【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第190回通常国会召集、河村(衆)松村(参)両議運委員長ら選出、首相と財務相が演説 きょうの国会

2016年01月04日 14時57分42秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年1月4日(月)衆議院本会議】

 大島議長が「諸君、第190回国会は本日召集されました」と語りました。

 前議員の大阪市長転出により、維新の党で繰り上げ当選し、統一会派「民主・維新・無所属クラブ」(民維ク)に属する椎木保さんが紹介されました。

 議事進行係は自民党の伊藤忠彦さんがつとめました。

 常任委員長の選挙がありました。

 議院運営委員長に自民党の河村建夫さん、

 内閣委員長に自民党の西村康稔さん、

 総務委員長に公明党の遠山清彦さん、

 法務委員長に自民党の葉梨康弘さん、

 外務委員長に自民党で安倍首相の実弟の岸信夫さん、

 財務金融委員長に自民党の宮下一郎さん、

 文部科学委員長に自民党の谷川弥一さん、

 農林水産委員長に自民党の小里泰弘さん、

 経済産業委員長に公明党の高木美智代さん、

 国土交通委員長に自民党の谷公一さん、

 環境委員長に自民党の赤澤亮正さん、

 安全保障委員長に自民党の左藤章さん、

 国家基本政策委員長に自民党の浜田靖一さん、

 予算委員長に自民党の竹下亘さん、

 決算行政監視委員長に民維クの松木けんこうさん、

 懲罰委員長に民維クの中川正春さんが選ばれました。

 衆議院は常任委員長が全員交代しました。

 この後、休憩。 

 午後2時に再開。

 安倍首相(自民党総裁)の「最近の海外出張に関する報告演説」と麻生財務相の「平成27年度補正予算案提出に関する財政演説」の2本立てという、珍しい日程で第2ラウンドが行われました。

 安倍首相は「9月下旬の国連総会を皮切りに地球儀を俯瞰する外交を行った」とし、「日中韓サミットでは、韓国のパククネ大統領と従軍慰安婦問題の解決に合意し、日韓は未来志向の新時代に入った」と自画自賛しました。「マニラでのTPP大筋合意国会合に参加した」としTPPの意義を強調。パリ協定条約の妥結に成功したCOP21では「美しい星への行動計画2・0で、経済成長との両立と1・3兆円の途上国支援の表明で、議論をリードした」と語り、「今後もイノベーションで世界をリードする」と述べました。インド訪問では「日印ビジョン2001を発表し、新幹線の受注もとりつけた」と経済外交をアピール。閉会中の外遊を振り返った後、「今後もTICADなどが予定されており、日本外交が世界をひっぱる年となる」と語りました。私の感想としては、マルチ会合(多国間会合)が多いので、その成果のアピールは官邸・外務省次第といえる傾向が強まっているように感じました。

 麻生財務相は「平成27年度補正予算案の大要を申し上げます」と切り出し、「安倍内閣のもと、デフレ不況から脱却しつつある」との景況感を示しました。「希望出生率1・8、介護離職ゼロをはかり、景気の下支えをする1億総活躍社会行動計画を策定した」「TPP大筋合意にともなうTPP関連政策大綱を策定した」とし、それにともなう「緊急に対応すべき政策」を歳出に盛り込んだことが、補正予算案提出の根拠だとしました。フレームは、「3・5兆円の歳出を追加し、地方交付税も増額した。歳入では1・9兆円の税収増と前年度からの剰余金を盛り込んだ」ものの「税外収入は減った」とし「歳出では公債金を減額した」とし、財政健全化との両立を強調しました。

 演説は2本あわせて21分間で終わりました。

 なお、きょう提出された平成27年度一般会計補正予算書を私が見たところ、日本銀行から政府に対する納付金が0・4兆円減額補正されています(6ページ参照)。これは納付金の一部を日銀の資本金に積み増す特例が麻生財務大臣により決定されたからだ、と思われます。

 動議が提出され、質疑はあさって午後1時から行うことにし、きょうは散会しました。

【同日 衆議院の各特別委員会】

 次の委員長が互選されました。

 災害対策特別委員長に自民党の野田聖子さん、

 沖縄および北方問題に関する特別委員長に民維クの渡辺周さん、

 政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員長に自民党の山本公一さん、

 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長に自民党の今津寛さん、

 消費者問題に関する特別委員長に自民党の江崎鉄磨さん、

 科学技術・イノベーション推進特別委員長に民維クの黄川田徹さん、

 東日本大震災復興特別委員長に自民党の今村雅弘さん、

 原子力問題調査特別委員長に自民党の三原朝彦さん、

 地方創生に関する特別委員長に自民党の山本幸三さん。 

【同日 参議院本会議】

 午前10時から会議が始まりました。

 山崎議長は「第190回国会は本日をもって召集されました」と宣言しました。

 委員長人事は、

 内閣委員長に民主党の神本美恵子さん、

 総務委員長に公明党の山本博司さん、

 外交防衛委員長に自民党の佐藤正久さん、

 財務金融委員長に自民党の大家敏志さん、

 文教科学委員長に自民党の石井浩郎さん、

 厚生労働委員長に自民党の三原じゅん子さん、

 農林水産委員長に自民党の若林健太さん、

 経済産業委員長に民主党の小見山幸治さん、

 国土交通委員長に民主党の金子洋一さん、

 環境委員長に自民党の磯崎仁彦さん、

 国家基本政策委員長に民主党の北澤俊美さん、

 決算委員長に自民党の小泉昭男さん、

 行政監視委員長に自民党の磯崎陽介さん、

 議院運営委員長に自民党の松山政司さん、

 懲罰委員長に民主党の直嶋正行さんを選挙しました。

 特別委員会の設置では一部は多数決となりました。安保特(我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)は廃止されました。

 情報監視審査会の院の構成の変化による委員の移動があり、日本共産党の仁比聡平さんが同党から初めて指名されました。

 午前10時10分過ぎに休憩になりました。

 ◇

 なお、法務委員長は魚住裕一郎さん、予算委員長は岸宏一さんが続投しました。

 午後2時半に再開。安倍首相の「最近の海外出張に関する報告演説」と麻生財務大臣の「財政演説」を聞きました。山崎議長から、「質疑は後日にする」との提案があり、前科一致で議決。きょうは散会しました。

【同日 参議院北朝鮮における拉致問題等に関する特別委員会】

 理事就任予定の自民党議員が遅刻し、開会が遅れました。「非世襲」および「女性」には手加減するという当ブログの独自基準にもとづき名前は伏せました。遅れた開会したのち、この議員が冒頭謝罪しました。この後、中原八一委員長が互選されました。

【同日 参議院の各特別委員会】 

 次の各特別委員長が互選されました。

 災害対策特別委員長に公明党の長沢正明さんが互選されました。

 沖縄および北方問題に関する特別委員長に、民主党の江崎孝さん。

 政治倫理の確立および選挙制度に関する特別委員長に民主党の前田武志さん。

 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員長に上掲の通り、中原八一さん。

 政府開発援助等に関する特別委員長に自民党の赤石清美さん。

 地方・消費者問題に関する特別委員長に自民党の熊谷太さん。

 東日本大震災復興および原子力問題特別委員長に民主党の田中直紀さん。

 特別委員会は全会一致で設置されましたが、地方創生特別委員会だけは多数決となりました。安保特(我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)は廃止されました。

【同日 国民生活のためのデフレ脱却および財政再建に関する調査会】

 会長に鴻池祥肇さんが互選されました。先の通常国会の途中安全保障特別委員長になるため辞めていました。会長選挙は採決となり、一部会派が反対しました。安保特での強引な議事運営への反発とみられます。 

【同日 両院・開会式】

 国会法9条1項にもとづき、大島衆議院議長が主宰しました。

 天皇陛下からお言葉ありました。

 大日本帝国憲法下の議院法による帝国議会は開院式から会期をカウントしましたが、虎ノ門事件で天皇が銃撃されたことで内閣総辞職による関東大震災の復興補正予算の成立が遅れたことで、のちの太平洋戦争につながったことから、日本国憲法下の国会法による国会の開会式はセレモニーでしかありません。会期は召集詔書に書かれた日から自動的にカウントされています。

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岡田克也代表「政権交代ある衆議院の歯止めを参院選でつくる。すべての責任は私がとる」

2016年01月04日 11時54分04秒 | 岡田克也、旅の途中

 民主党代表の岡田克也さんは、平成28年2016年1月4日(月)民主党本部内の仕事始め式や、国会内の民主党参議院議員総会であいさつしました。このもようは、ニコニコ生放送やYouTubeで公開されました。

 参議院議員総会では、盟友の郡司彰会長が「選挙を控えた大事な国会になる」とし、「きょうは岡田代表もお見えなので、政策の話は譲ります」と語ると会派内から笑い声が響きました。 岡田代表は「髪を切りに行ったら、思いのほか短くなりました」と切り出すと、郡司会長が、議員席の蓮舫代表代行を指さしました。岡田代表は「どうやら蓮舫さんから電話が行っていたらしい」と、蓮舫党本部代表代行の連絡で髪を短く切られたとしました。これには、ひな壇の小川敏夫幹事長、小川勝也さん、柳澤光美さん、大塚耕平さん、相原久美子さんも笑顔が出ました。そのうえで、「政権交代可能な政治を実現できるかどうかのたたかいになる」とし、「今度の選挙は政権交代ある政治の歯止めにならねばならない。すべての責任は私にある」と力強くあいさつ。ひな壇の中で、唯一岡田代表の方を見ていなかった、加藤敏幸国対委員長(電機連合=今回勇退)も岡田さんの方を向き、笑顔を見せました。

 これに先立つ、党本部での仕事始め式では、岡田さんは「安倍政権の暴走を許すと政権交代ある政治が遠のいてしまう。民主党のためではなく、国のためのたたかいだ」と第24回参院選を位置づけ、「すべての責任は私がとる」として、党本部職員を激励しました。この後、側近の辻元清美党本部役員室長があいさつし、「私からは4月24日(日)の衆議院北海道5区補欠選挙を担当し、反転攻勢したい」と4月の衆院補選に取り組みかまえを見せました。 

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2016年1月4日(月)から6月1日(水)まで 平成28年の第190回通常国会

2016年01月04日 05時27分02秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真]皇居桜田門から見る国会議事堂、2015年10月、筆者(宮崎信行)撮影。

 さあいよいよ、第190回通常国会が召集されました。

 国会法の規定により、

 第190回通常国会(第190常会)の当初会期は、

 2016年1月4日(月)から6月1日(水)までの150日間となりました。
 政府は会期を1回のみ延長できます。

 会期後に、参院選がありますので、小幅な延長と考えられますが、理論上は30日間前後の延長は可能です。

 第24回参議院議員通常選挙の日程は、

 2016年6月22日(水)公示、7月10日(日)投開票の日程となっています。

 半数の参議院議員の任期は7月25日まで。公職選挙法はその17日前の第24回参院選の公示を求めますが、通常国会閉会後24日から30日後ならば任期切れ後でもいいことになります。

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 国会法第2条は「通常国会は、毎年1月中に召集するのを常例とする」国会法第10条は「通常国会の会期は、150日間とする」とあります。

 第190回通常国会を平成28年2016年の1月4日(月)に東京に召集する、とした詔書(内閣の助言と承認にもとづく天皇の国事行為)。前年12月14日(月)の衆参議運理事会に官房長官が伝達し、憲法7条「天皇の国事行為」にもとづき、15日(火)に閣議決定し、召集詔書が公布されました。

 「1・4召集」は現行国会法で、最も早い日程となります。松の内召集は、麻生内閣の「1・5」以来。

 この日程感は、前年の10月24日(土)にNHKが報じていました。

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