渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【憲政ここに極まる】民主党が国会新記録樹立11年連続で年度内に予算審査をフィニッシュ

2009年02月27日 20時33分32秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

[写真は憲政の隆盛を見つめる日本最初の政党・自由党党首の板垣退助(左)と日本最初の野党・立憲改進党党首の大隈重信=国会中央広間]

 民主党が憲政に燦然と輝く金字塔を打ち立てました。結党以来「11年連続11回目」の予算の年度内成立です。これは予算を「可決」できるようになった現行憲法下で最長記録となります。これから参院での審議がありますが、憲法60条の規定により、私たちは歴史の証人になります。

 ◇

 衆院本会議は27日、平成21年度(2009年度)の一般会計、特別会計、政府関係機関の予算案を採決し、可決しました。民主党は出席の上で、反対票を投じました。予算は同日中に参院に送られました。参院民主党は3案を否決する見通しで、両院協議会で議論しますが、憲法60条の規定から、年度内に予算が成立します。

 ◇

 民主党は結党(1998年4月27日)から現在までつねに「野党第1党」の地位にあります。野党・民主党が最初にのぞんだ1999年度予算案の審査から11年連続11度目の予算の年度内成立が確実になりました。

 総予算(当初予算)の年度内成立が11年連続したのは憲政史上最長です。

 二大政党制デモクラシーにおける健全野党(政権準備党)として、民主党が責任政党であることを示しました。民主党結党後、前半国会は予算を短期集中で徹底的に審議し、年度が改まった後半国会では「年金」「道路」などのテーマを設定して議論する方式を確立しました。これにより、3年に1度、通常国会直後に行われる参院選では争点の明確化により、民主党は毎回、議席を伸ばしています。

 まさに憲政ここに極まり。

 国会議事堂の中央広間の台座の上で、日本最初の政党である「自由党」の党首・板垣退助、日本最初の野党である「立憲改進党」の党首・大隈重信も万感の思いできょうを迎えたと思います。

 

 私たちは歴史の証人になろうとしています。


 では健全野党・民主党の日本記録を詳しくご説明しましょう。

 まず前史として、1997年12月31日、小沢一郎なる政治家が新進党解党という大蛮行をしでかします(時効成立)。

 混乱のまま迎えた第142国会の1998年度(平成10年度)予算審査。野党第一党(会派)は「民主友愛太陽国民連合」という99議席の会派でした。この混乱のため、衆院通過は3月20日になってしまい、成立は4月8日となり、暫定予算を編成しました。その4月27日に民主党結党。その日から今日まで、民主党はつねに野党第1党であり続けています。

 1999年度予算(第145国会)は同年2月19日衆院通過で、3月17日参院で否決、両院協議会で成案を得ず、同日中に成立。
 2000年度予算(第147国会)は同年2月29日衆院通過で、3月17日参院で可決、成立。
 2001年度予算(第151国会)は同年3月2日衆院通過で、3月26日参院で可決、成立。
 2002年度予算(第154国会)は同年3月6日衆院通過で、3月27日参院で可決、成立。
 2003年度予算(第156国会)は同年3月4日衆院通過で、3月28日参院で可決、成立。
 2004年度予算(第159国会)は同年3月5日衆院通過で、3月26日参院で可決、成立。
 2005年度予算(第162国会)は同年3月2日衆院通過で、3月23日参院で可決、成立。
 2006年度予算(第164国会)は同年3月2日衆院通過で、3月27日参院で可決、成立。
 2007年度予算(第166国会)は同年3月3日衆院通過で、3月26日参院で可決、成立。
 2008年度予算(第169国会)は同年2月29日衆院通過で、3月28日参院で否決、両院協議会で成案を得ず、同日中に成立。
 2009年度予算(第171国会)は同年2月27日衆院通過。参院では否決、両院協議会の見込みですが、3月28日以降は衆院の再議決が可能になるため、成立は確実。

(出典は衆議院先例集「予算審査経過一覧表」)


 というわけです。

 この11年連続というのは、国会(現行憲法下)史上最長記録です。

 これ以前には、「野党第1党=日本社会党」の時代に、1956年度予算から1960年度予算まで5年連続で年度内成立しています。ここでおまけして1961年度予算の「4月1日成立」も入れてあげると、1956年度予算から1965年度予算まで10年連続です。これを含めても「11年連続」民主党の自身の記録更新を含めても、どちらもやはり日本記録です。

 ですから、「野党は審議拒否ばかりしている」というのは全くのデマです。予算を年度内に通していて、「審議拒否政党」というのは誤った認識(イメージ・ギャップ、リップマン・ギャップ)です。私は自民党やTV局を責めません。今日まで誤解していた国民(主権者)の責任です。大いに反省してください。TVを見るのを止めるか、選挙に行くのを止めるか。本当に反省してください。

 
[写真は責任政党・民主党の歴代代表5人]

 さて、ついでに、最も予算の成立が遅かったのはいつかも調べてみました。1994年度予算の「6月23日成立」です。

 このときの野党第1党は「  自民党  」です。憲政史上最も無責任な最低の野党第1党と言えるでしょう。


 今年は第45回衆院選が必ず行われます。「野党第1党=民主党」による記録は「結党以来11年連続」で途絶えるかもしれません。しかし、来年の通常国会の野党第1党も年度内に予算を成立させるべきです。そうすると、12年連続という新記録が生まれます。もはや「予算の年度内成立」は憲法に準じる憲政の常道として確立されたと言って過言でないでしょう。

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