(初投稿は午後5時10分、同30分ほぼ最終更新)
[写真]公安調査庁が入る、法務省・検察庁などの合同庁舎6号館、東京都千代田区霞が関、4年前に宮崎信行撮影。
一般法案の審議が始まりました。「警察法改正案」(198閣法2号)が衆議院内閣委員会で審議入りしました。衆議院の、農林水産・国土交通・外務・法務の4常任委員会でも大臣の所信的発言の聴取がありました。
参議院はもちろん予算委員会。集中審議のテーマということもあり、毎月勤労統計の不正統計に関する追及が再び熱を帯びました。
【衆議院内閣委員会 平成31年2019年3月6日(水)】
「警察法改正案」(198閣法2号=2月1日(金)提出済み)が、山本国家公安委員長から提案理由説明され、審議入りしました。
これに先立ち、大臣の所信的発言に対する一般質疑がありました。2月22日(金)では時間が足りず、きょう2回目をやって、やっと全会派が一巡しました。
国民会派の山岡達丸さん(北海道9区比例)は、今後審議される「アイヌ新法案」(198閣法24号=2月15日(金)提出済み)を先取り質問。「有識者でもアイヌはいない、という人がいるが、私は地元を回っていて会う。法案が提出された際に、議員会館前でヘイトスピーチのようなものがあり遺憾だった」とし「ヘイトスピーチ的に、アイヌ新法ができると、国家が分断される、という抗議運動が議員会館前であった。官房長官はアイヌ新法ができると、国家が分断されると思うか」と問い、菅さんは「ありえない」と断定調で答弁しました。
前日、参議院のテレビ入り中継で、答弁が立ち往生する姿が報じられた、桜田義孝・東京オリンピック・パラリンピック担当相。私は桜田さんは市議時代から共通の知人がいて本人を見たこともたびたびあり、かつてつかえた官僚からも、良い人であり、野党の主に参議院の一部議員は揚げ足取りをしているとの認識ができつつあります。きょうは山岡さんが、東京五輪のスポーツだけでなく文化的祭典の要素について質問。桜田大臣は「オリンピックはスポーツだけでなく、文化の祭典でもある、として前回の質疑で組織に伝えると約束した、山岡意見について、事務方に指示して、組織委に伝えました」と答弁。山岡さんは「山岡意見、と言ってくれてとてもうれしい。大臣の人情味がある答弁はうれしい」と返答しました。「最高裁の少数意見」のように「山岡意見」ということで、答弁で「だれだれに伝える」という大臣答弁は実効性があるのかと思っていましたが、桜田さんは指示したと明言して、野党議員からも一定の賛同を得たことになります。
2月の衆議院予算委員会と3月参議院予算委員会では、大臣を辞任に追い込む「大臣のクビをとる」ことが野党国対から最大の評価を得ます。長妻昭さんなら中川秀直官房長官のクビをとり、細野豪志さんなら大島理森農相のクビをとることで、野党若手ながらも質問の機会が増え、政権交代で自ら大臣ポストをとりました。しかし、ここまで空気が悪い政治になってくると、桜田大臣のクビをとって溜飲を下げるのは、本質から目をそらす、お得意の自民党政治をアシストすることののように感じます。もちろん、概算要求をして予算を実施するのは大臣ですから、少しの政治資金・個人財産の不確実な行いや説明を、すべてに優先して審査されることは当然だと考えます。
それと、一般質疑では、平井卓也IT相と、山本国家公安委員長の2人への質問はありませんでした。きょう審議入りした警察法改正案は、「中四国管区警察局」の新設、警視庁警備局の部の再編に加えて、警察庁長官官房の所掌事務に「統計の管理」が入る内容。このうち、「統計」については事前に知らなかったので、今回の不正統計をうけて、法案執筆で追加したのか、と警察庁広報課に電話で問い合わせました。そのさい、ていねいに聞き取り、しばらくしてから、「紙媒体でないのでお答えできません」と言われました。警察庁はそういう対応をとるとよく言われます。ただし、今回は、ひょっとして、難しい質問だから、しばらくしてから、「紙媒体でないから」という口実で、断ったのかもしれないですね。まあどうでもいいです。
次回は、8日(金)午前9時から。
【参議院予算委員会 同日】
「平成31年度予算案」は、趣旨説明だけの日も入れて、合計で4日目の審議。昨夜8時前に基本的質疑が終わりましたが、間断なく、集中審議1日目「統計問題・内外の諸情勢」がありました。安倍総理、根本匠厚労大臣はご苦労なことです。
大学教授である樋口・監察特別委員長や、姉崎元部長らが参考人として出席。答弁が立ち往生する場面もありました。上述の通り、参議院でも「大臣のクビをとる」のは容易ではないと思いますが、同じ政治家である大臣の目を見て質疑できないような議員が質問に立つことはないようにしてほしいところです。
首相は、天皇陛下の「退位」について法律上の言葉で、「譲位」は法律に無い言葉だと答弁しました。
「維新・希望」の松沢成文さんは憲法改正案について、維新と希望が別々に提出するととれる答弁をしました。
最後に、中央公聴会を、来週12日(火)の午前9時から開くことを全会一致で決めました。官報特別号外が出るでしょう。公聴会というのは、高年齢が偉いという人選ではないので、例年比較的私の知人が呼ばれることが多いので楽しみです。今回は誰でしょうか。
あす午前10時から一般質疑。散会。
【衆議院農林水産委員会 同日】
大臣の所信表明がありました。あす、一般質疑へ。
今国会のこの委員会では、「農地バンク法など改正案」(198閣法23号)が審議されるでしょう。おそらく閣法は4本審議されると思います。このうち、「国有林野の管理経営法など改正案」(198閣法31号)については、昨秋の改正水道法のように、新自由主義的な要素があるのではないかとの懸念も出ています。
【衆議院法務委員会 同日】
山下貴司法相らの所信表明や予算説明がありました。8日(金)9時から一般質疑か。
先週末の衆議院本会議で、共産党を公安調査庁の調査対象だと揶揄する本会議演説がありました。山下法相は公安調査庁を所管する大臣として「アレフ、山田らの集団、光の輪」を引き続き公安調査庁が調査していくとしました。もちろん私も「山田らの集団」が破壊的な手段で国家転覆でもしたら絶対困りますが、それは、警察の公安部や警備局に任せた方がいい話で、公安調査庁など要らないだろうという考えです。SNSなど見てても「公安調査庁が正しい」という前提で話す人がどうしても多いですね。
【衆議院国土交通委員会 同日】
大臣らの所信表明がありました。次回は8日(金)午前9時。
2013年以降、安定した審議がされており、今後は「建築物省エネ法改正案」(198閣法27号)など、6法案程度を審議するのではないでしょうか。安定した審議ということでは、谷公一委員長が再登板となっていますが、前にも書きましたが、やはりていねいに全体を見ると、谷さんは石破茂さんを応援して干されている。その人事が、大臣ならまだしも、さらには、「衆議院国土交通委員長」を2回やっても、経歴が増えません。石破派でないのに石破支持者だった谷さんを干し上げている、ということで間違いなさそうです。
【衆議院外務委員会 同日】
外相による国際情勢に関する件の発言がありました。
2度目の米朝首脳会談など国際情勢が動いていますので、条約承認案を議題にしながらも、米朝の核、日露の領土、英国のEU離脱、米中貿易摩擦(米中貿易戦争)などの大きな議論が今国会で展開されることになります。
【衆議院議院運営委員会 同日】
【衆議院総務委員会 同日】
【衆議院安全保障委員会 同日】
委員会はありませんでしたが、理事会室や委員長室などを使った、理事会や理事懇談会がありました。理事会、理事懇とも、会議録は作成されていません。「理事会協議事項」のメモは残りますが、インターネットなどでの公開はありません。
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