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宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

小沢系16人が欠席も、「3分の2」まで6票のみに迫る 中井予算委員長解任決議を否決

2011年02月28日 20時09分00秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

【追記 2011-2-28 22:25】

 新会派16人のうち、欠席者は15人だったようです。みんなの党の浅尾慶一郎さんが、衆・予算委の締めくくり総括質疑の冒頭で明らかにしました。報道によると、比例北関東ブロック単独の川口浩さんが出席したようです。川口さんは、自称・新会派結成の記者会見では、逆に1人だけ欠席していました。すなわち、16人のうち、川口浩さんは別行動をとっており、会派離脱届を取り下げる可能性があると思われます。以下、最初のエントリーのうち、「16人欠席」で計算していた部分を「15人欠席」に書き直します。

【追記おわり】

 午後7時から衆院本会議が開かれ、午後5時に提出された中井洽・予算委員長解任決議案が反対多数で否決されました。この後、中井委員長が予算委員会を再開し、締めくくり総括質疑に入るものと思われます。

 衆院本会議には、小沢系の比例単独チームBの自称・新会派16人(渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎ら)のうち15人が欠席したもようです。解任決議案の投票(堂々巡り)で16人のうち15人が登壇しませんでした。

 このため、中井委員長解任決議案は、

 投票総数 448 

 白票(賛成)155(34・6%)

 青票(反対)293(65・4%)

 無効 ゼロ

 の反対多数で否決されました。この議案の成否を分けるのは過半数です。3分の2以上は、「衆院で可決→参院で否決→両院協議会で成案得ず→衆院で再議決」というシナリオの時にだけ必要な矛ですが、今はものすごく重要な矛です。

 現在衆議院の議員数は478人。

 投票総数 448の「3分の2以上」は299票になります。このため、仮に欠席した15人のうち、6人が出席して投票していたら3分の2に達していたことになります。意外にハードルは低いように、私には思えます。

 自民党は国会の出席率が民主党に比べて低い傾向があります。私は政権交代前は、これは与党と野党の違いかと思っていましたが、政権交代しても、この傾向に変わりありません。ですから、自民党政調が政府に対して事前審査の権限を持つのに対して、民主党政調は政府に対する提言機関に過ぎないという違いがあるため、自民党議員はいまだに国会というインターネット中継が入ったヒラ場に戦場が移っていることに気付いていないようです。

 このため、今回の投票からすると、「比例単独チームB」の15人のうち、半分を切り崩せば、「3分の2」パワーを持てる可能性が出てきました。休憩明けの本会議に15人のうち、自分の判断で、出席して賛成票を投じた議員については、執行部は不問に付すと思われます。

 改めて、4月24日(日)の愛知6区補選に勝つことも重要です。社民党との関係も引き続き重要です。

 まだまだ、可能性はあります。あきらめずに、ねばり強く、石にかじりつきましょう。

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岡田幹事長、比例単独「チームB」の16人が予算採決の本会議に欠席した場合の処分を表明

2011年02月28日 16時17分50秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 民主党の岡田克也幹事長は2月28日の午後4時からの定例記者会見で、自称・新会派(比例単独チームB)が、同日に設定されている衆院本会議で欠席などをした場合は、「役員会、常任幹事会で議題にする」「厳正に対処する」として、処分する意向を示しました。また、冒頭発言の中で、会派離脱届に続いて、先週、「どうなっているんですか」という質問文も幹事長室に置かれていたと指摘。実際に、岡田さん本人に会わずに、幹事長室に手紙を置いていく手法について、幹事長代理の衆院議員の藤村修さんが「代表」と称する民主党衆院議員の渡辺浩一郎さんを訪ねたことを明らかにしました。

 岡田さんは代表だった、2005年の第162回通常国会(「郵政解散国会」)で、民主党国対副委員長だった松木謙公さんが、2回にわたり本会議で造反し、5月17日の常任幹事会で厳重注意処分として、役職を解任しました。松木さんは今でもこのことを恨んでいるようで、名指しを避けながらも、恨み節を披露しています。ただ、国対副委員長である以上、1回造反した時点で解任すべきだったとの意見が強く、民由合併直後で、自由党出身者への配慮から温情をかけてしまい、恩を仇で返された、と評する人もいます。野党とは違い、与党としてしかも予算案の採決にのぞむわけですから、今回は過半数(241議席)あればいいわけですが、今回は1回目からレッドカードということになりそうです。与党として政権の責任の重さを岡田さんらが肌身に染みて体感したことと、とにもかくにも前に進むしか、突破口がないからこそ、強い心づもりでのぞむ覚悟があるものと思われます。

 また、先週末の26日、宮崎県に入り、鳥インフルエンザ対策に関して現地視察したイメージと、国会を訪れた宮崎県地方自治関係者との話から得たイメージに齟齬があったことを表明しました。これは、与党ナンバー2として“裸の王様”状態にならないよう、アポイントを担当する党本部幹事長室の態勢について、検討する考えがあることを示唆しました。

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