宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

[訃報]さようなら土肥隆一さん召天、連続7期で、2009年「岡田首相の正しい選択」忘れじ

2016年01月26日 23時59分59秒 | 岡田克也、旅の途中

 衆議院兵庫3区で、1990年から政権交代まで7期連続当選を果たし、2009年5月16日の民主党代表選では「菅元代表の名代」として、「岡田克也首相」をめざす、正しい選択をした、

 土肥隆一(どい・りゅういち)元衆議院議員が、

 報道によると、さる2016年1月22日、召天しました。

 76歳。旭日重光章。心より哀悼の意を表します。

 ただ、事前に断っておきますが、政権交代ある二大政党政治において、民主党の敵は自民党であり、けっして民主党内に敵はいません。そのパラダイムは、国民の多くが理解していると私は勘違いしていました。政権交代ある二大政党政治が定着しない中で、民主党の敵は自民党だというパラダイムを分かっていない、国民や国会議員が大多数であることを、ふつつかにも、私は知りませんでした。そのことについて、私は反省しております。私は日本国民を買いかぶっていました。

 土肥さんは、日本基督教団牧師で、「十字架委員長」こと河上丈太郎最大野党党首を継承した子息の後継者として、1990年の第39回衆院選初当選。戦後日本政治の一派である「キリスト教社会民主主義」の神戸(Kobe)の議席を守りました。

 第39回から第45回「政権交代選挙」まで連続7回当選。

 衆議院外務委員長。民主改革連合(民改連)幹事長をつとめました。1998年通常国会の統一会派「民主友愛太陽国民連合」の「連合」は民改連のことです。

 政権構想会議4党の幹事長の立場から、民主党立党に参画。菅代表を支えるグループを江田五月さんらと結成しました。

 菅さんは、2009年5月の民主党代表選で初めて不出馬。この際、土肥さんの動向が注目されましたが、同期で同じ党で当選した細川律夫さんに誘われ、「同期から首相を出そう」と「岡田克也首相」という正しい選択をしました。

 このとき、岡田陣営の出陣式には48名が出席し、残念会に47名が出席しました。この場にいた人は、岡田さんを含めてただ一人政務三役経験者はいませんでした。そして、3年3か月の政権後、1人は総理大臣になり、残りの衆議院議員も1人を除いて全員政務三役になりました。土肥さん一人だけ政務三役になれませんでした。2011年3月10日に離党したからです。

 この件は、首相官邸ウェブサイトで「土肥隆一」で検索すると分かるでしょう。次の部分です。

首相官邸ウェブサイトから引用はじめ]

(記者)
 フリーランスで宮崎です。これはお答えいただかなくてもいいのですが、3年半前の代表選に岡田さんが出馬されたときに、当時野党でしたが、マスコミオープンで48人ぐらいの衆参議員が出陣式や残念会のほうに出席されたと思います。
 そのときに、当時野党の岡田候補はこういうふうにおっしゃったと思います。このことを一つの励みとして民主党は強くなる。御支援していただいたここにいらっしゃる議員の皆さんの御厚情には、これから恩返ししていく。そのためには、まず政権交代だとおっしゃったかと思います。
 私はこれを聞いたときに思ったのは、政権獲得後の具体的には政務三役ですとか、そういったことも含めた恩返しなのかなというふうに、私はそのとき感じました。この48人のうち、この3年3か月に政務三役になれなかった方は5人いらっしゃいまして、そのうち4人は参議院1期生だった方です。もう1人は土肥隆一さんです。
 このときの恩返しというのは、そういった論功行賞といいますか、そういう意味だったのか。また、それが結果3年3か月、実際党を運営していく中で、ちょっとこの代表選での内輪での行き過ぎた争いにも若干つながったようにも思いますけれども、その辺今振り返って、3年半前のこの御恩返し発言というのは、どういう意味だったのでしょうか。

(岡田副総理)
 私は広く人事権を持つ機会というのはなかったのですね。外務大臣のときは、自分の副大臣2人、政務官3人の人事、あと幹事長のときですね。幹事長のときには、基本的に副大臣、政務官、それから党の役職、そこは私が事実上決めさせていただきましたが、あのときに考えたのは、小沢(一郎)さんに近いと言われている人たちをまず役職につけるということで、かなりの人がそれで役職につきました。そういう意味では、私を応援してくれたということとはちょっと違う判断で人事を行ったということであります。
 私を応援していただいた方々に対して、特に報いるとか、そういうことは考えてみれば、あまりしてこなかったし、そういう立場にもならなかったなというふうに思っています。むしろ最初の鳩山内閣で私を目立つ形で応援した人は、ほとんど役職につけないという事態でしたので、例えば玄葉さんとか安住さんとか鉢呂さんとか、鉢呂さんなんかは全く何もなかったですから、逆に干された感じ、結果的には、意図的かどうかは別にして、ほとんど役職につけないような状態でした。
 私は自分が外務大臣を受けた後で、そういうことに気がついて、ちょっと非常に申しわけない思いでした。そういう意味では、もう少し気を配るべきだったかもしれません。ただ、その後彼らも菅政権、あるいは野田政権の中で非常に重要な役割を果たしてくれたというふうには思っています。

[引用おわり]

 2011年3月10日の岡田克也民主党幹事長記者会見では、「役員会では「本人が記者会見をするので、それを見守っていただきたい」ということを申し上げました。土肥議員とは、電話では話はしております」と語りました。この後、私は土肥さんが民主党幹事長室(衆議院第14控室)に行く土肥さんに同行しました。翌日、東日本大震災。意外とビビりの私は、放射能が怖くてしばらく国会に行きませんでした。

 ただ、ここで気づく人はいるでしょう。土肥さんは1995年1月17日にも「届」を出そうとし、阪神・淡路大震災に遭いました。3・10提出は、土肥さんの国会での善行が及ぼしたのだと、私は考えています。

 なお、以前にも当ブログで訂正しておりますが、2012年10月16日の首相官邸記者会見会議録内で私が「土肥さんは日本領の平壌の御出身ですけれども」 と語っていますが、これは、「京城(ソウル)」の誤りです。

 2009年5月。私はホテルオークラを出て、「長井代助」状態となってしまい、サントリーホールをめざして歩いたら、新橋駅に出ました。日本はこのままどうなってしまうのだろうと絶望しました。しかし、殿に言わせると、「鳩山さんや菅さんより先に首相になっても政権はうまくいかなかった」そうです。

 だったら、土肥さんの立場はどうなるんだよ、と言いたいところですが、土肥さんは「正しい選択」をしたということだけは、100年先の日本人に伝えたい。

[当ブログ内から引用はじめ]

お帰りなさい 土肥隆一さん 民主党・無所属クラブに復帰 

2012年10月16日 20時09分35秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]民主党・無所属クラブに復帰した土肥隆一さん。

 うれしいビッグニュースが飛び込んできました。

 兵庫県第3区(神戸市垂水区、須磨区)選出の衆議院議員、土肥隆一さんが2012年10月16日(火)、衆議院会派「民主党・無所属クラブ」に復帰しました。安住淳・会派代表者が衆議院事務局に届け出ました。近く、民主党に復党するとみられます。

  岡田副総理は16日の記者会見で「いろいろなことがあって、御自身責任を明確にされたということだと思います。私は当時幹事長でしたけれども、土肥さんは同期だし、非常に親しい友人でもありましたが、彼のほうから潔く離党ということで、身を処されたこと、非常に残念な思いと、それから土肥さんらしいなと、そういう気持ちで見ておりました。今回、かなり時間もたつ中で、党に入ったということではありませんが、会派に入られたということで、個人的にはよかったなというふうに思っています」と述べました。


 私が衆議院本会議で確認していた範囲内では、土肥さんは、この1年半、すべての採決で民主党の党議と同じ投票行動をしていたと思われます。

 土肥さんは昨年2月、故郷で開かれた日韓のクリスチャン議員外交において、竹島の領有権をめぐり、韓国議員側に、トラップにはめられました。あたかも日本の与党議員が竹島の領有権が韓国にあると主張しているような情報発信となってしまい、日本でも3月9日から大きく報道されました。慣れない与党議員として軽率のそしりは免れません。猛省が必要でした。が、土肥さんは3月10日午後5時半に記者会見し、民主党を守るために、自ら離党届を出しました。たまたま土肥さんが国会内民主党幹事長室に離党届を出す場面に私も居合わせましたが、入閣経験がない当選7回生なのに、淡々としていたのが印象的でした。そして一晩あけて東日本大震災が起きました。

 土肥さんは、1939年、父親が勤めていた(旧)朝鮮総督府があった日本領京城(現在の大韓民国ソウル)生まれ。ちなみに、きょうの岡田副総理会見の中で、私は「日本領ピョンヤンの生まれ」と発言してしまいましたが、正しくは「日本領ケイジョウの生まれ」でした。日本に引き揚げた後、国内キリスト教最大の信者を持つ日本基督教団(プロテスタント系)の牧師を現在まで務めています。政治家としては「十字架委員長」と呼ばれたクリスチャンで、右派社会党の委員長を務めた河上丈太郎の議席をその子息をはさんで引き継いでおり、1990年おたかさん社会党から初当選し、7回連続当選(第44回郵政選挙では比例復活)してきました。

 土肥さんは「民主主義の成熟度は政権交代ある政治を国民がいつも保持できることにある」との持論を持っており、河上丈太郎が果たせなかった夢を現代政治に反映しています。(当ブログ内参照エントリー「50数年ぶりに獲得した政権交代という“宝”をドブに捨てるな」と語る土肥隆一さんの肩書きは?)。

 民主党では「菅グループ」ともよばれる「国のかたち研究会」の会長をつとめてきた土肥さんですが、複数立候補の代表選では結党以来初めて菅直人候補が立候補しなかった2009年5月の代表選で、同期とともに岡田克也候補を擁立し、選対を務めました。このときの残念会で岡田候補は「きょうここに(小沢一郎氏のしめつけにもかかわらず)お集まりいただいたみなさんには必ずご恩返しをしたい」との「ご恩返し発言」をしており、その8月に結党以来初めて与党になってからは、この残念会メンバーが人事面で優遇されています。一部には「ヘビーローテーション」「メリーゴーラウンド」と言われるほど優遇されています。ただ、衆議院議員の中で、現在まで適齢期でありながら閣僚や政務三役を務めていないのは土肥さん一人になっていますが、10月1日の内閣改造後というタイミングでの会派復帰は、土肥さんが「私なんていいんだよ」と言っているようにも思えます。


[画像]「土肥さんはこの後、午後5時半から記者会見をしますのでそれを待ってください」としながら、親友の離党に悔しさを隠せないようすの岡田克也・民主党幹事長、2011年3月10日(木)午後4時過ぎ=民主党ホームページ内動画からキャプチャ。

 土肥さんはホントウに間の悪い人です。1995年1月17日の朝日新聞1面トップは、「新会派「民主」旗揚げ きょう離党届 社党24人参加で分裂状態に」となっており、この記事では、山花貞夫さん、土肥隆一さんら社会党右派(旧政権構想研究会=政構研系)が同日に日本社会党を離党し、新会派を結成するとしています。そして、自社さ政権を支える社会党左派について、「村山富市首相側には、除名処分などによって山花氏らと決定的な対立関係になるのは回避すべきだとの意見も出ているが、村山政権が厳しい状況に追い込まれることは確実だ」との観測を報じています。ところが、この新聞が配られた直後に、神戸直下に阪神・淡路大震災が発生。村山富市首相と小沢潔国土庁長官(自民党)のコンビで、1000人死者が増えたと私は考えていますが、会派結成話も立ち消えになりました。その3年後、第2次民主党の代議士会で山花貞夫さんが一兵卒として、第4控室のイチバン後ろに座っていたことを思い出します。

 神戸選出の土肥さんが、東日本大震災の発生の20時間前に、土肥さんが自ら離党を申し出たのは、地味だけどしっかりした21年間の議員生活の積み重ねたことにより、不幸中の幸いということで、疳の虫が働いて、危機管理ができたのかもしれません。

 菅直人さんが代表・総理になったときには、枝野幸男幹事長起用の際に、民主党ベテランが不快感を示したとのニュースが流れ、小沢一郎氏の発言かとの憶測を呼びましたが、土肥さんの発言だったというハプニングがありました。菅総理が、グループ会長として長年支えてくれた土肥さんを冷遇した理由は、私はまったく分かりません。しかし、自ら党を離れたことにより、土肥さんはまた新しい活躍の場を得たんだと思います。つくづく政治家は引き際が肝心だと思います。土肥さん、これからもがんばってください。

 話は変わりますが、民主党政権において、長年党を支えてきた議員が生まれ故郷に与党議員として凱旋して、国益を損ねかねない行動を取ることが散見されます。そもそも、インターネットによる情報化、新興国の発展によるプレーヤーの増加、国際会議によるマルチ・ラテラル外交の比重が増えている中、議員外交は限界を迎えつつあります。また、議員外交にともなう不透明なお金の流れも国益を損ねる可能性があります。人と人とのつながりを持つことは、紛争を未然に防止する草の根になりますが、やはり与党国会議員として、外国を訪問すると、おもてなしに酔ってしまう面があるようです。

 自由党で小沢一郎氏の下、自由党副党首を務め、現在は民主党衆議院議員である、中井洽さんが生まれ故郷の満州国新京(現在の中華人民共和国吉林省長春)に元拉致問題担当大臣として、北朝鮮政府関係者と複数回会ったと報じられています。これについて、土肥さんとの関連で質問を受けた岡田副総理は「政治家ならずとも自分の生まれたところに行ってみたいというのは、気持ちとしては分かります。それ以上については、中井先生に関して、いろいろな事実関係を含めて私も詳細を承知しておりませんので、私もコメントすることは控えたいと思います」と述べるにとどまりました。

[引用おわり] 

[当ブログ内から引用はじめ]

「50数年ぶりに獲得した政権交代という“宝”をドブに捨てるな」と語る土肥隆一さんの肩書きは?

2010年12月11日 09時48分07秒 | おしらせ

[写真]土肥隆一さん

 「民主党・無所属クラブ」所属の衆院議員で、衆議院政治倫理審査会(政倫審)会長の土肥隆一さんが、12月9日付でメルマガ68号を発信しました。

 土肥さんは「第176回臨時国会がようやく終了した。うんざりと言った気分である。補正予算は衆議院優位により成立はしたが野党の、参議院の問責決議の連発と個人攻撃に終始した」と本音をのぞかせました。

 そして、良識の府「参議院」での野党の問責決議連発に対して、「政府の瓦解を狙っているのだろうが、それよりももっと大事な政治的損失」があると指摘しました。私もその通りだと思います。

 そのうえで、「昨年の8月総選挙において50数年ぶりに獲得した”政権交代という宝”をドブに捨てる」野党の行為は許されないとして、

 「民主主義の成熟度は、政権交代可能な政治状況を国民がいつも保持するところにある」として、政権交代ある政治を守り抜く覚悟を示しました。そして、

 「皆さんはその政権交代の政治的変革の実をまだ味わっておられない」と達観した見方を示しながら、「もう少し時間をいただきたい」と“最後のお願い”でメルマガを締めくくりました。


 土肥隆一さんは1990年第39回衆院選初当選のいわゆる「岡田世代」。土肥さんは日本基督教団(にほんキリストきょうだん)の牧師さんです。カトリックは「神父」、プロテスタントは「牧師」ですから、土肥さんはプロテスタント系の教会の牧師さんということになります。政権交代をかけた第45回衆院選の兵庫3区では対抗馬の小泉チルドレンのタマが比較的いいとされていたことと、土肥さんが当時70歳ということで、選対に懸念があったようですが、日常活動の活発さで得票率50・0%で勝ち抜きました。目標とする人物はマーティン・ルーサー・キング牧師。

 与党になったということで、このブログも時々「幹事長経験者によると~~」という書き方がどうしても増えてしまっていますが、土肥さんも「幹事長経験者」。1998年4月に民主党の合流した4党派の一つである「民主改革連合(民改連)」で、連合の支持を受ける無所属的立場の議員たちと行動しており、幹事長を務めました。そして、政権交代可能な政治のために、民主党結党大会に参加したのです。代表だった参議院の笹野貞子(ささの・ていこ)さんは民主党初代副代表(4人)の一人となりました。笹野参議院議員の跡は福山哲郎官房副長官が継いでいます。議席数に関係なく、幹事長を務めたという経験はすごいと思います。また政権交代すれば、野党として一丸となるので、「幹事長経験者によると~~」というブログの書き方はしなくていいと思いますが、僕もそんなところで、与党としての政権としての重荷を背負うことの大変さを、応援団ながら感じるところです。

 土肥さんは福祉の専門家で、当選前から施設の設立・経営の経験があるんだと思います。衆院でも、厚労畑が長く、健康保険法改正案の長時間審議で伝説となった、1998年第140回通常国会の厚生委員会にも所属しました。このときのメンバーは、与党側が小泉純一郎厚相、町村信孝委員長、津島雄二筆頭理事で、野党側が岡田克也筆頭理事、山本孝史次席理事、委員に中野寛成さん、枝野幸男さん、坂口力さん、そして土肥さんという宝石箱のようなメンバーでした。

 第39回衆院選はベルリンの壁崩壊直後ということで、社会党が方針転換を迫られ、弁護士の細川律夫さん、仙谷由人さん、筒井信隆さん、議員秘書の松本龍さん、農協の鉢呂吉雄さんら民主党・無所属クラブのエース格が出ています。広島市長に転出した秋葉忠利さん、参議院に転出した岡崎トミ子さんも岡田世代です。おたかさん(土井たか子)ブームの社会党に危機感をいだいた対する自民党も、岡田克也さん、河村建夫さん、石原伸晃さんのほか、参議院に転出した増子輝彦さんら、久しぶりに非世襲議員が大量に初当選しました。松本さんは祖父(と父)が著名な参議院議員、河村さんは県議としては世襲、石原さんは別選挙区で父が衆院議員でした。

 輿石東さん率いる参議院のようなすばらしい良識の府と違って、衆議院は政局の院です。政局の院は世論に敏感で、ダイナミックに時代を前に進めなければいけません。土肥牧師も政局にはかかわっていて、長年「国のかたち研究会」の会長をしています。新聞では、菅グループと表記されている政治団体(総務省届出済み)のことです。なぜ国研会長の土肥さんが菅総理から、官邸入りや政務三役入りを命じられないのよく分かりませんが、政倫審会長として、「われわれは懸命に国民の期待に答えようと励んでいるのである」(メルマガ)との決意表明をぜひ実践してほしいものです。

 政権交代ある政治を阻害する者。それは過去に、3桁の議席を持った野党第1党を一方的に解党したり、選挙による有権者の選択に基づかない保保連合に走ったり、有権者のチェックが行き届かない12月に政局を仕掛ける師走政局男の存在です。すなわち小沢一郎さんです。

 土肥さんは、昨年、「岡田さんを支える“95の会”をつくりたい」と呼びかけましたが、岡田さんはやさしく「ノー」と言いました。政権交代ある政治における与党内権力システムを見通すところまでは、なかなか難しいかもしれませんが、政権交代ある政治をめざす志は菅、土肥、岡田の3人は共有しています。

 民主党・無所属クラブが昨夏の信頼感を取り戻せるように、土肥さん、国難ですから、泰然自若として、どっしりと構えてください。頼んます。

[土肥隆一さんのメールマガジンから全文引用はじめ] 

どい隆一メールマガジン 68号 2010/12/09

国民の皆さんの期待に応えるために
──────────────────────────
 第176回臨時国会がようやく終了した。
うんざりと言った気分である。補正予算は衆議院優位により成立はしたが。
野党の、参議院の問責決議の連発と個人攻撃に終始した。
今年の夏の参議院選挙で与野党が逆転しいわゆる「ねじれ国会」となった。
我々はたとえ参議院で不利であっても、国会は議論の場であり、できる限り誠意をつくせば、
修正協議も含めて結果は自ずから落ち着くものと考えてきた。

 完全に膠着してきたのは「尖閣諸島」事件がきっかけとなった。
首相は海外におり、仙谷官房長官が事件処理に当った。その処理は必ずしも上出来とはいえないが、
日本が議長国であるAPEC開催を直前にして早期に解決しようと考え、海保が撮ったビデオを非公開にしたのに、海保の中では、生の映像は全部(?)流れ出るという始末であった。
そこで国家の、つまり政府の「危機管理」が問われ、そのやり取りの中で、仙谷氏の発言や態度が問題となり、
仙谷氏の出席する会議には一切出席しないということで、
12月3日の国会締めくくり本会議にも欠席し、仙谷氏が大臣席を降りてから、ぞろぞろと議事場に入ってくるという
まことに陳腐な風景が見られたのである。

 仙谷氏に個人的に問題があるのではない。私も長い付き合いのある彼の人物を高く評価している。
大変優れた政治家でもある。識見、能力において民主党の中でも卓越した人物である。
そのユニークさ、個性の故にその発言が野党を刺激した。実は「この男には敵わない」と感じたのではないか。
官房長官はよく総理の女房役というが、稀に見る官房長官像と言えようが、やや出過ぎた女房とでもいうか、出過ぎたことは否めない。
しかし個性の範囲であり、彼を更迭する理由はどこにもないと思う。

 野党は、法務大臣、国土交通大臣と問責決議(参議院だけの辞職要求)を立て続けに出し、
それは政府の瓦解を狙っているのだろうが、それよりももっと大事な政治的損失を失わせるものと考えている。
つまり昨年の8月総選挙において50数年ぶりに獲得した政権交代という「宝」をドブに捨てるものと考えるからだ。
民主主義の成熟度は、政権交代可能な政治状況を国民がいつも保持するところにある。
政権交代から1年半。皆さんはその政権交代の政治的変革の実をまだ味わっておられないと思う。
もう少し時間をいただきたい。われわれは懸命に国民の期待に答えようと励んでいるのである。

土 肥 隆 一
──────────────────────────
どい隆一HP:http://www.d-wa.co.jp/doi
どい隆一Blog:http://doiryuu2.exblog.jp/
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[土肥隆一さんのメールマガジンから全文引用終わり]

[当ブログ内から引用おわり]

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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NEDO法および特別会計法改正案、COP3京都条約達成で国会が「卒業」条項お墨付きへ

2016年01月26日 23時59分59秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(このエントリーの初投稿日時は2016年1月27日で、それから26日付にバックデートしました)

 政府は、平成28年2016年1月26日(火)の閣議で、

 「NEDO法および特別会計法改正案」(190閣法8号)を決定し、国会に提出しました。

 これは、「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法」(平成十四年十二月十一日法律第百四十五号)で、

 COP3京都議定書条約の「第1約束期間」の達成のために、国民各層の努力に加えて「京都メカニズムによりCO2約1億トン相当の京都クレジットを確保する」ことが、NEDOの仕事とされ、エネルギー対策特別会計の財布を使える、

 としていた条項を、目標達成にともない廃止するものです。

 NEDO法は京都議定書条約達成の仕事を、法律の附則で「平成二十八年三月三十一日までに廃止する」としています。条項通り目標を達したことが確認できたので、設置法および特会法の関連条項を、「平成28年3月31日(木)施行」で廃止する、法案です。

 すでに、平成28年度予算案から当該事業は削除されていますが、いわゆる日切れ法案として、廃止条項案も年度内に成立させたい方針。

 平成28年度特別会計予算書では、その162ページに、エネルギー需給構造高度化事業費を計上。前年度より増えていますが、この「目(もく)」から実施項目は前年度にあった「目」が削除されていることは、私が今、確認しました。こういうのを読める国会議員がせめて10人でもいれば、日本は変わるんですがね。エネ特会は、内閣府、経済産業省、環境省、文部科学省の共同所管。

 院の構成が同じ、昨年の通常国会では、高テレ法(地上波デジタル放送移管のために民放を国が財政支援する法律)の廃止法案が、4月17日まで参院での審査が遅れ、参が「公布の日に施行」と修正したことから、衆院に回付され、4月17日に「施行」がずれ込んだことがあります。高テレ法廃止法は、NHK予算の承認を求める件をめぐる混乱で、NEDOおよび特別会計法改正案が付託される見通しの衆参経産委員会では波乱はないと思われます。

 COP3京都議定書条約をしっかり達成し、COP18パリ協定条約の国内実施法案をしっかりとつくり、それを達成していくことが、地球の持続可能性を高めるために、今を生きる人類に課せられた唯一最大の課題であることは、今さら言うまでもありません。

 経済産業省による法案の概要や全文

このエントリー記事の本文は以上です。

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施政方針など政府4演説に対する代表質問「持続可能な財政」で論争 衆・本会議

2016年01月26日 16時14分47秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年1月26日(火)衆議院本会議】

 施政方針など政府4演説に対する各党代表質問がありました。

 民主党の岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表から、持続可能な財政に関する質問が相次ぎ、世代間格差の分かち合いを強調する民維クという方向性が、第190回国会にあたって、明示されました。

 民主党の岡田克也さんの問いに対して、安倍晋三首相(自民党総裁)はほとんど答えませんでした。

 ただ、部分的には次のような質疑応答がありました。

 岡田さんが「ことしは18歳選挙権元年であり、若者、若者、若者の年だ」とし、「すべての若者が夢と希望を持って学ぶことのできる日本でなければならないと思います。授業料減免や奨学金の拡充、返済不要の給付型奨学金の創設が必要です」と問うたのに対して。

 安倍首相は「卒業後の返済額が変化する、所得連動型返還奨学金を導入する」としながらも、「給付型奨学金はなお検討が必要だ」とし、日本学生支援機構が0件しか扱っていない給付型は導入しない考えを示しました。

 岡田さんが「金融課税を25%に引き上げ、中長期的には所得税、住民税、相続税の累進強化が必要だ」としたのに対して、安倍総理は「金融分離課税は本則税率の20%とするが、今後は検討する」と語り、検討の余地がある、ととれる言い方をしました。

 金曜日の施政方針で、安倍演説は「非正規雇用者の均衡待遇を確保します」としながら「日本一億総活躍プランに同一労働同一賃金を盛り込む」とした件について、分かっていないのではないか、との指摘が出ていました。岡田さんがただすと、安倍総理は「多様な働き方のなかで、均衡待遇にとどまらず、均等待遇を日本一億総活躍プランで検討してもらう」と答弁。安倍さんがうまく逃げ切った印象です。

 財政健全化について、岡田さんは「私はよく原理、原則主義者だと言われるが、財政規律。この原則だけは曲げるわけにはいきませ」としました。安倍首相は「安倍内閣は経済成長なくして財政健全化なしという考え方だ。また、安倍内閣は行政改革を含めて歳出削減を行ってきている」としました。

 ここから先は、岡田さんの発言だけです。

 岡田さんは、「私は25年間、政権交代可能な政治の実現をひたすら目指してきました。失敗も挫折もありました。しかし、日本の政治をよくするためには、自民党と競うことのできる政治勢力をつくりあげなければならない。この信念は変わりません。まだ道半ばですが、必ずやり遂げることを国民の皆様にお誓いします」。

 「例えば二十歳の若者が国会議員を目指す道がなぜ閉ざされているのでしょうか。選挙権だけでなく、被選挙権年齢の引き下げも実現すべし」。

 「LGBTは、3割が子供の頃に自殺を考えたとされ、差別をなくすべし」。

 「選択的夫婦別姓(別氏)の民主党の法案に賛成すべし」。 

 「生活が厳しくなっている。異次元の金融緩和で円安株高に誘導したが、3本目の矢が出てこない。これがないとアベノミクスは総崩れになる」。

 「私の経済政策と安倍総理の経済政策の根本的な違いは、経済成長の果実をどう分かち合うべきかの考え方だ」。

 「マクロ経済スライドには私も賛成だが、年金の最低保証機能とマクロ経済スライドをどう調和させるか検討すべし」。

 「長時間労働が仕事と家庭の両立を阻み、介護離職、育児離職、少子化の深刻な原因であると考えている。多様な働き方の実現は重要です。しかし、まず行うべきは、日本人の働き方を根本から変えるための最小限の労働時間規制です。総労働時間の規制と終業から始業まで一定時間を確保する労働時間インターバル規制、毎週必ず休日を取得させる絶対的週休制を法制化すべし」。

 「財政規律は、子供や若者、未来の世代への責任を果たさなければならないと考えるからです。日本の持続可能性について、最も重要なかぢ亜から逃げることは総理に許されません。今までの自民党の失政の結果、日本は巨額の借金を抱えています。我々は、歳出改革、成長戦略、歳入改革の三本柱で、着実に財政健全化を進めるための財政健全化推進法案をこの国会に提出します」。

 「国民の皆さんには今、日本が大きな分岐点にあることを強く認識していただきたいと思います。安倍総理の立憲主義に対する認識を問います」。

 「国民の皆さん、国民に正直で真面目な政治か、それとも安倍政治か。みなさん一人一人に次の世代に恥じない判断をしていただきたい。今まで政治と距離を置いてきた人々が危機感を持って声をあげています。私は覚悟を持って、安倍政権とたたかっていきます」。

 この後、自民党幹事長の谷垣禎一さんが「通関の簡素化などの実績を上げており、TPPで、コンテンツ輸出なども活性化する」と演説しました。

 維新の党の松野頼久代表は、財政の持続可能性について語りました。

 松野さんは50年前の国会議事録をひもとき、「一度発行したら途中でストップすることはできないのではないかとの野党議員の質問に、福田首相(自民党総裁)は、財政法4条の重みは分かっているが今年だけの例外として認めてほしいと答えている。50年前の先輩方は、きょうの事態を想定していた」とし、「もはや現在の予算編成は持続可能性を失っている」。

 「安倍首相外遊時の資金援助表明は、38件で、円借款を入れると総額32兆円になる。我が国の国益を計算したうえでの表明なのか」と指摘しました。

 安倍首相は「政権交代後、新規発行国債は年10兆円減らしている」と語りました。

 安倍首相は「安倍内閣はデフレ脱却と経済再生で、リーマンショック後の底から名目GDPを40兆円上げた」とし、「第3の矢でも、できるわけがない、と言われた農協改革と電力システム改革を実現させた」と胸を張りました。

 安倍首相は「我が国のODAは途上国で高く評価されており、産業インフラの整備、生産性の向上を後押ししている。このような我が国の支援は外交上の効果を十分に検討し、わが国の厳しい制約を考えて実施している」としました。例えば、「パプアニューギニアは太平洋戦争で日本兵が10万人死傷しており、遺骨収集を同国が協力してくれていることを付言する」 としました。「円借款は期限がくれば返ってくる」。

 民主党・維新の党の政策は、経済政策もようやく理論的に正しく、説得力があるメニューがそろってきており、国民に浸透する内容だと考えます。それでいて、安倍首相の答弁もていねいにできており、成長戦略、外交における実績の明示は賛同できます。

 しばらくは、このような流れで、与党が受けて立つペースの国会が続きそうです。

【同日 衆議院議院運営委員会】

 本会議に先立ち、開かれました。

【同日 法律公布】

 ことし初めて7本の法律が公布されました。なお、条約は1本公布されていました。公布法律は給与法が6本、補正予算関連法が1本。

 平成28年1月26日法律1号は「改正一般職給与法」。議案番号は190閣法2号で、1月4日の召集日に提出され、20日自公民維の賛成で成立。2015年人勧を実施。公布とともに施行。

 「改正特別職給与法」は平成28年1月26日法律2号。議案番号は190閣法3号で、4日(月)提出、自公民維の賛成多数で20日成立。

 「改正国会議員秘書給与法」は、平成28年1月26日法律3号。議案番号は190衆法1号で、1月14日(木)に衆議院議員運営委員長が提出。全会一致で20日成立。

 「改正地方交付税法」は平成28年1月26日法律4号。議案番号は、190閣法1号で、補正予算関連法として自公民維共の賛成で成立。

 「改正裁判官報酬法」は平成28年1月26日法律5号。議案番号は190閣法4号、

 「改正検察官俸給法」は平成28年1月26日法律6号、190閣法5号。 

 「改正防衛省職員(自衛官)給与法」は平成28年1月26日法律7号。190閣法6号。自公民維共が賛成。 

このエントリー記事の本文は以上です。

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岡田克也ネクスト首相「政権交代可能な政治をひたすらやり遂げる」と断言

2016年01月26日 13時07分45秒 | 岡田克也、旅の途中

[画像]施政方針に対する代表質問で、政権交代ある政治の実現を誓う、民主党の岡田克也代表(ネクスト首相)、2016年1月26日(火)、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 第190回通常国会は、平成28年2016年1月26日(火)、安倍晋三首相(自民党総裁)の施政方針演説に対する各党代表質問の日を迎えました。

 岡田克也ネクスト首相(民主党代表)

私は25年間、政権交代可能な政治の実現をひたすら目指してきました。失敗も、挫折もありました。しかし、日本の政治を良くするためには、自民党と競うことのできる今一つの政治勢力を作り上げなければならないとの信念は変わりません。まだ道半ばですが、必ずやり遂げることを国民の皆様にお約束します」と

語り、引き続き、政権交代ある政治をめざす覚悟を示しました。

 ●正しいことを言うときは少し控えめにする方がよいーー政権交代馬鹿が高じて恩師に破門された私。

 私も24年間、政権交代ある政治をひたすらに目指す中で、反省すべき点もありました。民主党が政権にあったとき。一体改革の採決で70人前後の造反が与党から出た信じられない光景を目の当たりにした2012年6月26日から新進党解党者・小沢一郎氏が国民の生活が第一を結党してしまった7月11日までは耳を削がれるような苦しさの中で生きていました。

 このとき、私の早稲田大学政治経済学部の指導講師であった、山本武彦教授(現・名誉教授)から新宿に呼び出されました。私を座らせた山本教授は、「初鹿明博には世話になっている」と、若手反乱軍の参謀格「真実の会」事務局長の名前を出しました。そして、「岡田というのは暗くて駄目だ。その点、小沢は筋が通っているよ」と私に語りました。私は、1997年12月の新進党解党の際に、政権交代ある二大政党政治のためにたたかった、岡田克也副総理・社会保障と税の一体改革担当大臣を15年来信頼し続け、新進党を解党して政権交代ある二大政党政治を裏切った小沢一郎氏を憎み続けていたので、政権交代ある二大政党政治に逆行する恩師の発言に我が耳を疑いました。

 後日、その発言の真意を問うた私に、山本教授は「酔っていて覚えていない」と語るので、「それはいくらなんでもひどい。私にとっては二十年近くの我が半生を否定された思いだ。謝ってほしい」と迫りました。そうしたら、山本教授は「覚えていないが、仮にそういうことを言ってあなたを不快にさせたならば謝る」とおっしゃいました。私はそこで矛を収めるべきでした。

 しかし、私は余計な一言を加えてしまいました。私は「早稲田大学学則第1条には、本学は国家および社会の形成者を養成する大学だと書いてある。しかし、覚えていないが謝るという態度は、国家および社会の形成者ではなく、国家および社会の傍観者だと主張するようなものではないか」と言ってしまいました。さらに、私は学生時代、山本教授からたびたび自分の出身高校を「三流高校だ」と言われながらも、単位をもらえないと学士号を得られないので黙っていたのを謝罪してほしいとまで言ってしまいました。その後、山本教授から破門を言い渡され、謝罪は門前払いされ、きょうにいたります。

 その間、私が心の拠り所としていた、早稲田大学学則第1条「国家および社会の形成者」は、教育基本法第1条と実は同じ文言であることを知りました。また私が天皇の子孫であり、他の人と少し違う環境にあることを知りました。

 政権交代馬鹿一代。言葉が過ぎたことはたびたびあると思います。きょうの日経新聞交遊抄でも自民党衆議院議員が恩師との交流をつづっており、私の人間としての未熟さにより、取り返しのつかない失態をしてしまったと考えます。一生の戒めとします。

 正しいことを言うときは少し控えめにする方がいい。ただ、私の考えは正しい。それはわが生涯をかけて、あるいは死んでから、100年経ってからでも、証明していきたいと考えます。ただ、こんなこと書いていると、私は選挙には出られないなあと感じます。

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[お知らせおわり] 


天皇陛下、人事院勧告月0・36%アップの改正給与法を公布、施行 きょうにも差額給付へ

2016年01月26日 08時43分13秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(2015年12月4日のエントリーを仕立て直して再投稿しました)

[写真]人事院、2015年12月、筆者・宮崎信行撮影。

 天皇陛下は、平成28年2016年1月26日(火)、改正給与法6法を公布なさいました。

 「改正一般職給与法」は平成28年1月26日法律1号、

 「改正国会議員秘書給与法」は平成28年1月26日法律3号、などとなりました。

 これは、同日付官報号外第16号に掲載されました。

 省によっては、26日にも差額分が支給します。

 昨年の人事院勧告を完全実施する、俸給表0・36%ベア、特別給0・1か月分引き上げの改正給与法は2016年1月26日(火)に公布され、直ちに施行することを、前週金曜日の閣議で決まりました。差額分の支給は、施行日から数日かかる見通し。

 改正一般職給与法の採決は、20日水曜日、押しボタン式で行われ、投票総数235、賛成222、反対13の賛成多数で可決し、成立しました。

 19日火曜日の午後4時ごろから、参議院の委員会で審議入りしました。「国家公務員の一般職の給与法案」(190閣法2合)」を採決し、可決しました。20日水曜日の本会議で可決し成立するはこび。本会議は午前10時から始まる見通し。

 政府は、平成28年2016年1月4日(月)、人事院勧告を完全実施する給与法改正案を提出しました。

 提出したのは、国家公務員一般職、国家公務員特別職、裁判官、検察官、防衛省職員(自衛官含む)の5本。

 俸給表を0・36%ベースアップ(ベア)し、特別給を年間4・2か月分に(0・1か月分)引き上げる平成27年度人事院勧告の完全実施のための給与法案です。秋の臨時国会がなかったので、第190回通常国会での対応になりました。2015年4月にさかのぼって実施されます。

 法案は次の通り。

 一般職国家公務員給与法改正案(190閣法2号)

 特別職国家公務員給与法改正案(190閣法3号)

 裁判官報酬法改正案(190閣法4号)

 検察官俸給法改正案(190閣法5号)

 防衛省職員給与法改正案(190閣法6号)

 以上5本です。

 あさって、水曜日の本会議では、

 国会議員秘書給与法改正案(190衆法1号)

 も議題になり、すべて可決し、成立します。

【追記 13日午後5時】

 給与関係5法案は、13日(水)午後6時過ぎ、衆議院の各委員会で可決しました。14日に衆議院を通過し、参議院へ。来週成立の公算。
関連エントリー)

給与法改正案が衆・委員会可決、議事では野党内で「人事院廃止論」高まる

【追記終わり】

【再追記 2016年1月14日 午後2時半】

 議運委員長が提出した国会議員秘書給与法改正案(190衆法おそらく第1号)とあわせた「人勧完全実施の給与法6法案」は衆議院本会議で可決し、参議院に送られました。

補正予算案と関連法案、人勧完全実施の給与法6法案が可決し、参議院へ きょうの国会

【再追記おわり】

【最初の投稿】

 政府は平成27年2015年12月4日(金)の閣議で、人勧の完全実施を決めました。 

 異次元の量的質的金融緩和がもたらす円安で、上場企業の9割を占める輸出主導型製造業で、名目での賃金が大幅に改善されたことから、官民格差が生じていました。

 これとは別に、現在、法務省職員である、矯正医官が認められているフレックスタイムを導入する、国家公務員法改正案も提出され、成立する見通しです。 

【最初の投稿終わり】

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[訃報]川俣健二郎さん政構研会長「中選挙区だとマルクスレーニン訴えても当選しちゃう」

2016年01月26日 06時58分27秒 | その他

[画像]川俣健二郎衆議院議員、1990年版国会議員要覧から。

 「中選挙区だとマルクスレーニン唱えても当選しちゃう」と語り、衆議院小選挙区比例代表並立制による政権交代可能な政治をめざした、

 元日本社会党衆議院議員で政構研(政権構想研究会)会長を務めた

 川俣健二郎さんが、報道によると、平成28年2016年1月24日(日)、亡くなりました。89歳。

 謹んでお悔やみを申し上げます。

 「運だけで8回当選してきた二代目代議士」と世襲(養子)であることを卑下しながらも、左翼切り捨てに信念を貫き、実際に小選挙区制の下、時代遅れの冷戦の遺物で何の役にも立たない、マルクスレーニン主義衆議院議員の駆逐に成功しました。

 議会政治百年史によると、川俣建二郎さんは大正15年7月、東京都出身、戦後になってから、早稲田大学政治経済学部卒。同和鉱業労働組合執行委員長、衆議院災害対策特別委員長。第32回衆院選から第39回衆院選まで連続当選8回。 

 日本初の田辺誠シャドウキャビネットでは、シャドウ厚相という要職を務めました。

 マルクスレーニン主義者の駆逐に成功した小選挙区比例代表並立制ですが、保守自由主義者による政権交代ある二大政党政治はいまだ実現せず。

 川俣健二郎先生のように演説が上手く、欲の無い政治家が野党に増えた時に、政権交代ある二大政党政治が日本でも完成すると思います。

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