじなことです。」

(大松博文)
「わたしは、しめたりゆるめたり、泣かせたり笑わせたりして、練習の単調を破ろうとして苦心した。また、一つのボールを打つにも、たとえば、ソ連の攻撃の方法を想定して打ち、レシーブする選手の動かし方を考えながら打った。それには、選手それぞれの個性が大きく関係している。
 練習を終えて、帰途につけば、あのやり方はまちがっていなかっただろうかと心配し、明日はどんなふうにやろうかと、三つも四つも新しいやり方を考え出した。
 ところが、来年になったら大松はやめるから、今のうちに練習方法を習っておこうなどと、世間ではいった。あれはまちがいだと思う。」

(大松博文)
「1日に1ミリの千分の一でいいから、拾う力が余分に伸びてくれ。1日に10センチも20センチもとはいわないから。」

(大松博文)
「私はバレーのチームを育てながら、どの選手のどんなミスも、すべて監督である私の責任だということがわかってきた。だからおこらなくなった。(中略)ミスした本人は、しかられる前に、しまった、と思っているのだ。子どもでも同じことらしい。だから、恐れ入っているうえにしかりつけられたら、ミスは帳消しになり反抗心を起こさせ、さらに、もう二度とこんなミスはすまい、という一番大事な気持ちを放棄させてしまう。」

(大松博文)
「わたしは奇跡というようなことばは口にしたくありません。天から降ってくるようなことに、人は期待すべきではないと思うからです。水のない地下から、泉がわき出ることはないのです。」

(大松博文)
「ひとりが何かプレーをしているとき、他の5人は二つか三つ先を読んだ行動をしている。われわれのチームは1年じゅう合宿して練習しているから、だれかが一つのプレーをしたばあい、自分はこうすればいい、ということが反射的にわかり、自然とそうした動きもできるのだ。」

(大松博文)
「人間とは弱いものだ。苦しくなると、さけて通ろうとする。楽な方へ逃げたくなる。それでは強い選手になれない。苦しさに耐えて、創意工夫をして、人以上の努力をすることが一番大切です。それをやる人が、やがて偉大な選手になる。」

(大松博文)
「わたしは奇跡というようなことばは口にしたくありません。天から降ってくるようなことに、人は期待すべきではないと思うからです。水のない地下から、泉がわき出ることはないのです。」

(大松博文)
「いちばんいけないことは、なんでも、やってみないで、自分にはできないと思うことです。できなければ、できるまでやる。その意志をつらぬく。それが、人間のいちばんだいじなことです。」

コメント ( 0 ) | Trackback (  )

チーム始動 「こういうチームになりたい」

2014年の練習初めにあたり、5、6年生には子供だけのミーティングからスタートさせました。

(1)なりたくないチームのイメージを出す

(2)そこから「自分たちがなりたいチームイメージ」を作り上げる

このミーティングの結果、辰巳ジャンプ’14(ワンフォー)のチームイメージはこうなりました。

『練習では他の人、他のチームよりも努力し、プラス思考を持つ。試合では、だれよりも声を出し、最後まであきらめず、誰からも応援されるチームになる』


(このまとめに至るまでの意見)
・つらい時でも明るく声を出して笑顔で練習する。
・バレーをだれよりも好きになる。
・バレーを楽しむ。
・ボールが落ちても追い続ける。
・床に落ちるまでボールを追いかける。
・最後まであきらめない。
・取る前に声を出し、全てのボールを取るという気持ちをもつ。
・他チームより声を出し、笑顔でプレーする。
・常に周りに気を配る。
・前向きな考えをもつ。
・自分からきびしい練習を求める。
・たくさん練習する。
・一つ一つのプレーをていねいにする。


(こうはなりたくないチームイメージ)
『やる気と声がなく、暗いチーム』
・暗いチーム
・全力を出せないチーム
・最後までボールを追いかけないチーム
・声を出さないチーム
・やる気のないチーム
・お見合いするチーム
・応援したくないチーム
・一人だけでプレーしているチーム
・マイナス思考なチーム
・チャレンジしないチーム
・楽しいバレーをしないチーム
・練習を活かさない、考えの甘いチーム
・練習をサボるチーム


大人がまったくかかわらずに、子供たちの力だけでこのように決めたことは、メンタルトレーニングとして非常に大きな力になるはずです。今後は練習訓の3つの後に、『私たちは宇宙一だ』ではなく、自分達で決めた、この『練習では他の人、他のチームよりも努力し、プラス思考を持つ。試合では、だれよりも声を出し、最後まであきらめず、誰からも応援されるチームになる。』を唱えてから練習をはじめましょう。明日の練習試合から始めます。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

トップアスリートからのメッセージ

10月31日発行の「心の東京革命」に掲載されたトップアスリートのメッセージを紹介します。辰巳ジャンプの子供たちは、このメッセージを読んで、自分のプレーに生かしてください。

吉原知子さん(バレーボール・オリンピック日本代表)
「まずは自分から勇気をふりしぼって大きな声をだしてみましょう。あなたの気持ちを感じる人には伝わるはずです。まずは自分から!」

辰巳ジャンプの子供たちは、どのチームよりも大きな声を出して、全員バレーで頑張りましょう。


朝日健太郎さん(ビーチバレー・オリンピック日本代表)
「スポーツからは勝ち負けだけでなく様々なことを学ぶことが出来ます。今スポーツをやっていない人も是非興味をもってみてください。」

辰巳ジャンプは勝ち負けにはこだわります。しかし、バレーボール活動を通して、生きる力を養うことを最大の目標としています。


萩原智子さん(競泳・オリンピック日本代表)
「みんなには大きな武器があります。それは笑顔。あいさつは友達作りの第一歩。友達は自分をもっと大きく成長させてくれる貴重な存在です。恥ずかしかったらまずは笑顔で!」

いつでもどこでも気持ち良いあいさつができる選手になりましょう。友達同士でも学校でもご近所でも、元気にあいさつできるように心がけましょう。


岩崎恭子さん(競泳・オリンピック日本代表)
「チームワークに必要なのは高い目標をもつこと。一人一人がしっかりとした目標に向かって努力すれば自然とチームワークが生まれてきます。」

辰巳ジャンプは「宇宙一のチーム」です。これが最高の目標です。宇宙人がいたとしたら、そのチームにも勝つつもりでバレーボールをしています。最高の目標に向かって、みんなで高め合っていきましょう。


宮澤ミシェルさん(サッカー・元Jリーガー )
「人生は楽しむということも大事なこと。みんなも何か一つ好きなこと、夢中になれることを見つけてください。より人生が充実したものになるはずです。」

バレーボールに夢中になりましょう。何があってもバレーボールの活動を優先さるくらいに夢中になりましょう。それが上達への近道だからです。全員が実力を高めて、最高のプレーヤーになりましょう。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

辰巳ジャンプの子どもたちにおすすめする動画(3) 夏休みの自由研究に役立てよう




東洋の魔女といわれ、圧倒的な強さで金メダルを取った東京オリンピック全日本女子チームの動画です。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

辰巳ジャンプの子どもたちにおすすめする動画(2)

 

第2回目は下北沢聖徳高校です。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )

辰巳ジャンプの子どもたちにおすすめする動画(1)

 

メンタル面をきたえるために、見てほしい動画を連載します。

第1回目は「東九州龍谷高校」のバレーボールです。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )

辰巳ジャンプの子どもたちを「戦士」にするために

このブログのタイトルは「一歩一歩・・・前に前に!」です。辰巳ジャンプの子どもたちを試合で戦える「戦士」にするために、この一歩一歩が大事だと思っています。幸いなことに、辰巳ジャンプには新しい部員が入部し、レギュラー争いが激化しています。最高に仲良しの仲間であるけれども、ことバレーボールに関してはチーム内で切磋琢磨しながら、お互いを高めていく関係。これこそ本当のチームワークだと世の中に主張できるようなチーム作りをしていくつもりです。

小学生バレーボールとはいえ、いったん試合に出れば熾烈な戦いが待っています。とくに今の辰巳ジャンプがターゲットにしている平成26年度は、東京第3支部内でも非常にレベルの高い争いが想定されるので、今から技術面だけでなく、メンタル面も含めて鍛える必要があります。辰巳ジャンプの子供たちには、自分たちは「戦士」なんだという自覚を促そうと思います。戦う心。これなくして試合に勝利することはできません。

バレーボールの実力が同じレベルになる2チームを作ることができる、素晴らしい人材環境にある今、本当に「辰巳ジャンプ史上最強軍団」の5年生チームを作っていけると確信しています。バレーボール経験が足りない子どもたちですから、逆に1年後には、私たち大人の想定をはるかに超える強いチームになっていくことでしょう。

本当に楽しみです。


このブログについて、チームの「意識変革」のためにブログランキングを上位にあげることを再び目標にしました。
チームの皆様、応援のクリックをよろしくお願いします。下記のバナーをクリックしてください。
現在はランキングベスト3に入ってきました。ありがとうございます。
にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村ランキング
コメント ( 0 ) | Trackback (  )

夢や目標は心に秘めずに、できるだけたくさんの人に伝えよ!

子供たちには先週の練習で「アファメーション」を教え、自分のノートに書いてくることを宿題にしていました。今日はその提出日。どんなアファメーション文が登場してくるかと楽しみにしていました。さすがレギュラー争いの厳しい5年生。全員が忘れずに書いてきました。そこで次の成功法則を伝授しました。それは題名の通りです。

「夢や目標は心に秘めずに、できるだけたくさんの人に伝えよ!」

自分の心に秘めると、その夢は自己満足に終わる可能性を高めます。できるだけ多くの人の目に晒す(さらす)ことで、その夢や目標を達成させてあげようとする、たくさんの応援団が誕生していきます。その応援団の皆さんは、夢や目標を宣言した人にとっては、まるで神様が現れたかのように感じることが多いです。神様のように感じられる人たちが周りに現れ出すのですから、その人のメンタル面のたくましさ、ブレない安定感は当然強まるでしょう。辰巳ジャンプでは「トイレの神様も味方につけよう!」と意識させ、トイレに入った時には、入る前よりもきれいにしてから出てくるようにと教えています。人間の行動を謙虚に、そして強くしていくための「チーム哲学」と言っていい考え方です。

さて、子供たちが考えてきた「アファメーション文」をこれから紹介します。全員に掲載の承認を取っています。このブログに載せることによって、今日中に約300名の方々に我が子供たちの思いが届くことになります。子供たちには「最低でも1000人、最大目標として10000人にこのアファメーション文を伝える」ということが大事だと話しました。どんどんプラス思考に成長していく辰巳ジャンプの子供たち。たくさんの人たちを魅了する選手に育て!!!

【アファメーション文】

H.A「私は宇宙一、努力が大好きな、宇宙一のウルトラスーパーセッターだ!!!」

O.R「私はどんなレシーブでも上げる宇宙一のセッターだ!」

I.N「私はあがったトスはぜんぶ決めるスーパーエースアタッカーだ!」

W.Y「私は宇宙一の強いスパイクを打てるアタッカーだ!!」

K.S「私は宇宙一のエースアタッカーだ!」

K.R「私はどんな珠でも拾うスーパーレシーバーだ!」

E.R「私はどんなボールがきてもセッターに返せる宇宙一のレシーバーだ!」

N.M「私はどんなトスでも打てる『宇宙一のレフトアタッカー』だ!」

A.R「私はどんなレシーブでも上げられるスーパーセッターなのだ!」

A.H「私は世界一、宇宙一のレシーバーだ!!」


辰巳ジャンプは見ている人、誰もが応援したくなる新時代を切り開いていくチームである!


このブログについて、ブログランキングを上位にあげることを再び目標にしました。
チームの皆様、応援のクリックをよろしくお願いします。下記のバナーです。現在、ベスト3に入ってきました。
にほんブログ村 教育ブログ 小学校教育へにほんブログ村ランキング
コメント ( 0 ) | Trackback (  )
« 前ページ