4度目かの肺の検診に四国がんセンターに行った。それで「ようやく今見えている影は初期の肺がんではないでしょう」との判定が下って、定期的な検診で何かあったら、また来てくださいと言われた。
そのときに思いが及ばなかったのだが、同じことを定期検診のときに言われてまた、がんセンターに後戻りとなりそうである。
もともと分解能の悪いCTスキャンで肺に影が見えたというので、がんセンターに精密検診に出かけたのである。そして帰って行く定期健診をする病院は多分にその分解能の悪いCT装置をもっている病院なのである。
そうすると定期健診の医師はCTスキャンの結果が怪しいとして、また精密検診に行けというだろう。それだとどうしても分解能のいい装置をもつ病院として、がんセンターへ行くだろう。そしてまた何度か検診を半年に一度の頻度で受けることになろう。
私の母が肺がんで亡くなっており、それがまたあるときに肺に影を見つけたのだが、何回かの検診で大きさが変らなかったので、もう大丈夫と思って検診に行かなかった間に病状が進行していたという事情があるために、私としては同じ過ちは繰り返したくない。
そういういきさつがあったので、がんセンターに言われた通りの間隔で定期健診に4度ほど通ったのである。最後の診察のときにその事情をいえば医師もそうかと思われたのであろうが、私もそのことには思いが及ばなかった。
がんセンターの医師としてはどうも無用な検査をさせている思われるとのおそれをもったのであろう。事情というのは難しいものである。