宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【10/13】自民党役員会で、参議院「野党の動きで委員長1減少も」「議運19(月)」「政調20(火)」外相「日英協定臨時国会でお願い、作業は膨大だが順調だ」

2020年10月13日 20時18分24秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]共産党参議院議員団控室、3年前の2017年、宮崎信行撮影。

 きょうも大きな動きはありません。あすもありません。サボりましょう。

【茂木敏充外相記者会見 令和2年2020年10月13日(火)】

 茂木外相の閣議後の定例記者会見が外務省であり、ツイッターの「ペリスコープ」で動画同時配信されました。一部の報道で、日英EPA経済連携協定を23日(金)に東京で署名するのではないかとされました。これについて外相は日程に言及しませんでした。外相は「おしりはEU離脱の移行期間である本年末。日本企業のビジネスの継続性を確保するためには1月1日の発効が必要だ。そうなると、当然、臨時国会に承認をお願いすることになる」とし、「膨大な文書になり、リーガルチェックやリーガルスクラブを進めており、大変だが、順調だ」と語りました。国会での議案は「日英EPAの承認を求めるの件」という一枚紙であり、英文・和文は附属文書となりますが、最大の目玉議案という位置づけだけに外務省は大変でしょう。

【自民党役員会 同日】

 自民党役員会が、今回も、「火曜午前」に同党本部でありました。幹事長による記者会見がYouTubeで公開されました。それによると、菅首相(総裁)は来週、ベトナム・インドネシアを外遊したいと報告。立皇子の礼は11月8日(日)だとしました。森山裕国対委員長は「臨時国会は26日(月)から12月上旬まで。議運理事会は19日(月)午後にも開く予定で調整中だとしました。末松信介参議院国対委員長は「野党の動きで先の国会で委員長が自民党は1つ減った。次の国会に向けた野党の動きで、もう1つ減るかもしれないのでご了解いただきたい」としました。世耕弘成・参議院幹事長も「野党の動きがある」と強調。下村博文政調会長は「臨時国会の法案審査に来週入る。20日(火)に政調審議会を開いて、総務会に早めに送りたい」と語りました。

【立憲民主党 同日】

 東日本大震災復興本部の立ち上げ、学術会議、GoToと持続化給付金の野党ヒアリングがありました。常任幹事会も開かれました。あすは、GoToと持続化給付金の野党ヒアリングが連日開かれます。

【閣議 同日】

 ありました。

【最高裁 同日】

 非正規労働の大学秘書に対する賞与不払いや、東京メトロ子会社非正規社員への退職金不払いを、労働者側が訴え、高裁で勝訴しながら、最高裁にもつれこんだ2つの裁判。小法廷で、非正規労働者側に不利な判決が相次ぎました。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

【学術会議】菅首相「グループインタビュー」で嘘疑惑、縦割りで無い官邸の東大ファミリーの暗闘か

2020年10月13日 06時04分01秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[画像]毎日新聞2020年10月13日付朝刊1面トップ。

 国会召集までまだ13日間ありますが、「グループインタビュー」をめぐって、菅義偉首相の説明に「齟齬」があり、「嘘」があったのではないかとの導火線が引かれました。

 縦割り排除と国会軽視で、自民党議員すら見えない、不透明な官邸内の東大卒同士の暗闘があるのかもしれません。

 文章の順序ではやや不自然ですが、「グループインタビュー」となにか。これは民放テレビ局持ち回りの「総理と語る」という報道特別番組が慣例化した時代に、新聞社が排除されているとの考えから、新聞社2社ほどの官邸キャップが質問し、首相の答弁は各社が共有できるという取材方式。1993年にはテレビ朝日が持ち回りの「総理と語る」で、田原総一朗さんが宮澤喜一首相に質問し、政治改革法案は「必ず成立させる。会期末には、宮澤はこういうことを考えていたのだな、と分かるようにする」という趣旨の政治のプロ発言をし、6月18日に「嘘つき解散」となりました。1年後に自民党が政権を取り戻すと、テレビ朝日の椿報道局長が予算委員会に呼び出されました。その後も、TBSが当番の回なら筑紫さんが「これまでは総理が語る、でしたが、タイトル通り総理と語る、でやります」と意気込みましたが、歴史的な「嘘つき解散」につながったことへの首相の警戒感からか、いつしか立ち消えになりました。

 話が長くなりましたが、2020年10月5日のグループインタビューで、菅首相は学術会議について「現状では事実上、現在の会員が自分の後任を指名することが可能なしくみだ。推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲していいのか考えてきた。総合的、俯瞰的活動を確保する観点から今回の任命について判断した」と語りました。以前から菅官房長官が学術改革の意識があったことを示しています。

 しかし、2020年10月9日のグループインタビューでは「任命手続きは終了した。任命を変更することは考えていない。最終的に決裁を行ったのは9月28日で、(99人の)会員候補リストを見たのはその直前だ。(105人のリストは)見ていない」と語りました。見ていないと突き放しました。この場合は、常識的に杉田和博・内閣官房副長官が6名を外した、と考えるのだ打倒です。しかし、加藤官房長官はきのうの会見で105名の名簿が決裁文書案に添付されていた、と暴露しました。

 少なくとも、9日のグループインタビューで、首相は嘘をついていた可能性があり、この導火線を、新聞社自ら着火させるかどうかが、日本政治としては久しぶりの権力と報道の攻防の政局となりそうです。

 東京大学と法政大学。日本学術会議は歴代で30名の会長がいて、その中で、東大卒ではない人は、ノーベル物理学賞で海外にいた朝永博士、先月末までの山極京都大学総長、今の、梶田会長(埼玉大学卒で東京大学大学院修了)の3名だけのようです。

 一方、官邸は法政大学卒の菅首相のもと、加藤官房長官、杉田副長官、和泉補佐官(工学部)、首相秘書官や官房長官秘書官のほとんどが東大卒になります。

 東大卒はあまり仲が良くない傾向があります。過去に理系と文系の東大卒がつながった地方政権があります。

 1964年東京五輪の東京都庁。東知事(軍医総監を経て東大医学部長)を鈴木俊一副知事(初代自治事務次官)を支えていました。五輪後の大不況で、鈴木昇格戦略がばれて、革新の美濃部知事となり、鈴木さんは大阪万博事務総長など12年間外に出ました。ところが、美濃部知事は法政大学教授ですが、実際には、東大経済学部教授を「共産主義者外し」で追い出されて法政大学の職を得て、テレビ出演に活路を見出したようです。つまりこの人たちはみんな東大で、初代から48年間一貫して都知事は東大卒でした。他県と違い出身高校はまったくバラバラでしたが、副知事の一人も含めて、大学はずっと東大だったわけです。戦後都政の目玉プロジェクトの半分くらい、五輪、ニュータウン、臨海副都心、地下鉄は、霞が関が全日本できないことを都庁支店に投げた、との構図も透けて見えます。

 蛇足ですが、菅さんの息子3人のうち1人は東大法学部卒です。息子3人のうち1人は東大卒というと小沢一郎さんを思い出しますが、菅さんのところは後継者になるのではないかとの噂は港町でくすぶっていて、自民党系地方議員は否定しているようです。

 杉田さんも80歳ですから、新首相に自分のせいにされたらやってられない、と投げ出したのかもしれません。

 権力と権威。権力があれば何でもできると、権力をかざす菅首相に対して、東大閥が権力と権威の融合で押し返しているような気がします。反知性主義がすさまじいうねりと権力の暗闘を呼び起こしているのではないか。私としては縦割り排除ではなく、縦割り復活で、大臣や事務次官どうしが記者会見も通じて格闘してほしいと感じます。

 コロナ過で、学術会議どころではないとの話も聞きますが、安定政権が一気に流動化しつつあります。

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