[写真]地下鉄東京メトロ「国会議事堂前駅」きょねん4月28日、宮崎信行撮影。
「ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記」は14年以上、元日本経済新聞記者の宮崎信行が1人で取材し、1人ですべて書いています。総選挙が終わると何もしないネットニュースメディアも見受けられますが、日常を大事にしています。
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【衆議院予算委員会 きょう令和4年2022年1月25日(火)】
「令和4年度予算案」の基本的質疑1巡目の2日目。先の衆院選を受けて質問時間は、14時間のうち、自民3時間、公明1時間12分、立憲4時間48分、維新2時間17分、国民51分、共産48分、有志の会24分。れいわは0分です。
政党支持率で拮抗する立憲と維新ですが、質問は一日の長がありました。
きょうの委員会はまず、鈴木俊一財務大臣の発言から。「各目明細書のうち
法務省、文科省、国交省分に合計4カ所の誤りがあった。大変遺憾であり、お詫びしたい。予算書に影響はない」と述べました。
予定通り、立憲民主党の階猛さんが質問。答弁の形で、末松信介文部科学相は「独立行政法人の一般勘定の4文字が消えていた」古川禎久法相は「公安調査庁の前年度の予算が2億3040万3000円だったのを、2億3043万0000円で、2万7000円多かった」斉藤鉄夫国交相が「2項目手作業による記載漏れがあった」と答弁しました。階さんは「国交省は具体的な金額を言わなかったがかなり多かったようだ。役所のタガが緩んでいる」と批判しました。
内外の諸情勢に暗雲が垂れ込めています。アメリカの緩和縮小の先行き不透明で米株価暴落、NATO軍がウクライナ・ロシア方面に移動しました。
階猛さんは久しぶりに日本銀行の黒田東彦総裁に質問。「現在物価がインフレしているが、良いインフレか悪いインフレか」問いました。黒田さんや首相は「賃金が上がらない。中小企業が価格転嫁できない」としどちらかと言えば悪いインフレだと歩調を合わせました。首相は「民間の賃上げの雰囲気をつくる政策を用意しており努力するが、いつ脱するか言えない」としました。
これに対して、「消費者物価を上げて、中小企業が価格転嫁し、賃上げができるようにする環境を整えるべきだ。それまで消費税を一時的に減税すべきだ」と提案しました。首相は「消費税は社会保障の安定財源だ」と減税を拒みました。
階さんはきょねん2月19日の本会議で特例公債法を「一歩間違えば、戦争直後と同じく、ハイパーインフレが起こり、国民生活を窮乏させかねません 」と演説し、同じ党を支持するSNSアカウントから叩かれることがありました。その直後に開かれたMMT派の論客、藤井聡元内閣官房参与を招いた党の部会に出席したことを、当ニュースサイトが報じました。今読み直すと、この会合に出席した10人程度の衆議院議員が「ここにいる議員の3分の2は、藤井先生と同じ方向を向いていますよ」 と語りましたが、原口一博副代表(当時)、福田昭夫さん、階猛さんらが小選挙区当選し、桜井周・部会事務局長も惜敗率トップで再選しました。立憲民主党内で3党合意実務者や日教組・自治労系の緊縮財政派と福田さんらMMT派では、後者が理論面での正しさが証明されたと言っていいでしょう。
城井崇さんは、臨時定額給付金について行政レビューシートがつくられていないと指摘し、金子恭之総務大臣が「将来のために有意義なので作成する」としました。民主党政権で公開・作成することになった「各目明細書」と「行政レビューシート」の2つの魂が入らないようになっている実態があらわになりました。
答弁が融通無碍だと評価される岸田文雄さんを、山井和則さんは「岸田総理とは厚生労働委員長と委員としてやったが、人柄は素晴らしいが実行力をもってほしい」と述べました。
この後、日本維新の会で幹事長に抜擢された2期の藤田文武さんが質問。まず「私の前に山井議員が質問したが、表現が違うが同じ問題意識だ」とし、野党色を強める維新が立憲への攻撃姿勢をひそめました。その一方「賃金が上がらないのは、共産党さんがよく言うように小泉内閣での労働法制の改悪だと言うが、派遣労働者は非正規の中で6・6%に過ぎず、明らかに違う」としました。しかし、2015年労働者派遣法改悪法も含めて、常用代替というやり方で正社員の賃金が安く抑えられる状況が続いているので、藤田幹事長の分析は見当外れです。若手抜擢は良いのですが、日本の国政は経緯を知らないと見当外れになりがち。橋下徹さんはそれが分かっていて、一度も国政に立候補しないのでしょう。この後の別の当選1回生は「グローバルな新しい資本主義」を問いましたが、グダグダでした。三木圭恵さんは国政復帰したことに触れず「幼稚園と保育園が縦割りならば、文科省と厚労省が合併すればいい」とし「子ども家庭庁設置法案」(未提出)を批判しました。足立康史国会議員団政調会長は「自民党政策はパッチワークばかりで、維新はシンプルにリセットする」と語りました。
あすは午前9時から、全閣僚出席の基本的質疑。江田憲司さんらが質問。
【衆議院議院運営委員会 同日】
ことし3回目ですが、NHKの中継は無かったようです。
特措法にもとづくまん延防止等重点措置の区域変更・期間延長について。担当大臣が「大阪府、長野県など1道2府15県を追加する」としました。質疑に立った北海道選出議員は「まん延防止で、北海道内の179市町村全域が対象になるのは初めてだ」とし、都道府県内の指定を国が主導する方向にするよう唱えました。
【参議院議院運営委員会 同日】
午前11時の理事会で開催が決まり、午後6時半開議。
きょねん4月の再選挙で初当選した宮口治子さんが初めて質問します。同じ日に初当選した羽田次郎さんはきょねん6月3日の参議院外交防衛委員会で質問しました。宮口さんは「奇数組」で、2025年に改選となりますが、定数2の広島選挙区で立憲が2人いる珍しいパターンとなっていますが、県連がうまくやっているようです。
【定例閣議 同日】
火曜日のなので定例閣議もありました。官邸内で朝8時21分スタート。こんなに朝早くから働くくらいなら、野党のままでいいやという立憲民主党ベテラン衆議院議員は間違いなく存在します。そこが日本で政権交代ある政治が定着するかどうかのポイントです。
政党支持率で拮抗する立憲と維新ですが、質問は一日の長がありました。
きょうの委員会はまず、鈴木俊一財務大臣の発言から。「各目明細書のうち
法務省、文科省、国交省分に合計4カ所の誤りがあった。大変遺憾であり、お詫びしたい。予算書に影響はない」と述べました。
予定通り、立憲民主党の階猛さんが質問。答弁の形で、末松信介文部科学相は「独立行政法人の一般勘定の4文字が消えていた」古川禎久法相は「公安調査庁の前年度の予算が2億3040万3000円だったのを、2億3043万0000円で、2万7000円多かった」斉藤鉄夫国交相が「2項目手作業による記載漏れがあった」と答弁しました。階さんは「国交省は具体的な金額を言わなかったがかなり多かったようだ。役所のタガが緩んでいる」と批判しました。
内外の諸情勢に暗雲が垂れ込めています。アメリカの緩和縮小の先行き不透明で米株価暴落、NATO軍がウクライナ・ロシア方面に移動しました。
階猛さんは久しぶりに日本銀行の黒田東彦総裁に質問。「現在物価がインフレしているが、良いインフレか悪いインフレか」問いました。黒田さんや首相は「賃金が上がらない。中小企業が価格転嫁できない」としどちらかと言えば悪いインフレだと歩調を合わせました。首相は「民間の賃上げの雰囲気をつくる政策を用意しており努力するが、いつ脱するか言えない」としました。
これに対して、「消費者物価を上げて、中小企業が価格転嫁し、賃上げができるようにする環境を整えるべきだ。それまで消費税を一時的に減税すべきだ」と提案しました。首相は「消費税は社会保障の安定財源だ」と減税を拒みました。
階さんはきょねん2月19日の本会議で特例公債法を「一歩間違えば、戦争直後と同じく、ハイパーインフレが起こり、国民生活を窮乏させかねません 」と演説し、同じ党を支持するSNSアカウントから叩かれることがありました。その直後に開かれたMMT派の論客、藤井聡元内閣官房参与を招いた党の部会に出席したことを、当ニュースサイトが報じました。今読み直すと、この会合に出席した10人程度の衆議院議員が「ここにいる議員の3分の2は、藤井先生と同じ方向を向いていますよ」 と語りましたが、原口一博副代表(当時)、福田昭夫さん、階猛さんらが小選挙区当選し、桜井周・部会事務局長も惜敗率トップで再選しました。立憲民主党内で3党合意実務者や日教組・自治労系の緊縮財政派と福田さんらMMT派では、後者が理論面での正しさが証明されたと言っていいでしょう。
城井崇さんは、臨時定額給付金について行政レビューシートがつくられていないと指摘し、金子恭之総務大臣が「将来のために有意義なので作成する」としました。民主党政権で公開・作成することになった「各目明細書」と「行政レビューシート」の2つの魂が入らないようになっている実態があらわになりました。
答弁が融通無碍だと評価される岸田文雄さんを、山井和則さんは「岸田総理とは厚生労働委員長と委員としてやったが、人柄は素晴らしいが実行力をもってほしい」と述べました。
この後、日本維新の会で幹事長に抜擢された2期の藤田文武さんが質問。まず「私の前に山井議員が質問したが、表現が違うが同じ問題意識だ」とし、野党色を強める維新が立憲への攻撃姿勢をひそめました。その一方「賃金が上がらないのは、共産党さんがよく言うように小泉内閣での労働法制の改悪だと言うが、派遣労働者は非正規の中で6・6%に過ぎず、明らかに違う」としました。しかし、2015年労働者派遣法改悪法も含めて、常用代替というやり方で正社員の賃金が安く抑えられる状況が続いているので、藤田幹事長の分析は見当外れです。若手抜擢は良いのですが、日本の国政は経緯を知らないと見当外れになりがち。橋下徹さんはそれが分かっていて、一度も国政に立候補しないのでしょう。この後の別の当選1回生は「グローバルな新しい資本主義」を問いましたが、グダグダでした。三木圭恵さんは国政復帰したことに触れず「幼稚園と保育園が縦割りならば、文科省と厚労省が合併すればいい」とし「子ども家庭庁設置法案」(未提出)を批判しました。足立康史国会議員団政調会長は「自民党政策はパッチワークばかりで、維新はシンプルにリセットする」と語りました。
あすは午前9時から、全閣僚出席の基本的質疑。江田憲司さんらが質問。
【衆議院議院運営委員会 同日】
ことし3回目ですが、NHKの中継は無かったようです。
特措法にもとづくまん延防止等重点措置の区域変更・期間延長について。担当大臣が「大阪府、長野県など1道2府15県を追加する」としました。質疑に立った北海道選出議員は「まん延防止で、北海道内の179市町村全域が対象になるのは初めてだ」とし、都道府県内の指定を国が主導する方向にするよう唱えました。
【参議院議院運営委員会 同日】
午前11時の理事会で開催が決まり、午後6時半開議。
きょねん4月の再選挙で初当選した宮口治子さんが初めて質問します。同じ日に初当選した羽田次郎さんはきょねん6月3日の参議院外交防衛委員会で質問しました。宮口さんは「奇数組」で、2025年に改選となりますが、定数2の広島選挙区で立憲が2人いる珍しいパターンとなっていますが、県連がうまくやっているようです。
【定例閣議 同日】
火曜日のなので定例閣議もありました。官邸内で朝8時21分スタート。こんなに朝早くから働くくらいなら、野党のままでいいやという立憲民主党ベテラン衆議院議員は間違いなく存在します。そこが日本で政権交代ある政治が定着するかどうかのポイントです。
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