ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「民主党ドアステップ」を一緒にのぼろう!

2014年07月30日 15時48分03秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして

 英国労働党は2010年5月6日に政権を失いました。衆議院議員団の8分の1以上の推薦人を得た6候補者による5か月間におよぶ党首選(党首と同じく党員が選出した副党首が党首代行)で、エド・ミリバンド(ミリバンド弟)前経済産業大臣が兄弟決勝を制して党首になりました。

 2014年5月22日(木)の欧州議会選挙および統一地方選では、統一地方選の方で、労働党は288議席増加。連立与党の保守党は198議席減、自由民主党は283議席減となりました。一方、「EU欧州連合から英国の離脱」を党是とする新党・英国独立党(UKIP)は、欧州議会選のみならず統一地方選でも155議席増。この辺の「欧州議会選と統一地方選でともに勝利」というのは、日本人が想像するのはまったく不可能な世界ですが、しいて言えば「維新のようなものが伸びた」と言えるでしょう。

 さて、次の総選挙は、2015年5月8日(金)とすでに決まっています。これは、英国史上初めてですが、英国には憲法がないので、法律で決めてしまっているわけです。日本ならば「憲法69条や7条違反」の立法だからできないでしょう。もちろん、日本でも、憲法がなければ、「与野党現職の賛成と、野党元職の反対」という圧倒的多数で成立するであろう法律です。

 英国労働党は2014年5月22日(木)の統一地方選に向けて、「#labourdoorstep」ということで、国会議員、党員、地方選候補者が一丸となって戦いました。

 こちらは、衆議院ノッティンガム東選挙区選出のクリス・レズリー(Chris Leslie)さん、42歳。25歳の与党議員として政界デビューしましたが、その後落選して5年間浪人。国政復帰して3期生としては野党ですが、ごらんのように、地域のみなさんと戸別訪問しながら、統一地方選を闘いました。

  
[写真]2014年統一地方選で党員と戸別訪問しながらたたかうレスリー衆議院議員、Twitterから。

 左の女性のTシャツが「チーム2015」と来年の年号になっているのも見て取れます。



 英国労働党のチューカ・ウムンナ議員(Chuka Umunna)は35歳の当選1回生、ロンドン中心部ストリーサム(Streatham)選挙区。1回生と言っても、「Twitter総理」という感じもしますが、このように、党員と一緒に、「労働党へ1票を(Vote Labour)」のプラカードを持ってもらって記念撮影。候補者のTwitterと連携して大いに盛り上げました。

 

 上の写真のように、小道具も登場。連立与党2党の党首をコインの表裏になぞって、その考え方の違いを揶揄する集合写真もTwitterに多く載りました。赤い女性の後ろにいる男性は、オーウェン・スミス衆議院議員です。

 で、2014年5月22日(木)の統一地方選で、労働党は勝ったとたんに、エド・ミリバンド党首(ネクスト総理)隠しに入ったようです。



 労働党本部の公式ウェブサイトの中には、「首相官邸に、キャメロン首相(保守党党首)があと11か月もいるなんて悪いことがあるでしょうか。2015年5月8日に立ち上がりましょう。次の5年間のために」・・・2015年5月8日の衆院選に勝って、政権再交代を果たしてミリバンド内閣をつくろう、という呼びかけです。こちらは、フェイスブックFBでのシェア共有拡散をねらっています。このように、統一地方選で、ミリバンド党首を全国行脚させておいて、勝ったとたんに、ミリバンド隠しをして、現首相の失敗を待つ、という作戦のようです。

 キャメロン現首相(保守党党首)も巻き返しを図り、2か月後にあたる2014年7月15日(火)に内閣改造。1期生の女性38歳を環境相に、同じく1期生の女性41歳を文科相に起用し、女性閣僚を5人にしました。元党首でもあるヘイグ外相は、党幹事長(兼)大臣に横滑りすると同時に、今季限りでの引退(貴族院転出?)が発表されました。やり手のハモンド防衛相が外相に横滑りし、防衛相にはファロン経産相が横滑りしました。5名のベテラン男性大臣が内閣を去り、政府外議員(バックベンチャー)になりました。この布陣で、キャメロンさんは残り9か月での大逆転を目指します。

 きのうのエド・ミリバンド党首のTwitterも、労働党本部のTwitterのリツイートし、


<script charset="utf-8" type="text/javascript" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>

 与党・保守党は社会保障改革をあきらめようとしているが、私は破たんしないように守るために闘う、と思う人はリツイート。

 というように、ミリバンドさんの魅力は統一地方選で全国に浸透したので、来年5月に向けて、「敵のくずれを待つ」。

 原子力発電所を爆発させた無過失責任を負う海江田万里・民主党代表が第97代内閣総理大臣になれるわけがないのですから、あす辞任と不出馬を表明する。そのうえで、選挙管理代表をして、臨時国会前には、新代表を選ぶ。ネクスト総理ということでいえば、岡田克也さんか、玉木雄一郎さんかのいずれかということになるでしょう。

 そして、来年4月12・26日投票の第18回統一地方選で、新代表ネクスト総理を、国会議員、党員、地方議員候補が全国引き回しをして、そこでいったん気配を消す。そして、安倍内閣の失敗を待って、第47回衆院選、2016年7月(おそらく)11日の第24回参議院選挙。

 ホップ、ステップ、ジャンプ。

 「民主党ドアステップ」を一緒にのぼって、政権再交代を実現いたしましょう!

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