物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「ひでり」ではなくて、「ひどり」

2011-04-05 12:43:10 | アート・文化

標題から、何を言いたいかということがわかるようならば、あなたの宮沢賢治好きはかなり念が入ったものであろう。

今朝、朝日新聞を見ていたら、宮沢賢治の「アメニモマケズ」の詩が出ていた。それはこの度の地震と津波の災害の被災者たちをこの宮沢賢治の詩が元気つけることができるという話が出ていた。

この詩はとても有名なものであるから、暗唱できなくともそれを読んだことがないなどという日本人はいないと思う。それでここに再録することは控える。

その詩を読んでいたら、終わりの方に

ヒドリノトキハナミダヲナガシ

とあった。今日の今日まで

ヒ「デ」リノトキハナミダヲナガシ (「 」の強調はブロッガー自身による)

と思っていたからである。あわてて、角川の新明解国語辞典や岩波の広辞苑にヒドリが載っているかを調べた。が、ヒドリは載ってなかった。東北弁でヒデリはヒドリというのかとも思うが、まさか新聞のミスプリントでもあるまいから、私は小さいときから自分で勝手に

ヒデリノトキハナミダヲナガシ

だと思っていたのであろう。

もしかしたら、教科書の編者がヒドリをヒデリに変えていたという可能性もあるが。どなたか東北弁のことをよくご存知の方ご教示下さい。

(注1) 中西先生からのコメントで教えていただいて、該当のサイトを読みました。これが東北弁ではないのならば、ここは素直に「ヒデリ」と読みたいと思います。それにしても朝日新聞は意外なところで原文に忠実だったなんておかしいですね。いや、怪しからんというつもりはまったくありません。ヒデリかヒドリかなんて、論争があったなんてまったく知りませんでした。

(注2)(2113.5.6付記) 昨夜、NHKで音楽家の富田勲さんがつくった宮沢賢治の合唱付きの交響楽を聞いていたら、「ひでり」ではなくてやはり「ひどり」と歌われていた。

しかし、個人的には「ひでり」でいいような気がする。「ひどり」でそれがなんであるかを理解できる人は日本人でもほとんどいないのではなかろうか。原作者の宮沢賢治にもう問い合わせるすべがないので、教え子とか近親者の意見を尊重したということらしいが。