【教務主任通信】 ドラッガーの言葉から教育を考える(3)

(7)知識は消え去りやすい

「思想は逃がすな」

これは私が大学時代からモットーにしてきた言葉です。

 油断をしていると、せっかく思いついたアイデアもたちまち忘れてしまうのが人間の脳です。「エビングハウスの忘却曲線」というものがあります。人間は学んだことを24時間以内に復習しないと80%も忘れてしまうようにできています。1か月もすればきれいさっぱり忘れる能力があります。ですから、得られた知識や思いついたアイデアは、すぐにメモをしておく必要があります。
 アメリカの元副大統領であるアル・ゴア氏は、アイデアを逃がさないようにするために、いつでも大きめのポストイットを持っていてメモを取る。オフィスの中にもあちらこちらに貼ってあるそうです。



(8)アクション(行動)によるフォローアップ(対査)なきプロジェクト(計画)はパフォーマンス(実績)を生まない

 マネージメントでよく取り上げられる「PDCAサイクル」にもあるように、DO(行動)することが非常に大事です。ただ、とても時間がない私たち教員が気をつけなくてはいけないのは、DOの前の「PLAN(計画)」の段階での努力をおろそかにしないということです。たくさん教材研究をし、入念に授業計画を立て、その上で「DO(行動)」していかないと実力は伸びないです。
 PLANを立てるのはいつでもできます。風呂に入っている時に「そうだ!こんな授業をしたら面白いぞ!」と立ってしまうこともありますし、バラエティ番組を見ていて「この流れは授業に使えそうだ!」と、さんまさんや所さんあたりにヒントを得る場合もあるかもしれません。
 情報のアンテナをいつも立てておいて、引っかかってきたものを組み立てなおし、まずは実行してみる。その行動から返ってきたものをフォローアップしていけば良いパフォーマンスの授業に変わります。



(9)人間は単脳マシーンではない

 人間の脳は一度にひとつのことしか考えられません。しかし、脳内にマルチなチャンネルを作り上げることは可能です。
 小学校の授業は45分単位で教科がどんどん入れ替わっていきます。実はこれが脳に良い刺激を与えています。同じことを90分も120分もやっていると、脳は疲れて自ら機能を弱めていきます。適度な時間に適度な刺激を与えることで活性化するのが脳です。学習効果を高めるためにも、20分休みや昼休みに運動をすることも大事です。ストレスを発散するだけではなく、脳が運動という別のチャンネルを動かすことになるので、次の時間へのエネルギーになるのです。


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【教務主任通信(11)】 ドラッガーの言葉から教育を考える(2)

(4)自分はここで何を貢献できるかを考えよ

 教師という学校組織の一員として考えた場合には、この学校の中で学校経営方針を実現していくために自分はどんな貢献ができるかを考えることが成功法則に乗ることになります。また、もっと広い視野で物事を考えた場合には、江東区の教育、東京の教育、さらには日本の教育に対して、自分はどう貢献していくかを考えていくこと。このようにより大きな視野に立つことを「抽象度を上げる」と言います。抽象度の高いことに貢献する。そこに自分自身の使命を自覚できた時、自分の想像を超えるパワーが発揮される。そんなしくみが脳の機能にあります。
 児童の立場で考えていくと、「この学級に、この学校にどう貢献するか」ということを考えるようになると、隠れた能力を発揮するようになります。よくスポ根ドラマで、不良生徒が部活に目覚め、「このチームのために俺は二度と問題を起こさない!」と立ち直っていく姿を見ますが、これこそ組織に貢献する気持ちが開かれたものですね。



(5)昨日を捨てよ

 昨日起こったことはもう二度と取り戻せません。くよくよ悩んでもどうにもできません。また成功したことでもそれはすでに過去のことです。過去に捉われたらいけません。年寄りは過去に生きる生き物であり、青年は未来に生きる生き物です。80歳になっても「まだまだこれからだ!」と言って、バリバリ働いている人は青年ですし、10歳であっても未来を見つめない、希望を持っていない人は精神的な老人なのです。
 今日を、明日を、3年後、7年後、10年後を、未来をどう生きるか。これこそ本当の意味での「キャリア教育」であり、そういう習慣を持っている人こそドラッガーのマネージメントができている人と言えるわけです。
 学級においても、昨日よりも明日のことを考えて、どんどん前進していけると良いので、そのためには「うちの学級はあの山の頂上を目指して登っているんだよ。」という共通のゴール意識(目標意識の共有)があるかないかでまとまりも変わってくるはずです。



(6)物事は人が思ったり、言ったりすることの2倍はかかる

 この言葉を言いかえて「児童は教師が思ったり、言ったりすることの2倍は時間や手がかかる」としてみたらいかがでしょうか。授業のことから自分自身に問いかけてみましょう。
Q:授業の中で児童が考えたり作業したりする時間は十分に取っていますか?
Q:大人の作業感覚で指導をしていないでしょうか?
Q:個別指導のひきだしを複数用意しているでしょうか?
Q:短い期間に結果を求めていないでしょうか?長期計画を立ててスモールステップで指導をしているでしょうか?
Q:児童の小さな達成を確実に、適切に、タイムリーに評価しているでしょうか?
とにかく私たちが相手にしている“顧客”は小さな子どもたちですから、指導する私たちはおおらかに、10個言ったうちの1個でもできたら良しと思うくらいの感覚でいた方が良いかもしれません。


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坂井泉水さんを偲ぶ会【2007年6月27日】

今からちょうど4年前。2007年6月27日。
ZARDのボーカルであった坂井泉水さんが亡くなられて1カ月たっていた。
東京の青山斎場には約4万人が結集し、空前のお葬式が行われた。

「坂井泉水を偲ぶ会」

この会に私も参列させていただいた。
なぜなら、坂井泉水さんの存在は、仕事は違えど私の教員生活の流れと完全に一致し、勝手ながら共に時代を築いてきたものだと感じていたからだった。

この日の私の日記には、こんなことが書いてある。


***** 2007年6月27日の日記より *****

「坂井泉水さんを偲ぶ会」に行ってきた。彼女とは同世代だ。

すごい参列者の数だった。

きっと自分など浮いてしまうだろうと思っていたが、同世代の人もたくさんいて、あらためて坂井泉水さんに励まされてきた人の多いことを実感した。

思い切って行って、本当に良かった。

1時間ほど並んだが、まったく苦にならなかった。

大画面で流れてくるコンサートの様子を見ながら、数々の思い出がこみあげ、涙が出そうになった。

「負けないで」「揺れる思い」…

全ての曲に思い出がある。


献花をした瞬間、もう坂井泉水はいないんだということが胸に迫り、思わず「ありがとう」の言葉が口から出た。

************************


実はこのころ、私は教員生活最大のピンチに至っていた。
それまで積み上げてきた数々の実績が、いとも簡単に崩れていくことを体験していた。
もしかしたら自分はもうダメなのではないかとも感じていた。
自分の命と同じだと思っている「辰巳ジャンプ」のチームも、解散寸前に追い込まれていた。

そんな時に、坂井泉水さんは、この世からいなくなってしまった。


音楽葬に集った4万人の方々が作り出す、何ともいえない温かな空気が青山斎場にはあった。
みんな泉水さんの創った曲に励まされて生きてきたんだと直感的に感じた。
だれもが「ありがとう、泉水さん。」という感謝の気持ちで参加していることを感じた。

そんなことを人に感じさせられる人生ってすごいじゃないかと思った。
人生は生死ではなくて、何をしてきたのかが大事なのだと実感した。

これが本物の教育なのだと感じた。


2007年6月27日以来、4年がたった。

私はこの日を節目に、自分の教育実践を変えた。
誰かに評価されることを期待するのではなくて、坂井泉水さんのように自分が納得できる実践をしていこうと決めた。


2007年6月27日以来、すべてが変わった。

それまで恐れていたことも小さなことに感じられ、大きなことにチャレンジする力が甦った。




実は今日、2011年6月27日。
注文していた「坂井泉水さん・ZARD追悼ライブ」を収録したDVDが私のところに届いた。
6月27日に届くという意味は何なんだろうと・・・・・・また深く考えてしまう。

人生は節目を刻んでいくことが大事だと多くの先輩から教えられてきたが、ピタリ6月27日に「坂井泉水さん」を振り返る映像が届くところが不思議でならない。


坂井泉水さんのライブを象徴する言葉がある。

「私は言葉を、詞を大切にしてきました。」

自分も言葉を人に伝える仕事をしている。そのひとつひとつをこれまで以上に大切にしていきたい。

教師という立場でも、小学生バレーボール指導者という立場でも、「言葉を大切にする」ことを意識していきたい。

それが坂井泉水さんを永遠たらしめることにつながると信じつつ。


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大きな目標を実現する方法

辰巳ジャンプの子どもたちへのマインドマップメンタルトレーニングの3日目を行いました。

今日のテーマは「大きな目標を実現する方法」でした。
その内容を要約して記録しておきます。

(1)コンフォートゾーンを高い所に移すこと

人間には「コンフォートゾーン」という心理的に安定する場所があります。自分にとって最も心地良い状況のことです。(これは苫米地英人氏の著書に多く紹介されている)
たとえば、ゴルフで「自分はいつも90打くらいだな」という人は、その状況がコンフォートゾーンになります。そんな人がある日、75打くらいでコースを回ったりするとすごくうれしいのだけれども、そんなに良い成績を出してしまった自分に違和感を感じ、コンフォートゾーンである90打に戻ろうと脳が動き出すのです。
また、片付けの苦手な小学生が、親に怒られて自分の机の上を整理整頓します。片付け終わった時には「やった、すごくきれいになった!」と晴れやかな気分を味わいますが、コンフォートゾーンが「ちらかっている」という所にあるので、1週間もすると元通りに汚くなっていきます。(この例えで子どもたち大いに納得する。)
そこで、コンフォートゾーンを高いレベルに動かすことが大事になります。
では、どうしたら良いのかというと、高くて大きくて遠い目標を自ら立ててみることが必要です。
その大きな目標に実感(現実味)を伴うようになれば一番良いのですが、その実感するということがなかなか難しい。実感できるようになるために、今回は3つの習慣を意識するようにしていきます。


(2)「3%理論」を意識する行動をすること

ものごとに成功する人は全体の「3%」しかいないということを意識することが大事です。実はこの話を6月11日にもしているのですが、子どもたちはまだまだ実感できなかったようで、まるで初めて聞いた話のように感じていたようです。
この「3%」という数字は何を根拠にして言っているのかというと、『望めば叶う』(ルー・タイス著)の中の次の引用からです。

目標を設定するかしないかで、ほんとうに最終的な達成感に違いが出てくるのだろうか。一言で言えば、答えは「その通り」である。わたしは何年も前から、みなさんの手伝いをして、正しい目標設定こそすべてを可能にする現実的な習慣であることを理解してもらってきた。こんな例がある。1953年のエール大学卒業生を対象とした調査だ。学生たちに、彼ら自身についていろいろ質問したのだが、そのなかに目標に関する項目が三つあった。
「あなたは目標を設定していますか?」
「その目標を書きとめてありますか?」
「目標を達成するための計画がありますか?」
全部の質問にイエスと答えたのは、学生の3%にすぎなかった。

20年後、追跡調査が実施された。その結果、目標設定に関する質問にイエスと答えた3%の学生は残りの学生に比べて幸せな結婚をし、選んだ職業でも成功し、家庭生活にも満足し、健康状態も良好だった。それだけではない。53年卒業生の総資産の97%は、この3%の手に集中していたのだ。これでおわかりになっただろうか。はっきりした目標を決めると、それまでは閉ざされていたチャンスが開かれ、これからお話しするような、一生を通じて役に立つプロセスが始まる。 


どんなことでもいいから、「3%」の中に入ることを意識することが大事です。2週間前に「トイレにどうして女神様がいるのか」ということを説明したのも3%に入るためでした。子どもたちにこんなふうに教えました。

「これから神様になる方法を教えます。トイレのスリッパが乱れているのを見たら、きれいに並べるようにするのです。それをするだけでも神様と同じ行動になります。なぜなら、そういうことをできる人は大人でもほとんどいないからです。君たちは、そういう誰も気づかない所、誰も見ていない所で細かい気を使える人間になりなさい。」

こんなことだけでも3%に確実に入ってきます。

私はいろんな研修会や勉強会では必ず「最前列中央」に座るように心がけています。これもまた3%に入る努力なのです。この「最前列中央」をやっている人は、おそらく3%どころか、「0.01%」もいないと思います。このように、3%を実践している人は数少ないので、必ずこう言われるようになるでしょう。「あの人、変わっているね。」と。それで良いのです。3%を実践している証拠であるし、自分への「ほめ言葉」だととらえれば良いのです。



(3)目標を紙に書いて毎日見ると実現する

これも6月11日に話したので、その内容を転記します。

「紙に自分の希望や夢、願い事、目標などをしっかり書いて、毎日見ると、それが叶いやすくなるんだよ。なぜなら、誰もが自分の目標を紙に書いて貼っておいた方が良いと思っているんだけど、実際にそういう行動を起こす人は3%しかいないんだ。世の中はそういう3%の人の成功のために、残りの97%の力が集中するようにできているんだって。紙に書くとそれは、夢から目標という具体的なものに変わるんだ。そして人間は目標の方向に、脳が自然に運んでくれるものなんだ。」



(4)目標実現する人の良い習慣

①自分を信じる
②自分をほめる
③自分を好きになる

この3つを意識することで「ポジティブ思考」「プラス思考」をする人間に成長できます。

ポジティブな人が話す言葉には次のようなものが多い。
「できる!」「やってみよう!」「大丈夫!」「次々!」「どんどんいこう!」「チャレンジ!」「やってみて考えよう」「よし!○○だ!」

反対にネガティブな人からは、次のような言葉がよく聞かれます。
「無理」「え~・・・」「めんどくさい」「大変そう」「できない」「やりたくない」「やめようよ」「うざい」

自分を信じている人が「無理」とは言わないですし、自分をほめる習慣がある人が「できない」とは言わないでしょう。何事もプラスに考える習慣を身につけることが大事なのです。


*****************

このような話を聞いた後で、全員が「目標マインドマップ」をかきました。
自分の家に貼っておくと効果があります。

翌日、子どもたちからは、
「先生、昨日も3%をやりましたよ。」
という報告が次々と。実はこの「3%」という数字を示したことがとても大きな力を発揮してくれます。数字で表現をすると人間はイメージしやすいのです。100人中3人しかやっていないような良い行動をしよう。3人しかやっていないからすごいことだし、それに対して97%の人から悪口を言われても全然気にしない。だって3%の人にしか理解できないことなのだから。

小学生のうちからこうした哲学を学んだ子どもたちが大きく成長していくことは間違いありません。


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努力はいらない! 「夢」実現脳の作り方
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望めば、叶う―自分を高め人を導く成功法則
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ああ! こうして教師を育てる必要があるんだな!

水曜日に校内研究会がありました。

今の私の立場としては、勤務校の教員を全力で育成する使命があると自覚しています。なので、今日の研究授業に至るまでに、よりレベルの高い研究にするために指導・助言をしてきました。

研究授業は、光村図書の国語教科書の中に新しく取り入れられた「百年後のふるさとを守る」を中心教材にして行われました。しかし、研究授業前日の授業に入って参観し、ちょっとまずい感じだなと・・・・・「このままの指導方法で授業が進むと、浜口儀兵衛の生き方を通して自分の生き方を考えるという“ねらい”を達成できなくなる」と判断し、緊急アドバイスをしました。

①この教材は、浜口儀兵衛の考え方や生き方を学び、自分なりの考えを持つためには、「自分ならどうするだろうか?」「自分の生き方に役立つことはないだろうか?」という「読みの視点」を持っていることが必要。

②昨年度に研究したのは「物語文の読解」だった。その学習方法を「伝記文」に同じように使うのは無理がある。

③この授業のねらいは「自分と浜口儀兵衛との生き方に相違に気づき、自分もより良い生き方をしようと考える」ことができたかどうかということである。

④児童の学び合いを最大限に引き出すためには、勇気をもって昨年の研究で行った「授業モデル」を変更することも大事である。

学年担任も、どうも授業がうまくいかない、このやり方で指導していると時間が足りないと悩んでいましたので、昼休み中にA4版2枚のアドバイスレポートを作成し、放課後相談に乗りました。


アドバイスのポイントは「焦点化」と「スリム化」でした。

①焦点化
なんでもかんでも考えて良いとしてしまうと児童の思考が散漫になる。
授業もどんな意見を取り上げていったらよいのかブレまくる。
だから今回は、「儀兵衛の考え方と行動」と「自分基準(自分ならどうするだろうか)」を比較することに思考を絞り込んで授業すべきである。

②スリム化
どんなにたくさんのことを教えようと頑張っても、授業は45分間しかない。必要最小限の指導内容に絞り込んで、確実に子どもたちの思考を拾っていく授業をする必要がある。1時間の授業で欲張り過ぎると、ねらいを達成できなくなる。


この他、私からの様々なアドバイスを受けて、担当学年の先生たちは、夜の9時すぎまで授業内容の検討をしてくださったそうです。その努力の結果、研究授業当日(アドバイスの翌日)の授業はだれが見ても素晴らしい内容となりました。

子どもたちの思考が「浜口儀兵衛の行動についてどう思うか」に焦点化されたことによって、ワークシートへの意見書き込みもたくさん行われ、その後の学習交流も非常に活発な意見交換が行われました。



研究授業、研究協議会の後、担任の先生たちは私のところに来てくれて、こんなことを言ってくれました。

「昨日の授業をした時には、全然うまくいかなくって、終わった時に『井上先生、助けて!』という気持ちでした。放課後、先生からアドバイスされたことをもとに必死に考えて、授業を変えることができました。そして今日の授業では子どもたちがどんどん意見交換してくれたので、私は感動しました。」

私からはこんな言葉を、若手の先生の心に刻まれるようにという思いで、残させていただきました。

「今日の授業には、授業の神様が降臨したんだよ。降りてきたね!本当に。こういう授業ってあるんだよ。教師の力を超えた何かが起こる授業だ。神様が降りてくるためには、教師の努力があればこそなんだけどね。良い経験を積みましたね。」

お隣のクラスのベテランの先生からも、こんな言葉をいただきました。

「今回の研究授業は、私たちが本当に勉強になりました。そして授業のことを勉強することが大変なことではなくて、大変なんだけど楽しいことなんだと感じました。こんな研究を続けていきたいですね。」

その通りなんです。私たち教師は「授業のプロ」です。プロというのはその道の楽しみ方を一番知っている人の事を言うのだと思います。今回の研究授業にかかわらせていただくことで、「授業研究は楽しい!」と思ってもらえたことだけでも、私にとっては大きな成功だったと感じます。



世界中の先生方の「授業力向上」のために、今日もまた、明日もまた、自分なりに行動していく決意です。


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【マインドマップで作文すらすらワーク活用実践】もしも自分がうさぎだったら (小学校3年生の作文)

ある朝、女の子が目をさますと、まず顔をあらいに行きました。顔をあらおうとしてかがみを見たら、
「キャ~。」
とひめいをあげました。なんと、かがみにうつっていたのは「うさぎ」でした。でも、おちついて顔をあらいました。

ごはんを食べようとしたんですが、お母さんもうさぎでした。お母さんもびっくりしました。

今日のごはんは、自分のすきなにんじんやイチゴやリンゴ、トマトまで出ました。

一番すきなにんじんは、へたがついていたので、お母さんがとってくれました。にんじんは、あっという間に食べ終わってしまいました。トマトは大きいのが3つもありました。食べるのがたいへんでした。デザートのリンゴを食べると、緑色のやさいのキャベツとレタスのようなシャキシャキなしょっかんでした。
イチゴは甘くとろけて、とってもおいしかったです。

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【マインドマップで作文すらすらワーク活用実践】ハエになった私 (小学校5年生の作文)

朝、いつものように起きたら、身のまわりのものがとても大きくなっていることに気づきました。おどろいていたら、自分はかべにとまっていることが分かりました。お母さんが、
「まどあけて。」
と言っていたので、なんだかよく分からなくなってしまいました。そしたらお父さんがハエたたきを持ってきて、
「バンッ。」
とたたきました。私はそこで初めて、自分がハエだということに気づきました。(助けてー!)と思いながらにげました。お父さんがもう一度、
「バンッ。」
とたたいた時、(たしかスパイクはこんな風に打つんだっけ)と思いました。だけど、そんなことを思ってる場合ではありませんでした。お父さんがまたたたこうとしたので、私はハエになってしまったことをうらみました。もういやになって、まどから外に出ました。

まずふうちゃんの家に行きました。
ふうちゃんは、おかしを食べていました。私はそのおかしを見られないように食べました。でも、ふうちゃんは気づいてしまいました。ふうちゃんはパチンパチンと手をたたいて、私をつぶそうとしました。私はつくえの下にかくれました。私は小さくてよかったと思いました。


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【マインドマップで作文すらすらワーク活用実践】もしも私が魔法使いだったら (小学校5年生の作文)

ある日、私が目をさましたら、どこかのしんしつにいた。私がなんだ?なんだ?とキョロキョロしていたら、おじいさんが私に
「お前は魔法使いだ」
と言った。私はビックリのあまり言葉を失った。それから約数分間、なにもしゃべれなかった。そしたらそのおじいさんが、
「こっちに来なさい。仲間がまっている。」
と言ったので、言われるがままおじいさんについていった。そして、何かの広間に来ていた。おじいさんが、
「君はこの学校の1年生だ。今日からここが君の学校だ。」
と言った。私はちょっぴりうれしかった。なぜなら、私は魔法使いになりたいなーと少し思っていたからだ。

そしてそこの学校生活が始まった。私は最初は、友だちがつくれるか不安だった。だが、1日目で5人もの友だちができた。学校の授業は意外にむずかしくなかったから良かったが、たまに呪文を練習する時は、ちょっと失敗する事がたびたびあった。けれど最終的には全部成功したから、心の中で(よっしゃあ!)と思った。

ほかにもほうきを使って飛ぶ授業や、変身する授業もあった。でも、変身の授業が1番むずかしかった。でも、私が思うには、将来的にはネコや犬に変身して、ぼうけんをして、仲間を作って、宝を見つけてとか、川にいって魚をつかまえて食べる事もできるかなと思った。

この生活は始まったばかりだから、魔法を上達して、将来は大魔法使いになりたいと私は思う。(約700字)

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【マインドマップで作文すらすらワーク活用実践】もしも私が空気だったら (小学校5年生の作文)

私が朝おきたら、体がうかんでいた。まるで雲のようにフワフワと。それで鏡を見てみた。そしたら私がいなかった。手を見てもいなかったので、私は空気になれたんだなと思った。とてもうれしくなった。なぜなら、空気になるのが夢だったからだ。私は夢がかなうのはこんなにもうれしいのだなと思った。

私が空気になったら楽しい事ばかりだ。いやな気持にもならない。1日中起きていてもなにも言われない。ねぶそくにもならない。とてもうれしいことだ。行ったことのない外国に行けるし、海外旅行だってすぐに行ける。だから、世界いさんやめずらしい物、日本にないものも見れる。

私は今、友達と仲良く遊んでいるのだ。なぜなら、私はいろいろな所に行く前に友達の家によったからだ。まず、HKちゃんの家に行った。HKちゃんのおなかをけってみた。そしたらHKちゃんが私と同じ空気になりました。HKちゃんは今のじたいをりかいし、ジャンプの仲間たちをさがしはじめました。そしたら、HBKやAYぼん、NNK、RN、AMなど、いろいろな人のおなかをけり、みんな空気になりました。

それから私たちは、さんそを持っているのに気づき、人にすわせたらCO₂になり、みんなで木の所に行き、木にもとどおりのさんそにしてもらいました。とてもうれしい。

次に私たちは、地球をすくえるんではないかと思いました。すくえる物はなんだろうと考えていると、木や人間、さまざまな生き物がすくえると思い、すくいました。地球はきれいだったけど、私たちのおかげで、もっときれいになったんではないかと思う。だから、みんなこのままでいたいと思ったんだけど、お母さんやお父さんが困るかもしれないから、元にもどろうと思いました。

朝おきて、私はお母さんに空気になったことを話したら、
「そんなのうそだ。」
と言われて、相手にしてくれなかった。でも、私は空気になったことをわすれないようにする。

(40分間 1000文字)


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【マインドマップで作文すらすらワーク活用実践】もしも私が車だったら (小学校3年生の作文)

今週は「マインドマップで作文すらすらワーク」を活用して子どもたちが書いた作文を紹介します。
まずはじめは小学校3年生の作文です。
文章を校正する時間がなく、思いつくままに言葉を並べていった文章内容でしたが、小学校3年生が40分間で1200字を書きあげるところがすごい。やはり作文はマインドマップで設計図を書いてから取り組むに限ります。


*********************

もし私が車になっていた時の事を話します。

私は朝、友だちと遊ぶやくそくをしていたので、友だちの家に遊びに行きました。チャイムを鳴らしました。その友だちのお母さんが出てきました。すると、
「はい、どなたですか。って、車がとびこんで来てる。どうしよう。」

私は変だなと思いました。車なんかとびこんでないのに。まあ、呼んだけどいないから帰ろう。そうだ、冬だから池を見てこよう。こおってるかなと思い、走りました。高くなったスカイツリーがよく見えます。2012年に開業するので、家族で見に行こうときめていました。

池にたどりつきました。見事にこおっています。自分の顔を見ようと、こおった池に顔をうつしだすと、なんと自分の顔が車のまどなど、私が車になっていたのです。私はびっくりして後ろに1回転してしまいました。私は早く家に帰ろうと思いましたが、このままでは家をこわしてしまいます。まず、家に帰る前に、この体をどうにかしようと近くの見つかりにくい林の中にサッと動いてしゃがみました。

これからが本かくてきな話です。

まず、パニックじょうたいなので、おちつくために、楽しい事を考える事にしました。
はじめに、車になってしまったので、車から思いうかぶ事を考える事にしました。

車といえば、行くところをカーナビできめる。行くところはやっぱりディズニーランドだ。それか、うわさになっている所だったり、いろいろある。ディズニーランドだったらやっぱりミッキーとミニーだ。うわさのところは今のわだいだし、流行場などになる。ミッキーと言ったら有名だし、仲間もたくさんいる。ミニーだったら人気だ。あと、笑顔でドラマのヒロインのようだ。流行場は行く時はじゅうたいになりそうだ。あと、人だらけでこんざつだし、人気のアトラクションなどがあると、1時間や2時間以上並ぶかもしれない。ミッキーから生まれたヒーローはキラーンとしてかっこいい。ヒーローはあと有名で身近につかわれている。まさしくヒーローだ。

ヒーローから生まれたキラーンはかがやいている。あと、すごい時などによく使われ、今ではじょうしきだ。有名は芸能人で、1番よくテレビに出ている。キラーンから生まれたすごいは、ほめられるだ。人間の時はよくほめられたなぁと、人間のころをなつかしく思います。

あと、すごいといえば、絵本作家や小説家だ。すごいおもしろい本を創っていて、すごいなぁといつも思っていた。かがやいているは、みんなの中心の人気者になって、みんなと仲良くしている。

けっきょくもとにもどれなかったけど、車でも生きてもいいかなと思い、車で生きていく事にしました。

これで私の話を終わります。

(40分間で1200字の作文)

*********************

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高校女子バレー・インターハイ予選 東京決勝

先輩を応援するツアー2回目。今日はインターハイ東京都予選の決勝リーグで高2の先輩を応援するため、駒沢体育館に行きました。

応援した先輩は、辰巳ジャンプの卒部生の中でも特別の存在です。彼女の卒業の時には私から「君は将来の全日本候補だから、自分がすべてを支援してもいいと思うくらいだ。」と期待をかけたほどの逸材です。今日も共栄学園のウイングアタッカーとして全試合に出場し、見事に東京都代表を勝ち取ってくれました。

ちなみに順位は、
1位:下北沢成徳高校、2位:共栄学園高校、3位:八王子実践高校、4位:駿台学園高校でした。

現役辰巳ジャンプの子どもたちは、こんなにすごい先輩がスパイクをバンバン決めていく姿を見て、未来の自分自身のイメージをふくらませていました。ある子はこんなことを私に言いました。

「先生、辰巳ジャンプは都大会に出たことがありますか?」

もちろんあります。

「江東区大会で優勝したことはあるんですか?」

優勝したことあります。

「私たちも6年生になったら江東区で優勝したいです。東京都でも優勝したいです。全国大会にも行きたいです。」

夢や目標は大きすぎるくらいでちょうど良い。子どもたちから言い出したことですから、指導者としてはそうなるように全力を注ぎます。



それにしても、先週の応援ツアーといい、今週の代表決定戦応援ツアーといい、現役辰巳っ子に、辰巳ジャンプを卒部した先輩たちの試合を見せたことは大成功でした。バレーボールへのモチベーションは最高にアップしているようです。チョウにたとえれば、まだまだ幼虫の段階な辰巳ジャンプですが、今はじっくりたっぷりと栄養を吸収して、秋に大きなサナギになり、来年のスタートからチョウとして羽ばたけるように練習していきましょう。



ところで、今回のインターハイは、東北4県(青森・秋田・岩手・宮城)が主催することになっています。しかし、3.11の大震災の影響で、予定の修正を余儀なくされているようです。しかし、若い高校生の希望を、被災した東北の希望とすべく、開催を決定したそうです。日本の歴史に残る大災害を、スポーツ分野からも乗り越えていくための大切な大会になりそうです。

女子バレーボールは青森県八戸市が会場となります。日本復興のためにも東北支援のためにも応援に行った方がいいかな?

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「マインドマップで作文すらすらワーク」で作文指導する方法

マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館


「マインドマップで作文すらすらワーク」は私が出版に関わった大切なワークブックです。
小学館さんのご厚意で、私の名前と勤務校の名前、そして「マインドマップ公認フェロー」という肩書を表紙に入れていただき、世の中に出していただきました。

そのワークブックを使って作文指導をすることに関して、私が最先端をいかないとならない責任があると自覚しています。
学級担任をしている時は、国語のカリキュラムを進行していかなくてはならず、また、校内の研究が作文指導ではなく読解指導だったこともあり、残念ながら「すらすらワーク」を使ってていねいに作文指導をしていくことに制限がありました。


今回は辰巳ジャンプの子どもたちが相手です。なんの制約もありませんから、私の思うように指導することができます。「すらすらワーク作成者」の一人として、実践的事例をやっと世の中に出すことができます。


【先週の指導内容】
1週間前に3時間かけてマインドマップの基礎を教えました。
それは以下の流れです。

(1)自己紹介カードに文字を使わず「好きな食べ物」をかいて、みんなで自己紹介をしていく。
(2)マインドマップの小学生の事例を、メンタルリテラシーの考え方を織り込みながら紹介。
(3)進化ゲームをして体を動かす。メンタルブロックを外す。
(4)ワーク1「言葉の連想」「イメージフラッシュ」
(5)「気づき」のワーク、いろいろと。漢字の覚え方やAHA!ピクチャー。
(6)マインドマップ、7つのルール
(7)「自分の夢」をかくワーク

これで子どもたちはマインドマップをかけるようになりました。


【今日の指導内容】
作文をかけるようにするために「マインドマップで作文すらすらワーク」の使い方を指導しました。

(1)作文には「設計図」が必要だということを伝える。その設計図がマインドマップです。
(2)「すらすらワーク」の中の「もしも私が○○だったら」というワークを行う。
(3)指導者が黒板にマインドマップをかいていく。今回は「もしもボールだったら」というテーマで考えてみた。
(4)子どもたちの自由な意見を引き出しながら、指導者がマインドマップをかき、作文構想立てしていく方法を学ばせる。
(5)「5W2H+α」の質問を自分にしながらマップ化すると良いものになることを教える。
(6)マインドマップのメインブランチは「段落」にすることを教える。
(7)マインドマップにかいていないことでも思いついたら書いて良いことを伝える。
(8)逆にマインドマップにかいたことでも、必要ないと感じたら作文に書かなくて良いことを伝える。

この手順で教えました。その結果、私の予想を超えて、子どもたちは猛烈な集中力で作文を書いていきました。
3年生のAさんは鉛筆が止まらなくなり、約40分間で1200字の作文を書きあげました。40分で1200字というスピードは、6年生でもできない子がいるくらい高いレベルです。


今日は12人の子どもたちが、私の授業を受けましたが、本当にすらすらと作文を書いていました。
何人か、このブログで紹介することを了承してくれましたので、後日掲載していきます。



さて、来週は「目標実現作文」の指導をする予定です。
時間がたっぷりあるので、書けそうな子には、「すらすらワーク」には載っていない、私が編み出した「アファメーション作文(肯定的自己宣言作文)」を書く方法にチャレンジしてもらおうと思っています。


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【教務主任通信(10)】ドラッガーの言葉から教育を考える(1)

(1)強みの上に築け!

 どんな人間にも組織にも必ず強み(長所)があります。自分の強みはいったんなんなのだろう?一度、とことん考えてみる必要があります。さらに自分の強みを作り上げていく必要もあります。そこで、教師として担任としての自己分析をしてみましょう。小学校の場合は一人の担任が学級組織にほとんどの影響を与えていくのですから、「自分はこれだ!」というものを持っていることが大事です。
 次に、学級児童集団の強みも自信を持ってつかんでおくことが大事です。「うちの子どもたちの強みはこれだ」ということが分かっている場合は、自信を持ってそのまま突き進めば良いでしょうし、どうなのかなぁと考えてしまう場合は、一度「KJ法」や「マインドマップ」または「箇条書き」でも良いですから、自分内ブレインストーミングをしてみると良いでしょう。



(2)表の風に吹かれろ!

 学校外で私を指導して下さっている某小学校の校長先生から学んだ研究への心がけがあります。
 「外で学んで内に活かせ」
 校内では自分の強みを生かすための研究はなかなかできないものです。なぜなら学校組織としての研究方針がありますし、勤務時間の関係もあったりして、「徹底的な指導案検討」も難しい。だから外(表)で自分の強みを生かすための研究をするのです。
 私たちにとって最も身近な「外(表の風)」は区小研や都小研、都研修センターの研修でしょう。さらに一歩進んで、民間研究団体や自主的なサークルでの学びが教師には必要です。
 これがドラッガーの言う「表の風に吹かれろ!」に値すると考えました。



(3)予期せざる成功・失敗にこそ革新への源が

 どんなに授業の準備をしても失敗することもありますし、大して準備をしていないのに、偶然話した内容がこどもたちの心の琴線にふれ、素晴らしい授業になってしまうなんてこともあるかもしれません。井上の信条のひとつに「授業はライブだ!」という言葉があります。プロ音楽家のライブでも入念に練習・準備をして臨むでしょうが、聴衆の作りだす空気によって上手に演奏を変えていくことをしているはずです。私たちも「プロの教師」ですから、いただいている給料に見合った授業をする義務があります。
 その努力をした上で「予期せざる成功・失敗」について考えます。
 私たちは学級の未来の成功・成長イメージ(担当したクラスの3月修了式時点の姿)に向かって、長期展望に立って指導をしていくわけですが、その途上に起こった成功や失敗は、自分の学級をより良く変えていく(革新していく)ための財産にすることが大事です。成功や失敗にいちいち振り回されないで、「どうして成功したのか」「なぜ失敗したのか」をきちんと分析しておくこと。そして「では次にどうしようか」という行動目標を立てておくこと。日々この振り返りを続けている学級は「革新的」に成長をしていく集団になります。
「日々新たにして日に日に新たなり」・・・・・・四書五経にある言葉です。


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【教務主任通信(9)】「何のため」を常に考える=モチベーションアップ

「何のために学校に通うのか?」「何のために人間は学校を作ったのか?」そもそも「何のために勉強するのか?」「何のために生きているのか?」こうした質問を子どもからされた経験はありませんか?そんなときに、みなさんはどう答えるでしょうか?
 
 私たちは、戦後というたった70年の時代に生まれましたので、学校に行くのが当たり前すぎて、このようなことを深く考えずに生きてきたかもしれません。しかし、人類の歴史は200万年とも300万年ともいわれるほど長い期間です。学校に通うことが当たり前になった期間は、明治時代の終わりごろからだと考えても100年間。「200万分の100」です。これをパーセントで表せば、わずか0.00005%です。

 私たちは「何のために勉強しているのでしょうか?」
 大人はご自分なりの答えを持っているようにしませんか。

 さて、「何のため」というフレーズは、あらゆる教育活動についてくるものだと、私は自分に言い聞かせてきました。「何のためを常に問え、意味のないことを決してするな」と。

あらゆる指導に「何のため」という裏付けが必要だと思います。

「何のために漢字を練習するのか」

「何のために読書をするのか」

「何のために算数を学ぶのか」

「何のために行事があるのか」

「50m走を最後まで全力で走ることにどんな意味があるのか」

教師にはなんとなく分かっていることでしょうが、一度、文字にして考え、まとめてみることをお勧めします。

東京大学教授で「教えて考えさせる授業」の著者である市川伸一先生は、読売新聞教育ルネサンスで、こんなことを言っています。

「勉強する動機はもともと多様だ。学校教育で最も不足してきたのは『実用志向』の視点だろう。教科は学問の体系が基礎にあるため、専門の先生ほど実用的なものを軽視しがちだ。例えば数学。小学校の算数は身近でも、中学、高校とレベルが上がるほど何に役立つのか実感できず、関心が下がりやすい。必要感のない子に『数学は美しい』と言っても響かない。」
 
「何のため」という意義を明確に意識できている子は、少々の壁にぶつかっても、自分の力で乗り越えていけるでしょう。これこそ「生きる力」といってもいいのではないかと思います。


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【教務主任通信(8)】良い授業の条件

今日紹介するのは私が書いた文章ではありません。国語教育の大家である今井鑑三先生(1908年生~1993年没 奈良女子大学文学部附属小学校にて、教諭、主幹、教頭を歴任。小学校国語科教科書編集委員(昭和23年~平成4年版)児童文庫「手のひら文庫」監修者)が示されたものです。


【良い授業の条件】

①授業における指導の目的が明確で、その展開に筋が通っている。(論理性)

②学習活動が効果的に組み立てられている。(構造化)

③授業の進行に動きがあり、豊かな内面活動が見られる(生動性)

④学習の方法を学ぶ授業になっている(学習力)

⑤全員参加のよい学習集団が組織されている(共存感)

⑥一人ひとりその子なりの力がついている(個別化)

⑦教師の出番と出方が適切である(機動力)

⑧教師自身が納得できる授業である(自己評価)



【ここから私の解釈を入れます】

①授業には「ねらい」があり「評価規準」があり「指導計画」があってこそ成立します。どれかひとつでもお座なりにすると、筋の通った授業にはなりません。

②授業の流れを「フローチャート」で書けるようにして下さい。単一的な流れの授業は学習に支援を必要とする子どもたちに苦痛を与えてしまいます。全児童の興味をひくような授業を続けることです。

③児童の心に揺さぶりをかけるような授業が良い授業です。例えば先日、低学年のダンス練習の時、N先生ははじめに授業の「ねらい」をおさえ、「自己評価基準」を児童に明確に伝え、練習の流れに「見通し」を持てるようにし、「モチベーション」を最高にあげて練習を始めました。見事な指導性だと感動しました。

④昨年度、本校で研究した「学習シートブックへの書き込み」が学習方法を学ぶひとつの事例です。

⑤要するに全員での「学び合い」ができる集団に育てているかどうかということです。

⑥個別化の指導を効果的に行うためには、「その子の支援計画・育成計画」が担任の頭に入っていないと難しいと思います。一人ひとりへの指導も場当たり的なものではなく計画的・継続的に行いましょう。

⑦言わなくてもいいことを言ってしまったり、子どもの出番を教師が奪ってしまったりしてはいけません。

⑧良い授業ができた時には、教室は何ともいえない空気感に包まれるものです。記憶に残る授業をしたいですね。



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