宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡本財務副大臣・鈴木俊一財務大臣らとても脇の甘いところを早速見せる、大串博志筆頭理事のっけから追及、根本匠委員長もあきれ顔で「緊張感を持って」衆議院予算委員会は財務副大臣4カ所言い間違いで一時紛糾

2022年01月21日 17時32分15秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]岡本三成財務副大臣、おととし2020年7月、東京・北区で宮崎信行撮影。

 「令和4年予算案」は、さきほどの衆議院予算委員会で審議入りしました。さきほど2022年1月21日(金)の説明で、岡本三成財務副大臣が読み間違えました。例年あることですが、ことしはかなりひどかった。

 まず、鈴木俊一財務大臣が「補正と一体の16カ月予算で、コロナ対応と成長と分配の好循環のため、一般会計107・6兆円。租税収入は65兆円、公債費は36兆円を見込んだ」と趣旨説明しました。

 この後、財務大臣以外の閣僚は退席。岡本三成・財務副大臣(公明党、東京12区)が補足説明をしました。この補足説明で読み間違いありました。ここでの、読み間違いは毎年のように起きています。しかし、ことしは過去最もひどかった。

 野党理事が「農林水産が」などとヤジを飛ばし、再登板になる、立憲民主党の大串博志・野党側筆頭理事が根本匠委員長に詰め寄りました。大串さんは「予算を審議してくださいと来ているわけですから。今訂正するか、次の予算審議(テレビ入り)の冒頭で謝罪するか。もう一度確認するのがいいです。後の議事録修正は受け付けません」と色を成しました。委員長や与党理事も賛同という雰囲気でした。

 岡本副大臣は「私、3か所言い間違えました。まず本来、譲与税配付金と言うべきところを、譲与税配当金と言いました。二点目の公共事業関係費を合計金額を6兆575億円でした、大変失礼しました」と語りました。岡本さんは6兆5705億円と言いましたが、6兆575億円で正しかったとしました。この後、岡本さんは3カ所目が分からず、副大臣席に戻り、官僚に確認。岡本さんは「食糧安定供給費は1兆2701億円が正しい数字です」としました。岡本さんは「億円等」という口癖があるようで繰り返しが続きました。

 大串さんがふたたび委員長席に近づくと、根本委員長は「なに? 私も注意したいんだ」としましたが、大串さんは「私が知る限り、他にもありますよ」と。



[写真]岡本三成財務副大臣、おととし2020年7月、東京・北区で宮崎信行撮影。



[画像]場内協議する、衆議院予算委員会の根本匠委員長や大串博志さんら各党理事、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 この後、岡本さんは「エネルギー対策費で発音が悪く、億円の億を飛ばして8756円といったが8756億円だった」としました。この訂正も2度繰り返すので、再び「8756円」と言ってしまい、与党理事から促されて再々訂正することになりました。

 この間、与党理事から「原稿が(与野党の予算委員の机上には)あるからいいんだよ、言い間違いは誰にでもあります」と緊張感のない野次を飛ばしました。

 このあおりで、参議院予算委員会では全閣僚・全委員が待ったまま、鈴木大臣らが遅参し、10分近く開議が遅れました。

 ここで、鈴木大臣は「まず、衆議院予算委員会が長引いたため、委員のみなさんにお待たせしましたことをお詫びします」と切り出しました。しかし、衆・予算委が長引いたことをなぜ、鈴木大臣が謝罪する権利と義務はありません。

 9回連続で当初予算案の長時間審議に臨んだ麻生太郎前大臣から財務大臣の地位を譲り受けた鈴木大臣。さらには大派閥だけど面倒見が悪い「志高会」も譲り受けるとの観測がある。予想通りの脇の甘さ。また代表質問では野党各党の関心分野が重なっている傾向があることから、衆参とも法案とは関係なく、行政の矛盾を突く、意外と盛り上げるかもしれません。週明け月曜日の朝8時55分から、実質審議スタートです。

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共産党の小池晃さん「連合のパワハラ調査」に言及も首相「ILOハラスメント190号条約は趣旨は賛同も非労働者の国内実施法制で批准せず」

2022年01月21日 17時00分47秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 第208回通常国会は、代表質問が終わり、当初予算案が衆参予算委で趣旨説明される最速のペースで1週目を終えました。

●警察法改正案は「サイバー警察局」で関東管区警察局に「捜査隊」
 後述する与党議員の質問で「警察法改正案」(208閣法 号=未提出)の先取り質問が出て、国家公安委員長は「サイバー警察局」を置き、関東管区警察局にサイバー警察特別警察隊を置く、と答弁しました。当ニュースサイトは7カ月前に報道し、それと比べると「サイバー局」ではなく「サイバー警察局」、「警察庁」ではなく「関東管区警察局」で調整されているようです。

●経済安全保障法案から防衛省関連産業は除外か
 後述する与党議員の質問で「経済安全保障法案」(208閣法  号=未提出)の先取り質問が出て、防衛産業の撤退が相次いでいることについて問われ、首相と担当相はともに「防衛産業の生産基盤は新たな国家安全保障戦略で位置づける」と語り、2週後に閣議決定する法案からは先送りされることをほのめかしました。

 ところで、昨夜、前回の第25回参議院議員通常選挙で初当選した河井案里元議員が「さようなら」と親類に連絡し110番。駆け付けた警察官が保護し一命をとりとめたことが、警視庁渋谷警察署のマスコミ取材対応で分かりました。

【参議院本会議 きょう令和4年2022年1月21日(金)】

 公明党の山口那津男さんは「3回目ワクチン接種前倒しは自治体の希望するワクチン量を確実に供給すべきだ」とし、岸田文雄首相(自民党総裁)は「余力のある自治体は前倒しを進めるし県にも大規模接種も求める」と答弁しました。

●離島振興法は公明・山口と立憲・小川政調会長が方向性一致。

 山口さんは「公明党はネットワーク政党として、各地の離島の現地調査をまとめて離島振興ビジョンをつくった」とし「離島振興法は3月で期限が切れるので、延長を含めて新たな振興策を加えて、法改正すべきだ」としました。山口さんは農産品、離島留学、遠隔医療、リモートオフィス、クリーンエネルギーの動きなどを紹介しました。首相は「離島は多様な文化を受け継いでおり、魅力的な地域資源を磨き上げている」としつつも「各党の議論に基づき施策に取り組む」とし、議員立法主導の構図を求めました。衆議院では野党・立憲民主党の小川淳也政調会長が、離島航路の補助にとどまらない振興策を求めました。公明党は長年遠山清彦元議員が主導してきたので、人材不足かもしれません。

 国民民主党の舟山康江さんは、山形県区(1人区)で改選を迎えます。自民党は選対委員長の所属県連ですが公募ではなく新しい候補者を擁立することにしていますが、大沼さんではない人のようです。舟山さんは質問で「新しい資本主義で、金融所得課税の税率引き上げと所得税との総合課税が見送られた」と指摘。首相は「令和4年度与党税制改正大綱から見送られ、与党で議論されると思う」と述べました。

 日本維新の会の浅田均さんは大阪府区(改選4)で選挙になりますが、細かいことは分からないですが、複数擁立ですから浅田さん個人が絶対とはいえないでしょう。浅田さんは質問で「国会同意人事は、議運委の所信聴取だけでなく、公聴会を開くべきだ」と提案。「22兆円の未執行があった」とし予算委員会で追及したい思惑を見せました。

 日本共産党の小池晃さんは「連合の調査によると、パワハラに関する就労規則の説明を聞いたことがないとする人が40%いる。そして、パワハラを受けたことがあるとする人が32%いる」とし、ILO190号条約を批准して日本で国内実施法をつくるべきだと促しました。首相は「ILO190号条約「2019年の暴力及びハラスメント条約」について「趣旨としては賛同だ」としました。が、条約が「仕事の世界における暴力」を規定していることを念頭に首相は「批准については、国内の法制との整合性からなお保留している」とし、条約が「仕事の世界の暴力」すべてを規制しているのに対し、国内法に労働者以外のセクハラ・パワハラを禁止したり解決手段を設けたりする法制がないことから、条約批准と国内実施法は難しいと示唆し、現行の改正法施行を優先することを強調しました。

 社民党党首の福島瑞穂さんは夏の全国比例で「ずんずん福島みずほ」という全国遊説を実施し、「社民党か福島みずほと書いて」と演説するのではないかと推測します。福島さんは「バイデン大統領との電話会談の冒頭で日米地位協定を改定するように言ってください」と促しました。

 自民党の宇都隆史さんは茂木派で、今夏全国比例で改選を迎えますが、6年前の結果を見ると、まったく盤石とはいえない情勢。宇都さんは上述の通り、機関銃など防衛産業の撤退と経済安全保障法案の関係、警察庁サイバー警察局について質問。これに関連して首相は、「海外SNSアプリ」と名指しを避けつつ「政府職員の使用は統一基準で運用しており、要機密情報を取り扱うことはない」と答弁しました。

【参議院国家基本政策委員会 同日】
 上田清司委員長就任のあいさつがありました。補選で当選した上田さんはわずか2年半で、この夏に選挙となります。6増0減法で埼玉県区は改選定数4となります。上田さんはかつて衆議院の埼玉6区から出ていましたので、枝野幸男さんの「5区」とは隣合わせですが2人が仲が良いという話は聞かず、「上田新党」もささやかれました。直近の議員要覧を見ると、上田議員の政策担当秘書は、枝野さんが初当選した日本新党の職員だった元横浜市議の男性、公設第一秘書は、枝野さんの選挙ボランティアで九州出身ながらさいたま市議に落下傘した40代女性で、前回統一地方選で突然不出馬、引退しました。この辺の枝野さんの面倒見の悪さを上田さんがカバーしているようにもみえ「上田新党」とはいかなくても「上田候補」は立憲埼玉県連にとっては強敵で、野党一本化はまずできないでしょう。

【衆議院予算委員会 同日】
【参議院予算委員会 同日】

 「令和4年度予算案」の趣旨説明がありました。

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来週火曜日(1/25)に衆参議運委でまん延防止措置の追加を審議か、予算委員会が9時から17時まで

2022年01月21日 08時48分32秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]自衛隊大規模予防接種センター、国の大手町合同庁舎3号館(東京・千代田区)、きょねん2021年5月24日、宮崎信行撮影。

 オミクロン株の感染拡大で、来週令和4年2022年1月25日(火)にまん延防止措置の県が拡大されそうです。大阪府、兵庫県、京都府と、北海道、静岡県、福岡県、佐賀県、大分県を追加。31日に期限が迫る、沖縄県、山口県、広島県も延長されそうです。

 福島県、島根県でも調整が続きます。

 同日(1/25)、分科会と政府対策本部を開き、決定する見通し。分科会の後、衆議院議院運営委員会、参議院議院運営委員会を開き、政府事前報告とそれに対する質疑がもたれる見通し。同日は午前9時から午後5時まで、衆議院予算委員会の令和4年度予算案の基本的質疑1巡目2日目があり、立憲民主党など野党各党が7時間コースで質疑。その前後、朝、昼、夕にこの時期では異例の議運委が開かれることになります。多少、国民の関心が分散するかもしれません。

 政府はまだ「第6波」という言葉を使っていませんが、「オミクロン波」により、和民グループ、日高屋グループは旗艦店は時短営業しますが、一部系列店を期間中閉店させる予定。法人全体でお金が回れば倒れない資本主義のメリットを歯止めにするようです。既に東京など都市部の第3次産業商業・サービス業の正規・非正規では、製造業への転職などが進みました。遠距離家族介護を学力の高いきょうだい夫妻でライングループで調整してきた中間層の負担が限界を迎える兆しが表面化しつつあり、世の中に暗い雰囲気が漂っています。

 それと関係ないですが、1年1か月前の記事は、枝野幸男さんが代表質問で「感染症対策を中心に聞きます」。政治センスがある人ですから、その後の政局を1年経ってもリード。政局で勝って、選挙に負けたというよくあるパターンだったと振り返ります。


【1/20】昨年「まず桜、公選法から質問」でピタリ賞だった枝野幸男代表「感染症対策を中心に聞きます」、二階幹事長は2年連続で武田良太大臣を指名
[写真]枝野幸男立憲民主党代表、きょねん9月、筆者撮影。 代表質問が始まりました。 まず、1年前。 きょねん1月、枝野幸男代表は「私は、会派を代表し(略)安倍総理に質問いたします(......



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国土交通省、予算審議入りの先手を打って事務次官ら処分へ、建設受注統計の第三者委員会

2022年01月21日 06時14分23秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]国土交通省前にある「国会前」の標識、3年前の2019年11月、宮崎信行撮影。

 国土交通省がきょう、建設受注動態統計の不正をめぐって、大臣、事務次官、総合政策局情報政策課の担当者らを処分することを、読売新聞が報じられました。

 きょう令和4年2022年1月21日(金)の午後4時過ぎに、当初予算案が審議入りし、週明けに開かれる基本的質疑の先手を打った格好。

 この問題は、先月15日の朝日新聞が基幹統計である「建設受注統計」に長年不正があったと暴いたもの。国交省は、今月14日付で第三者委員会の報告書を決定。改めると、報道から1か月以内に最終報告書とは早い印象で、予算委員会より前に決着をつけようとしたことは見え見え。

 国土交通省の局は部外者に分かりづらく、業界ごとの「土地・建設産業局」ではなく、横断の「総合政策局」が所管のようです。

 3年前の通常国会で、「統計王子」として名をはせた小川淳也さんが立憲民主党政調会長になったことからも、第208回通常国会の焦点の一つとなっていました。

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