【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

派遣法60日ルール可能になるも参議院が衆を徹底攻勢 当初会期末修正、維新議員「私も原案が良かった」

2015年08月18日 16時44分11秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 日本国憲法第59条第4項にもとづき、衆議院が労働者派遣法改悪法案(189閣法43号)を再議決できる時期に入りました。「改憲」ならぬ「壊憲」政党である、衆議院自民党と衆議院公明党に、憲法の権利を振りかざさせてはなりません。

 我々有権者が60日ルールを絶対に使わせないようにしましょう。

【平成27年2015年8月18日(火)参議院厚生労働委員会】

 お盆明けは、民主党が白真勲さん、共産党が小池晃さん。安保特別委で乗りに乗っている2人が切り込み隊長になりました。

 きょうは政府原案ではなく、「同一労働同一賃金法案」(189衆法22号)

 衆でのプロセス。もともと、衆民主党が衆維新の党と共同提出していました。ところが、会期末前週に、まず、政界引退を発表した、維新の党の橋下徹元代表(非議員)が安倍首相に加えて、菅義偉・官房長官が食事。その後、大阪選出の国対幹部らが菅・官房長官と会食。すると、民維共同提出のいわゆる「対案」である、「同一労働同一賃金法案」が突然、自公維3党によって修正されてしまい、衆議院を通過しました。食い逃げ被害に民主党はあいました。

 これについて筆者は、岡田克也民主党代表の定例記者会見で「ひょっとして内閣官房の報償費からお金でももらったのではないかと国民や維新の党の支持者が疑うのは当然ではないかと思う」とし、維新大阪系国対が官房機密費を貰ったのではないか、と指摘しました。これに対して、岡田さんは「まず、想像で物を言うつもりはありませんので、コメントはいたしません」 としならがも、「官房長官がいろいろ手を尽くす、野党と会うというのは官邸としては一つのやり方かと。別にその中身がどうかということではなくて、会うということについて申し上げればそういう面はありますが、それに対して会う野党は、これも私の常識を超えます」と答えました。ただ、民維連携で延長国会に向かう時期なので、「そこは野党の中にもいろいろな考え方があるのかもしれませんので、批判的に受け取らないようにしておいていただきたいと思います」とご指導をいただきました。

 毎年6月、当初会期末には、このようなことはよく起きます。

 永田町の不条理ではなく、そういうものだと思えばなんともありません。

 不条理を腹に飲み込んだのが、維新の党の井坂信彦・衆議院議員(兵庫1区)。この人は、官房機密費は絶対に貰っていません。「絶対にない」という証明はどうするかといえば、状況証拠を踏まえながら、私が絶対に貰っていないと判断しているのですから、そうなのです。

 参議院ではかなり厳しい集中砲火を浴びました。渡辺美知太郎参議院議員は、「若手議員のエースである井坂先生のあげ足をとるわけではないが、6月10日の衆での議論と一致していない」と問われました。

 井坂さんは「私は原案の作成者なので、原案を良かれと思って作成しました。しかし、その(自公維3党による)修正案が衆を通過して、こうやって参で議論していることに意義がある」と唇をかみしめました。これについて、民主党の牧山弘恵さんが「骨抜き法案であり遺憾の意を表明する」と語りました。

 言葉の定義。法案に盛り込まれた「正規雇用労働者」と一般社会的な用語「正社員」 との違いを問われた、厚労省政府参考人は「同じような意味だという先生のご指摘はその通り」とあいまいな答弁を白さんに対してしました。

 なによりも、「均等待遇」と「均衡待遇」の違い。これについて、厚労省政府参考人の答弁を受けて、牧山さんは「均等はイコールであり、均衡はバランスだ」とし、「均衡待遇は日本だけであり、世界的な概念ではない」としました。寺田典城さんも「県知事時代に地労委(現・県労委)の仕事もしたが、均衡にすると、安い方にバランスをとることになる」と重ねました。行田邦子さんは「労働契約法20条とパートタイム労働法8条の趣旨をふまえて、横ぐしをさす法案にすべきだったのではないか」とすると、井坂さんは「私も横ぐしの法案が必要だという委員と同じ思いで、この法案の原案をつくった」と終始苦しい答弁が続きました。

 理念法としての井坂さんの思いを込めた議員立法が、同じ党の同じ期数の1~4名ほどの国対幹部によって、食い逃げされてしまい、それから2か月経って参での答弁で立ち往生する。まさに永田町の不条理です。

 衆法の審査を終えて、きょうは散会しました。

【同日 参議院農林水産委員会】

 「農協法改正案」(189閣法71号)。こちらも当初会期末直後に、「法律の趣旨を徹底し、議論する」という箸にも棒にも掛からぬ修正が、維新の党の2期生によってなされ、自公維で衆を通過し、参に送られてきました。

 きょうは参考人質疑をし、地方公聴会の報告がありました。

 民主党は郡司彰会長自ら質疑しました。衆での岡田さん同様に、参でも郡司さんが自ら質疑することが多い第189回国会となっています。

 維新の党の儀間光男さんは、「農協法改正案と言うよりも、農協廃止法案だという参考人の意見があってびっくりした。ただそうではないと信じている。むしろ、地方創生につながるものだろう」。あたかも与党・自民党のような発言。維新は、衆も参も空中分解しているように見えます。

 ◇

 今後も、刑訴法でも、維新の2期生の衆院議員が修正の答弁を、参でする運びです。

 野党が対案を提出し、原案を修正することが正しい、という風潮があります。しかし、これではプロセスを追いきれない。プロセスを追いきれないということは議会制デモクラシーの危機です。475人の衆議院議員のうち、自分の言葉で「派遣法」「農協法」の衆でのプロセスを有権者にとっさに説明できるのは1割未満。この路線はもうやめた方がよい。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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小沢一郎氏、「民主党は馬鹿ばかり」「公明党を連立から外せ」「国会答弁ない副総理にしろ」森喜朗氏に

2015年08月18日 07時17分50秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 「民主党は馬鹿ばかり」「公明党は連立から外せ」「俺を国会に呼ばれない無任所副総理にしろ」ーー


 第21回参院選「逆転の夏」の直後の、平成19年2007年11月に、第2次与党期自民党の福田康夫首相が、第1次野党期民主党の小沢一郎代表に連立を呼びかけた「大連立騒動」で、森喜朗元首相(元自民党総裁)の意外な証言が飛び出しました。

 2015年8月18日付読売新聞12面の「時代の証言者 森喜朗 第26回」の中で飛び出しました。

 大連立騒ぎについて、当ブログは「福田首相が民主代表に連立を要請した」と書いてきましたが、実態は違ったようです。

 森さんによると、小沢さんから渡辺さんに対して「参院選で勝ったので大連立をやりたい」と話があり、渡辺さんが森さんに連絡。森さんが福田首相に話すと、首相から「自分は直接できないので、森さんが小沢さんと話してほしい」として、パレスホテルで会談したそうです。

 ここで、小沢さんは「民主党は馬鹿ばかりなので、このまま政権をとっても危うい。大連立を経験した方がいい。参院選で大勝した今なら俺の言うことを聞く」とし、公明党を連立から外し、閣僚ポストの配分を具体的に提案し、小沢さん本人は「国会の呼ばれない無任所副総理」にするよう要求したそうです。森さんは公明党を連立から外すのはその場で拒み、首相に、それ以外の提案を取り次いだ、とのことです。

 当ブログでは、これを、福田首相が党首会談で小沢代表に大連立を要請した、とし、その後、党本部にかえった小沢代表は猛反対にあい、断念。その後、党代表辞任を突然表明し、「私を抹殺しようとした報道に抗議する声明」を発表。新生党結党メンバーの、羽田孜さん、渡部恒三さん、石井一さんらの説得を受けて、党代表続投を表明したという流れのようです。

 森さんは「おわびの一言もなく、小沢さんらしい話でした」。

 小沢さんは1997年12月に新進党を解党。その後、2003年10月に個人で民主党に入党。2010年5月に民主党代表となり、2011年7月に逆転の夏。その11月に「民主党は馬鹿ばかり」として、大連立し、自分が無任所副総理になろうとしていたことになります。なお、これに先立つ同年10月20日(水)に政党助成金が振り込まれ、いったんゼロになっていた民主党の資金が回復したので、それからわずか11日後に党首会談に臨んだことになります。

 民主党は馬鹿ばかりだったら、新進党には閣僚経験者がたくさん居たのですから、新進党を解党しなければ、政権交代ある二大政党政治が近づいたはずです。森さんの話が一方的ですが、小沢氏は説明能力のない屑ですから、事務所を通じて確認しても無駄です。

 小沢さんは同年11月7日の記者会見で、「2ヶ月ほど前にさる人から呼び出された。断れる人ではないので、出向いたところ、『総理が民主党との連立構想を持っている』と提案を受けたと話しており、森さんの説明とは食い違っています。

 私からも、新進党解党魔を、民主党代表(ネクスト総理)にしてしまった不明を恥じ入り、おわびします。

 ちなみに、この11月1日は、礒崎陽輔さんが質問デビューした日であり、自民党では、その人がすでに総理補佐官3年目に入っていることになります。

 以下、当時のエントリー記事を再掲します。

[以下当ブログ内から引用はじめ]

首相、民主に連立要請 渡辺・読売会長の“指示”か?

2007年11月02日 21時54分16秒 | 下町の太陽からの業務連絡です

(写真は日本テレビ)

 気になる2回目の党首会談。中断を挟んで、出てきた内容はなんと連立交渉! 「自民・民主・公明の3党大連立内閣」でした。
 小沢一郎民主党代表は提案に賛否を示さず、持ち帰りました。午後9時半現在、党本部で役員会を開き、対応を協議しています。

 「国会傍聴記by下町の太陽・宮崎信行」では9月25日付のエントリーで、福田康夫政権は、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄(ナベツネ)会長の影響力で成立したと報じました。

 渡辺さんは福田内閣発足以来、主筆を務める読売新聞の社説で「大連立」を繰り返し呼びかけてきました。渡辺さんの長年の懸案である憲法改正のためには、国会議員の3分の2(482人)以上の賛同が必要。
 大連立によって、その数を確保することを福田首相に“指示”した可能性が高いと言えるでしょう。国会議員の数は現在、自民党系は約390人、公明党系52人、民主党系230人近く。足すと670人になります。

 不死身のようなナベツネさんも81歳ですから、憲法改正の道筋に早くめどをつけたいのではないでしょうか。

 ○民主党の対応

 さて、現在「ボール」は民主党に投げられました。すべては民主党の判断です。まだ明らかになっていませんが、自民党が連立を誘った以上、「総理は民主党から」という提案があったに決まっています。
 こうなると、執行部内では代表の小沢一郎さんだけでなく、代表代行の菅直人さんの考えも重要になります。
 党内デモクラシー(democracy)を国民に見せるため、時間制限のない両院議員総会での議論が不可欠です。

民主党、連立の誘いを拒否 役員会1時間で結論

2007年11月02日 23時56分54秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 民主党は2日、福田康夫首相(自民党総裁)からの「連立政権」の呼びかけに対して役員会を開き、1時間ほどの協議の結果、拒否することを決めた。役員会終了後、小沢代表は福田首相に電話をかけ、「できません」と伝えました。

 第45回衆院総選挙でガチンコ対決。
 自民党vs民主党の二大政党から、国民が政権を選択することになりました。
小沢民主代表が辞意 大連立構想めぐる党内混乱にけじめ

2007年11月04日 20時25分20秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

まずは第一報をお伝えします。

小沢民主代表が辞意表明 大連立協議巡り「けじめ」(朝日新聞) - goo ニュース
(写真も朝日)
2007年11月4日(日)20:25 

 民主党の小沢代表は4日、福田首相との党首会談をめぐる政治的混乱にけじめをつけるとして、鳩山由紀夫幹事長に代表の辞職願を提出した。小沢氏はその後、緊急会見を開き、2日の党首会談後の役員会で連立政権に向けた政策協議入りを全員一致で拒否されたことは「不信任を受けたに等しい」と説明した。小沢氏の突然の辞意表明で、同党の混迷は必至だ。小沢氏は会見で離党は否定したが、小沢氏が安保政策での一致などを理由に与党との連携を目指すのではないかとの見方もあり、政局は政界再編含みの展開になりそうだ。

 小沢代表は会見で、連立政権協議を受け入れてもいいと判断した理由について、首相が(1)「自衛隊の海外派遣は国連決議で認められた活動に限る」とする小沢氏の持論を受け入れた(2)連立政権が成立すれば補給支援特措法案の成立にはこだわらない――と確約したことをあげ、「我が国の無原則な安保政策を根本から転換するもので、それだけでも政策協議を開始するに値する」との考えを示した。

 小沢氏はまた、政策協議入りのメリットとして、年金改革や子育て支援、農業再生など、参院選で公約した政策の実現が可能になると指摘。さらに、民主党の現状を「様々な面で力量が不足しており、政権担当能力に対する疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は厳しい情勢だ」と分析したうえで、「あえて政権の一翼を担い、政権運営の実績を示すことが、民主党政権を実現する近道だ」と強調した。

 小沢氏は辞任を決断したのは3日だと説明。「多くの議員、党員を指導する代表として、また党首会談で誠実に対応して下さった福田総理に対し、けじめをつける必要があると判断した」と語った。

 今後の政治活動については「ゆっくり考える」とし、民主党を離党する可能性については「離党などということは今言っていない」と否定した。

(以上、朝日の記事を全文引用しました) 

小沢代表「私を政治的に抹殺を意図した中傷報道に抗議」声明発表

2007年11月04日 22時39分39秒 | 下町の太陽からの業務連絡です

写真は民主党本部が入るビルの駐車場で幹部を待ちかまえる報道陣(4日、午後6時半)=宮崎信行撮影

 きょうは赤坂での演奏会に行ってきたんです。午後4時開演。
 時間があったので、隣のホテルの喫茶ラウンジでくつろいでいたら、ケータイに「民主代表、午後4時から記者会見、代表辞任の意向か」と。
 まあ、驚きましたが、意外と冷静でした。
 日経新聞記者時代ならあわてて飛び出したかもしれませんが、楽しみにしていた演奏会の方が大事です。自宅に電話して、記者会見を聞くよう指示。
 情報源の携帯電話と携帯ラジオも、音楽堂に入った午後3時半には電源オフ。
 大好きなブルックナーの交響曲5番を聴きながら、冷静沈着に「なぜなのか」を考えました。
 ちなみにこの曲には標題はないのですが、つけるとすれば、「逡巡」だと思うのです。作曲家がベートーヴェンみたいなすごい曲を書きたいのに、その能力がない。やる気はある。必死に逡巡しながら書いた。それが伝わってくる。
 僕も逡巡しながら、小沢決断に思いを馳せたのです。

 小沢さんという人は大局的な戦略にたけていますが、あっさりしたところもあります。話し下手で、大のマスコミ嫌いです。

 そんな小沢さんの記者会見はきょうも15分ほどでした。
 そして、2つの声明を発表しました。

 そのうちの一つが「中傷報道に厳重に抗議する」。
 名義は「衆議院議員 小沢一郎」

 僕はこの小沢一郎の叫びを皆さんにお伝えしたい。そのまま伝えたい。でもコピー&ペーストはしない。これから手で打ちますから、読んでください。

      ◇

 福田総理との党首会談に関する新聞、テレビの報道は明らかに、報道機関としての報道、論評、批判の域を大きく逸脱しており、強い憤りをもって厳重に抗議いたします。
 特に11月3、4両日の報道は全く事実に反するものが目立ちます。
 私の方から党首会談を呼びかけたとか、私が自民、民主両党の連立を持ちかけたとか、果ては今回の連立構想について「小沢首謀説」なるものまでが、社会の公器を自称する新聞、テレビで公然と報道されています。いずれも、全く事実無根です。
 もちろん、党首会談及び会談に至るまでの経緯と内容について、私自身も、私の秘書等も、どの報道機関からも取材を受けたことはなく、取材の申し入れさえ全くありません。
 それにもかかわらず、事実無根の報道が氾濫していることは、朝日新聞、日経新聞等をのぞき、ほとんどの報道機関が政府・自民党の情報を垂れ流し、自らその世論操作の一葉を担っているとしか考えられません。
 それにより、私を政治的に抹殺し、民主党のイメージを決定的にダウンさせることを意図した明白な誹謗中傷報道であり、強い憤りを感じます。
 このようなマスメディアの在り方は明らかに、報道機関の役割を逸脱しており、民主主義の危機であると思います。報道機関が政府・与党の宣伝機関と化した時の恐ろしさは、亡国の戦争へと突き進んだ昭和前半の歴史を見れば明らかです。
 また、自己の権利維持等のために、報道機関に対し、私や民主党に対する誹謗中傷の情報を流し続けている人たちは、良心に恥じるところがないか、自分自身によくよく問うてみるべきです。
 各種報道機関が一日も早く、冷静で公正な報道に戻られるよう切望いたします。

以上

      ◇

 赤坂から、首相官邸の横を通り、衆院第一議員会館の脇道を通り、国会議事堂前を歩きました。この街は日曜夜は恐ろしく人がいないですね。そう、恐ろしく。議員会館は5部屋くらい明かりがついていました。

 国会議事堂と議員会館の間の夜道で、小沢代表の秘書役で知られる元議員がさっぱりした表情で歩いていました。体力自慢の元議員ですが、午前5時には名古屋にあらわれるという日帰り出張だったそうですから(クルマで行ったのか?)、さすがにお疲れ気味でした。私は面識があるのですが、向こうも気付かなかったようですし、いろいろな配慮から声をかけませんでした。とはいえ、代表を党本部から送り出し、さっぱりした雰囲気。赤坂に繰り出すという感じでもありませんでした。

 さらに50メートル歩きました。参院議員会館の前に、女性参院議員がいました。こちらも冷静な表情。彼女を「小沢の愛人か?」と報道した紙媒体もありますし、彼女の選挙に関して、小沢議員の政策秘書が公選法違反で検挙されるかのような記事を載せた全国紙もあります。

 一部で「小沢周辺議員が自民と連立(連携)」との報道が出ています。
 だったらこの人たちがこの時間帯にこうしているわけないですよね。会合を開くか、賛同者を増やすための電話がけで忙しいはずですよ。ちゃんと取材しているのかよ?憶測で書いてんじゃねえの!

 参院議員会館を抜け、信号を渡り、民主党本部が入るビルに向かいました。坂道には民放テレヴィジョン各局の中継車が鎮座ましましていました。上野駅みたいにいろいろなおくにことばが聞こえてきました。

 党本部があるオフィスビル1階の駐車場には50人ほどの記者がたむろしていました。出てくる党幹部に「ぶら下がり」をするためでしょう。
 民主党本部にこんなに記者が並ぶようになったんですね。雑談したり、喫煙したり、他人のケータイをのぞき込んだりしながら時を過ごしていました。面識のある記者はいませんでした。政治部って入れ替わりが激しいんですよ、徒労だから。

 ここにいても何も情報がなさそうなので、7時のニュースに間に合うよう帰宅しました。
 それにしれも永田町を歩いても、何も見えてきませんね。
 そりゃそうですよ。なぜなら、この闘いの答えは全国にいる有権者一人一人が決めるのですから。

民主党、「小沢代表」継続を決定、連立なしが条件

2007年11月05日 21時18分10秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 民主党は午後1時から隼町にある党本部で役員会を開き、小沢一郎代表を慰留することで一致しました。ただし、連立協議は認めず、自民党との政策協議はテロ対策など安全保障分野に限りという条件付きです。


 これに先立つ午前11時から、菅直人代表代行が小沢さんに代表にとどまるよう依頼。小沢さんは東京・深沢の自宅を出て、午前10時から都内のホテルで待機していました。ということは、何らかの対応を待っていたのかも知れません。

 午後1時からの臨時役員会は小沢さんが欠席して始まりました。

 役員会の後の副代表会議には、岡田克也副代表、前原誠司副代表らが記者団の問いかけに無言で出席しました。

 鳩山幹事長は夕方、小沢さんに直接会いました。
 小沢さんは「昨日、辞職願を出したばかりだ。心の整理に時間がかかる」と回答を保留しました。

 民主党議員は予定を繰り上げ上京し、議員会館などで議員同士が情報交換しました。
 新聞などで「小沢グループ」と表現されることも多い、小沢さんに近い若手でつくる「一新会」は昨日、幹事が都内で集まり、「一新会は派閥ではないので、誤解を招かぬよう、組織として統一的に動かない」と申し合わせ、会員に連絡しました。

 民主党内には、辞任を明言した以上、翻意はないとの見方の一方、続投の可能性を指摘する声もあります。

 ただ、民主党代表は5期連続で途中辞任しています。両院議員総会での代表選出が続き、「党員・サポーター」と「党籍のある地方議員」の声が代表選びに反映されない状態が長く続いています。

 私は、ここで多少時間をとってでも、代表選出集会(臨時党大会)を選んで、後継代表(ネクスト総理)を選んだ方が得策だと思います。
 この選挙に小沢さんが出馬するという手もあります。小沢さんが当選すれば「リセット」して、より強いリーダーシップで小沢民主党が総選挙に勝利して、二大政党による政権交代という「日本の夜明け」を迎えることができます。

 辞任表明後のネット上の世論は、二大政党の一翼として民主党に期待する声が多く聞かれます。民主党への支持はこれまで30~50歳代の、特に男性に多い傾向がありました。が、今回はそれ以上の年代や女性にも「民主党に期待(心配)する」声が多く聞かれました。

 雨降って地固まるを実践できるか、民主党の真価が試されています。

【速報】「2ヶ月前に」渡邉恒雄から「大連立構想」小沢さん明かす

2007年11月07日 17時35分45秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

 民主党の小沢一郎代表は11月7日午後5時10分頃、大連立構想に関して「2ヶ月ほど前にさる人から呼び出された。断れる人ではないので、出向いたところ、『総理が民主党との連立構想を持っている』と提案を受けた」と語った。読売新聞のえんにゅう記者の質問に答えた。
 小沢さんは「さるひと」について「調べれば分かること」と答えた。
 この後産経新聞記者が「さるひとは渡邉恒雄(渡辺恒雄)読売新聞グループ本社会長兼主筆か?」とたずねたが、小沢さんは「実名は差し控えたい」としたが、否定はしなかった



[引用おわり]

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自民党政府、学校給食費の児童手当からの強制徴収を可能とする法案を、2016年通常国会に提出か 

2015年08月18日 06時42分11秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 学校給食費を児童手当から強制的に天引きできる、児童手当法などの改正法案を、平成28年2016年の通常国会(おそらく第190回ないし第191回国会)に提出したい意向を、政府と与党・自民党が持っていることが分かりました。

 2015年8月18日付日経新聞3面が報じました。

 この報道を見て、筆者は初めて児童手当法(昭和46年5月27日法律73号)を読んでみました。

 その第22条の2で、「受給資格者が」「当該児童手当の支払いを受ける前に」「全部または一部を」「市町村」に寄付することができるとあります。そして、第22条の3は「市町村長は、受給資格者が、児童手当の支払いを受ける前に」「学校教育法に規定する学校給食費」について、「当該市町村に支払うべきものを支払いに充てる旨を申し出た場合には」「当該受給資格者に児童手当の支払いをする際に当該申出にかかる費用を徴収することができる」とあります。

 このように現行児童手当法では、受給権者が市町村に申し出て「給食費の天引き」を申請することができるようです。

 日経報道では「強制的に天引きする仕組み」とありますので、この辺の条項をいじくったうえで、第31条の罰則に追加するということになりそうです。

 児童手当法の所管官庁は厚生労働省、学校給食法の所管官庁は文部科学省。ただ、実施主体は基礎自治体(市町村)なので、法律案の執筆はさほど難しくないように思われます。

 日経記事によると、児童手当は月1人あたり1万5000円(以下)で、給食費は月5000円(以下)。このため、子どもの貧困に直面する、とくに、17人に1人の子どもが属する「ひとり親世帯」では、月1万円程度の児童手当にとどまり、 同世帯の平均年収が200万円前後ですので、可処分所得が年6万円減るピンチになります。

 日経記事では、給食費未納者は子供の100人に1人程度。ちなみに、筆者は昭和50年代、1980年代の東京下町の公立小学校に通いましたが、1学年92人中未納者は1人いました。これは、教室では誰も話さないけど、親たちは全員知っていました。なぜなら、保護者面談で先生が話すから。教職員にとっては大変な負担のようですが、当時すでに山の手に経済水準で逆転されていた下町でも100人に1人程度だったわけで、時が移ろい、バブル経済はかなたに行っても、100人に1人。ですから、景気による経済格差ではなく、どのような時代にも必ず子供の貧困は存在するということです。教職員の苦労は多としますが、子どもに罪はありません。

 100人に1人を扶助できないとしたら、自民党の国家観において、国家、政府、税金、自治体はなんのために存在するのでしょうか?

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