【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎野田総理・代表「消費税増税を次期マニフェストに」「(鳩山ら)賛同しない議員は公認しない」

2012年07月12日 10時53分38秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

[写真]野田佳彦首相(兼)民主党代表、2012年7月12日、衆・予算委員会、衆議院インターネット審議中継から。首相官邸のホームページから。

 野田佳彦首相(民主党代表)は第180回通常国会2012年7月12日(木)の衆院予算委員会の集中審議で、「社会保障と税の一体改革(消費税増税)は国民生活のために(第46回衆院選)マニフェストに明記する」と断言しました。日本新党初当選同期の桜の茂木敏充・自民党政調会長(シャドウ官房長官)への答弁。日本新党解党後に自民党に入り、先に入閣した茂木さんは「小泉純一郎総理(自民党総裁)は郵政民営化のためには殺されてもいいと言っていた。そのくらいの覚悟が必要だとしました。野田さんは、消費税増税がマニフェストに盛り込んだ場合、マニフェストに賛同できない議員・候補予定者は、第46回衆院選民主党公認候補としないことも明言しました。

 消費増税法案では、2014年4月1日から消費税率を8%、2015年10月1日から消費税率を10%に引き上げることになっています。

 第45期衆議院は2009年8月30日から始まっており、2013年10月8日までには必ず第46回衆院選があります。ですから、消費増税実施前には、必ず衆院選(政権選択)があります。

 この問題、正しいか正しくないか、今この速い川の流れの中で審判できる者などいません。

 大事なのは、総理と民主党の仲間が、数は少なくても良いから、とにかく総理とととも突っ走ることです。

 茂木さんは「民主党には獅子心中の虫がいる」と指摘しました。鳩山グループ(政権公約を実現する会)の鳩山由紀夫造反者や、鹿野グループ(素香会)の鹿野道彦会長(表決では白票)らが切腹しないのなら、お城取り壊しにするだけです。例えば自称中間派の長野県連議員は、「私は、霞ヶ関勤務では政界の諸々の離合集散を横目で眺めてきたが、今回はあまりにも身近なことであり身につまされて傍観するわけにはいかなかった。小沢さんを羽田さん、北沢さんに置き換えてみると、私も頭がこんがらかって、夜眠れなくなった」とブログに書いているが、むしろ永遠の眠りについた方がいい。混乱に拍車をかけた中間派の罪は万死に値します。夜眠れなくなるんなら「中間派」「両院議員総会開催の署名集め」などといった火遊びをすべきでない。誰のおかげで議員になれたと思っとんのや。大馬鹿者です。腹を切って詫びなさい。

 だいたい1998年の民主党結党準備会で、民主党規約策定委員長を務めたのは鹿野道彦さんだったんですよ。その後、「1998鹿野規約」からすぐに「民主党総務会」を削除したあと、大きな改正はことし1月の党大会(「2012与党らしい規約」)までありませんでした。たぶん彼はそのことを知らないのでしょう。仮に民主党両院議員総会の手続きに瑕疵があったと仮定しても、それを衆議院本会議場での欠席では次元が違う話です。それに一体改革特別委員会の採決では起立していて、なぜ本会議では造反するのか。説明ができないでしょう。こういう人間は繰り返すし、所詮は当選3回止まりです。完全に終わりましたね。鹿野道彦は切腹して矛を収めるように願い出ればいいのですが、そういう胆力のある男ではありません。世襲議員なので芝居がかっているだけで、中身はからっぽです。

 我が党結党14年目の試練、数年間かかるでしょうが、これはインドネシアの「9月30日運動」に似ていると思います。心を鬼にしないといけません。

 私のような結党以来のサポーター、連合傘下の産別・単組・地協、地方議員、支持団体はどうぞ勇気を持って、造反議員を公認候補予定者から引きずり降ろしてください。全国的に流れができました。一度裏切る者は二度裏切ります。例えば、次の選挙で押し上げても、直後の首班指名で「志位和夫」と書いて平気な人間が、民主党内に残留している造反者です。情けは一切無用。今やつらを殺さなければ、自分の生活ができなくなります。きれいさっぱり政界から消してしまいましょう。

 第46回衆院選、第23回参院選、第47回衆院選、第48回衆院選、第24回参院選と繰り返していけば、民主党、自民党とも安定した議会政治をやれる体制ができるでしょう。そのときの主要メンバーは今の国会で民自公、責任感を持ってやっている議員です。がんばれ。がんばれ。がんばれ。がんばれ。今こそ歯の食いしばり時、正念場、伸びる時です。

 政権の重荷を背負っている議員は悩んではいけません。草枕しばし慰むのは野党になってからで十分です。この政局は鬼が勝つ。心を鬼にして、野田民主党、突っ走りましょう!!!

 [お知らせ]

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[お知らせおわり]


平野達男復興大臣を岩手4区から出馬させよう 小沢一郎追い落とし 北上市出身、県連分裂で参院選は不利に

2012年07月12日 08時23分13秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

[写真]平野達男復興大臣、2012年5月、都内、筆者撮影。

 民主党岩手県連が分裂しました。報道によると、達増拓也知事が離党届を提出し、県会の民主党会派23県議のうち県連幹事長10県議も同時に離党を届け出ました。それでも県会第一会派は維持でき、自民党が第2会派、国民の生活が第一が第3会派になる見通しのようです。

 とはいえ、これで第23回参院選(2013年7月29日任期満了)について、日本の国益にとって大きな懸念が生じました。

 岩手選挙区(1人区)で改選を迎える平野達男復興大臣のことです。

 平野さんは意外にも当選2回勤続11年58歳という中堅です。「3・11」という国難のなか、危機管理能力がない社会党出身のベテランが被災地知事に対する暴言の責任をとって辞任した後、副大臣から大臣に昇格しました。復興庁設置法の規定にもとづき、平野さんの官職は「復興大臣」が正式な名前です。

 民主党政権では自民党政権と違い、参院1期生の蓮舫さん、衆院4期生の長妻昭さん、衆院3期生の馬淵澄夫さん、30歳代の細野豪志さんらが入閣するなど自民党政権の派閥順送り内閣を打破しています。

 平野さんは、北上市出身。ここは衆議院岩手4区になります。小沢一郎氏の水沢に近く、小沢後援会でも団結が高いとされる、遠野市、花巻市にも近いところです。小沢氏の奥州市については、水沢ではなく、江刺と隣接していて、江刺は中選挙区の同じ政党で他派閥の椎名悦三郎さんの後援会が根強かったところなのではないでしょうか。北上市の2010国政調査の人口は9・3万人、奥州市は12・5万人。

 いずれにしろ、県連が分裂してしまえば、1人区での闘いは厳しくなってきます。自民党岩手県連は鈴木俊一元環境大臣(前岩手2区選出衆院議員)がお父さんの鈴木善幸元首相から受け継いだ水産関係があり、岩手2区での議席回復を最大の目標にしています。自民党岩手県連、自民党宮城県連、自民党福島県連と被災地ネットワークをつくっているかのように聞きます。この辺の地元の事情は門外漢ですので、間違いがあれば、メールをください。

 平野さんはぜひ、第46回衆院選で岩手県第4区公認候補として立候補して欲しいです。いや、立候補すべきです。いやいや、立候補させちゃいましょう。出たい人より出したい人を。全国的に平野達男さんの「達山会」を支援して、平野復興大臣の議席継続と小沢一郎の落選で、しっかり日本国民の意思を後世に残しましょう。

 私は今第180通常国会での衆院予算委員会での本予算(案)審査の次のやりとりが大好きです。2月9日、自民党の赤澤亮正ネクスト農林副大臣との次のようなやりとりです。

 平野達男内閣府防災担当大臣は復興庁(翌日発足)について、「もともと、復興局には専任の政務(三役)を置きたいという発想はございました。しかし、さまざまな協議の結果として、一閣僚増、そして二副大臣の増という形になりました。ちなみに、復興局については併任の政務官になりますが、これまでも、岩手県でも、宮城県でも、それから福島県においても、できるだけ現地に置く。それで、国会等々の都合においてこちらに来なくちゃならないときは来られましたけれども、まず現地に足を置いて、現地を歩いていただく、そういうことで仕事をしていただいたというふうに思っておりますし、これからもその形は維持したいというふうに思っております」。

 これに対して自民党の赤澤さんは「要するに、常駐でなければ、自分がもともといる役所の仕事が忙しくなったら足が向かなくなるんですよ。あるいは、つるし上げを食ったら行けなくなる、行きたくなくなることもあるかもしれない。だから、常駐にしてくれと言っているんです。では、少なくとも事務方の幹部だけは常駐にさせてくださいよ」

 これに対して平野大臣は「まず、つるし上げるから、嫌になったから行かないなんということは、まずこういう人はいませんよ。それからあと、事務方の幹部については、これは常駐を原則としております。常駐にします」

 赤澤「今、新しいあれがありましたよ。説明資料、配られているものでは、事務方の幹部は必ずしも常駐という説明になっておりませんけれども、常駐にするという発言が今大臣からありました。そこは私は評価をいたします」

 私も復興庁は仙台に本部を置いて欲しかったのですが、東京に本部を置き、出先機関をつくることになりました。マニフェスト違反ですが、復興局に関してはやむを得ない、とマニフェスト原理主義の私でも思います。そのうえで、被災地でつるし上げを食ったら、本部の東京から脚が向かなくなる職員がいるのではないかとの指摘に、平野大臣は

 「つるし上げ(られ)るから、嫌になったから(被災地に)いかないなんということは、まずこういう人は(復興庁には)いませんよ

 と大臣。

 まあ、被災地、例えば組合員の生命と財産を預かっている漁業協同組合の組合長さんに叱られて、現地に脚が向かなくなる職員はいると思いますよ。でも大臣、「いませんよ!」。それはけっして嘘ではない。小沢一郎さんは嘘ばかりですが、平野大臣の答弁は嘘ではなくて、思いやりです。

 それにしても参院当選2回勤続11年58歳の平野達男さんと衆院当選14回勤続43年70歳の小沢一郎さんが、「3・11」の後、わずか1年4ヶ月でここまで仕分けられるとは、ナント時代の流れは速いものでしょうか。

 ぜひ295選挙区の一つと考えずに、他の294選挙区からは平野大臣にメッセージを届けたり、選挙区外からも献金攻勢をして、国民の意思をハッキリ示しましょう。

 ハッキリ示さないとダメなんですよ。曖昧さと傍観を決め込むのは最大の罪と心得よ。

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