[写真]予算関連法案の質疑にのぞむ、衆院財務金融委員の岡田康裕さん=衆議院インターネット審議中継
きょう2月15日は雪が積もりました。皇居→国会議事堂→議員会館→議長公邸→議員宿舎と、あいだに民間ビルを挟みながら配置されています。その衆議院議長公邸ではごらんのようなパウダースノーの状態だったようです。
[写真]衆議院議長公邸(議員会館の国会から遠い側、赤坂側)の雪化粧=横路孝弘議長撮影、gooブログ「衆議院議長よこみち孝弘です」から
[衆院本会議 2011-2-15]
さて、責任政党・民主党は、予算関連法案を当初の予定通り本会議で審議入りさせました。1時間半ほど開会が遅れ、本会議後の財務金融、総務両委員会での提案理由説明はきょうは流会となりましたが、民主党は「国会の見える化」をめざして、ブルドーザーのように前に進みました。
民主党は財務金融委員会を代表して、兵庫10区の岡田康裕(おかだ・やすひろ)さんが質疑に立ちました。
岡田さんは「いよいよ審議入りする予算関連法案はまさに国民の生活に直結するものであります。先日こちらにいらっしゃる(野党・自民党の)谷垣(禎一)総裁から『カド番の八百長相撲につきあえない』という発言がありましたが、多くの国民のみなさんは与野党がぶつかるだけで、何も決まらない、何も進まない形骸化した姿を八百長と見ている」と与党第1党党首(シャドウ首相)を名指しで痛烈に批判する皮切り。
「カド番なのは、まさにこの国の経済であり、社会保障であり、財政であります」として、「多くの国民が不安を持って、この(予算関連)法案の行く末をみており、党派を超えて、国民生活の議論をしていこうではありませんか」と出口である参院側を見すえて、訴えました。
岡田さんは薄いブルーのネクタイに、最近では珍しくネクタイピンをするという自分を抑えた1年生議員らしい姿でありながら、野党第1党を名指しで批判しながら、参院側の出口を見すえたすばらしい演説でした。
一方、答弁に立った総理の菅直人さんは、先日の永江孝子・民主党幹事長補佐らのアドバイスもあってか、濃い赤色の自分をアピールするネクタイ。
また、日ごろ本会議で登壇する機会が少ない、民主党政調会長(兼)国家戦略大臣の玄葉光一郎さんも岡田さんの指名で登壇。こちらは青地に緑のストライプで総理をあくまでも支えるために脇役に徹していることを感じました。玄葉さんは政調会長として、いわば、1年生議員全員を含む政府外議員のキャプテン、兄貴ですから、こうやってドンドン答弁者として指名したらいいと思います。きょうも、予算関連法が「仮に」失効したときの国民生活への影響について、具体的に数字を挙げながら説明してくれました。これを聞くと、組織代表の自民党参院議員も、造反の誘惑にかられるほど、一部の人に大きな影響がでます。そうです、ビビルのは国民ではありません。自民党参院議員、たとえば、重油でJA、不動産連盟から支援を受けている議員、離党がある鹿児島、沖縄の議員(離党向けの飛行機の燃料税の減税失効)、公共事業関係者から支持を受けている参・国対委員長、恩給(年金と違って全額税金)と関係ある副議長(無所属)たちが、国民よりもっと困るのではないか、と私は感じました。それで、こういう答弁を総理や財務相にさせるわけにいきませんから、ドンドン玄葉さんに答弁に立ってもらえば、1期生の声をうまく紹介しながらも、卓越した政治センスでバランス溢れる本会議答弁にしたてて、総理と民主党を助ける。頑張れ!岡田、頑張れ!玄葉。
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公明党の竹内譲さんは、「法人税減税は、菅総理が『失敗した』と主張していた『第2の道』ではないか」として、法人税率下げを批判しました。
日本共産党の佐々木憲昭さんが「(予算案や税制改革法案の)法人税率の引き下げには反対だ。昨年6月のG20財務相会合での峰崎直樹さん(当時財務副大臣、現在は内閣官房参与)が先進各国に提案した『法人税引き下げ競争からの脱却』をめざすべきだ」としました。法人税率の引き下げについては、社民党が予算案の修正で要求しています。私はコミュニストではありませんが、衆・財金委員と衆・議運委員を兼ねる隠れたキーパーソンである佐々木さんの意見に賛成したいと思います。この辺に修正協議のカギがありそうです。
また、菅首相は、社民との中島隆利さんへの答弁で「(地方税である)法人二税への影響(=減収)はない」と強調しました。
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財金委に付託されたのは大平内閣から毎年時限立法でやってきた「平成23年度財政運営のための公債発行特例等法案(177国会閣1) 」と「所得税法等改正法案(177国会閣2)」の2つです。あす午後12時30分からの財金委で、提案理由説明をめざします。
また、総務委員会に付託される「地方税法改正案」「地方交付税法改正案」に加えて、1971年(環境庁発足の前年)から10年ごとに延長してきた「公害防止事業に係る国の財政上特別措置法改正法案(177国会閣6)」も審議入りしました。とくに「公害防止事業の自治体財政特措法」は自民党こそ、賛成すべき法案だと考えます。
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さて、予算関連法案について、おとといのNHK日曜討論で、民主党国対委員長の安住淳さんが「予算関連法案の分割」を持ちかけたので、先週中に決まっていたきょうの本会議での予算関連法案の審議入りがどうなるのか、出し直しになるのか、と思いましたが、1時間半遅れで審議入りし、自民党らも出席したようです。
やはり国会の見える化で、国民の目が、衆参与野党に向かっているので、自民党もお得意の「TVカメラの前では優等生&野党批判、TVカメラが去ればぐうたら」という戦術をとれなくなってきたようです。ちなみに、日本銀行政策委員室に務めた小野塚勝俊さんは、自民党本部に「ご説明」に行ったときのその姿が嫌で嫌でしょうがなくて、民主党からの出馬を決意するきっかけになったようです。小野塚さんも今国会で財務金融委員に選ばれています。さて、予算関連法案の賛成討論に抜擢するのはだれでしょうか。それも興味深い。国対や古本伸一郎筆頭理事が誰を選ぶか。身びいきですが、小山展弘君を選んで欲しいけど、理事経験もある柿沼正明さんも年の功があるし、苦労している。注目です。
岡田康裕さんについて。私はこの人の質問デビューを、財金委の一般傍聴席で聞きました。このときは玄葉光一郎委員長、篠原孝筆頭理事(現・農林副大臣)という布陣でした。そのときは、答弁席の副総理と財務大臣を兼ねる菅さんに対して「ワニの口(収入と支出の差)がどうしたこうした」「イタリア財政はこうだ」という話をして、菅さんは持ちネタだった「先日G20に行ったらギリシャ財政が話題ばかり」「日本はギリシャになってはいけない」と答弁。正直言って、何が何だか訳が分からない審議だったのですが、選挙区から遠いので東京のスタッフや友人だと思いますが、岡田さん目当ての傍聴人が10人ぐらい来ていたようで、人望を感じました。
苗字は岡田ですが、、岡田克也さんとは「残念ながら親戚ではない」というのが岡田康裕さんの弁。一方の岡田克也さんは「50代さかのぼれば親戚かも知れない」と、相変わらず優しいのか厳しいのか分からない岡田節。岡田康裕さんも「残念ながら」など言わずにのっけから自民党総裁を名指しで批判する勇気と自信があるんだから、「民主党の岡田」といえば、岡田康裕になるかもしれませんね。岡田克也さんもうかかしてられません。3年前まで、「野田」といえば」99%「野田聖子」でしたからね。
[画像]自民党本部6階の総務会室前の廊下で総務会(民主党でいうところの常任幹事会)の開催を阻止するため、先輩に胸ぐらをつかまれながら抗議する1年生議員(通称・小沢チルドレン)の岡田克也さん、1993年6月、テレビ朝日さん映像からキャプチャー
岡田康裕さん、その名に恥じぬ立派な代表質問でした。
そして、これから国会のみえるところで、修正協議をする。こんなの、当たり前ですが、自民党では当たり前どころか、同党の総務会・政調会でシナリオが出来ているという、八百長相撲どころか、(一部をのぞいた「プロレス政治」が数十年続いてきました。もちろん激しい議論はあったわけで、それが外に出て、オープン化されたから、うんざりするような場面もあるし、新聞社のデスク連中はアタマが切り替わっていないから、予算関連法案のゆくえに不安が出てくるわけです。平成になってからはずっと衆参はねじれています。心配はありません。必ず成立します。年度内かどうかは確約できませんが、前例がないから、新しい歴史が生まれる瞬間をみんなで一緒に見ていきましょう。
また、国家国民のために、業界団体の方は、ぜひとも支持する自民党の参院議員に圧力をかけてくださいますようお願いします。
きょうは、社会的地位の高い読者から朝メールをもらい、「赤字国債臨時特例法案の成立と国債(長期金利)について不安だ」「(前エントリーの)年金支給の口座からの溜まり金の引き出しのエントリーは、きょうではなく、4月15日アップに先送りした方がいいのではないか」とのご意見をいただきました。その、お返事を書いていたら、私はかえって不安がなくなりました。というのは、分割&つなぎをやれば、年度をまたぐかもしれませんが、必ず成立します。ぜひ、みんなで支え合って、国会を見ていきましょう。自民党も何だか少しずつ焦りだしている気がします。
議長公邸の雪化粧 - 衆議院議長 よこみち孝弘です
15日(火)、東京は今年初めての積雪となりました。都心では1,2センチの積雪で、北海道の方にとっては何でもないでしょうが、こちらでは歩行者の転倒や電車の遅れなど、それなりに影響が出ています。執務室から見た議長公邸の庭は一面の雪ですが、玄関部分は朝から職員総出で雪かきが行われました。
今日は、衆議院本会議で、公債発行特例法、国税関連法、地方税関連法の趣旨説明とこれに対する各党の質疑が行われます。3時間を超える長い本会議になりそうです。国会では、来年度予算の審査が進められていますが、これと並行して、重要法案の本会議趣旨説明を経て、各委員会で法案の審査が本格化いたします。国民生活に直結する重要な案件ですので、各委員会において充実した審議が進められることを期待しております。
厚生年金受給者の方にお願い。
2月15日ということで、2ヶ月分の年金が口座に振り込まれていると思います。技術的には、前日夜にすでにお金を入っていますから、早朝にATMに行ってもすでに、口座にはお金があると思います。
ぜひ、そのお金を、支給額ピッタリ分引き出して欲しいと思います。
というのは、年金が口座に入った後に、受給者が引き出さないお金、仮に「溜まり金」という言い方をさせてもらうと、最近は銀行はこの溜まり金をあてにしていて、さっそく国債を買っているようです。
そのため、日銀が金融緩和をしているのに、銀行にマネーストックがたまり、貸し出しに回らない事態になっていて、市中・まちなかにお金が流れない状況がおきているようです。
ですから、厚生年金受給者の方は、窓口に行ったりして、支給日に現金で引き出して欲しいと思います。使うアテがなければ、複数のバンクと取引がある人なら、たとえば、三菱銀行からおろして、住友銀行に移してもいいでしょう。銀行としては「アテ」が外れたことになりますから国債の発注額が減るかも。とにかく、厚生年金を自身の口座に滞留させないようにしていただきたいと思います。
そして、すべての金融機関営業マンに告ぐ! もっとチャリンコ(自転車)を漕げ!
チャリンコを漕がない金融マン(融資をせずに国債を買う金融マン)など、バッジを持たないセンセイと同じ。存在そのものを疑われます。
どうか、厚生年金受給者のみなさんには、ご協力いただきたいと思います。あなたが口座に滞留させた厚生年金は、国の借金に回ります。子孫の負担になります。田舎の生活が嫌で、東京に出てきて、サラリーマン人生をまっとうした方も、子孫に美田を残しましょう。理論や理屈が分からないという方は、私・宮崎信行を信じてくださる方に限り、よろしくご協力のほど、お願いします。
もちろん、国民年金受給者の方にも、同様のご協力をお願いします。