宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

福島みずほ「良心の呵責は無いのか、戦後労政の敗北だ」と語るも、前原誠司氏の野党分裂の結果を参議院議員も知った延長国会

2018年06月28日 21時37分00秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[画像]福島みずほさん、2018年6月28日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 このエントリーは、夜9時過ぎまでの十数時間、タイトルが「働き方改革関連法案の採決は先送りの公算」となっていましたが、法案は委員会で採決されました。「働き方改革関連法案」(196閣法63号衆修正)と「TPP11締結に伴うTPP12施行日前倒し法案」(196閣法62号)は委員会から本会議に上程され、あす成立のはこび。今国会は、この後、厚生労働では受動喫煙と水道、内閣委員会ではギャンブルとカジノの審議が続き、クライマックスへと向かいます。

 きょうは、私の出身サークルである、早稲田大学鵬志会が岡田克也さんの講演会を開いたので、行ってきました=写真・宮崎信行撮影=。岡田さんの話では、政権交代ある二大政党政治を28年間やってきた中で、一番残念だったのは、昨年秋に前原誠司氏が民進党を解党したこと。政権担当能力のある政党をつくるのは難しいが、壊すのは簡単だとの話。岡田さんは当面無所属でやっていくとのこと。



 私自身、1992年の大学1年生の頃から、ここの雰囲気を知っていますが、最近足を運んだ中では、2012年は学生の質問で、「TPPのISDS条項」という言葉を初めて知って、よく知ってるなと。2015年はこの場所ではありませんが、シールズの動きとは一線を画すような当時の現役学生のムードも。しかし、「集団的自衛権の限定的容認」という詐欺的な言葉の意味は早くも見破られているようで、現役学生の真剣さを感じました。きょうは、学生の比率が男性9割程度ではないかという感じで、午後6時半からだったので、バイト無しに、授業が終わって連れだって参加するという学生生活ではなくなってきたのかもしれません。午後6時前のキャンパス内も、6月下旬にしては人数が少なかったです。まあ、私立大学は授業料が高いから。岡田さんも、プライマリーバランスの話をするときは、人の寿命は有限で、国の寿命は無限ですから、国庫セクターの借金はつけ送りしてしまって、毎年の各々の家計の安定が持続可能な社会保障につながるのだ、という視点を持っていただきたい。私もようやくきょねんごろ、財務省の洗脳が解けました。岡田先生も、ぜひ早く財務省の洗脳から解けていただきたい。

【参議院厚生労働委員会 平成30年2018年6月28日(木)】

 「働き方改革関連法案」(196閣法63号衆修正)が立国共社の反対、自公などの賛成多数で衆議院修正通りに可決すべきだと決まりました。石橋通宏さんが筆頭発議者の「パワハラ防止法案(労安衛法改正案)」(196参法9号)は、自公の反対、立国共などの賛成で、賛成少数により否決すべきだと決まり、あすの本会議で委員長がそう審査報告することになりました。

 福島みずほさんは、「きのうの岡田克也さんの党首討論の言葉ではないが、良心の呵責は無いのか。これは労働基準法の破壊であり、戦後労政の敗北だ」と語りました。きょうの質疑の中で、厚生労働省局長は「1、2か月夏休みをとる場合は高度プロフェッショナルから外れることになる」「高プロでうつ病になった場合は、報酬は、労働災害が認められれば、労災から払われる」などと答弁。但し、厚労省というよりも、規制改革会議の主導だとして、「竹中平蔵さんの考えはどうか」と問い、加藤勝信厚労相が「私からは答えられない」とするシーンもありました。このため、厚労省外しについて、戦後労政の敗北だ、との表現がでました。

 福島さんは2009年の政権交代で消費者庁担当大臣に。鳩山由紀夫首相が選挙前に国民新党にけしかけられて語った「最低でも県外」について、民主党の岡田克也外相、平野博文官房長官らが交渉にあたっていたところ、「遅々として進まない」ことを批判し、内閣を去りました。直後の参院選では高得票で再選し、今も福島さんは社民党副党首を務めています。

 「島村大厚生労働委員長解任決議案」。下述しましたが、きょうは木曜日なのに、議院運営の理事会のみならず、委員会がセットされていました。なにか変だな、とは、思っていました。決議案について、議院運営委員会で採決され、上程が反対多数で否決されたようです。正式に議事の運びで、理事会だけでなく委員会での採決まで行ったのかどうかは、ちょっときょうは外出していたこともあり、取材しきれていません。後日。

【参議院内閣委員会 同日】

 「TPP11締結に伴いTPP12国内実施法の施行日を前倒しする法案」(196閣法62号)が大詰めの審査。条約はすでに承認済み。

 山本太郎さんは、午後3時50分に爆弾投下。以前の審議で、渋谷・内閣官房審議官の、TPP12の第15章政府調達で、コンセッション方式が含まれるのかの答弁で「含まれない」が正しいのに「含まれる」と間違った答弁をしていたと指摘。山本さんの資料配布で、渋谷さんは自分が間違ったとし、茂木敏充TPP担当大臣は謝罪しました。

 この後、討論では、山本さんは長時間演説。2015年の討論はNHK中継されましたが、きょうは、すぐにやめろという圧力。時代の変化に左右されやすい、私立大学生の様子も見てきましたが、2015年と2018年ですっかり違った国になりました。山本さんは「選挙で勝つしかないんだという気がつくづくします」。

 採決の結果、立国共自反対、自公など賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「オゾン層保護のためのモントリオール議定書の改定の承認案」(196条約3号)が全会一致で承認すべきだと決まりました。国内実施法は既に成立済み。沖縄の風の伊波洋一さんが、三宅伸吾委員長から持ち時間が過ぎているから質問をまとめなさい、と注意されており、またまたまた、という感じで、伊波さんは反省していただきたい。

【参議院法務委員会 同日】

 「民法相続編を改正して配偶者居住権を設ける法案」(196閣法58号)「法務局における遺言書保管法案」(196閣法59号)が与野党の質疑が一巡しました。来週7月3日(火)午前10時から参考人質疑をすることを決めて、散会しました。7月22日(日)までの会期もあっという間だな、という印象です。法案は政府原案通り今国会で成立する見通し。

【参議院議院運営委員会 同日】

 木曜日ですが、理事会のみならず、委員会も開かれ、明日以降の本会議日程を議論するようです。インターネット中継では、非公開。

【衆議院憲法審査会 同日】

 流会しました。前日、自民党の細田博之さんらが「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号)を出しましたが、審議入りは見送られました。

 自民党はまだ、「改憲4項目」も議案として提出しておらず、第196回通常国会での改憲発議は絶望的。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2018年、宮崎信行。

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Miyazaki Nobuyuki

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