[写真]阪神大震災の被災地、六甲山、宮崎信行撮影。
第26回参院選を7月10日に控えた、第208回通常国会はきょう召集されました。参議院は選挙前のやる気、衆議院は選挙直後で試運転。旗幟鮮明になった一日でした。
【参議院本会議 第1ラウンド きょう令和4年2022年1月17日(月)】
史上初めての「1・17」召集となりました。阪神大震災について衆議院では発言がなかったのに、参議院では山東昭子議長が起立して長めの発言をしました。
山東さんは「第208回国会は本日召集されました。大きな被害をもたらした、阪神・淡路大震災からきょうで27年となります。会議を開くに先立ち、震災により犠牲となられた方々に対し心から哀悼の意を表しますとともに、ご遺族のみなさまがたに衷心よりお悔やみを申し上げます。また、これまで復興にあたって尽力してこられた被害者の方々をはじめ、関係するすべての方々に対し改めて敬意と謝意を表します。震災の教訓を心に刻み、改めて復興と防災、減災対策への思いを強くするところであります」と語りました。黙祷はありませんでした。
ここで一段落だけ、東京地主の余計な私見。復興したのでしょうか。指摘すると大阪市民でもあっけにとられますが、急峻な六甲山の麓がなぜ高級住宅地なのでしょう。大阪市と神戸港を阪急電車がつなぐ「虚構」ではないでしょうか。私は実際に歩きましたが、例えば西宮駅の北側の再開発集合住宅は、以前から住んでいた人も、役所も、商業関係者もウィンウィンの復興となっているように、部外者には感じられます。しかし、人口という物差しでみて27年前より減っていたら、復興とはいえない。こういうことを考えたことは少ないと思いますが、維新も伊丹市など兵庫6区などに「進出」しましたから、大阪の人も含めて考えてみてほしいと思います。
衆院選3倍増の身を切る「日本維新の会」が求めた特別委員会再編がなされました。
2014年秋から、安倍晋三内閣の目玉「地方創生特別委員会」と「消費者問題特別委員会」が参議院だけ合併していました。これが8年ぶりに分かれました。
「地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会」と「消費者問題に関する特別委員会」に分割されました。そして「政府開発援助及び沖縄・北方問題に関する特別委員会」が合併されました。これで、7特別委員会体制は維持されました。
このうち合併の「政府開発援助・沖・北」は維新も設置賛成に回りました。
なお参議院農林水産委員長が、石川県知事選出馬のために議員辞職したため、長谷川岳さんが後任につきました。
【参議院消費者問題特別委員会 同日】互選で舟山康江さんが特別委員長になりました。偶数組で今夏山形で改選。榛葉賀津也さんが特別委員長ポストを手放したようです。【参議院地方創生及びデジタル社会形成等に関する特別委員会】は古川俊治委員長、【参議院ODA沖縄北方特別委員会】は青木和彦委員長となり、特別委員長のまま配置換えの格好となりました。また【北朝鮮拉致問題特別委員会】は維持されましたが、動議を提出する際に森裕子さん(新潟)が「委員長の選任は主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。あわせて、このたび特別委員会の設置について各会派でご議論がありました。とくにこの拉致問題特別委員会は、できるだけ開催を行って問題の解決に資するように付言します」と付け加えました。段取りとしては他の会派も事前に納得していた素振りでした。
【衆議院本会議第1ラウンド 同日】
細田博之議長が「諸君、第208回国会は本日召集されました」と語っただけで、参議院での阪神・淡路大震災への言及がありませんでした。
さらに特別委員会の再編もありませんでした。
【衆議院科学技術イノベーション特別委員会 同日】
上述の通り、特別委は再編されず、先の国会の最終日に抗議の辞任をした維新の井上英孝前特別委員長の後釜が立憲民主党に回り、手塚仁雄特別委員長が互選されました。
【開会式 同日】
天皇陛下をお招きした開会式がありました。
【衆議院本会議第2ラウンド 同日】【参議院本会議第2ラウンド 同日】政府4演説。別エントリーで。
【議案等 同日】
「令和4年予算案」が提出されました。財務省ホームページに予算書・予算説明書全文が載りました。
私が見た感想。雇用保険特別会計は歳入・歳出とも3・5兆円。前年が歳入6・0兆円、歳出5・0兆円と「1兆円の黒字」になっています。雇用保険法改正案が束ね法案で提出されますが、料率上げは年度後半以降の反映となります。
自賠責保険特別会計は微減と見積もっています。空港整備特別会計は3883億円と微減ですが、借金が467億円増えての現状維持。
そして、政府関係機関予算案では、政策金融公庫の国民生活事業(旧国民生活金融公庫)の収入が25%以上マイナス、つまり金利収入がそれだけ減るわけなので、融資実行も前後する年度で25%マイナスということになります。
これらを勘案すると、日本銀行の量的金融緩和とコロナ禍の実質無利子融資などはうまくいっており、むしろ政府はもっと特例公債を発行して、日本銀行券を一般会計・特別会計に取り入れるべきだとの「MMT」「積極財政」の理論の正しさを証明していると、私は強く信じます。
Ⓒ2022年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。