【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢一郎代表「政権の役職は小選挙区勝ち上がりだけ」と至極当然の発言

2009年02月08日 23時13分11秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 民主党代表の小沢一郎さんは8日、「われわれが政権を担うことになっても、小選挙区で勝ち上がった者でなければ、本当に重要な役割を担う機会はない」と述べ、閣僚・副大臣、官邸スタッフ、党幹事長(国務大臣兼務)、常任幹事会議長などの要職への登用は衆院側では小選挙区勝ち上がり組に限定し、比例復活のゾンビ議員は当選回数にかかわらず要職には登用しない考えを示唆しました。

 至極当然です。

 具体的には現職でも野党転落後に初当選した当選1~4回生の4分の1ほど、元職の3分の2はたるんでいます。この人たちは小選挙区で勝ち抜き、自民党を倒して、政権を担い、政権を死守する使命の重さを理解していない。職業の一つとして、生活の糧を得るためだけに、衆院議員や総支部長をやっています。

 その点、新人総支部長、中でも早めに公認が決まった総支部長たちは頼もしい限り。本気でこの国に政権交代可能な二大政党デモクラシーを確立しようとしています。解散先延ばし・兵糧攻めに耐え、総支部の管理にもたけています。自民党支持団体を民主党支持にひっくり返したり、全特(全国郵便局長会)さんとJP労組さんの初ランデブー総選挙にあたり、それぞれの特長に応じた役回りをお願いしたりしています。

 自治体議員からやっている一部総支部長は個人後援会で毎月引き落としの政治献金をいただいている人も多いし、お父さんの土地を担保に借金をしている人もいます。東大法学部卒の元大蔵官僚、香川2区の玉木雄一郎さんは後援会グッズを販売したり切手をいただいたりしています。第45回総選挙で初当選する「世直しチルドレン」は、明治維新をなしとげた30歳の下級藩士たちを彷彿とさせるでしょう。

 小沢代表にお願いしたいのは、大臣・副大臣の3分の1は世直しチルドレンから起用してください。世直しチルドレンは、将来的な見通しが良いから、ライフサイクルを考えて衆院常任委員兼民主党国会対策委員→大臣政務官→衆院常任委員会理事→副大臣→大臣という順調なステップを考えている人がいます。

 僕のカリスマ・堺の鉄人28号、大阪16区の森山浩行さんは、私が「仮定の話ですが、もしももしも政権交代したら、森山さんが野党議員として与党を追及する委員会質問が聞けないのが残念です」と言ったら、「まあ、それは15年後、民主党がもう一度下野した時にね」と答えました。政権交代可能な二大政党デモクラシーをつくるために本気です。
 森山さんは関西テレビ放送社員、堺市議、大阪府議と「年収1000万円以上の仕事」に3回も就いています。が、「完全無所属」をうたう世直しの人生の末に選択したのは生まれ故郷の大阪16区の民主党総支部長です。ちなみに総支部長の給与は(調査委託費)手取りで20万円(源泉徴収後)です。テレビ局社員と自治体議員の両方の経験があるのは、次の総選挙の予定候補者では森山さんだけです。(自民党にいるTBS社員→都議の元文相は引退します)。彼なんかが対抗馬の北側公明党幹事長を破ったら、いきなり総務大臣政務官に起用してもいいのではないでしょうか。

 実は第171通常国会の過程で、菅直人さんが総理レースから脱落しつつあります。予算委員会筆頭理事ですが、運営は経験のある次席理事が中心になり、緊急雇用対策本部長としては、パフォーマンス優先との批判も出ています。そして、何より問題児=東京都連代表として大将でありながらシンガリを務め、敗戦処理にあたっています。東京は局面大展開の秘策が残っていますが、現段階では、極めて厳しい情勢です。菅さんも弱気になっているようで、斉藤環境相に対して、「私も本当は技術系の仕事に就きたかった」と本音をポロリ。斉藤さんは東工大院修了(工学博士)、清水建設でNASAと月面基地の建設に携わり、クリーンエネルギーでも日本を代表する技術者だそうです。

 マスコミも清和会の会長がどうしたとか、代表世話人がどうしたとかはどうでもいいので、民主党の話題をやってください。例えば、「小沢一郎と渡部恒三は仲が良いのか?」とか。4月からはTBSが平日の午後6時~午後8時をキャスターニュース番組に衣替えしますから、どんどん赤坂スタジオに民主党議員を呼ぶべきです。低コストでそこそこの視聴率が稼げるはずです。

 第45回総選挙は政権交代と同時に「政治を国民の手に取り戻す」選挙です。そのためには、民主党総支部長の背中を押してやる。政治献金をしたり、人力献金をする。そうすれば当選後に顔が上向くような奴はいません。

 政権交代へもう一歩踏み出しましょう。

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時事ドットコム:郵政発言で首相早期退陣も=要職起用、小選挙区勝利が前提-小沢氏

 民主党の小沢一郎代表は8日、新潟市で開かれた党所属衆院議員の会合であいさつした。小沢氏は、小泉内閣の総務相として郵政民営化には不賛成だったとする麻生太郎首相の国会答弁に触れ「与党の連中も『首相が言う話か』とあきれ返っており、こんな首相じゃ駄目だという動きが起こりかねない。いつ政局の転換があってもおかしくない」と指摘。早期退陣につながる可能性もあるとの見方を示した。

 小沢氏はまた、「われわれが政権を担うことになっても、小選挙区で勝ち上がった者でなければ、本当に重要な役割を担う機会はない」と強調。閣僚や党役員などの要職への起用は小選挙区での当選が前提になるとの認識を示した。あくまで小選挙区での議席獲得を優先する立場を強調したものだ。 (了)
(2009/02/08-19:13)

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◎選挙の情勢報道と「勝つこと」は全く違います この鉄則は覚えてください

2009年02月08日 07時29分25秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 おはようございます。
 7日(きのう)から、政治ブログ村 人気ランキングでベスト3入り、そこから枝分かれした「政治問題・社会問題 政治ブログ村」でも3位になっています。応援ありがとうございます。

 「世の中暗いニュースばかり」と嘆く人がTV、ラジオに頻りに出てきます。でも政権交代に見方を切り替えると、「良いニュースばかり」になります。私が証拠です。

 ◇

 とはいえ、いい気になると、足元をすくわれます。

 当ブログは開設(2007年8月4日)からずっと「第45回衆院選(前哨戦)」というカテゴリを設けています。その中で、「情勢分析」を報じたり、昨年の北京五輪中には、自分の小選挙区情勢分析を公開しました。

 ハッキリ申し上げますが、私は情勢分析に関して、ありのままの数字を伝えるのではなく、結果として政権交代につながる情報を選んで書いています。ところが、なかなかこの思いが伝わらず、隔靴掻痒の感があります。

 7ヶ月以内に本戦がありますから、きょうは事前の情勢分析報道と実際の選挙結果についてお話ししようと思います。

 ◇

 山形県知事選(1月25日)は民主党などが支援した新人の吉村美栄子さんが、現職の斎藤弘知事を破って初当選しました。首長選で再選(2選)をめざす現職が落選するのは極めて珍しいことです。

 2人の得票率は

 吉村 50・85%
 斎藤 49・15%

 ですから、吉村さんが1・70ポイント差を付けました。これは新人vs現職という構図では大勝です。が、最後の3日間手をゆるめれば逆転されてもおかしくない票差でもあります。

 1月19日付の各紙で山形県知事選の「中盤情勢」が載りました。岐阜県知事選も同日程でありましたが相乗りでしたので、在京紙に載ったのは山形だけです。

 下は朝日新聞第2社会面、その下が読売新聞2面(総合面)です。


[2009年1月19日付朝日新聞第2社会面]


[2009年1月19日付読売新聞2面]

 朝日の見出しは「斎藤・吉村氏、接戦」、読売は「現職・斎藤氏先行」でした。

 朝日の「斎藤・吉村氏」の並び順ですが、選挙報道では名前が前にある方が優勢という暗黙の了解があります。ですから、朝日の調査では斎藤候補がやや優勢だったと思います。

 読売の「現職・斎藤氏先行」も同様です。「先行」ということは「リードしているが、2番手に追い上げられている」という意味です。斎藤候補がかなり優位だったら、「先行」ではなく「優勢」という見出しだったでしょう。

 これは吉村陣営にとっては、おいしい報道です。なぜなら新人候補はチャレンジャーです。マラソンにしてもそうですが、2番手は相手の背中が見えますが、1番手は後ろが見えません。2番手につけて、最後に抜き去るのが、正しい勝ち方です。

 これは選挙、とくに定数1の小選挙区で、かつ新人候補にとっては、極めて都合の良い中盤情勢の報道でした。

 仮に前半戦で吉村候補が知事を抜き去り、「新人・吉村氏優位」という中盤情勢になったら、吉村陣営はゆるみ、知事が再逆転して当選していたにちがいありません。

 この記事は小沢代表も見たはずです。山形県内のお家の事情に配慮して、この選挙への干渉を控えていた小沢さんですが、23日午後山形入りし、選挙事務所を激励しました。投票開始の1日半前という絶妙なタイミングです。これで最後の「1票の確認」は大盛り上がりになったようです。





 小沢さんの機嫌の良い表情にすべてが集約されています。
 吉村候補が勝ったのは当然の結果です。


[山形新聞ネット版の開票速報]

 当日有権者数が96万6786人で、投票率は65・51%。吉村候補は現職に1万712票という大差を付けました。投票率がこれだけ高いと、斎藤陣営の再逆転は難しくなります。投票率が低ければ、投票日に家で寝ている人を起こして投票所に連れて行くこともできますが、投票率が高いと「今回は吉村に入れる」という人をやめさせて「投票用紙には斎藤」と“書きかえさせる”作業になります。

 これもマラソンに例えれば、1番手がラストスパートで抜かれたあと、勢いに乗るトップランナーを再び逆転することがどれだけキツイかを考えればお分かりいただけると思います。

 ちなみに、

 前哨戦情勢→序盤情勢→中盤情勢→終盤情勢→最終盤情勢という言い方をします。ハッキリした定義はないと思います。衆院選の場合は「解散直後の情勢」「公示前情勢」といった言葉もあります。

 このように前哨戦で有利だった候補者が終盤に逆転された事例としては、1992年の米国大統領選が有名です。

 1991年1月20日のギャラップ・CNNの世論調査で共和党のブッシュ大統領は「支持率86%」と出ましたが、1992年11月3日の大統領選では、米民主党のクリントン候補に地滑り的大敗を喫しました。

 わずか1年9ヶ月の大逆転。ちなみに第21回参院選(2007年7月29日)から1年9ヶ月後の日曜日は、「2009年4月26日」ですね。逆転の夏の余韻をいまだに引きずる民主党はまさかの敗北を喫するかもしれません。

 以下、毎日新聞の当時の記事です。

(引用はじめ)

ブッシュ米大統領の支持率86%にも 湾岸戦争の優勢ムードで
1991.01.21毎日 東京夕刊 2面 

 【ワシントン20日重村智計】ブッシュ米大統領は二十日、大統領就任二周年目を迎えた。米CNNテレビが同日報じたギャラップ社との共同世論調査では、同大統領の支持率は八六%にも達した。

 ニューヨーク・タイムズ紙とCBSテレビが十九日に報じた世論調査でも、八四%の高い支持率だった。

 これまでにない高い支持率で二周年を迎えたブッシュ大統領は同日午前、大統領山荘のキャンプデービッド近くの教会の礼拝に夫人とともに出席した。

 同大統領へのこれほどの高い支持率は、湾岸戦争での予想外の犠牲者の少なさと、戦争勝利のムードが高まっているためであろう。(後略)

米国大統領選、あす投票 苦戦続くブッシュ大統領
1992.11.02 東京朝刊 1面  
 
 【ワシントン支局1日】米大統領選挙の投票は三日朝(日本時間同日夜)から全米で始まる。大詰めで共和党のブッシュ大統領が民主党のクリントン候補を追い上げているが、時間切れのためにあと一歩及ばない可能性が大きい。CNNテレビ・USAツデー紙が三十一日公表した最新世論調査では各候補の支持率はクリントン氏四二%、ブッシュ氏三九%、ペロー氏一四%。前日はクリントン、ブッシュ両氏の差は一ポイントだったが、その差が三ポイントに再び開いた。

米大統領、クリントン氏 現職ブッシュ氏を圧倒 民主党が12年ぶり奪還
1992.11.04 東京夕刊 1面 

 【ワシントン3日小松浩】一九九〇年代の米国の進路を占う米大統領選は三日、全米五十州とコロンビア特別区(首都ワシントン)で投票が行われ、同日夜(日本時間四日午前)からの開票の結果、民主党のウィリアム・クリントン・アーカンソー州知事が共和党のジョージ・ブッシュ大統領、無所属のロス・ペロー氏を圧倒、地滑り的に勝利した。クリントン氏は来年一月二十日、第四十二代米国大統領に正式に就任する。戦後生まれ(四十六歳)で初の米大統領誕生は、同じ四十代のゴア副大統領候補とともに、ポスト冷戦時代の米国の新しい潮流を象徴するものである。レーガン、ブッシュと三期十二年間続いた共和党政権は、冷戦終了という歴史的成果をもたらした一方で、貧富の拡大、都市の荒廃といった国内政治の破たんを生み、民主党にホワイトハウスを明け渡した。また、同時に実施された上下両院選と知事選では民主党が優位を保ち、同党支配の構図に変化はなかった。

 ◇戦後生まれ46歳 米CNNテレビなど各報道機関の速報によると、クリントン氏は、決戦場となった中西部のイリノイ(選挙人二十二人)、ミシガン(十八人)などで勝利を重ね、南部ジョージア(十三人)、北東部ニューヨーク(三十三人)など各地でブッシュ氏に圧勝。三日午後十一時(同四日午後一時)前のオハイオ(二十一人)での勝利で、当選に必要な過半数の選挙人二百七十人を上回った。同氏はカリフォルニアなど西海岸各州でも勝利し、選挙人でブッシュ氏に大差をつけた。
 ブッシュ氏はサウスカロライナ、バージニアなど共和党が伝統的に強い地域を押さえただけ。地元テキサスやフロリダでもクリントン氏に接戦に持ち込まれるなど保守地盤を侵食され、再選の望みを断たれた。
 
ペロー氏は全米で一〇%を超える得票率を記録し健闘したが、獲得選挙人はゼロに終わった。
 クリントン氏の勝利は、戦術的には民主党の伝統的なリベラル路線を放棄し、中道路線を明確にし、共和党に投票してきた「レーガン・デモクラット」の奪還に成功したことが大きい。(後略)

(引用おわり)

 ですから、衆院480議席全体の予想で行けば、「民主党228」ぐらいの数字が一番ありがたいのです。前哨戦の情勢なんてどうだっていいんです。結果がすべてです。

 このことは民主党の中でも現職議員の国会秘書が理解していない傾向があります。すでに政権を取った気分でゆるんでいる人も多いです。さらに与党になると王様のような生活ができると勘違いしているから質が悪い。
 新人の総支部長を囲むボランティアの方たちはよく分かっています。新人の総支部に詰めるシニア・ボランティアは、政権交代に向けて極めて大きな働きをしていらっしゃると思っています。

 だいたい、第1回衆院選から119年目になりますが、日本では「投票による政権交代」は前例がありません。敵は自民党ではありません。敵は私たち(日本国民)です。

 『芝浜』『火焔太鼓』のような夢オチ落語になったら、日本は終了。政権交代を絶対に正夢にしましょう。

Spitz - Masayume 「正夢」 PV
憲政史上119年目で初めての「政権交代選挙」を実現させましょう。