宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

禍福は糾える縄の如く12年前の当初予算案の「馬淵澄夫副大臣謝罪の各目明細書の問題」に

2022年01月24日 15時45分02秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 当初予算案の審議スタートは、国会で言えば「海開き」のようなワクワク感。12年前の民主党政権の当初予算案の審議は、馬淵澄夫国土交通副大臣の謝罪から始まりました。馬淵さんは「各目明細書」を与党の小沢一郎幹事長室に漏えいしました。各目明細書は、内閣府国家戦略室とされた泉健太政務官周りのチームの働きで、震災直前から各省ホームページに載り、内閣府と財務省にリンクが張られました。この慣習は、政権再交代後も維持されましたが、職員のコピペ疲れが、泉代表・馬淵委員長のもと発覚しました。

【衆議院予算委員会 令和4年2022年1月24日(月)】
【審議に先立つ、自立国対委員長会談 同日】

 「令和4年度予算案」の審議は2日目(趣旨説明含む)で基本的質疑1日目となりました。2017年秋以降は毎年登場してきた岡田克也さん・枝野幸男さんは出ません。

 予算書と別に、総務省がホームページで発表している「各目明細書」に誤りがあることが、泉代表の問い合わせで発覚しました。



 この中で、非常勤職員の手当は政策評価審議会が1323万円、統計委員会はゼロ(記載なし)。謝金は、政策評価審議会が90万円、統計委員会が327万円。言われて見れば、並びからしてたしかに微妙な違和感があります。正しくは、統計委員会の非常勤職員手当1323万円、謝金327万円。誤りは、官房の中でのコピペのミスで、最終段階で、最後の1行に数字が空白なのを削除して整えてしまったようです。

 鈴木俊一財務大臣の答弁によると、やはり「各目明細書」には法的根拠がないようです。が、過去の国会答弁に齟齬があるようなので、大串博志筆頭理事が統一見解を求め理事会協議に。

 ちなみに、政権交代直後のチームは、「事業仕分け」が泉内閣府政務官、大串財務政務官で、総務省の政務官が小川淳也さん、国交が馬淵副大臣になります。西村智奈美さんは外務省で岡田大臣、西村政務官で予算改革からは外されていました。

 12年前の「各目明細書=仮配分=箇所付け」の問題は、当ニュースサイトの次の記事に、我ながら見事にまとめてあります。


 きょうの委員会は定刻に始まりました。金子恭之総務大臣は「事務に携わる総務省職員が著しく緊張感に欠けていたと言わざるを得ず申し開きできるものではない」と詫び尽し。その後、鈴木財務大臣が「予算書に影響はない」と断言しました。

 午前中の質疑では、自民党の高市早苗政調会長が佐渡金山の世界遺産登録に反論。後藤茂之厚生労働大臣は「オミクロン株に対して、ワクチンの3回目接種は有効だ」と明言しました。

 午後、公明党の浮島智子さんは「文化団体は存立の危機にある。たくさんの現場の声をいただいた。文化庁の年間予算の倍の支援をしてきたが、それでも予断を許さない。調査しただけで、ことし5月までの中止が3206ステージ、402万動員に及ぶ。舞台芸術には技術スタッフが不可欠で、音響、照明の仕事の人が雇用調整助成金を応募したが、日本産業分類で、その他の分類できないサービス業などとされていて、手間取った」との事例を紹介。萩生田光一経済産業大臣は「舞台芸術技術は成長産業を支えているので、日本産業分類の見直しで適切に位置付けたい」と答弁しました。浮島さんは「文化芸術の力で心にもワクチンが必要だ」とまとめました。

 立憲民主党の泉・新代表は「立憲民主党は国民の命と暮らしを守り抜く政党だ」「権力の側ではなく国民の側だ」としました。泉さんは「本会議での質問と総理の答弁が噛み合っていなかった」「普通の文章読解力を持ってほしい」と語りました。そのうえで、先の補正の子育て給付金10万円で「ひとり親世帯への給付金について、自民党の代表質問にはなかった」と違いを強調。総選挙後100日間の「野党は批判ばかり」「追求型野党か提案型野党か」の論調を意識しつつ、「野党の役割は国民のための予算に間違いはないか、刀をつくるうえで、叩いて叩いて練り上げていく」イメージを提案しました。そして、上述の各目明細書の問題は「土曜日に、私と仲間で質問づくりをする中で、発見したものだ」としました。 

 既に当選8回生の泉さんですが、永年在職の岡田さん、枝野さんはここまで細かいことまで考えないので、泉カラーが出たように感じます。元「モーニング娘。」の市井紗耶香さんが第26回参院選公認内定を辞退することを自身のSNSで公式発表したと報道されています。市井候補内定者と後ろ盾が同じ候補者たちが衆院選で中盤以降失速し落選が相次ぎました。それでいて後ろ盾は大臣を破る金星を挙げたと評されました。市井さんは賢明な判断だと推察します。とにかく候補者を立てないことには参院選はたたかえない。組織のトップとしても泉カラーを全開にできるか。身銭を切れば、それだけで泉カラー全開となるのでハードルは低いですが。

 審議は午後3時45分現在、遅滞なく継続。

【参議院 同日】

 ありません。

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令和4年度予算明細書の総務省分に誤り、8時40分の衆議院予算委員会理事会に報告へ、筆者も1か所見つける「政党助成」で「基づき」が「基づく」と間違っている

2022年01月24日 02時18分09秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 NHKはゆうべ9時過ぎに、令和4年度予算書の「予算明細書」の総務省分に複数の誤りがあることが野党の指摘で分かり、けさ8時40分からの衆議院予算委員会理事会に報告することを報じました。

 筆者は、現時点で「野党」から何の情報提供もありませんが、自分で1か所見つけました。野党の「指摘」とは違うかもしれません。

 報道にある、「明細書」は省が発表した「各目明細書」のことかもしれません。

 令和4年度総務省所管の紙で422ページの、項「029 政党助成費」の説明に「「政党助成法」に基づく法人である政党に対する政党交付金の交付等」とあります。

 1年前のものを見ると「「政党助成法」に基づき法人である政党に対し交付する政党交付金等」となっています。

 1年前は「基づき」で今年は「基づく」になっています。





 政党助成法(平成6年法律第5号)は「国は、この法律の定めるところにより、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(平成六年法律第百六号。以下「法人格付与法」という。)第四条第一項の規定による法人である政党に対して、政党交付金を交付する」としています。すなわち、政党の法人格は、「政党法人格付与法」(平成6年法律106号)に「基づく」。今年の説明だと政党の法人格の法的根拠が違っています。行政のみならず、銀行口座名義という民・民の関係にも影響を与えかねません。1年前は「基づき」だったのに、今年は「基づく」と一字だけ違う。おそらくたんなる読み合わせミスでしょう。

 仮に、予算書を刷り直すとなると、それだけで通常3週間かかるはずです。政府は、補足資料の紙の追加で逃げ切りたいところでしょうが、他にもあるはずです。総務省は、地方交付税は他省と桁違いの額、恩給費は国家が続く限り絶対歳出しないといけない、統計局は国家の礎、消防庁は命にかかわり、旧郵政の放送行政や簡易保険はまたやらかしたらお取り潰しの危機。こういうところにも間違いがあり、仮に「歳出の上限」を間違えていたら、令和4年度行政は動きません。

 きょう、令和4年2022年1月24日(月)午前9時からNHK国会中継が入り、高市早苗政調会長、長妻昭さんらが登場予定ですが、遅れるかもしれません。遅れるなら、私は支持します。

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