渡辺恒雄の後継者、宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【今日の国会】衆・予算委は中央公聴会日程議決で、終盤へ、統計くすぶり続ける、共産党は国民健康保険料を問う、参では野党仲間割れ回避

2019年02月20日 23時22分35秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

(初投稿は午前11時35分)

[写真]前日の地方公聴会の報告をする、自民党の坂本哲史さん、きょう2019年2月20日午後5時過ぎの衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 不正統計・アベノミクス偽装は、安倍首相側が「偽装は無い」と証明するしかないわけですが、野党の追及は、ややくすぶりだした印象で来週採決のもよう。参議院では、2012年12月と、2016年7月に2度にわたって、同期の岡田克也さんを最大野党の党首の座をさまたげた増子輝彦さんが国民民主党の参議院野党第一会派にこだわり強行的に調査会を開催。立憲は、きょうは大人の対応で出席しました。

【衆議院予算委員会 平成31年2019年2月20日(水)】

 まず、来週26日(火)に中央公聴会を開くことが全会一致で決まりました。なお、ことしは3月31日は日曜日ですので、憲法の衆議院優越規定に関しては、28日(木)の衆議院本会議よりも前の時期での採決が必要となるだろうと私は考えています。

 「平成31年度予算案」は9日目で、そのうち集中審議2日目。タイトルは「外交・防衛・内外の諸情勢」。珍しく「等」が入っていませんが、例年2回に分けている議題が1日だけの7時間コースにまとまった印象です。

 自民党の沖縄選出西銘恒三郎さんは沖縄県民投票に反対だ、としましたが、今実施中の運動に干渉するような発言はなかったと私は見ました。大阪選出の竹本直一さんは2025年大阪万博。公明党安全保障調査会長の佐藤茂樹さんは、「空母いずもの改修は、攻撃型空母ではない」との解釈を確定させました。私は思うんですが、国内外の法律上の定義がない言葉ですから、数千万人の世論が突き上げれば、「攻撃型空母でない」と政府が解釈を変更することは理論上あり得ます。その場合、廃棄はさすがにできませんから、固定翼機の離陸のための耐熱ペンキをはがす、というような対応があるのでしょうか。もう改修してしまえば、やったもん勝ちのように感じます。

 立憲民主党は、午前中は「外交・安全保障」。本多平直さんは、まず、辺野古代替施設(新基地)建設について、土木工事の立場から。一部にマヨネーズ状の浅瀬があることを防衛大臣が認めました。先日「パパのつとめる自衛隊が違憲だと泣いた子どもがいるから憲法改正が必要だ」とする安倍晋三首相に、本多さんは駐屯地近くに住んだことがあるとし、「そのような子供は見たことが無い」との趣旨の問答があり、安倍さんは「私を嘘つきというのか」と気色ばむ場面がありました。これについて、首相は、「嘘つき」発言を修正せず、自衛官募集のために、手書きでうつさなければならない現状を嘆きました。防衛大臣は自衛隊法改正案は現時点で必要なく、自治体への協力を呼びかけていきたいと、答弁で明示しました。

 午前11時半以降は、「内外の諸情勢」が中心。山尾志桜里さんが、個人情報に関して、国家公安委員長に質問。捜査情報は「合計で3社」に提供を要請したことがあり、一度受け入れながら「捜査令状が無い」と拒んだ社もある、と大臣と山尾さんのやりとりで判明しました。スマホゲームの会社について、総務大臣は「電気通信事業者では無い」と答弁。法規制が違うことから、スマホゲームのGPSから警察に情報が流れている懸念が出ました。

 長妻昭さんの質問に対して、根本匠厚労相は「委員以外の関係者から、部分入れ替え方式を検討すべきではないか、との意見があったと、阿部座長に連絡した」と説明した。委員以外の関係者とは、「中江前首相秘書官のことだと思われる」と明確に語りました。前首相秘書官で、現財務省関税局長の中江参考人は「厚労省からけさがた、姉崎猛厚労省統計情報部長らが平成27年2015年9月14日に、検討会の状況についても触れたと言っている旨の連絡があった」とし、記憶に無いと連発しました。

 国民民主党の後藤祐一さんは、厚労省の「検討会」の議事録で追及。参考人は比較的前向きに答弁した印象がありました。野党としては、くすぶったまま、7月の参院選に突入した方がいい、との思惑が一部に浮上するかも。

 笠井亮さんは共産党が衆参通じて取り上げている、国民健康保険料(国保税)に関して、国費負担が薄くなっており、保険料が払えない人が多くいるとの指摘。安倍首相は「国保は(組合健保、きょうかい健保と)制度的な違いがある。今後も、国民皆保険を維持する」と語りました。医療保険は、組合、きょうかい、国保で違うし、国保は、自治体、世帯構成、前年の所得などでもかなり違う。いわば有権者側が「分断」されているので、保険料が重くなっていることに気付かれないことも多いでしょう。統一地方選(いっせい地方選)を前に、共産党のメッセージが発信されています。おそらく国保の国庫負担維持の財源は、無くはないでしょう。笠井さんが「国税徴収法で、生活困窮につながるおそれがある場合は、取り立て、差し押さえをしてはいけないことになっていると思うが、確認したい」との質問。午後4時25分頃でしたが、根本匠厚労大臣は秘書官に教えてもらいながら答弁。雰囲気からして、答弁は朝までにできていたと思いますが、根本さんも統計問題で持ちこたえている印象です。

 委員会の最後に、きのうの地方公聴会への派遣委員からの報告がありました。第一班・長野県は団長の野田委員長にかわり、坂本哲志理事が報告。私が実際見聞きした内容と比べて、見事の要約された報告でした。一か所、参考人のまちづくりの社長が「地方創生交付金を使うときに省庁の縦割りがある」という趣旨の発言をしたところが、「国の補助金」と言い換えられていたように感じましたが、地方創生に限った文脈での意見では無かったので、国の補助金という言い方で良いでしょう。こういうこともめったにありませんから、議会制民主政治において、昨日の報告オッケーと私が確認させていただきました。第二班・北海道は、田中和徳理事が報告し、災害対応をめぐる意見や議論があったとしました。散会。




[写真上]きのう、長野市で、地方公聴会を終えて委員長の記者会見に同席した自民党の坂本哲志さん(左から2人目)、宮崎信行撮影。
[写真下]きょう、前日の地方公聴会について、委員長席にいる野田さんにかわって報告する坂本さん、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【衆議院内閣委員会 同日】

 官房長官、内閣府特命担当大臣、国家公安委員長ら、9大臣の所信表明がありました。幼児教育の無償化はこの委員会で議論されると思われます。次回の開催は未定のまま、散会しました。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 理事会。

【参議院国民生活・経済に関する調査会 同日】

 野党第一会派争いをする、国民民主党・新緑風会の増子輝彦会長が、立憲民主党会派が反対するなか、委員会(調査会)を設定。立憲は出席しました。国民生活の向上に向けた住まいのあり方について、参考人3人から話を聞き、議員と議論しました。

【参議院資源エネルギーに関する調査会 同日】

 更田原子力規制委員長らへの質疑がありました。

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