【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「アベノミクス結果がすべてだ」と小川敏夫さんが首相に言い返す 政権交代後の最初の参・予算委再び

2015年08月24日 19時04分45秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[写真]日経平均株価暴落を表現する電光ボードに見入る人々、2015年8月24日、東京駅・八重洲口方面、筆者(宮崎信行)撮影。

【平成27年2015年8月24日(月)参議院予算委員会】

 テレビ入り集中審議が開かれました。この時期と言っても、安倍首相が95日間の大延長国会(9月27日まで)を決めたのですから、当然です。

 民主党の小川敏夫さんが質問しました。なんか連日のように小川さんについて書いているように思えますが、242名の参議院ではがんばる人に仕事が集中しやすい傾向が顕著で、予算委員会の筆頭理事や、議院運営委員会、会派幹事長を何度も務めている小川さんに出番が回ってくるようです。

 小川さんのアベノミクス批判について、安倍晋三首相(自民党総裁)から「結果がすべて」と切り返されたのは記憶に新しいところです。これは議事録を見ると、平成25年2013年2月18日(月)なので、下野直後で民主党の傷心がいえないころ。ただ、異次元の金融緩和が始まったのはこの1か月半後ですから、マネタリーベースは、民主党時代と同じく「正常」だったころです。遠い昔です。

 さらに驚いたのですが、これは民主党下野後の最初の参議院予算委員会でした。

 きょうの小川さんは、「いよいよその兆候がはっきり表れた」と実質賃金の下げ幅の拡大、設備投資の低調、などを指摘。

 「結果がすべてではないか」と2年半経って言い返しました。

 安倍首相は「3本の矢でデフレではない状況を作り上げた」としました。小川さんが民主党政権下の白川日銀も金融緩和(2012年2月からの中長期的な物価安定の理解)をしていたことを示すと、安倍さんは「民主党政権の1%という弱々しい目標ではなく、自民党政権の2%で市場の空気は一変した。結果が示している」と再び言い返しました。総理が「結果がすべて」を再び言い返したのは、大人げない、子どもの喧嘩、横綱のダメ押しのようないやな感じがしました。

 GPIF理事長は、3月末で、日本株が占める割合が22%に達していることを明らかにしました。昨年10月の日銀の追加緩和と同じ日に、厚生年金の運用先の割合が日本株25%になり、そこから買い増しているので、上限に達した可能性があります。小川さんが問うと、「6月末の数字は8月末に分かる」として答弁を避けました。

 下に、2年半前の「小川・安倍問答」をすべてつけます。

【同日 衆議院情報監視審査会】

 非公開で催されました。

[2013年2月18日の「小川・安倍問答」を国会議事録検索データーベースから引用はじめ]

第183回国会 予算委員会 第2号

平成二十五年二月十八日(月曜日)
   午前九時開会
(中略)

○小川敏夫君 民主党の小川敏夫でございます。
 まずは、この参議院の予算委員会で安倍総理を再びお迎えいたしました。ようこそ再びと挨拶申し上げます。
 質問に入りますが、いわゆる三本の矢という金融政策、まず物価の点あるいは金融緩和の点についてお尋ねいたしますが、普通の私どもの気持ちとしますと、収入は上がっても物価が上がらないのが生活しやすいかなとも思うんですが、総理はまず物価を二%上げることを誘導すると言っておられます。なぜ物価を上げることが好ましいことなのか、そこのところを分かりやすく説明していただけますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は十五年間ずっとこのデフレが続いてきたわけでありまして、一番いいのは収入が上がって物価が下がっていくことが一番いいんですが、なかなか経済はそうならないというところに問題があるわけでありまして、このデフレ、十五年間の間に、物の値段は下がっていくんですが、残念ながら収入が下がっていく。
 なぜそうなるかといえば、デフレが続いていくということは実質金利が上がっていくということにもなりますから、企業は結局キャッシュでは持ちますが投資はしない、もちろん人材に対しても投資をしないという中で、物の値段が下がっていく中においては当然人件費を削っていかなければこれは売上げを確保することができない、つまり競争に勝てないということになっていきますから、そういう循環に入っていく中において、だんだんこれはもう将来物の値段は下がっていきますねという中でどんどん経済は縮小してきたわけであります。
 国民総収入においては五十兆円、むしろ国民の富は失われてしまったわけでありまして、これをなくしていくには今までの延長線上の政策ではできないという中において、思い切った大胆な金融緩和が必要であろうと。さらには、機動的な財政出動と、そしてそれを、成長を持続的可能にしていくためには、三本目の矢である成長戦略をしっかり進めていくことが必要であると、このように考えております。
○小川敏夫君 まずその金融緩和ですが、具体的には日銀による国債等の資産買入れということでございますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 野党の総裁時代には私は手段についてもお話をしていました。どういう手段を取って金融緩和を行っていくかということについてお話をしていた。それは、当然、国会の場に、今日も日銀の副総裁お越しでありますが、日銀の総裁を国会の場に呼んで、そこで手段も含めた政策、金融政策について議論をするわけでありまして、当時は野党の総裁でありますから、当然手段も含めて議論をするべきだろう、またそれはあってしかるべきなんだろうと、このように思っております。
 今は内閣総理大臣、行政府の長でありまして、その中においては、金融手段においてはこれは日本銀行に任せる、これは世界の中央銀行と政府の常識である中央銀行の独立の原則ではないかと、このように考えております。
○小川敏夫君 財務大臣にお尋ねしますが、やはり総理が言う、十五年続いた長いデフレに対して適切な対応をしなくてはならないということを総理がお話しになったわけですが、財務大臣も同じような気持ちですか。
○国務大臣(麻生太郎君) やはりデフレーションによる不況というのは、少なくとも昭和二十年、敗戦この方日本はやったことがありませんので、これまでいろいろな意味で未経験の部分というのをやってきたのがこの十五年間だと思っております、経験に習えませんので。したがって、我々は歴史から学ぶしかほかに方法がありません。
 したがって、歴史を見たときに、先ほど言われたような、総理から申し上げたような形で、この十五年間に学んだ経験から学習したことを計算していきますと、申し上げたような形で、三本の矢というのが我々の出した結論であります。
○小川敏夫君 余りちょっと具体的なことがなくて、分かったような分かりにくいような答弁だったんですが。
 今、三本の矢ということで、通称アベノミクスとも言って金融緩和等の政策をやっているわけですが、それだけデフレ対策というものがとりわけ大事であれば、これちょっと思いまして、麻生財務大臣が総理大臣の時代になぜデフレ対策やらなかったんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どものころとして、デフレ対策というものを私なりにやらせていただいた部分があります。
 例えばエコカー、エコポイント、いずれもあのころは多くの反対をいただきましたけれども、エコカー、エコポイントはいずれも、たしかあのときはエコポイント九千億円だったと、あっ、七千億円だったかな、だと記憶しますけれども、波及効果は四兆九千五百億というように出ましたので、そういった意味ではあのころもやらせていただいた部分もあります。
 なかなか全体としてそれをやり切るだけの力がありませんでしたので、残念ながらあのときは達成できませんでしたけれども、一部そういったことはやらせていただいたと思っております。
○小川敏夫君 エコポイントとかそういうのは消費喚起の一つの景気対策でしょうけれども、今、安倍総理が言っておられる金融緩和、まさに日銀による国債等の資産買入れ、これについては当時の麻生総理は全くやっておりませんですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 金融緩和というのは、御存じかと思いますが、これは大蔵省の仕事、政府の仕事ではなくて、これはいわゆる日本銀行が監督をしておられる部分であります。また、その前、金融緩和というのをやらせていただいた小泉内閣のとき、二十兆、三十兆の金融緩和をやりましたけれども、日本銀行がお金を緩和しても日銀当座預金に金がたまるだけで、それから先の実需につながっていかなかったのが歴史だったと思います。
○小川敏夫君 もう少し具体的に詰めていきますが、では、ちょっと聞き方を変えまして、政府、日本銀行の共同声明というものが出ておりますね。一月の二十二日ですか、今年にですね。そこで二%の物価目標と。日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で二%とすると、こういうことを政府との間で協定しておるわけです。
 ですから、先ほど総理は、全く政府は関与しない、日銀のことだというような趣旨の答弁をされたと思うんですが、実際には日銀との間で共同声明して協定を結んで、そのような方向に持っていくと、このようなことを政府としても宣言しておると思うんですが、そうじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど私が申し上げましたのは、手段についてはこれは中央銀行が決めることであります。そして、今までの内閣と違う、これは麻生政権とも第一次安倍政権とも違うんです。第一次安倍政権とも麻生政権とも違う金融政策に初めて今挑戦しているんですよ。それが大きな違いですね。
 それは何かといえば、我々は選挙によって選ばれた政府であります。選挙によって選ばれた政権が中央銀行に対して物価安定目標を示すんです。これが新しいんですね。そして、これはある意味においては国際社会の新しい言わば主流的な考え方と言ってもいいと思います。そして、今回は、我々は二%が妥当な物価安定目標だろう、こう考えました。そして、私自身はそう主張してきました。
 その中において、日本銀行と緊密な協議をする中において、最終的に日本銀行が日本銀行の判断として二%という言わば物価安定目標について定めることになったわけでございます。そこが極めて重要な分かりやすい違いだろうと、このように思います。
○小川敏夫君 何か総理の話を聞いていますと、じゃ、金融政策は日銀がやっていることで政府は具体的には何も関与していないかのようなお話なんですが。しかし、実際には、安倍総理は二%の物価目標ということを、高らかに掲げたことをやってきているわけで、今またその成果ということで大変に自信を持った発言を、趣旨でされていると思うんですが。
 では、ここでちょっとパネルを一つ示しますが、(資料提示)その政府と日本銀行の共同声明というものを受けて、これは日銀が示したこれからの金融緩和の方針。すなわち、ここで約束した上昇率で二%の物価目標、これを言わば達成するために今後このように国債等の基金を買い入れて積み上げていくという、こういう説明資料なんですが、日銀が、すなわち二%の物価目標を実現するための金融緩和策として国債をこうして買い入れていくということを言っておるわけですが、これについては、では安倍総理は、あるいは安倍政権は、全く日銀の独自の判断で全く関与していないと、こういうことを言っておられるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私としては分かりやすく御説明をしているつもりなんですが、言わば目的と手段、これは違いますよね。
 目的は、言わば目標については、私は選挙においても説明をしてきた。二%の物価安定目標を持たなければ、残念ながら、定めなければデフレから脱却できませんね。それは今までやってこなかったことであります。そして、我々は二%という目標を要求したわけです、ある意味においては。しかし、それは今の法制度では、日本銀行が了解しなければその目標ということを共通の認識にすることはできない。つまり、緊密な協議の中において、日本銀行が、ではやりましょうということになったわけでありまして、そして、それは中長期ではなくて、できるだけ早い時期にその目標に達するということまで了解していただいたわけであります。そして、その目標に向かってどういう手段を取るのか。いろんな手段がありますよ。その手段の中においてどれを取るかということは、それはまさに金融の専門家が集まっている中央銀行に決めていただく、これは世界の常識なんだろうと、このように思っております。
○小川敏夫君 総理の答弁の中で、いわゆる金融緩和あるいはデフレ対策を今までやってこなかったというような説明がありましたが、しかし、これを見てください。日銀による国債等の資産の買入れ、これは二〇一〇年、民主党政権時代に始まっておることなんです、二〇一〇年の十月に。そして、この一月には既に六十七兆円の基金が積み上がっていると。この政府と日銀との間の政策協定に基づいて日銀がこれから金融緩和を進めるというのは、これまで積み上がってきたこの基金、同じペースで更に続けますよというだけのことを示すためにこの表を出したんです。
 総理は、今までやってこなかった、それはすなわち民主党がやってこなかったということをおっしゃりたいんでしょうけれども、民主党の時代、二〇一〇年、日銀にこの国債の資産買入れということのデフレ政策、金融緩和というものは現に行っているというこの厳然たる事実があるんです。
 そして、安倍政権、政府と日銀との間で政策協定を結んで、これから日銀が金融緩和で何をやっていくかといったら、ただ単に同じようなペースで国債等の資産の買入れを継続していくと。継続すれば当然基金が積み上がると。そして、百十兆円まで基金が積み上がったら、そこからは基金を増やすことをしないで、減らすこともしないでいきましょうというのが日銀のこの金融緩和政策です。
 ですから、安倍総理、何か安倍総理は大変に大胆な二%の物価目標というデフレ対策、この金融緩和政策を始めたかのようにこれまでずっと喧伝されておりますけれども、この実質は、民主党政権時代、二〇一〇年からずっとやってきたことをただ単にそのまま続けていくということだけじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は別に、今私がやっていることが民主党政権時代と比べていいということを言っているのではないんです。そんな小さなことを言っているのではなくて、かつての安倍政権、第一次安倍政権も含めて、この十四、五年の金融政策と比べてどうかということを申し上げているわけであります。
 今の小川委員の御説明は日本銀行の説明と同じなんですね、ずっと私たちやってきましたよ。でも、結果が出ていないんですよ。なぜ十五年間出ていなかったのか。それは、やはりちゃんと物価安定目標を決めるということなんですよ。相当抵抗があった、日本の金融政策の主流派の考え方とは違ったんですから。
 しかし、そこに決めて、量でいうんではなくて、この物価安定目標に向けて金融政策を進めていく。今、小川委員がおっしゃった量ではなくて、しかも、その量を出していくときに、これは余り効きませんよ、効かないかもしれないし、金融政策によって残念ながらデフレから脱却できないという弱々しいやり方ではなくて、二%という目標に向けてあなたたちの責任でこれはやってくださいということを決めた。これは画期的な違いではないとは私は言えないのではないかと。私は元々謙虚な人間でありますから、ですから、こういうことは余り言わない方ではありますが、これは明らかに違う。違うからこそ市場が反応しているんだろうと、このように思います。
○小川敏夫君 目標を定めたことに大変な意義があったかのような御趣旨の答弁だったんですが、実は民主党も昨年の二月十四日、二%以下のプラス領域で当面一%のめどということでこの国債等の資産の買入れを行っておるわけです。二%以下のプラスの領域、当面一%のめどという目標を立てている。総理は二%の目標ということを立てている。目標を立てているということについては全く変わらないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、決して民主党政権の金融政策が間違っていたとか、そういうことを申し上げたいわけではないし、随分やっぱり皆さん頑張られたと思います。日本銀行に対しても働きかけをされたんだろうと私は思いますよ。それに対して日本銀行も、日本銀行の今までの考え方の延長線上で対応してこられた。しかし、それではうまくいかなかったのは事実であって、私は第一次安倍政権のときのことも反省して今度の政策を考えたわけであります。
 あのとき、二〇〇六年、量的緩和を途中でやめてしまった。それはデフレギャップが実際埋まってきたんですね。デフレギャップが埋まってきてしまった段階で、日本銀行というのはインフレを極めて恐れますから、そちら側に振れるのではないかと、インフレになってもいないにもかかわらず量的緩和をやめてしまった。
 ですから、あのときにもし二%という物価安定目標があったらやめていないんですよ。金融緩和をやめていないんですよ。ですから、だからこそ今回はこのターゲットを設けたということであります。これは、まあ申し訳ないんですけれども、民主党政権時代のあの一%を目途ということについて言えば、これは日本銀行の責任でやるのではなくて、日本銀行とあるいは政府で一緒にやっていきましょうという、そして、かつ、これはゴールであってターゲットではないんですね。日本語でも、目途であって目標ではないんですよ。つまり、今回は明確に日本銀行に責任として、責任が生じるんですよ。できるだけ早い時期に達成できなければ日本銀行の責任なんですよ。つまり、そこに大きな違いがある。
 今こうやって百の説明をするよりも、実際に市場が反応したかどうか、これが全てなんですね。そして、インフレ期待は事実上がってきているんですよ。インフレ期待は〇・七%上がってきた。ですから、そういう意味においては、これは明らかに政策的な効果は出てきていると言わざるを得ないと思います。
○小川敏夫君 まず、二%目標ということの意味をお尋ねしますが、これは物価が二%に上がる、二%に達するまでこの金融緩和政策、国債等の買入れを行うという金融政策を実行するのか、それとも二%に達するよりも前に、ああ、このままの勢いでいけば二%になるなというふうに読めたところでやめるのか。すなわち、私が言いたいのは、二%に達したところで金融政策をやめても、その経済の勢いの惰性がありますから、そうすると、二%の目標、二%に達したところで金融緩和をやめてもその効果が、遅効性といいますか、遅れて出てくるということからすれば、物価は二%では止まらない、更にその上に行ってしまうわけです。
 総理が言っている二%目標というのは、二%に達するまでこの日銀からの資金の供給を行うのか、二%に達することが見えた段階でそこでやめるのか、どちらなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、多くの国々で物価安定目標を導入をしています。イングランド銀行もそうですね。そして、FRBも、この物価安定目標だけではなくて雇用、六・五%というものも設定をしております。カナダもそうですし、あるいはまた欧州銀行もそう言ってもいいと思います。そして、豪州もそうですね。そういう多くの中央銀行と同じような常識的な手段だと私は思っているわけであります。その中で様々な手段を中央銀行が取っていくわけでありますが、この二%ゴールという考え方においては基本的にそのゴールに達するまでについて金融緩和を続けていくということなんですが、その近傍においてはどう判断をしていくかというのは、これはもう専門家のやっていくことではないかと、このように思います。
 付け加えて言いますと、物価安定目標というのは、どんどん物価を上げていくのではなくて、まさに物価を安定する、つまり二%にすることが目標ですから、二%を超えて五、六、七、八と上がっていくということのないようにする目的でもあるんですね、一方。つまり、二%で抑えるという意味もありますから。そこはまさに専門家に任せることであって、これができなければ中央銀行の存在意義は私はないと思いますよ。だからこそ日本銀行があって、その知見を生かしてその近傍で推移するように努力をしていただきたい、その結果を出していただきたいと、こういうことであります。
○小川敏夫君 つまり、私が言っているのは、二%に達するまで国債の、要するに日銀による資金供給を継続すれば、二%に達したところで継続をやめても物価は更に勢いがあるから上がってしまうでしょうと言っているわけで。
 ですから、安倍総理が言われるように、二%をどんどん上がっていくようなことにはしないと、二%に達することが目標だと言うと。二%に達するよりも前に、もう物価が上がって勢いが見えて、このままいけば二%に達するなという段階で、この日銀による資産買入れはやめなくてはいけないですねということを聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その判断をするのは、私ではなくて日本銀行なんですね。つまり、二%という物価安定目標を掲げました、ですから、それで安定するような手段を選んで、そして、それは事前に予測することも必要でしょう、そういう判断をちゃんとやってくださいねということであります。
 付け加えて言いますと、今まで日本銀行は、言わばこのデフレから脱却するということを考えていながら、そのかなり手前で、手前で政策を変えてきたという批判があることも事実ですね。そういうことも、経験を生かしながら、しっかりと今後は二%という物価安定目標に一日も早く到達をしていただきたい。そして、まだそこ到達をしていないんですから、その先のことを心配するよりも、まずそこに到達をすることが大切ではないのかなと、私はこのように思います。
○小川敏夫君 民主党は、二%以下のプラスの領域、当面一%のめどと、きちんと、総理が言っているように、目標を掲げておるわけでして、ここに行くまでは金融緩和をするというのが政策でありました。
 なぜこの一%めどで二%以下のプラスの領域かというと、二%を超えないようにするためには、二%を目標にしたら、二%に行くまでこの資金供給をやったら、物価は必ずそれより上に行ってしまうと。だから、二%程度に収めるために、当面一%のめどの日銀による資金供給をするんだと言っておるわけです。
 ですから、安倍総理が二%を目標、目標と言うけれども、それはそのときの時々の判断で、日銀の判断、責任で二%を超えないように、しかし二%を達成するようにというんだったら、民主党の掲げていた政策と全く変わらないじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 誠に申し訳ないのですが、残念ながら、民主党のあの掲げた政策は結果を生まなかったんですね。全く結果を生まなかったと言ってもいい。だって、今だってデフレのままじゃありませんか。市場も反応しなかった。
 あのとき、どうですか、皆さん。デフレは続いて、そして円高は進んで、七十円台まで行ったじゃないですか。円高はデフレを助長しますよね。そして、株価はどんどん低迷をしていった。年金だって株式市場で一部は運用していますね。運用損が出てきている。こういう状況だったんですよ。そして、一%というところで、そして、ああいう弱々しい、申し訳ないのですが、ああいう政府と日本銀行の間の取決めであっては、残念ながら、これは反応しなかったんですよ。
 一%のはるか手前で言わば政策をまた変更してしまうのではないか、今の小川さんの理論からすればですよ、インフレを恐れてデフレから脱却する前にまた政策を変更してしまうのではないかということになれば、結局、残念ながら、全くこれは政策的影響力を持たなかったというのが、そこから、やっぱりうまくいかなかったというところから反省する必要があるんですよ。ですから、私も第一次安倍政権のときの反省から、今回、新しい金融政策を大胆に挑戦するべきだと、このように考えたわけであります。
○小川敏夫君 このデフレ脱却、インフレを、要するに物価を上昇するというのは、これは日銀によるこの基金の積み上げ、資金の供給を始めたらすぐにぱんと反応して上がるというものじゃありません。やはり少しずつじわりじわりとそれが浸透していって、その効果がじわりじわりと出てくるというのがこの大きな経済の中の政策であります。
 今、この資料の「消費者物価と需給ギャップ」、これを見てください。〇九年のときに大きく下げておりましたが、しかし、二〇一〇年、一一年、そして一二年、緩やかな形で物価は下落からプラス局面に入っております。
 ですから、全然効果がなかったじゃないですかということではなくて、経済というもの、急激な変化よりも着実に、様々な経済状況と合わせて着実に改善していくということからすれば、きちんとこのデフレは改善する流れにあったんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時政権を担っておられたから、そう思いたいという気持ちは分かりますが、しかし、残念ながら、それは国民的にも共有されていないんだろうと思いますね。
 様々な経済指標が一月になって上向きになりました。消費態度指数においても、二〇〇四年に取り始めて以来最高の伸びを示したのがこの一月でございます。もちろん、その間、皆さんが努力をしなかったと言うつもりは全くありません。努力をしてもうまく結果に結び付かない場合もあります。
 ですから、大切なことは、政府としての意思をクリアにちゃんと示すことができるかということと、やはり日本銀行がこれは政策の変更を行ったということが明確に伝わったということが重要なポイントではなかったかと思います。
○小川敏夫君 日本銀行が政策を変更したと言うけど、さっきの表を見ていただきましたよね。日本銀行は別に政策は変更していないんで、民主党政権時代から続けていたこの国債等の資産買入れを更に継続していくということであって、別に何も政策は変わっておりません。
 ところで、また聞き方を変えますが、金融緩和をする、そうすると物価は上がるということなんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 金融緩和をしていけば、そして正しい政策手段を中央銀行が取っていけば、この二%に向かって物価は上がっていくということだと思います。
○小川敏夫君 これは資料の二を是非見ていただきたいんですが、一九八五年、この年にいわゆるプラザ合意がありまして急激な円高になりました。そこで、日銀は大胆な金融緩和を重ねて行いました。しかし、日銀が大胆な金融緩和をしても、八六、八七年、八八年、それ以前に比べて物価の上昇率は下がっております。当時のバブルの時代ですが、過剰流動性といって、まさに実体経済よりも資金が過剰に出回っていた。
 しかし、この時代、三年間、物価は上がっていなかったという、こういう一つの経験があるんですが、金融緩和をすれば物価は上がるんだという総理のお考えとは、説明とはちょっと違う現象が起きているんですが、これについてはどう思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時は物価安定目標は設けておりません。今回は物価安定目標を設定をしたということであります。
 残念ながら、当時も物価安定目標の議論はあったわけでありますが、当時もそれは金融政策の中において主流派の意見とはなり得なかった。つい最近まではそうなんですね。それは、我々が言い出すまではそうだった。今度は物価安定目標を設定をいたしました。そして、ECBにおいてもFRBにおいてもイングランド銀行においてもそうなんですが、物価安定目標を設けることによって彼らに責任が生じます。
 これは責任が生じるというところがポイントなんですよ。天気予報みたいに、これは一週間後の天気はこうですよではなくて、こうしますよ、これが大きな違いなんですね。予測を述べてもらうのではなくて、評論家的に、これは責任を持ってやっていただこうと、こういうことであろうと思います。
○小川敏夫君 そうすると、要するに、政策は同じであっても、政府が、総理が強い決意を示せば、その決意によって、心理的効果が大きいから、それによって市場は反応するでしょうということであって、政策の中身が同じであっても政府が強い姿勢を示せばいいんだと、こういうことになるわけですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、まず政策の目標を置いたわけですから、全然これは違うわけですね。
 つまり、先ほど私は二〇〇六年の話をいたしました。二〇〇〇年もそうなんですが、ゼロ金利をやめてしまったとき、あれは効果を上げていたにもかかわらず、それをやめてしまった。なぜかといえば、物価安定目標がなかったからなんですよ。二〇〇六年もそうですね、物価安定目標がなかったからこれをやめてしまった。それはみんな分かっていることなんですね。ですから、今度は物価安定目標があるから、この物価安定目標に向かって進んでいくなということであります。
 と同時に、同時に、やはり経済はちゃんと政策を、まあこれは政策変更、政策としても変更しましたよ。と同時に、同時に、経済における心理、期待値、これは実は極めて大きいんですね。エール大学の浜田教授も言っておられるように、つまり、しっかりと期待値を持たせることができるかどうか、つまり、それはインフレ期待に変わるかどうかということなんですね。そのインフレ期待に変わるかどうか、これはまさに期待値、これは心理であります。今回はその理論が現実に証明されたのではないかなと、このように思います。
○小川敏夫君 物価安定目標、物価安定、安定と言うけど、安定じゃなくて物価上昇目標ですよね、インフレ目標ですから。安定というと何か全然変わらないように思うんだけど、安定的に物価を上げるという目標ですね。
 ただ、目標を掲げるということ自体に意義があるんであれば、民主党も一%、二%以内の一%ということで目標を挙げておったわけですから、目標を挙げることが意義があるんだったらそれは差はないわけでして。そうすると、何が違うのかというと、民主党の方は、着実に政策は行っていたけど、それに対するアピールが少し下手だった、弱かったと。総理の方は、民主党とやっていることは全く同じ政策を続けているんだけど、その期待値を持たせるアピールばっかり大変に上手だったと、こういうことになるんですかね。
 そうすると、私は、総理がやっているのは、アベノミクスじゃなくてアベノマジックじゃないですか。言葉だけで国民にあたかもそうであるかのような期待を持たせているだけで、実態の政策は全くこれまでと変わっていないと、こういうふうに思うから、私は、総理、あなたの言葉のマジックだからアベノマジックだと、こういうふうに申し上げたいんですが、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 金融政策について何度も話をさせていただきますが、二%という物価安定目標ですから、つまりそれを振り切ってどんどん物価が上昇していくということにはしないということなんですね。
 よくハイパーインフレという言葉が出てきますが、物価安定目標を設定した国でハイパーインフレになった国は一つもありません。これは当たり前なんですね。つまり、二%に目指して金融緩和を進めていきますが、これを超えてどんどん行けば逆に引き締めて、この二%にするということについても、これは責任を負うということは、それよりもずっと下では駄目だし、これをどんどん超えていっても駄目ということであります。
 そこで、大切なことは、申し訳ないんですが、民主党政権のときの一%、結果が出なかったのは事実ですから、そこからやっぱり何か酌み取っていくことが人間というのは大切ではないのかなと、このように思います。
○小川敏夫君 ですから、民主党政権の時代のこの政策で着実にデフレは解消に向かっておったわけです。ただ、総理ほどアピールが上手ではなかったから、総理がアピールがうまいから何か変わるかなという期待で上がっているんじゃないかとは思うんですが。
 取りあえず、また話をバブルのころに戻しますが、非常に大きな金融緩和、まさに過剰流動性といったわけですが、物価は上がらない、消費者物価は上がらない、しかしその過剰な資金はどこに向かったか、株と不動産が上がっただけです。株がまさに暴騰して、まさにバブル、実体以上に上昇して、それがはじけて日本は大変苦しい困難な経済状況に陥っている。同じような現象が起きることはないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時の問題点は、株価ではなくて地価がどんどん高騰したことですね。つまり、お金が投資先として地価に行ってしまった。で、投機になっていくんですね。この地価がどんどん上がっていくことの問題点は、国民の皆さんが住む場所を得よう、家を得ようとしても、その所得をはるかに超えてしまったというところに問題があったわけでありまして、まさにこの実体経済において大きな問題が出てきた。我々はその経験をしていますから、もちろん今度の金融政策、財政政策においてもそうしたことに目配りをしていく必要は当然あるんだろうと思います。
 同時に、株価の上昇あるいは下降について一々私はコメントすることは差し控えますが、しかし、株式市場において株価が上がっていくということについては、これは企業はみんな株を保有をしています。企業の財務内容は言わば健全化をしていく、あるいは財務体質も強くなっていくわけでありますし、それは新しい投資にもつながっていくでしょうし、場合によってはまたこれは給与という形になっていく可能性もあります。
 何回も申し上げますように、例えば年金についても、これは一部は株式市場で運用をしています。経済が成長して、そもそも年金の設計自体がある程度の緩やかなインフレを前提としております。つまり、そうしたことによって、経済は、市場経済はうまくいい循環に進んでいくんだろうと、このように思います。
○小川敏夫君 総理は、例えば衆議院での質疑においても、貨幣現象だと。だから、日銀が金融を緩和して資金が供給されれば、供給量が増加すれば、貨幣現象だから物価は上がるんだと、このように言っておりました。ただ、このバブル期のころに学んだ一つの経験は、資金が過剰に供給されても物価は上がらない、上がったのは株と不動産だけだ、こういう現象になっておるわけです。
 ですから、私は総理に聞いておるわけです。資金の供給を増やせば、日銀が多量に資金を供給すれば物価は上がるという総理のこの基本的な考え方が、過去の事例からいうと必ずしも正しくはないんではないかと、こういうふうに思っているわけですが、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) デフレは貨幣現象であると、そして、それに対しては金融緩和が有効であるということは、ノーベル経済学賞を取ったスティグリッツ教授もクルーグマン教授もジェフリー・サックス教授もそう述べているわけであって、私の経済政策を評価をしていただいています。IMFのラガルド専務理事もこの日本の取っている政策を支持をしています。それによって日本がデフレから脱却をしていくであろうことに期待を寄せているわけであって、そういう結果を出していきたいと、このように思っています。
○小川敏夫君 何か私の質問には全然答えていないんですがね。
 要するに、日銀が資金を、供給量を増やせば物価が上がるというふうに総理は説明してこられたと思うんですが、その説明のとおり上がるんですかと聞いておるわけです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本銀行に今責任を負ってもらっています、二%という物価目標についてですね。それに一日も早く到達するようにということを今我々、共同声明で出しているわけであります。
 まだあれから一か月、大体一か月ですか、一か月たとうとしているわけでありますが、しかし、実際にもう既に、私も前から申し上げてきたように、金融緩和をすると、それはまず最初に為替と株式市場において、株価において反応を示してきますよと、その上において言わば製造業を中心に利益が上がってくると、そして、その中において投資も増えていくし、あるいは最終的には給与が上がっていくという中において物価は上昇していく。今、最初の入口でありますから、だんだん、見ていただければ、結果が、ああ出てきたなということは御理解いただけるんだろうと、このように思います。
○小川敏夫君 一つ、一昨日でしたかね、新聞記事にこういうのがありました。ジョージ・ソロスというヘッジファンドが円安に賭けて約一千億円に近い利益を上げたと。すなわち、総理のその大変強い意気込みを示した発言は、結局そうした相場に対して一つの言わば勝負の場を与えただけであって、これが実際に実体経済に回っていくかどうか、それはまだ何の実績も出ていない、これからなんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、私が福島を訪問した際、八王子から福島の呼びかけに応じて工場を造った企業の社長さんとお話をしました。
 彼は、私は為替の水準がどこがいいと言うつもりはありませんよ、彼は、もし九十円を超えていけばもう二つラインを増やしたいと思っている、それによって被災地の人たちをもっともっとたくさん雇用できる、安倍さんの政策、どんどん進めてください、そう言っていただきました。
 そういう現象はここだけではないのかなと思いますね。例えば、あのローソンも働き盛りの人たちに対する賃金を上げるという決断をしてくれました。九州にもそういう企業があるそうであります。これはジョージ・ソロスをもうけさせただけではもちろんないことは、これはもう国民の皆さんがよく御存じなんだろうなと、このように思います。
○小川敏夫君 余り観念的な議論で時間を費やしてもとは思いますが、ただ、要するに、安倍総理、新政権の強い決意というもの、総理の発信力というものは、表現力というものはなかなかのものだから、そしてそれに反応して円安になり株式市場が上がったというその部分だけは、今そういう現象が起きているということは、それは事実ですから正しく評価しましょう。
 ただ、問題は、この円安が継続するのかどうか。例えば、民主党が、過去の例として、日銀による資産買入れを行いました。そのときに円安になりました。しかし、その後の状況は、やはりまたじりじりと円高に戻されてしまったと、こういう過去の経験がありました。
 すなわち、やはり実体経済というもの、これを良くしていかないで金融政策だけで物事を変えようとしても、やはり一時的にはいい現象が起こるかもしれないが、しかしやはり本来の経済の実態の姿に戻っていってしまうのではないかと、このように思うわけでありますから、そうすると、今現実に円安になって株が上がったということ、それは評価しましょう。しかし、それが今後継続していくのかどうか、これはこれからの政策の在り方だと思うのであります。
 質問を変えますが、余り時間がなくなってきたので端的にお伺いしますが、例えば大幅な公共投資というものを今打ち出しております。ただ、私が議員になった後でも、例えば小渕政権、大変大きな公共投資、国債を発行して行いました。最近では麻生総理の時代にも行っております。
 公共投資は、それだけの投資をして工事を行うんですから効果がありますが、しかし、そのお金を使っている間に効果があって、その後は持続しない。一方で、その公共投資を行うために積み上げたこの国債という借金は、これは積み上がって、六十年で返済するわけですから、借金ばかりが膨れ上がってしまうと。こういうことで、今大変困難なこの国の財政状況を抱えておるわけです。
 この国の財政状況、これについてどのように取り組んでいこうと、解消していこうというお気持ちですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今、小川委員が指摘をされた問題点、これは我々も共有をしております。
 例えば、小渕政権以来、累次の公共投資で需要をつくってきたわけでありますが、それは景気の底割れを防ぐという効果はあったと思うわけでありますし、何といっても日本の場合は四月の新規採用、このチャンスを失うとなかなか就職の機会がないんですね。これは欧米と違う点でありまして、だからこそ我々は失業率が上昇しないように大変それは気を付けてきたわけでございます。
 つまり、景気が底割れをして失業率がもし一〇%を超えていくようなことがあったら、つまり新卒のときに、十八歳、二十二歳、二十三歳で機会を失ったらずっとなかなか日本は就職をする機会がありませんから、我々は殊更やはりこの景気の底割れは避けなければいけないということでやってきたわけであります。
 いずれにせよ、我々は、財政の健全化ということについては、プライマリーバランスの黒字化を目指していくということにおいて、二〇一五年に一〇年比の半減を目指していく、そしてさらには二〇年にプライマリーバランスを黒字化するという目標に向けてしっかりと政策を進めていきたいと思っております。
○小川敏夫君 財政立て直しに向けてプライマリーバランスを実現しなくてはならないという、そのお気持ちは伺いましたが、じゃ、どうやって実現していくというふうに考えているんですか。
○国務大臣(甘利明君) IMFも指摘していますとおり、今必要なことは、短期的には景気刺激、中長期的には財政の再建の道筋を描くことだというふうなことが言われています。
 私どもは、補正予算を通じて、短期的には景気刺激を取りました。ただし、その景気刺激は、先ほど来委員御指摘のとおり、単発的なものではなくて、それから先の民需につなげていくような工夫をしているわけであります。そして、成長戦略で民需主導の経済に持っていくと。
 財政的には、短期的には景気刺激を取りますけれども、中長期的には再建目標を掲げて、一五年で半減、二〇年で黒字化、これは民主党政権時代からの目標を我々もしっかり受け継いで、それに対しての中長期のプランを提示をしてまいります。
○小川敏夫君 いや、だから、目指します、目指します、中長期プランを設定しますというんじゃ何にも答えていないんで、どうやってこの財政の立て直しをやるんだという、その具体的な対策の中身を聞いておるんです。総理に聞いています。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に今、甘利大臣から御説明をさせていただきましたが、財政を再建していく上においては、まず歳出を適正化をしていく、なるべく無駄遣いをなくしていく、これはちゃんとやっていきます。
 同時に、収入を増やしていくということですね。収入を増やしていくためには、まず税収を上げなければいけません。税収を上げる上においては、一つは増税を図っていく。これは、来年の消費税を五から八に上げ、そして更に再来年一〇%に上げていきます。これ、伸びていく社会保障費あるいは子育てへの対応にしっかりと税収を確保するためであります。
 同時に、やはり経済を成長させていくことによって税収を増やしていくことができます。そのためには、何といってもデフレ下では税収を増やしていくことは難しい。だからこそ、我々は、デフレから脱却をしていく、かつ成長戦略を実施していくことによって経済を成長させ、そして税収を増やしていきます。
○小川敏夫君 どうも抽象的なお話ばかりで、話を聞いていると、これでこの財政の危機が解消されるという実感は全く感じないんですけれどもね。
 例えば、総理がおっしゃっている三本の矢、私は大変重要な点が一つ欠けていると思うんですよ。つまり、総理は、入ってくることばかりですね、景気を良くして収入を増やすんだ、増やすんだと言うけれども、一方で歳出の方、これを、無駄なものは削減するという、歳出を抑制するあるいはカットする、無駄なものは使わないというこの観点、あるいは行政改革、無駄を生んでいるような機構の行政改革というものが総理の政策の中には入っていないんですよね。
(後略)

[引用おわり]

  


おめでとうございます、羽田孜先生がきょう80歳。読売がついに「民主党は政権担当能力」と報道。 

2015年08月24日 07時36分28秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして

[写真]羽田孜先生(右)と岡田克也さん(左)、岡田かつや後援会発行の討議資料「岡田かつやの歩み」から。

 きのうのアクセス数が529IPまで減ってしまいました。きょうからブログランキングに参加しました。ぜひ読まなくてもいいですから、1日1回、「宮崎信行の国会傍聴記」にアクセスしてくださいますよう、お願いします。

 ◇

 憲政史上最大の英雄、羽田孜先生が、きょうで80歳になりました。おめでとうございます。

 ご家族によりますと、「静かな余生を暮しております」とのことです。

 きのう23日付読売新聞4面では、小見出しながら、民主党を「政権担当能力を示す」。

 現実主義の読売新聞ですので、「民主党が政権担当能力がないと日本国が永続しない」という政権交代ある二大政党政治の必要性にようやく気づいてくれた証左でしょう。

 




[写真]「民主党が政権担当能力を示す」と報じた、2015年8月23日付読売新聞4面、筆者(宮崎信行)撮影。

 英国のリーディングペーパー「ザ・タイムズ」はほぼ毎日1・2面に、最大野党(The Opposition)の記事が載ります。


[写真]2015年5月12日付ザ・タイムズ1面、筆者(宮崎信行)撮影。

 敗れ去れりし、エド・ミリバンド【前】党首(前ネクスト首相)にも、このようにやさしい報道。1部230円というけっして安い新聞ではないので、二大政党の記事を1・2面にかならず網羅しないと、どちらかの党員の購読が見込めなくなってしまうのでしょう。ちなみに、衆議院委員会の報道は、日本と違って皆無ですから、必ずしも政治報道が日本より手厚いわけではありません。

 そして、二大政党党首として、政権交代ある政治の先頭に立つ、羽田孜先生の愛弟子、岡田克也さん。


[画像]定例記者会見にのぞむ民主党代表(ネクスト総理)の岡田克也さん、2015年8月21日(金)、民主党本部内、民主党YouTubeチャンネルからスクリーンショット。

 

[写真]同、同日、同所、筆者(宮崎信行)撮影。

 ご覧のように国会外では議員バッジを外す羽田孜先生をの教えを続ける、岡田克也さん。

 議員バッジを外したからと言って国会議員を辞めるわけではありません。少数精鋭の岡田秘書軍団がひやりとします。

 そうではなく、羽田先生の「人と話すときにこれほど邪魔なものはない」と、国会外では議員バッジを外すことにしているのです。

 民主党ですが、閣僚未経験のまま、65歳以上になった議員が6名います。人ですから、政権交代まで待てなくなるかもしれません。しかし急いてはいけません。しっかりと、岡田民主党のもと、政権交代できるまで衆議院選挙で一丸になる。

 内紛続きに嫌気がさされ、下野した民主党。

 すべての民主党国会議員が心すべきは、第80代羽田首相が退任記者会見で語った言葉です。「みんなが羽田孜ぐらい虚心になれば日本の政治はもっとよくなる。もう政局はやめにしよう」 。岡田克也代表の下、一丸になることが、宮澤解散以来22年以上続く、政治改革の完成につながります。すべては第48回衆議院議員総選挙の国民の審判にゆだねるしかありません。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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