ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【10/14】衛藤征士郎・自民党憲法改正起草委員長が年内成案をめざし安住淳委員長徹底抗戦の構え、杉田和博・内閣官房副長官国会招致めざす

2020年10月14日 17時31分39秒 | 2020年夏秋政局 菅自民 枝野立憲 新体制に
[写真]衛藤征士郎さん、宮崎信行撮影。

 きょうも大きな動きはありません。

●衛藤・自民憲法改正推進本部長

 自民党では、衛藤征士郎さん(79歳)が憲法改正推進本部長となり、改正原案起草委員会をきのう開催。年内に改正原案を全文条文化してまとめるとしたようです。これに対して、立憲民主党の安住淳国対委員長はきょうの記者対応で、徹底抗戦するかまえを見せ、突如臨時国会最大の案件になりそうな気配。衛藤さんは79歳で、当選12回で意外にもずっと連続当選。いつのまにか細田派に入っていましたが、二階俊博幹事長(81歳)よりも党本部に近いビルに個人事務所を構えたり、自分の官邸入りをめざして麻生太郎さん(80歳)や森喜朗さん(83歳)らと駐日アメリカ大使とのゴルフコンペを催したりと、いろいろやってきたけど、ことごとく不発。二階さんや麻生さんが現役、非議員の森さんもがんばっているから、自分もやれると思い込んでいるんでしょうが、12期連続でやっても「衛藤」なんて国民のほとんどが知らない。才能がないんだから、もうやめなさい、と引導を渡すべきでしょう。早稲田大学雄弁会の20年ぐらい後輩として、野党の安住委員長が引導を渡そうとしているのかもしれません。

【与野党国対委員長会談 きょう令和2年2020年10月14日(水)】

 森山裕委員長が安住委員長に、あさっての閣議で予備費5000億円強を歳出すると通告。衆参の予算委員会理事懇談会などで説明を聞く方向性になりました。安住委員長は、日本学術会議の問題で、杉田和博・内閣官房副長官(80歳)の国会招致を求めました。

【官報 きょう】

 感染症法にもとづく政令で、都道府県知事は、新型コロナウイルス感染症患者を必ず指定医療機関に入れなければならない、とされてきましたが、これを65歳以上などの条件にあてはまらなければ、「入院させなければならない」との知事の責務が外れました。きょうから10日後に施行。前回の閣議で政令を改正する政令が決定されており、天皇陛下の御名御璽が入って、官報告示となりました。

 ●その他

 日本学術会議をめぐっては、益川敏英・京大名誉教授も非難するペーパーを発表。きのうの文部科学大臣記者会見では国立大学法人法にもとづく大学学長の任命を大臣がしないこともありうると言及しましたが、それほど問題になる話ではないと思います。益川さんは、京大学長の経験はなく、京大教職員労働組合書記長を掛け持ちしながらノーベル賞につながった共同研究をしていたようです。

 菅首相の来週のベトナム訪問時に、日越防衛装備移転協定が署名される公算が高まりました。転売などを禁止する内容。第二次安倍政権での「防衛装備移転3原則」と防衛装備庁新設以降、日比防衛装備移転協定が結ばれています。いわゆる「大平3原則」にはならない国際約束のようで、国会への承認案という議案は提出されない見通しです。加藤官房長官はきょう午前の記者会見で、首脳会議の議題として最終調整中であることを否定しませんでした。

●あす以降の予定

 閉会中審査は無く、本会議・委員会は26日(月)になります。それに先立つ理事会、理事懇談会や、自民党政調部会などは来週開かれます。

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【法案】「災害対策基本法改正案」の2021年通常国会提出で防災相「梅雨の時期の運用めざす」

2020年10月14日 15時33分00秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]小此木防災相、宮崎信行撮影。

 「災害対策基本法改正案」が令和3年2021年1月から始まる通常国会に提出されることになりました。既に多くの報道が出ていますが、当ニュースサイトでは初めてお伝えします。閣議決定は2月下旬から3月上旬になりそうです。

 小此木八郎防災担当大臣は11日付の読売新聞インタビューで「2021年の梅雨の時期からの運用を目指して準備を進める」と語りました。会期中の成立に意欲をにじませました。

 改正の目玉は大きく2つ。避難済みの人が、ラジオなどで「避難勧告が解除されて避難指示になった」というような表現に早とちりし、帰宅してしまうことを防ぐため、表現を変えること。

 もう一つは、JRなど鉄道が台風にそなえて「計画運休」することは恒例となりましたが、逆に、浸水被害などが想定されるときに、予め、県外など広域的な水平避難をするための運行をするよう、政府が求めることができる改正が入りそうです。「できる」規定になると思われます。

 国会審議については、衆参の内閣委員会は、日本学術会議をめぐる問題で混乱することも予想され、日程がきつくなることもありそうです。国対の経験もある小此木さんが再登板となり、ある程度安定した答弁となりそうです。それにしても、神奈川2区の菅首相のもと、3区の小此木さんが2度目の国家公安委員長で、1区の松本純さんも元国家公安委員長という、テレビドラマ「私立探偵浜マイク」に出てくるようなイメージの「港・横浜」に先祖返りしている印象です。

 令和元年台風19号から1年が過ぎました。私のルーツ・長野県長野市の千曲川中流域と、生育地・荒川下流が被害を受けました。下に「1年前の記事」のバナーを張りました。お見舞いをいただいた方には感謝。人的被害は、福島県、宮城県、神奈川県の方が、長野県・東京都よりも多かったことをご理解いただきたいと思います。おととしの大阪、きょねんの千葉・房総半島の屋根などの被害も修復できていないこともあるようです。熊本には2度の地震ばかりか、台風ではないのに大水害が起きました。崖崩れからの行方不明者救出にも時間がかかっています。


令和元年台風19号で、長野市・上田市などの千曲川が氾濫・決壊、陸上自衛隊が浸水孤立者を救助作業、東日本複数で孤立世帯
 令和元年台風19号は、私にとってはまさか、そんなことがあるのか、驚天動地の結果をもたらしました。台風一過の朝のニュースは、長野市の千曲川氾濫・決壊地帯からの陸上自衛隊ヘリによる、......

 海外の新聞でも「気候変動による災害の増加」という既定の認識で、報道がされています。

 生命、身体、財産、名誉、自由があります。認知症の人の名誉だとか、持ち家の財産だとかよりも、生命・身体を安全に退避させるための強制力をどうきかせるか。法治国家の礎。すべての公職者が関心を持つべきです。
 
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