放射線障害の話が方々で話題になっている。テレビでもそうだが、私の昔属していた素粒子論グループのMLでも話題になっているらしい。先日Eさんから私の先生の一人のSさんがこのMLで述べている記事のプリントをもらった。
このSさんは大学を定年になってから、原爆の後遺症の放射線障害の評価をし直している人であり、原爆訴訟の原告側証人を引き受けている人でもある。だから、彼は最近テレビに出てくる放射線障害の専門家とはちょっと意見が違うところもあるらしい。
特に、放射線を含んだ飲料水とか食物による内部被曝とX線やガンマ線の外部被曝は影響が違うという。内部被曝は微量でも長くその影響を人体に与えるので、放射線医療技師の被曝とは同じにしてはいけないとの意見である。
このことは放射線医学の専門家でもなかなか理解が十分でない人があるという。外部被曝の場合には確かにX線やガンマ線のエネルギーは大きいが、体内にこれらの放射線が留まる時間はきわめて短い。
ところが、放射線汚染された、食料や飲料水の場合にはその放射線であるベータ線はエネルギーは低いが、体内、たとえば胃の中でその胃壁等の原子や分子をイオン化して、これらを破壊するということとその影響が比較的長時間持続することが線量は低くても問題ではないかという。
4月23日にある、雑談会では福島原発の事故だけではなく、そういう話も出るのではないかと考えている。