ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

衆・委員会いわゆる店開きで盛山文科相「立憲国対副の森山浩行委員は声も大きく腕力もつよい」と根拠なく媚びる、国立大学法人の運営委員は文科省承認で政令で全部も可の衝撃

2023年11月08日 17時04分00秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]森山浩行・立憲民主党国対副委員長(大阪16区)、衆議院事務総長室で、おととし2021年12月、宮崎信行撮影。

 衆議院は大臣の所信に対する一般質疑をして、いわゆる店開きとなりました。
 「国立大学法人法改正案」(212閣法10号)は野党が反発する中で委員会を再開して、審議入りしました。

【衆議院文部科学委員会 きょう令和5年2023年11月8日(水)】
 4か月間の夏休みの後の、一般質疑ですので項目は極めて多岐にわたりました。
 野党は早い質問通告につとめていますが、昨夕の午後4時半ごろは、「質問レクチャー聞き取り」「問取り」をする官僚が議員会館に大量、一つの省でエレベーター1箱全部をしめるほどひしめきました。一般質疑のため各省各局各課がそろって議員室を訪問したようです。



[写真]一般質疑の問取りの後に役所に帰る官僚、きのう午後4時半。
 少しでも早く役所に戻ろうと、首相官邸前の横断歩道で流しの個人タクシーに乗り込む4人組に、官邸警備の機動隊とみられる若い警察官がぶっからぼうに今すぐ退去しろと言葉を連発しました。

 解散をにらんで、立憲は配置を変えず、維新は配置を変えました。

●4カ月の夏休みで立憲も「地元に予算を」に新任大臣らがこびて協力求める

 立憲は国対副委員長の森山浩行さんが「昨秋から1年以上、文科省の人とつきあってきたが、もっと予算を求める姿勢をもっていいのではないか。明石市の例のように、こども予算は経済の活性化させる」と述べました。この委員会の経験なしに大臣となった盛山正仁さんは「森山委員のように声も大きく、腕力が強い議員にがんばっていただきたい」と国対副委員長兼務の森山さんに根拠がないルッキズムでこびると、森山さんは「同じ名前のモリヤマですのでがんばっていただきたい」と外形的ファクトで応戦しました。蛇足ですが、私は森山さんと31年以上のつきあいですが、腕力が強いという話はただの一度も聞いたことがなく、盛山大臣の勝手なイメージだと思われます。大阪だと立憲の森山さんより、維新の人たちの方が腕力強そうなイメージですが。

 議運次席理事を兼ねる吉川元さんは防衛政務官を要求。大分大学とどういう関係があるのかなと思いきや、大分大学の近くに大分分屯地のスタンドオフミサイルの火薬庫の工事日程を訪ねる質問でした。

 質疑終了後に委員会は休憩しました。15分ほどの理事会を経て、「国立大学法人法改正案」(212閣法10号)が柚木道義筆頭理事が抗議するなか、大臣から趣旨説明されました。次回の開催は現時点では未定。

 柚木さんの一般質疑内でのさきどり質問によると、「運営方針会議の学長と運営方針委員は文科省の承認が必要だ」「特定国立大学法人は国会審議がいらない政令で増やせて、すべての国立大学を対象にすることができる」ことが分かりました。スガ首相・官房長官の日本学術会議の6名任命拒否のような形で、国立大学全体を政権がコントールすることもできると考えられる法案です。

 私は単に東京医科歯科大学と東京工業大学を合併させるだけの法案だと思っていましたが、これは反知性主義の高まりを人類に知らしめた「トランプショック」意向で、学術会議問題をしのぐ大きな対決法案が突如浮上しました。

【衆議院内閣委員会 同日】
 一般質疑があり、最後に「人事院勧告実施のための一般職給与法改正案」(212閣法1号)と「同特別職給与法及び大阪・関西万博特措法改正案」(212閣法2号)が審議入りしました。なお、経済情勢にあわせてことしは「賃上げ法案」という表現をしようかと思っていましたが、SNSなどでの盛り上がりを懸念して、例年通り人勧実施のための手続き法案だということを強調することにしました。ところで、昨日の岡田克也・立憲民主党幹事長の記者会見で、特別職に自衛官が含まれることについて岡田さんがやや不確かな表現をしたと思い、私が質問で指摘しましたが、特別職の自衛官の人勧実施は「一般職給与法」(212閣法1号)で給与アップされます。岡田さんにも私にも若干不明確なところがありました。法案はあさって10日(金)9時から審議されます。

●疑惑の加藤ファミリー「母が相談した相手に聞いた」と当事者性のない答弁

 一般質疑では、立憲の山岸一生さんが加藤鮎子・こども家庭相の政治とカネを追求。母親に月15万円の家賃を払っていることについて、加藤大臣は「母が相談していた相手に連絡したところ、当時、不動産事業者から相場を聞いたがそのメモがない」としました。相談した相手とはいったいだれかと問われ、最後に「弁護士だ」としました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】
 この委員会だけ、理事会は8時45分と5分早く始まります。
 一般質疑では、武見敬三大臣の医師からの政治献金について、現場の人は診療報酬が上げてほしいと思っているとの趣旨の答弁。「現場の方々が政治活動の自由で応援してくれている」と語りました。

 最後に「麻薬取締法及び麻向法の改正案」(212閣法7号)が趣旨説明されました。質疑はあさって10日で、参考人質疑から法案審査スタート。

【衆議院法務委員会 同日】
【衆議院財務金融委員会 同日】
【衆議院農林水産委員会 同日】
【衆議院経済産業委員会 同日】

 各々、大臣所信的あいさつに対する一般質疑がありました。

【追記・訂正 11/9 17:45】
 衆議院法務委員会では法案の趣旨説明がありました。「裁判官給与法改正案」(212閣法3号)「検察官給与法改正案」(212閣法4号)が審議入りしました。【追記・訂正おわり】

●参議院はありませんでした。

【与野党国会対策委員長会談 同日】
 旧統一教会財産保全法案を自公も作成することと、20日(月)に補正予算案が提出されることが与党から報告され、野党が受け入れました。

●あすは衆議院憲法審査会が開かれますが海外視察の報告だけで散会する見通しです。

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