[写真]13日ぶりに正常化した国会で答弁する野田佳彦首相(民主党代表)、2012年7月9日、首相官邸ホームページから。
【2012年7月9日(月) 衆議院予算委員会 集中審議】
国会は先週末の院の構成につづいて、きょうあすと衆参予算委員会で集中審議(平成24年度予算執行状況に関する国政調査)を行い、6月26日の衆院本会議での一体改革関連法案の不正常採決(「1期生危険な火遊び」)から本格的に正常化します。あさってからは、法案の審査も15日ぶりに行われます。
野田佳彦総理(民主党代表)は、自民党の谷垣禎一総裁(シャドウ首相)に謝罪しました。総理は「6月26日の採決で造反者、その後離党者を少なからず出したことを国民のみなさんにお詫びします。3党合意をしていただいた自民党と公明党にも謝罪をします。そして、院の構成が変わったことから、国会日程にも影響を与えたことを、各会派のみなさんにお詫びします」と3つ謝りました。谷垣さんは「総理が謝ったのだからこれ以上この件は追及しません」と矛を収めました。
野田さんは、 採決前日の6月25日の衆院会派「民主党・無所属クラブ」の代議士会でも、「法案可決を心から心から心からお願いします」と3回頭を下げています。しかし2週間たって、韓国、中国、台湾、北朝鮮などにもNHK-BSで放送されている国会中継で3度頭を下げるという国辱になってしまいました。
我が党の党首が15年3ヶ月ぶりに総理になったにもかかわらず、総理たる党首に代議士会で頭を下げさせ、衆院第1委員室で敵である自民党総裁に頭を下げることにつながった、6月26日の火遊びに参加した造反者には殺意を覚えます。例えば、リンゴと二大政党、羽田孜さんのお膝元である長野県連で造反した篠原孝造反者や加藤学造反離党者は腹を切って死ぬべきです。篠原孝などリンゴ畑の肥やしにするしか能がありません。
そんななか、裸の王様だった小沢一郎党首と違い、野田佳彦代表に頼もしい老中の存在が明らかになりました。
節電の夏、2012年日本。総理は連休明けの5月7日から5月10日の途中までクールビズ姿だったことが、首相官邸ホームページ内「総理の一日」から分かります。しかし、5月10日の途中、仲井眞弘多・
沖縄県知事にあったときから、ネクタイ姿が続いています。
[写真]クールビズで衆院本会議に立った2012年5月8日(火)の野田総理、首相官邸ホームページから。
[写真]2012年7月7日(土)の七夕に福島県の子どもたちと話す野田総理、首相官邸ホームページから。
これは岡田3兄弟(岡田克也副総理、安住淳財務相、玄葉光一郎外相)が総理を諫めていたことが分かりました。
岡田さんは6日の記者会見で「安住財務大臣が『締まらないから止めろ』みたいな話をした」、「私も会ったときに『似合ってませんね』と言った」「外国のメディアに映るのですね、総理は特に。若干違和感がある」とし、岡田3兄弟の諌言だったことを認めました。新進党時代の小沢一郎党首に対しては、「消費税増税は止めて、据え置きにする」とちゃぶ台返しをされた野田毅政調会長が公約を一から作り直すなど小沢さんに諌言できる人はいなかったようです。
[画像]岡田3人衆の安住淳さん、玄葉光一郎さん、岡田克也さん。
[画像]ヒラリー・クリントンアメリカ国務長官と話す玄葉外相、2012年7月8日、飯倉公館、NHKニュースウェブから。
8日付読売でJR東海会長の葛西敬之さんが「武士道にいう忠義とは、自立した信念と価値観を持った個々の武士が主君の誤りに対しては敢然とこれを諫め、職を賭し、命を賭して自らの信念を貫き、主家を守ることだという」としています。岡田3人衆は、主家を守る、すなわち総理を守り、当然にして民主党を守り、畢竟、日本国を守ろうとしているのです。
【松沢成文さんの「僕は代議士1年生」が問いかける小沢一郎による政権交代ある政治の遅延】
「(1994年)6月23日、予算成立を受けて、自民党は予告通り羽田内閣不信任案を提出してきたのだ。折りしも新生党結成1周年記念日で、僕たちは渋谷ハチ公前での街頭演説の最中にこのニュースを聞いた」。これは松沢成文衆院議員(新生党青年担当幹事)の『僕は代議士1年生』(講談社)のくだり。松沢さんは「羽田総理がこんなに頑張っているのに何故だ。少数与党だからいけないのか。政治課題山積のこの時期に政争を仕掛けるとは・・・・・・。渋谷駅頭の人々に、僕たちはこみ上げる怒りをぶつけるように訴えかけた」。
そして松沢さんは次のように著書を締めくくっています。「翌30日の議員総会で、羽田党首(もう総理ではない)は街頭に出て、我々の理念と政策を国民に訴えよう、と相変わらずの調子で僕たちに語った。僕は7月1日、羽田党首とともに街頭演説に立つ。そして、政治家である限り立ち続ける」
松沢さんらしい爽やかな終わり方だけど、松沢さんはまったくもって甘かった。すぐにでも奪還できると思った政権だけど、我が党はそれから15年3ヶ月も野党暮らしが続いたのです。松沢さんがこの2年10ヶ月後に出した著書『拝啓小沢一郎党首殿』(ごま書房)では、爽やかさは失われ、苦悩する松沢さんの姿がかいま見えます。時に野田佳彦さんは落選中、いかなる胸中だったか、知る術もありません。
「新進党が今の危機的状況を脱して、もう一度、国民に期待を持ってもらえるような政党として再生するには、党改革を断行するしかない」「やはり近代的政党といわれるためにも、意志決定のプロセスにおいて、議論を徹底的にやるという姿勢が必要だ。小沢党首のカラーが強いからといって、小沢氏が日本改造計画に書かれていること、党首選で訴えたことをやっていけばいいというのではなく、それを基本とするのであっても、国民にわかるような形でみんなで議論していくという姿勢を示し実行することだ」「低迷しているとはいえ、潜在的に新進党に期待している有権者は多くいる。完全に見捨てられたわけではない。思い切って生まれ変わるぐらいの党改革を断行する勇気があれば、新進党を必ず再生できるのである」。
このように輝いていた代議士1年生時代と違い、野党転落2年8ヶ月の松沢2回生は苦悩しています。そして、第1回民主党代表選で健闘という爽やかな風を吹かせたのに、自ら国政を去り、現在は吉本興業に在籍しています。
松沢さんは『拝啓小沢一郎党首殿』のあとがきに「同志とともに新進党をつくり努力を重ねておりますが、まだまだ力が及びません」「有権者の皆様のサポートが不可欠です」「議員だけでは改革はできません。改革を志す有権者がしっかりサポートをしてこそ改革は実現するのだと確信しています」「改革は議員と有権者の共同作業です」「若輩議員ではございますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします」と平身低頭になっています。あの与党代議士1年生のときの姿がうそのようにやつれています。このころの松沢さんは、衆院本会議が終わって自室に帰ったときの唯一の楽しみであるタバコの一服をしようとしたところ、灰皿の置き場所が悪いとして秘書を怒鳴りつけるまでに荒れていました。野党になるというのはそういうことなんですね。
新進党解党のニュースはテレビ局が意図的に国民に報道を伏せたので、国民を巻き込んだ反対闘争にはなりませんでした。
【辻元清美さん「国民のコンセンサスを得ることによってリスクと負担を分担する政治」 オピニオン・リーダーが立ち上がれ】
きょうの予算委では辻元清美さん(大阪10区)が次のように言いました。「自民党時代の既得権益者による利益の配分の政治は変わりました。民主党への政権交代で国民のコンセンサスを得ることによって、リスクと負担を分担する政治になりました」
それがまさに社会保障と税の一体改革であり、消費増税という痛みを分かち合うことによって、低所得者や子ども子育て世代にお金が回るようにしなければいけません。この国民のコンセンサスを得る説得が大事であり、このブログを読んでくださっている、各地、各共同体のオピニオン・リーダーは、一定の方向性に選挙の投票結果を持っていくよう、一人数十票を動かさなければいけません。さもなければ国がつぶれます。
そのためには、説得よりも議論が好きな小沢新党「国民の生活が第一」や、民主党内に残る造反残留組を第46回総選挙や第23回・24回参院選で必ず落選させなければなりません。また、党内を揺さぶることで影響力を持とうとし、結果として党を分裂させてしまった素香会(そこうかい、鹿野グループ)の鹿野道彦会長(表決では賛成)も腹を切って死ぬべきです。きょうの予算委では中井洽委員長が、牧義夫・国民の生活が第一政調会長に対して、「牧さん、あなたさっき、“ギリシアがデフォルトした”と発言したけど、あとで議事録を訂正しておいてください」と諫める場面もありました。これは日本の国会の権威を守ろうとした中井さんの諌言でしょう。
そこで、新進党仲間である、斉藤鉄夫公明党幹事長代行の「参院での一体改革法案の通過まで、 総理はぶれずにやってほしい」との言葉には、それは心配ご無用と申し上げたい。造反者の息の根を止めて、できれば新進党再結党といきたいところですが、それは見果てぬ夢として、心の中にしまっておきたいと思います。
どのような理由であれ、我が党代表たる総理が国会で自民党総裁に謝罪せざるをえない事態に追い込んだ民主党造反者は絶対に許しません。絶対に一生涯許しません。絶対に許さない。殺してやる。見て見ぬふりをするオピニオン・リーダーも同罪です。
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