「液化炭酸ガスは?」とは変な題だが、仕事場にくる途中に私の前を走っていたトラックに液化炭酸ガスのボンベが2本積んであった。それで一瞬考えたのだ。
液化窒素なら冷却材だろうし、液化酸素もその利用法はあるであろう。だが、液化炭酸ガスの利用法はあるのだろうか。
思い当たったのは気体の炭酸ガスから、ドライアイス(固体の炭酸ガスCO_{2})にする前に一度、液化炭酸ガスを経由するのかもしれないということであった。
ドライアイスは液化窒素ほどの低温は得ることができないが、固体から気体に昇華するので、やはり都合のいい冷却材となる。
ドライアイスは食品の冷却に使われている。ときどき生協が届けてくれる、有機農産物の中にドライアイスで冷却された食品に出会う。水をかけると煙が出てくる。これはときどきテレビの歌謡ショウかなんかできりを発生させるのに使われたりする。
私のように近親者を亡くした者なら、知っているのだが、亡くなった人の遺体の下にドライアイスが入れられて遺体が傷むのを(特に夏など)を防ぐという役をする。このときにドライアイスは昇華するので、氷のように液体の水ができたりしないので湿ったりはしない。
ドライアイスをつくっている会社があるのであろうが、どこにそういう会社が身近にあるかは知っていない。大学へ入った初めの夏だったかに、製氷工場でアルバイトをしたことがあり、氷は自分でつくったことがあるが、ドライアイスの方は知らない。
物理の先生は「相変化」というのは物理で重要な現象であることを知っており、それを授業では強調して話をされていると思う。その相変化の中で固体から気体へと液体を経由しないで相変化をする固体の一つがドライアイスであった。