もう一度、6年生10人全員を生かすために

私はバレーボール指導を20年間以上続けて来ましたが、今年ほど壁に当たった年はありませんでした。その壁が何であるかは書くことはできませんが、それは私自身が呼び込んだ壁であると自覚してはいます。どうプラス転換させようかと毎日考えに考え、試合の度に試行錯誤しながら采配しているので、おそらく保護者の皆さんには理解できないことが多いはずです。本音を書けば、6年生10人全員が笑顔で小学生バレーボールをやり通し、貴重な小学生時代にこのチームでプレーできたことを心の財産にしてくれたらよい。そのためにはどうしたら良いのかを悩み、いろいろと試みているのが今の私です。

今いる6年生10人は、チームの「マイナスな動き=壁」に翻弄されながらも、東京新聞杯予選を支部5位で勝ち上がり、都大会出場権を勝ち得ました。これはすごいことだと思います。昨日の支部最終日の3試合、100%の実力は出せませんでしたが、10人全員をたっぷりの時間、試合に出すことができた。勝手ですが、そのことだけで私個人は満足です。保護者の皆さんは、どうぞ試合の結果に様々なマイナスな考えはやめていただいて、4チーム中1位になったことに納得していただきたい。どうかお願いします。

ファミマ杯以降、やめたい子はいつでもやめてもらって結構という冷たい気持ちで指導をしてきました。本当にやる気がある子や保護者の方だけで辰巳ジャンプを続けようと思っていました。練習参加できなかった子や、私の指導を理解できない保護者の方には、厳しすぎるほどの対応をしました。それをカバーするために余計な苦労を強いることになった子どもたちや保護者の方々もいました。チームはいつ空中分解してもおかしくありませんでした。私はいちおう支部の副支部長ですが、辰巳ジャンプは都大会に推薦できるようなチーム状況ではありませんでした。

そんな状況のチームだったのに・・・・・誰一人脱落する子はいませんでした。

「6年生を苦しませてしまった。ごめんね、支部予選を勝ってくれてありがとう。」

都大会に出場することができた今、しみじみと思うことは、いろんなことがあったけど、最後は6年生10人全員が、これからもずっと支え合って生きていってほしいという願いだけです。


昨日の試合の合間に、ユウナ先輩やサリナ先輩の時代の辰巳のパパさんであり、今は東○のコーチであるHさんと10年前の辰巳ジャンプのことを話していました。あの子達は、「男女で都大会出場」という目標に向かって、本当に仲良く練習していたから、今でも1年に何回か集まっているほどだということ。後輩の指導にも来てくれること。懐かしく語り合いました。やっぱりこの年代(現21歳)のチームの状態が辰巳ジャンプの最強チームモデルなのです。この会話の中で、私自身が語ったことを振り返ると、今の自分を反省すべきことがありました。それは今の仕事上の立場として、そこまでやって自分を滅ぼしてはいけないことではあるのですが、その当時の情熱だけは違った方法で再現しなくてはいけないとも思っています。

その語りとは、

「あの男女2チーム指導の時代、私は本当に命がけでやっていたんですよね。試合中に何度も“今、死ぬかもしれない”と感じた症状があったくらいだった。失語症状態になって、言おうとしている言葉が出なくなったことも2回あったし、声が出なくなって筆談で指導したこともあった。試合中にベンチでめまいを起こして倒れそうになったことなど数え切れないくらいあった。」




今いる10人の6年生全員に、私は責任を負っています。
どうか10人全員が、キラキラ輝く姿で小学生最後の都大会を迎えられますように。
どうか10人全員が、辰巳ジャンプの子供らしい、優しい心根をもって、都大会を迎えられますように。
どうか10人全員が、「誰もが応援したくなる子供たち」というチーム目標を実現できますように。
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