【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

おめでとう岡田克也さん 59歳に 「これからの1年は激動の1年」 還暦は選挙戦中確実

2012年07月13日 23時13分55秒 | 岡田克也、旅の途中

[画像]「59歳、59歳、と何度も言われるとうれしくありません」・・・首相官邸ホームページ内動画からキャプチャ。

 おめでとうございます。

 2012年7月14日(土)、岡田克也さんは59歳の誕生日。

 7月13日(金)の定例記者会見で、当ブログが「59歳は還暦の一年前」「岡田さんが尊敬する織田信長の人生は48年、縁のある孫文の人生は58年だった」と指摘すると、「意図がよく分かりません」「あまり59歳、59歳と言われるとうれしくありません」としながら、

 「これからの一年は激動の一年だということだと思います。衆院選も参院選もあるということですから、日本の政治にとっても、民主党にとっても。そういうなかを、国民のみなまさに理解をいただきながら政権交代という歴史的なできごとがあって、その成果を国民に伝わり、それを深めていく一年にしたい」と語りました。

 第21期参議院は2013年7月29日に任期を迎えますが、公職選挙法(公選法)第32条は「参議院議員の通常選挙は、議員の任期が終わる日の前30日以内に行う」「通常選挙の期日は、少なくとも17日前に公示しなければならない」となっており、2013年7月14日の還暦は、選挙戦のさなかに迎える可能性が極めて高くなっています。

 岡田さんは「大変な時期であることは間違いありません。世界経済にとっても、非常に厳しい状況だし、国内は大震災があり、原発問題もあったということですから。その数年、与党であったということは何らかの巡り合わせですけど、その中で責任を果たさなければなりません」と語りました。


[写真]偉大な(偉大過ぎる?)両親、岡田卓也さん、岡田保子さん、日経新聞「私の履歴書」から。


[写真]恵まれた幼児期。


[写真]物憂げだった東大法学部学生時代。


[画像]36歳で非世襲ながら自民党公認で初当選=NHK映像から。


[画像]初当選と同時に「これから20年、30年かけて今の初心を忘れずに」=フジテレビ。


[写真]「若さと行動力 衆議院議員 岡田かつや」という自民党にありがちな抽象的なキャッチフレーズ。

 
[画像]第20回参院選の報道、日経新聞、2004年7月。

 岡田さんは、土井たか子さん以来の自民党以外で参院改選第1党の大勝利を呼び込んだ党首です。どうもこの印象はない人が多いようで、まあテレビの見過ぎですとしか言いようがありません。

 1990年、ベルリンの壁崩壊後初の第39回衆院選に初出馬したときは苦戦したものの、渡部恒三自治大臣が応援演説にかけつけ、「岡田君を当選させてもらえば、みなさんの要望は私が責任をもって実現する」と応援演説し、集まった自治会長たちの期待感が一挙に高まった(「政権交代」68ページ)そうですが、先日は、衆議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会の法案可決の打ち上げで、恒三さんから「20年間付き合っていて初めておごってもらった」と言われたと明かしています(7月6日の定例記者会見)。

 
[写真]15年越しの政権交代を実現したものの、与党して東日本大震災という未曾有の国難に遭遇。渡部恒三さんと。

 岡田さんは記者会見での「これから何年間政治家をやるのか」との質問に「それは私が決めることではなく、有権者が決めることですよね」と当たり前すぎるけど、最近の政治家が分かっていない原則を話した上でこう語りました。

 「長くやればいいとは思っていません」。


[画像]59歳の副総理になっても、走り続ける。

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[お知らせおわり] 


参議院社会保障と税の一体改革特別委員会 趣旨説明ナント45分間のスタート

2012年07月13日 22時08分12秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 参議院社会保障と税の一体改革特別委員会(高橋千秋委員長)は2012年7月13日(金)の午後1時過ぎから委員会を開き、衆議院から受け取った社会保障と税の一体改革8法案の趣旨説明を聴取しました。これには45分間となり、おそらく一括議案では、憲政史上最長と思われる趣旨説明となりました。

 私も参議院第一委員会室の出入りを見ましたが、まさに民自公オールスターキャスト。閣僚経験のある長妻昭さんは久しぶりの参院第一委員会室に物怖じせずという感じでしたが、古本伸一郎さん、和田隆志さんらは、政務官としての経験があっても多少の緊張感を感じました。

 小宮山洋子厚労相が年金の最低機能強化法案(閣法74号)と被用者年金を一元化し共済年金を厚生年金に合併させる法案(閣法78号)を説明。次に、小宮山洋子内閣府少子化担当大臣が「子ども・子育て新システム(幼保一体化・幼保一元化)法案」(閣法75号)、「子ども・子育て新システムに伴う関連法56本整備法案」(閣法77号)。

 安住淳財務大臣が「社会保障の安定財源確保のための消費税法改正法案」(閣法72号)を、川端達夫総務大臣が「社会保障の安定財源確保のための地方税法・地方交付税法改正法案」(閣法73号)を説明しました。

 そして、ここからこの委員会の妙味。民自公衆院オールスターが登場。

 長妻昭さんが張り切って、「社会保障国民会議法案」(衆法24号)を説明。

 こちらも張り切っている公明党の元文科副大臣の池坊保子さんが「認定子ども園法改正案」(衆法25号)を説明。これについては、衆院段階では自民党の元厚労副大臣、田村憲久さんがやりましたが、池坊さんがやって、早くも幼保一体化。散会後に高橋千秋委員長に聞いたところ、1つの法案の提出者のうち1人がいれば良いそうです。

 そして、3党合意(6月15日)に基づく衆議院修正について。

 長妻昭さんが年金最低保障機能強化法案の衆議院修正について。

  民主党の和田隆志さんが子ども・子育て新システム法案と関連法整備法案について。

 そして、これまた張り切っている13期生、「政治家の野田といえば俺だ」とばかりに野田毅さんが消費税増税2法案の衆院修正を説明しました。

 これに先立つ、参議院本会議では自民党を代表して愛知治郎議員が登壇。愛知さんは愛知揆一元蔵相の孫です。衆院では竹下登元首相・蔵相の弟の竹下亘さん、金子一平元蔵相の子の金子一義さんも質問に立っているので、やはり消費税は政治家にとって政治生命を懸けてやるものだというのがヒシヒシと感じてきました。

 千秋委員長によると、政府民自公オールスターの答弁者に関しては、1法案につき1人の担当者が必ず着席しているように答弁者同士に任せて、要求者も質問者の質問通告に任せる考えのようです。民主党参院議員会長のいわゆる「衆議院の7掛け(×70%)」で90時間審議のめどを示しています。

 参議院らしさを出すためには、附帯決議をつくるというアイディアも浮上しているかも知れません。例えば、年金の最低保障機能強化法案の附則第1条「施行期日」を公布時に前倒しする運用を求めるというアイディアも浮上しそうです。また、自民党が本会議で、「軽減税率は10%時以降でなければ難しいように思える」としながら、公明党が「事務負担の少ない簡素な日本型インボイスを使って速やかに導入する」と質問演説しており、この辺も参議院でのポイントになるのではないでしょうか。

 とはいえ、趣旨説明だけで45分間もかかっているのですから、再修正して衆議院に回付するというのはまったくナンセンスであり、附帯決議で参議院らしさを出して欲しいと思います。衆参二院制をめぐる新しい流れになりそうです。いずれにしろ、8法案の立体的な議論に対応できる議員だけが、衆参だろうと、与野党だろうと、3党だろうとそれ以外だろうと残ることになります。

 参議院事務局も頑張って欲しいですね。ワクワクしています。

 来週の18日(水)、19日(木)のNHK入り審議から、さあいよいよ「新しい国会」のスタートです。

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