【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

国会あす正常化 小沢一郎空転9日間で解消

2012年07月05日 17時45分30秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 空転国会9日目(7営業日)となりましたが、あす2012年7月6日(金)から延長国会が正常化することになりました。

 午前10時からの参議院本会議で、社会保障と税の一体改革関連8法案を審議する特別委員会の設置が議長から諮られ、認められる見通し。40人委員会で、委員名簿は本会議の時点で議員席に机上配布します。特別委員会設置では、一部会派が委員名簿の提出を拒み、「追って指名いたします」と議長が発言する場合がありますが、波静かなスタート。来週7月11日(水)の本会議で大臣の趣旨説明と各党の代表質問が始まります。委員会は7月17日(火)スタートの見通し。6週間ということで、お盆の週にも採決できるのではないでしょうか。参議院への厳しい世論を考えれば、お盆休みなどしている場合ではありません。

 衆議院もすでに昨日の議院運営委員会理事会で、理事・委員の割りふりを終えており、あすの衆院本会議で常任委員長の辞任と選挙をします。前半国会で予算委・郵政改革特別委・一体改革特別委などで理事を務めた、鉢呂吉雄さん、武正公一さんらが委員長になる予定です。前半国会で予算や大型法案の理事をして、後半国会で常任委員長をやるというのは、ある意味人材の適正配置ともいえます。過渡期の国会ではやむを得ないでしょう。なお、第3会派「国民の生活が第一」が「新党きづな」と統一会派をつくっても、理事や委員の割り当ては変わらない見通しで、衆議院にとっては、「小沢新党はどうでもいい」ということになりそうです。

 民主党、自民党、公明党をはじめ、衆参与野党とも「小沢一郎による政治空白はなるべくなくす」という意識を共有できたのだと考えます。小沢切りに一歩前進しました。

 勘違いがありますが、衆参ダブル選挙になれば、衆参ねじれが解消すると考えている人がいますが、その確証はまったくありません。それどころか、参院みんなの党11議席のうち、来夏の改選は1議席だけですから、同党が確実に議席を伸ばし、衆院第1党が参院で過半数をとれない可能性は高まります。

 ここで、衆議院会派が知恵をしぼって、上品にしたたかに、参議院の権限縮小や、第3院である両院協議会の改革をしないといけません。

 それと、政党改革が必要です。民主党は衆議院295選挙区すべてで、県連が主催する予備選挙を導入すべきではないでしょうか。

 民主の敵、小沢一郎を倒すことで、日本の民主政治の規律を取り戻しましょう。そのためには、有権者や読者も言うべきことはハッキリ言わないといけません。相互依存と同時にローカリゼーションが相克する国際社会において、日本国の存亡の危機にあるという認識が必要です。こういうときに、日和ってはいけません。脚がすくんではいけません。ひるんではいけません。そういうときには、サラリーマン出身国会議員は悲惨だなあと感じますが、なかには立派な人も少なからずいます。

 サラリーマン議員諸君も、赤坂で飲んでいても傷つく要素が増えるだけなので、議員宿舎・議員会館にこもって勉強すべし。

 例えば、海部俊樹著「政治とカネ 海部俊樹回顧録」。162ページでは、「物事がまとまりかけると、自分の存在価値が低くなるから、つぶす。つぶすためには、横車でもなんでもゴリゴリおして、荒れるなら荒れるでよろしい。小沢氏はそんなことを繰り返した」。

 岡田克也著「政権交代ーーこの国を変える」の118ページ。「人間としての弱さ、一貫性のなさ、無責任さをなじりたい気持ちもある。しかし、支持者は選挙区など、それぞれの事情があるのだろう。煩悶しつつ復党の決断を下さざるを得なかった人もいるはずだ。だから、断罪する気にはなれない。ただし、誰がどういう行動をとったかは忘れまいと思う。こうした、ある意味での極限状態に直面したとき、一人の人間がとる行動は繰り返されるものだ。これまで二十年近く政界に身を置いた経験に照らしてみると、一人の人間は同じような行動を繰り返すことがわかる。一度裏切った者は、二度裏切る。ぎりぎりの状況では本質を隠しおおせないのだ。それを理解さえすれば、批判する必要はない」

 例えば、2回落選して、3度目に初当選した衆議院議員が一体改革法案の採決で造反しました。その議員は、一度選挙区の大阪に帰った後、翌朝、TBS(MBS)のテレビカメラを赤坂議員宿舎に入れて取材に応じていました。TBSに配慮したのか、ほとんど相互の資本関係はない、毎日新聞を読みながら、ナレーションで「小沢グループではないが、造反した」と入りました。これはおかしい。この議員が小沢グループ(新しい政策研究会)にたびたび出席していたのは知っているし、写真もあります。ところが、小沢グループではないが造反したと議員宿舎でテレビの前で語る。例えは悪いが、犯人が現場に帰るときの心理状態に似ています。ところで、具体的に誰とは言いませんが、今回以上の大政局だった1993年6月18日の宮澤嘘つき解散以降、一日もぶれずに同じ政治行動を小生ととっている、自民党出身のある政府首脳の関係者は、採決前の時点で、「熊田篤嗣さんは政治家に向いていない」と言っていました。やはり、上の極限状態に直面したとき、一人の人間がとる行動は繰り返されるものなんだなと感じます。

 私たちは民主党造反議員全体に死をもって償わせなければなりません。そのうえで、次の次の第47回衆院選に関しては、また選挙区ごとの予備選挙をやってチャンスを与えても良いかもしれませんが、たとえ民主党が衆議院で単独過半数を失おうとも、造反者を切腹すべきです。党員資格停止2ヶ月も、党員資格停止3ヶ月にして、9月の代表選があるとして、投票権を与えるべきではないと考えます。小沢一郎の同調者は、屁理屈をこねようとも、すべて、民主の敵です。根絶やしにすべきです。

 
[画像]民主党造反者一覧、朝日新聞2012年7月5日付から。

 すべての造反者は小沢一郎の政治的影響力の行使に荷担したことになるので、ことごとく小沢一郎の同調者である。第46回総選挙で消してやる。この世からきれいさっぱり消してやる。

 ところで、自民党の塩崎恭久さんが議員立法で主導した両院が設置した東京電力福島第一原子力発電所事故にかんして、「人災」という報告書がまとまったようです。2009年5月の野党民主党代表選で、鳩山由紀夫候補(小沢一郎氏が応援)ではなく、衆議院議員同様に、参議院議員も含めて、岡田克也候補が当選し、第45回総選挙で勝ち、「岡田300日プラン」をもって第22回参院選にのぞみ、そして運命の日「3・11」が来ていたら、国土価値の毀損も違った見栄えになっていたかもしれません。仮に賛同してくださる読者がいれば、それはこれからの日本のために頭を振り向けていただきたいと考えます。あなたができることは他にもあるはずです。例えば、昨年1年間に、政治家に個人献金をしましたか? いずれにしろ、2009年5月の代表選の結果がどうであれ、優秀なご家来衆が不足していたのですから、考えてもしょうがないことです。さあ、赤坂で飲まずに、勉強しましょう。

 第46回総選挙で小沢一郎新党全員を落選させましょう。小沢一郎にマリー・アントワネットと同じ最期を迎えさせましょう。

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