[写真]東京都千代田区の、最高裁判所(左=隼町)と、国民民主党本部が入る民間ビル(右=永田町)、4年前の2015年秋、宮崎信行撮影。
内閣法制局長官の最高裁判所裁判官への左遷と、憲法第9条の解釈改憲で、法の支配の底が抜けたようです。
昨年秋の改正入管難民法強行採決で、衆議院議長があっせんした政府報告がされました。「特定技能の在留資格について政省令事項を含む法制度の全体像の政府報告」がありました。もっともらしいんですが、本質的には訳が分からないことですよね。
【衆議院法務委員会 きのう】
【参議院法務委員会 きょう平成31年2019年3月7日(木)】
「特定技能の在留資格について政省令事項を含む法制度の全体像の政府報告」が衆参の法務委員会でありました。山下法相の所信表明のあと、平口法務副大臣が、予算説明とは別個に、演説しました。
省は違いますが、厚生労働大臣官房長(東大法学部卒)が、「下位法令」という言葉を、今国会で連発。聞きなれない言葉で、「法律用語辞典第4版」(有斐閣、編著者代表・横畠裕介さん)にも載っていません。法律は国会で審議され内閣の助言と承認に基づき天皇が公布しますが、政令は閣議決定で天皇が公布し、省令は大臣命令です。忙し過ぎて、法学の勉強ができていないのでしょう。7年前の3党合意の「政令委任」を理解できず、政治生命を散らした人が数十人単位でいましたが、これだけ混然一体の流動化した状況になると、立て直しは難しいかもしれません。
【衆議院本会議 同日】
●本村賢太郎さんが相模原市長転出のため辞職、谷田川元さんが繰り上がり当選の見通し。
きょうの衆議院本会議ではまず、本村賢太郎さんの辞職が了承されました。政令指定都市・相模原市長に転出予定。繰り上がりでは、本村さんと同じく2009年初当選、政権交代チルドレンの、谷田川元さんが当選する見通し。7年ぶりの国政復帰。自民党に源流を持つ議員同士の交代になります。
●兵器ローン法案がつるしが降りて、審議入り。
「特定防衛調達のための国庫債務負担行為特措法の5年延長法案」(198閣法13号)が審議入りしました。吊るされているとは知らなかったのですが、昨年末に中期防新規5か年計画が閣議決定されていますので、それも含めた議論をしたいということだと思います。7年間の浪人経験がある、岩屋毅・防衛大臣が壇上で、趣旨説明・答弁。立憲会派の篠原豪さんは、国民会派の下条みつさんらが質問。武器メーカーの集約の必要性などを問いました。下条さんの本会議登壇は通算5回目のようで、ぜひもっと壇上にのぼってほしいです。
【衆議院安全保障委員会 同日】
「特定防衛調達のための国庫債務負担行為特措法の5年延長法案」(198閣法13号)が即時付託され、審議入りしました。あすの質疑後に、採決を検討する公算。東京新聞がよく書いている「武器リボルディング」「兵器ローン」のことですが、利子が発生しない話なので、10年単位では税金の節約になります。しかし、のちの政府の予算編成の自由をしばることになり、中期防は、時の政権政党が閣議で途中で変えられるわけですから、国会質疑答弁の積み重ねによる政府の抑制が必要です。
【衆議院総務委員会 同日】
「成田空港周辺整備のための財源特別措置法の5年延長などの改正法案」(198閣法8号)が審議入り。
これに先立ち、大臣所信に対する一般質疑があり、近藤和也さんらが質問しました。
【衆議院農林水産委員会 同日】
一般質疑があり、法案は審議入りせず、次回は未定のまま散会しました。
【参議院予算委員会 同日】
「平成31年度予算案」は審議5日目で、そのうち一般質疑1日目。一巡目の前半で散会しました。あすは本会議で国税改正法案が審議入りするため、午後1時から一般質疑の一巡目の後半が開かれます。
●参議院第一種常任委員会 同日
上述の参議院法務委員会を含めて、合計7委員会が開かれ、大臣の所信的発言がありました。衆と定例日が重なる参議院総務委員会も開催されました。参議院文教科学委員会、参議院厚生労働委員会、参委員経済産業委員会、参議院環境委員会の4つの委員会は開かれませんでした。このうち、経産委では、「2025年大阪万博特措法案」(198閣法11号)が、衆議院通過後に審議されるはこび。厚労委では、衆議院通過後に「健康保険法改正案」(198閣法25号)を審議しますが、健康保険証をマイナンバーカードに切り替えられる条項について、省が事前に説明せず、「概要」にも「マイナンバー」の単語が入っていない不誠実な内容。世論はもはやマイナンバーに鈍感のようにも感じられますが、マイナンバーという単語を厚労官僚が避けた兆しがあります。政府が求める3月31日までの衆参両院での可決・成立が遅れる公算も出てきました。
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