ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【きょうの国会】平成31年度予算案は自公のみ賛成で委員会通過も本会議採決できず「延会」、野党5党1会派奮闘、不正統計・増税前提の幼児教育無償化・イージスアショア爆買い

2019年03月01日 23時50分09秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

(初投稿は1日(金)の午前9時6分、最終更新は23時55分に更新)

[画像]平成31年度当初予算案を採決する、野田聖子予算委員長(中央)と立憲の逢坂誠二(左)、国民の渡辺周(右)両理事、2019年3月1日の衆議院インターネット審議中継から宮崎信行がスクリーンショット。

 ありがとう存じます。きょう私は45歳になりました。きのうページビュー(PV)は3888PVで、通算1997万5417PV。わずかに2000万PVに届きませんでした。

 幼児教育無償化を人質にとった消費増税10%を前提として、中期防にもとづくイージスアショアの浪費的爆買いを盛り込んだ、史上初の一般会計100兆円越え予算の平成31年度予算案は衆議院予算委員会を通過しながらも、その日のうちに本会議で採決できず。きょう平成31年2019年3月1日(金)の夜11時48分頃、大島理森議長(自民党員)は苦渋の選択として、「時間の関係上この程度にとどめ、本日の議事を継続する」として、「延会」(えんかい)を宣言しました。

【衆議院本会議第1ラウンド 平成31年2019年3月1日(金)】

 定刻通り、午後1時頃開会。

 自民党の田畑毅議員の「一身上の都合による辞職」が認められました。私と同じ「団塊ジュニア・早稲田」ですので、トレンディドラマの影響が強いからクリスマスイブにこだわったのかもしれませんが、想像される絵面は、トレンディドラマと対極のみにくさ。ちょっと政界復帰は難しい辞め方です。

 この後、青山丘さんに対する弔詞が朗読されました。こちらは、新進党の初代総務委員長。当時大学3年生の終わりの私が全員をとりまとめて、「新進党学生部結成の建議書」をまとめあげて、一同で、党職員に提出。それで、学生部が出来たのですが、4年生まじかの私は多数派工作に失敗して、部長になれず、会合にも1回しか出席しませんでした。

 そんなことはどうでもいいのですが、午後1時6分頃から、根本匠厚生労働大臣不信任決議案が緊急上程されました。趣旨弁明は、ことしの予算委員会のMVP的扱いになっている、小川淳也さん。その後の、討論では、維新の丸山穂高さんが反対討論で「予算案を早めに上げたければ、もっと早く国会を開くべきだった」と与党に注文を付けました。

 採決の結果、投票総数449、賛成(白票)132、反対(青票)317で、否決されました。午後4時3分頃休憩。
 
【衆議院予算委員会 同日】

 定刻は午前9時でしたが、午後5時開会。

 史上初めて一般会計だけで大台越えの101・5兆円の「平成31年度予算案」は審議16日目。全閣僚出席での締めくくり総括質疑となりました。

 野田聖子委員長は冒頭、質疑者も傍聴議員も、特定の議員を誹謗中傷しないよう求めました。前日の一般質疑で、自民党の小田原潔さんが、立憲民主党の本多平直さんの「自衛官の子で、「お父さんは憲法違反だ」と言われた人の話を聞いたことが無い」との指摘に対して、個人攻撃したことをめぐる騒動を念頭に踏まえて、理事会で協議し、委員長が発言したと思われます。

 午後8時4分頃に締めくくり質疑が終局。討論では、自民党3期生の井野俊郎さんが賛成討論。立憲が反対、国民が反対、公明が賛成、共産が反対、維新が反対しました。

 午後8時23分頃採決。

 維新は2012年末の躍進の後、予算案の修正案を出す意欲的な取り組みをみせていることから、当初予算での政府原案反対は7年連続となりました。散会。本会議緊急上程。

【衆議院財務金融委員会 同日】

 「平成31年度所得税法改正案」(198閣法3号)が立憲民主党会派・国民民主党・共産党・維新などの反対、自民党と公明党の与党のみの賛成多数で可決すべきだとしました。

 これに先立ち、法案審査3巡目を、総理入り質疑を実施。

 討論では「住宅ローン控除の拡充と車体課税でますます複雑になった」との反対論が出ました。私は個人的に友人が、年末に住宅ローン所得控除の書類を出し忘れていて、税務署に電話したけどたらいまわしにされている(確定申告シーズンだからでしょうが)という友人がいたものですから、住宅ローン所得控除も恒久的に年末調整などでできるようにしていくべきではないでしょうか。二度書くのもあれですが、

【衆議院総務委員会 同日】

 「森林環境税及び森林環境譲与税法案」(198閣法6号)は、共産反対、自民・公明・立憲・国民・社民の賛成で、可決すべきだとなりました。

 「地方税法改正案」(198閣法4号)は立国共維社の反対、自公の賛成多数で可決すべきだ、となりました。

 「特別法人事業税及び特別法人譲与税法案」(198閣法5号)立国共維社の反対、自公のみの賛成多数で可決すべきだと決まりました。「小池都知事・松井府知事・大村愛知県知事の三都物語」の維新は当然反対に回りました。

 「地方交付税法改正案」(198閣法7号)は、立国共反対、自公維の賛成多数で可決すべきだとなりました。

 4法案とも、本会議に緊急上程されますが、本会議での可決日は3月2日になるかも。

 この後、例年通り、地方財源拡充のための決議がありましたが、共産党が反対して全会一致は崩れたようです。今国会は、共産も含めた野党「5党1会派」は国会運営では足並みが見事なまでにそろっていましたが、賛否は別と言ったところでしょうか。散会。

【衆議院本会議第2ラウンド 平成31年2019年3月1日(金)】

 午後10時50分頃再開しました。

 「平成31年度予算案」が議題となり、野田聖子予算委員長が報告。

 当初予算案に対する最大野党会派の反対討論は、毎年、将来を最も嘱望される中堅が担当することになっています。今回は大串博志さん=53歳、連続当選5回、佐賀2区小選挙区選出=が登壇。

 維新の討論が終わった午後11時48分頃に延会しました。

【参議院 同日】

 なし。

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岡田克也さん「安倍4選を支持」表明、衆参同日選「3割から4割だ」

2019年03月01日 12時40分02秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]与党時代、当時の文部副大臣の森裕子(森ゆう子)さん(右端)に意見を述べる、岡田克也さん(左端)、7年前の2012年に、議員会館内で宮崎信行が撮影。写真と本文は関係ありません。

 岡田克也さんは、加藤・自民党総務会長の講演をきっかけに、「安倍4選」論が浮上したことについて、「総理と自民党総裁は別だ。総裁4選してもらったらいい。そこで、政権交代したらいいんだから」と語り、細田派、二階派から賛同の声が出ている「安倍4選論」を支持しました。

 岡田さんは、衆議院議員会館内の共用会議室で、週1回定例で開いている、オンレコ記者懇談会をけさ平成31年2019年3月1日(金)開きました。

 岡田さんは衆参同日ダブル選の可能性について「3割から4割だ」と言及しました。根拠は「私の勘だ」としました。

 懇談会に先立ち、「根本匠厚生労働大臣不信任決議案」が提出されたことに関連して、「あす朝7時30分から三重県で、(現職の自民党・吉川ゆうみさんと対抗して参院選に出馬する)よしの正英(芳野正英)さんと演説する予定なんだけど、間に合うかなあ」と、立憲が徹底抗戦を前に、時計を見上げました。

 前夜、立憲の枝野幸男代表・福山哲郎幹事長と、岡田さん、中村喜四郎さん、安住淳さんらが会食。参院選の32ある1人区の中で、三重、滋賀などで無所属が野党調整候補になる公算が高まっていることで、無所属に対して、立憲民主党・国民民主党の両党とも推薦を出すことが好ましい、と枝野代表に伝えたことを明かしました。岡田さんは「国民が推薦すると、立憲は推薦しないということではいけない」としました。先週の玉木雄一郎国民民主党代表との会食では、自由党との合併構想について意見を述べたことを明かしました。岡田さんは「あなたが決めることだ」と玉木代表に託したとしましたが、小沢一郎さんとの合流について、慎重であるべきだとの方向性を示唆した可能性があります。

 全体の擁立状況について、自らが民進党代表として陣頭指揮した3年前の参院選と比べていると指摘。32ある1人区のうち20以上の勝利をめざすべきだとしながらも、野党の一部幹部に「11超えたらいいや」というような感覚があるとしました。また、3年前は、岡田代表の側近の玄葉光一郎選挙対策委員長が「3年前のこの時期には全国を飛び回っていた」とし、広義の岡田グループである、長妻昭・立憲民主党選対委員長が前日テレビ入り予算委で総理や予算委員長を追求したことに、やや懸念を示しましたが「予算審議が参議院に移れば、変わるのではないか」と期待しました。

 統一地方選では、鈴木直道・夕張市長と石川知裕・元衆議院議員の「保革一騎打ち」となる公算の北海道知事選を重視する考えを示しました。

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