宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

消えた年金「最後のおひとりまでお支払いするのは難しくなった」と安倍首相初めて認める、2019年2月4日

2019年02月04日 18時19分42秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]安倍首相・自民党総裁、おととし2017年10月、茨城県内で、宮崎信行撮影。

 「消えた年金」について、「最後のお一人までお支払いする」と、2007年の中盤国会から7月下旬の第21回参院選の公約で、連呼していた安倍晋三首相の発言が嘘だったことが明らかになりました。

 安倍首相は、きょう、平成31年2019年2月4日(月)のテレビ入り衆議院予算委員会で、

 「年金について最後のお一人までお支払するのは難しくなった」

 と語りました。立憲民主党・無所属フォーラムの長妻昭・元厚生労働大臣に対する答弁。

 当ブログはこの問題について、しつこく、何度も何度も繰り返し取り上げてきました。

 2008年12月6日付では、山井和則さんの質問に対して、自民党の舛添要一厚労大臣(当時)が1300万円が消えた年金となっていた93歳の女性について、「大変残念ながら、お支払いしたのが十一月中旬、お亡くなりになったのが十一月の初旬、間に合いませんでした」と答弁。「お支払する」一週間前に亡くなっていたので、お支払いできず、公約が崩れたと動画部分も含めて指摘しました

 2012年12月14日付の衆院選のさいちゅうには、2007年7月の政見放送を全文書き起こして追及しました。

 2013年の記事でも、同年の通常国会での長妻さんの本会議質問に対して安倍首相は「さらに、1人でも多くの方の記録の回復につなげていきたいと考えている」とぬけぬけと嘘の答弁をしました。

  そもそも、長生きリスクに対応した年金で、その日に亡くなる人はいるのだから、最後のお一人にお支払できるわけはありません。

 2007年参院選の大敗で、安倍自民党はある程度の責任を負ったという考え方はできます。しかし、消えた年金の放置が公文書の改竄につながったと言っても、こじつけではありません。私がこの問題を重視してきたのは、宙に浮いた年金記録も公文書であり、公文書が無ければ、そもそも、民主主義、国会・議会、選挙が成り立たないからです。私見であり、私のつぶやきは国家を代表するものではありませんが、消えた年金を軽視する風潮がごく一部であったことで、民主主義国家としての底が抜けたととらえています。

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(C)2019年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2019


衆予算委スタート、不正統計とアベノミクス偽装に集中砲火

2019年02月04日 18時01分31秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]衆議院第二議員会館、きょねん夏(2018年8月)、宮崎信行撮影。

 予算委員会がスタート。毎月勤労統計の問題は(1)統計不正(2)消えた給付金(3)アベノミクス偽装の3点がありますが、統計不正とアベノミクス偽装に延焼してきました。自民党は昨年末の「外国人材拡大」の受け入れ状況を質疑しましたが、「拡大」の法律ですから野党は興味なし。公明党は「軽減税率」と「消えた給付金」を批判する、という相変わらずのカメレオンぶり。

【衆議院予算委員会 平成31年2019年2月4日(月)】

 「平成31年度第2次補正予算案」

●ことし初めての予算委員会スタート。

 先週末に提案理由説明がありましたので、審議は2日目で、基本的質疑1日目となります。

●外国人材拡大はすでに興味薄い。

 与党・自民党の「頭出し」としては、先週の本会議ではほとんど言及がなかった、外国人材拡大の改正入管難民法について。宮下一郎さんが日本の殖産興業発祥の地である諏訪湖周辺の自治体の事例を出して、特定技能の4月施行をふまえた受け入れ態勢についてただしました。

●国会改革。

 小泉純一郎さんは国会改革に言及。全閣僚出席の総括質疑方式でも、内閣官房長官は、内閣記者会の記者会見出席のために、一日二回席を外しているとしました。他の閣僚も質問通告が1つもなければ、7時間コースの間に退席してもいいのではないか、とうながしました。今世紀よくあることですが、小泉さんは、菅義偉さんと河野太郎さんに質問する「自民党神奈川県連リレー」となりました。河野さんが国家公安委員長のときに、国家公安委員会を開催するときは、国会を退席できる合意ができたそうです。これは私は知らなかったので、驚きました。

 自民党自ら「統計不正」についても切り出しましたが、「アベノミクス偽装」には言及せず。「消えた給付金」は銀行に振り込まれることを、根本匠大臣とのやりとりで強調しました。

●公明党が「軽減税率」「消えた給付金」批判。

 公明党の高木美智代さんは、軽減税率について、商店街で「まったくやり方が分からない」と言う人が多いとしました。「この際、店を閉じよう」と言われることもあるとのこと。自分たちで軽減税率を導入して「インボイスがあれば複雑ではない」と言っておいて、いまさらなんでしょう。軽蔑します。また、消えた給付金について「平均1400円というと少ないと思う人もいるかもしれないが、生活に困っている人には食事3回分だ」と批判。新年早々ハードルを高くして、どのような突き上げを食らっているのか、知らないし、興味もありませんが、平和の看板を捨てた公明党国会議員団にはあきあき。

●野党は不正統計とアベノミクス集中砲火で、大臣は数学関連でキレる。

 野党のトップバッターは、立憲民主党・無所属フォーラムの長妻昭さん。人事で政調会長から外れ、党代表代行兼選挙対策委員長になりました。長妻さんは、大西康之・政策統括官が官房付に更迭されたのは「口封じだ」とし、参考人として呼ぶよう要求しました。答弁した、根本匠・厚労相は「統計の問題は統計の専門家に結論を出してもらう、それが政治の責任だ」としました。先々週の閉会中審査で、数字に関して大臣に変わり答弁した定塚官房長と衝突した、立憲民主党・無所属フォーラムの大串博志さんは、「答弁は信頼に値しない。先々週の閉会中審査で人物の処分に関する資料はいっさい公表しないと言っていたが、その後出てきたではないか」と切り捨てました。

 ちなみに、根本大臣は東大経済学部出身の建設官僚、大西さんと定塚さんは東大法学部卒の労働官僚ということで、2019年日本は政策決定者が数学に弱い傾向があるのではないか。きょうも長妻さんの質問に対して根本大臣が「まだ11か月しか蓄積していない」などとキレながら答弁。2018年1月に毎月勤労統計の事業所サンプルを入れ替えながら、数値の補正・復元せずに前年同月比を出したことで、伸び率がプラスになった「アベノミクス偽装」を追及され、野党の質問者・理事らの野次で煽られてキレていました。今後の政策決定者も、その人の18歳のときの日本の大学進学率は上昇の一途だったので、もっともらしく言っていることが間違っている人は、日本社会には居続けるでしょう。労働の流動化が大事です。
 小川淳也さんはGDPで「その他の要因」が上がり続けており、アベノミクス偽装のかさ上げがあるのではないか、との疑惑を頭出ししました。

 かなり紛糾した印象でしたが、午後5時前後に終わりました。あすも立憲から始まり、その後他の野党も登場。おそらくあす夕刻には採決を前提とした締めくくり質疑に入るかもしれません。

【衆議院総務委員会 同日】

 理事懇談会がありました。補正に関連して、地方交付税総額を上増しする法案が出ています。

【参議院 同日】

 ありません。

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