【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

特定秘密保護法で死闘の前川清成「これが法の支配だ」大野元裕「秘密の情監審の非開示質す」

2016年01月07日 16時34分36秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年1月7日(木)参議院本会議】

 初日の安倍首相と麻生財務相の演説に対する代表質問が行われました。参議院にとって、今年のNHK国会中継第1回。

 トップバッターは民主党の前川清成さん。2年間、「参議院の学級委員長」である議院運営委員会野党側筆頭理事をつとめ、特定秘密保護法と安保法で死闘を繰り広げました。もちろん政治は数がすべてですから成立してしまいましたが、その最前線には前川さんがいました。7月の参院選では奈良選挙区の定数1での厳しいたたかいにのぞみます。人間の欲望の最もみにくい姿である「サラ金退治」を弁護士としても、国会議員としても公然と主張し、議事でたたかう、前川さんが必ず再選できる日本であってほしいと切に願います。さりげなく書くつもりのことを、年の初めに堰を切ったように書いてしまいました。

 本会議場。

 前川さんは「安倍総理は憲法と法の支配に不誠実ではないか」と語りかけました。「私はその立場に立ちませんが、集団的自衛権が必要なら憲法を改正すべきでした。国会で議論を尽くした後、主権者である国民の国民投票を仰ぎ、国民もまた集団的自衛権が必要との判断を示したなら、改正された新しい憲法の下で、安保法案を提出する。

 これが法の支配です」「総理、順番が間違っていたと思いませんか」。

 補正予算案については、「低所得高齢者への3万円の給付は、一度限りのバラマキ。麻生内閣の2兆円の定額給付金(平成20年度第2次補正予算)は、そのうち25%しか消費に回らず、個人消費を0・2%押し上げただけで、2階から目薬どころか、太平洋に目薬だ」。「財政法29条は特に緊急に必要な経費を支出するときに補正予算案を編成することにしているが、大急ぎで5月、6月にばらまくのは、7月の参院選対策ですか」としました。

 安倍首相は、3万円の給付金は、臨時福祉給付金(3党合意の簡素な現金給付)の前倒しであり、党首討論で当時の民主党代表が提案したものだとの詭弁を弄し、「民主党の提案は天に唾するところか、天にブーメランを投げている」と揶揄しました。これは前日に、岡田克也代表に対しても同じことを言いました。

 埼玉選挙区で改選を迎える、大野元裕さんは「特定秘密保護法にもとづく政府の特定秘密文書管理簿を、(改正国会法にもとづく)参議院情報監視審査会の委員として審議しています。複数の委員から、そのうち、NSC(国家安全保障会議事務局)と警察庁の文書おのおの1件ずつを(委員のみに)開示すべきだとする要求の動議を与党は否決しました。政府与党は結託して秘密を開示しないようにしているのではないか」としました。さらに「臨時国会召集要求書にもとづく国会を召集せず、特定秘密を開示しない」自民党政府の情報隠ぺい姿勢を批判しました。

 日本共産党の井上哲士さんは「経団連が防衛装備庁による武器輸出を拡大する提言書を自民党政府に提出しました」「企業が政治献金をして政策を金で捻じ曲げている。自民党は政治献金を受け取らず、企業に対して内部留保を賃金に回させたらどうか」としました。安倍首相は「政治献金は(平成14年改正政治資金規正法で)政党(本部と支部)に限られています。問題はお金で政策を捻じ曲げようという行為です」と寄付者に責任を押し付けました。武器輸出については「国家戦略として積極的に輸出するわけではなく紛争当事国などには輸出しません」としました。武器輸出(防衛装備品移転)に関しては、現時点で安倍首相の認識はある程度うなづけるように、私は思います。

 山崎議長は代表質問の終局を宣言して、散会しました。

【同日 衆議院予算委員会】

 別エントリー記事とも内容が重複しますが、補正予算案(平成27年度第1次補正予算案)の趣旨説明があり、麻生財務大臣が「3・5兆円を追加して1億総活躍社会をつくる」と全閣僚の前で演説しました。

【同日 参議院予算委員会】

 理事の補欠専任などだけで散会しました。衆・予よりも先に開かれ、数分で散会しました。

【同日 衆議院議院運営委員会】

 午前11時から開かれ、国会同意人事のうち、会計検査院の検査官(3人いる中の1人)の候補として政府から示された、柳麻里(小林麻里)前検査官から就任(再就任)に向けた所信を聴き、民主党の福島伸享さんらが質疑しました。きょう現在の民間人の身分にかかわるので、秘密会で行われました。

【同日 参議院議院運営委員会】

 午前9時40分頃からまず、本会議の段取りなどを話し合いました。この後、午後2時30分に再開。政府から示された柳麻里(小林麻里)検査官候補から所信を聴きました。柳さんは「早稲田大学を卒業して、東京富士短期大学などで教えました」と自己紹介。会計検査院の果たすべき役割を説明した後、「検査官として前回2年4か月間使命を果たしてきました」 と実績をアピールして、(再度の)就任への決意を示しました。この、委員会再開から所信表明まではインターネット中継されました。これは8年前、西岡武夫委員長(民主党、議長を経て、逝去)の改革として始まった試みです。中継終了後は、秘密会となり、きょう現在は私人である、柳さんへの質疑が行われたものと思われます。

【同日 参議院国家基本政策委員会】

 北澤俊美委員長が就任あいさつ。党首討論の時に、前の方でテレビに映る、理事には、小川敏夫さん(今夏東京選挙区で改選)、羽田雄一郎さん(非改選)らが就任しました。衆側との合同審査会の開催の委員長一任をとりつけて散会しました。

【同日】 参議院懲罰委員会】

 直嶋正行さん(民主党=自動車総連・全トヨタ労連)が委員長に就任あいさつ。理事を決めて、散会しました。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

[お知らせはじめ]

この無料ブログ(goo)のほかに、有料版の宮崎信行の今後の政治日程(有料版)レジまぐ)を発行しています。購読料は、月864円(税込)。購読方法は「レジまぐ」(メディア・インデックス社)まで。

「国会傍聴取材支援基金」で、日本唯一の国会傍聴ブログにご協力ください。

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

郵便局(ゆうちょ銀行)の口座から、毎月自動送金できます。手数料毎月123円です。通帳、印鑑、名前を確認できるものの3点セットで、郵便局の窓口でお手続きください。 

このブログは次の下のウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

民主党ニュース(民主党ウェブサイト)

goo 政治ニュース

インターネット版官報

[お知らせおわり] 

 


補正予算案が衆議院予算委員会で審議入り、実質審議入りは明日 平成27年度第1次補正予算案

2016年01月07日 15時54分32秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 テレビ中継された参議院本会議の代表質問などきょうの国会全般は別エントリー(記事)にまとめました。

【平成28年2016年1月7日(木)衆議院予算委員会】

 竹下亘委員長の就任あいさつ。

 この後、全閣僚が出席して、補正予算案(平成27年度第1次補正予算案)が審議入り。

 麻生財務大臣が「3兆5000億円歳出を追加し、一億総活躍社会やTPP対策をする」と提案理由説明をしました。

 質疑はあす午前9時(以降)から。一問一答形式の第1委員室での攻防がスタートします。

 なお設定時刻は午後2時。全閣僚出席の参議院本会議が終わったのが午後2時10分過ぎ。この委員会の開会は午後3時半でした。

【同日 参議院予算委員会】

 設定は午後2時半でしたが、午後3時過ぎに始まりました。なので異例なことに、参議院予算委員会が先に始まりました。

 参議院の全委員会で唯一続投した、岸宏一委員長が着席。「衆議院予算委員会がもめておりまして、みなさんにお待たせいたしました」と切り出し、理事の補欠専任をしました。この後、手続きをして散会しました。

 関係者によると、理事会では衆・予算委が円満に進めば、きょうのうちに、全閣僚出席で麻生財務大臣の説明を聴く予定でしたが、衆予が遅れているのならば無理にやることはない、ということで与野党とも合意して、委員会を開いた、とのこのとのようです。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

[お知らせはじめ]

この無料ブログ(goo)のほかに、有料版の宮崎信行の今後の政治日程(有料版)レジまぐ)を発行しています。購読料は、月864円(税込)。購読方法は「レジまぐ」(メディア・インデックス社)まで。

「国会傍聴取材支援基金」で、日本唯一の国会傍聴ブログにご協力ください。

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

郵便局(ゆうちょ銀行)の口座から、毎月自動送金できます。手数料毎月123円です。通帳、印鑑、名前を確認できるものの3点セットで、郵便局の窓口でお手続きください。 

このブログは次の下のウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

民主党ニュース(民主党ウェブサイト)

goo 政治ニュース

インターネット版官報

[お知らせおわり]