[画像]ドローン規制法案で質疑する、本村賢太郎さん、2015年8月26日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【平成27年2015年8月25日(水)衆議院国土交通委員会】
「ドローン、無人航空機を規制する航空法改正案」(189閣法75号)が自公民維共の全会一致で可決しました。あすの本会議で可決し参議院へ。会期内成立は確実で、公布から3か月以内に施行へ。
法案審査では、国交省航空局長が「とりあえず交通整理のために緊急に整備した法案です」とし、官邸ドローン事件を受けての提出だとしました。大延長国会(6月25日から9月27日まで)で、政府が提出した唯一の法案です。ただ、法案審査では、規制よりも今後の産業振興への質疑が相次ぎました。
面白かったのは、秘書経験もある民主党の本村賢太郎さん(神奈川14区比例、2期)の質問。
「きょうは、国交省、農水省、警察庁に来ていただいております。それぞれ、無人飛行機(ドローン)はどのように活用していて、どのような課題があり、どのように展開していくのか答弁してほしい」としました。
●ドローンをめぐって、はやくも省益争いーー
何度も答弁席に立っているのに、航空局長は「まずは、国交省からお答えさせていただきます」と張り切り、「測量、定期点検に活用しており、今後は離島への物資の補給など多用途で活用したい」としました。この後、農水省官房は、「水稲の農薬散布として昨年5万ヘクタールで使っており、今後は農作物の生育調査にも使いたい。省でガイドラインを定め、独立行政法人農林水産航空協会に検討会を設けており、農水省としても同協会に協力してきたい」と答弁しました。警察庁は「長野県警が御嶽山の捜索や、交通事故現場の鑑識に使っている。災害現場の情報収集や、行方不明者の捜索に使っていきたい」と答弁しました。国交省と農水省は目を合わすことがなかったようです。
法案審査と国政調査の2本立てとなっている、日本の国会の常任委員会のメリットを本村さんが活用したわけですが、官僚も国益を見すえて仕事をしてほしい。
法案は、家屋密集地や、日没後のドローン飛行を規制しており、罰金刑になる場合もあります。これとは別に、皇居・官邸・国会・原発上空のドローン禁止法案も議員立法で出ており、衆議院を通過し、参議院で審議待ちとなっています。
【同日 衆議院法務委員会】
「矯正医官の兼職とフレックスタイムの特例法案」(189閣法60号、参先議)が全会一致で可決しました。あす成立、来週公布、3か月以内に施行のはこび。
質疑では、上川陽子法相が「受刑者のみなさん」という表現をし、「矯正医官の中には、子どものどこで働いているか言えない、という人もいるようだ」と矯正施設に対する配慮をにじませ、好感が持てました。
【同日 衆議院農林水産委員会】
まず、一般質疑。
そして、「独立行政法人改革のための農林水産省設置法改正案」(189閣法32号)が趣旨説明され、散会しました。
【同日 衆議院厚生労働委員会】
確定拠出の法案は審議せず、「漏れた年金」の第三者委員会報告書に対する一般質疑がありました。
【同日 参議院厚生労働委員会】
「労働者派遣法改悪法案」(189閣法43号)の参考人質疑。
2012年改正にかかわった、福島みずほ理事は、「法案の9月1日施行はもう無理だから廃案にすべし」としながらも、「前回改正に関わった者として、10月1日のみなし雇用措置を一度発動させたい」と語りました。仮に「9月30日施行」に修正されるとそれはかないません。ただ、みなし雇用措置から逆算した労働市場の変化はすでに出ているとされています。今後、施行日を10月1日以降にずらすという与野党の攻防がなされるかもしれません。いずれにせよ、9月1日施行は阻止できる可能性が高まりつつあります。
【同日 参議院わが国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】
「2015年日米防衛協力ガイドラインの国内実施の安保2法案」(189閣法72号、189閣法73号)。
自民党の高橋克法さんは「現行周辺事態法でも核兵器は輸送できる」とし、「なぜ民主党政権は周辺事態法を改正して核兵器を輸送できないようにしなかったのか」と問いました。防衛省も「そのような動きがあったとは承知していない」と、民主党政権時に周辺事態法の機運を聞いたことはないとしました。今次改正法案では、周辺事態法改め重要影響事態法とするのであり、周辺事態の概念を削除するものですから、高橋議員の批判はまったくお門違いです。
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