【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

歪んだ民主主義、安倍スガ「野党殲滅思想」選挙と批判した2日後に甘利明が政策活動費現金100万円、自民党幹事長として3・8億円

2024年02月14日 17時46分20秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]けさの中国新聞デジタルで、甘利明・自民党選対委員長が現金100万円を持参したとされた、第26回参院選の宮城選挙区(1人区)で、その2日前に演説した安倍晋三首相(当時、故人)と、ハイタッチをして待つよう促しながらも選挙慣れしていないことを感じさせる、国家公務員外務省から官邸出向の首相秘書官(右)、今から5年前の2019年7月4日、仙台で、宮崎信行撮影。

 動きが急で、筆者が強く批判してきた選挙で、甘利明さんが自民党本部からの政策活動費で現金100万円を配っていたことが確実になりました。

【衆議院予算委員会 きょう令和6年2024年2月14日(水)】
 「令和6年度予算案」は8日目で、集中審議2本目「政治資金問題等」。安倍一強以前は当たり前だった、7時間コースの集中審議も久々という感じです。
 井坂信彦さんは、甘利明前自民党幹事長が第49回衆院選に前後したわずか35日間の在任中に、3億8000万円の政策活動費を受け取っていたことを明かしました。289小選挙区の自民党公認候補に100万円ずつ現金で陣中見舞いを持っていったと推測される数字ですが、個人献金の総量規制3000万円にひっかかる疑いもあります。首相は「幹事長の立場から党勢拡大のために使った」としましたが、だったら党の本部、支部、甘利後援会から出して透明化すべきでしょう。
 筆者は26年前に中国新聞記者と山陽地方出身総理の番記者で重なりましたが、中国新聞デジタル版=ヤフーニュースがスクープ。第26回参院選「河井あんり事件」のときに、甘利選対委員長(当時)が、宮城選挙区で陣営幹部に100万円を渡したとしました。河井克行受刑者の「総理、すがっち、甘利100」のメモの傍証ともいえそうです。宮城選挙区は1人区で、公示日の取材から、私は安倍・スガは1人区は「32勝0敗」が良いと思い込んでいるようで、県連衆院議員の出世にも影響させる。さらに安倍さんは「テレ朝・TBS・NHKは偏向報道をやめろ」という意見表明をする集団にも何度も手を振るなど「敵の敵は、すべてが自分の味方だ」という思想を持っていると批判し「与党は横綱相撲をとるべきだ」と書いてきました。政権再交代後ずっとナンバー4の位置にあった甘利選対委員長がそれに付き従ったのでしょう。また写真にあるように、外務省から来ている事務秘書官も「ハイタッチを準備して首相を待つように」という趣旨のジェスチャーをしましたが、選挙慣れしていないのは明らかでした。国家公務員法の選挙運動禁止規定ではグレーゾーンぐらいでしょうか。平和安全法制のお礼という意味もあったのでしょう。
 そして、第49回衆院選では、甘利幹事長と山口代表は「安定の自公政権か、混乱の立憲共産党か」とのタグラインをしきました。枝野幸男代表が人生を通じて一度も使ったことがない「野党共闘」という言葉を使ったという誤った認識で地の文を書いた新聞・テレビ。自公共闘という言葉ではなく、立憲共産党が本当にできたと勘違いした地方の高齢者らがいたことを知って、私の中での「日本人観」が決定的に変わった節目でした。
このような裏金や闇金(政策活動費)で民主主義が歪んでしまい、マスコミも野党も商売あがったりで、国民生活が苦しくなるばかりとなっています。
 
 予算委員会では、自民党の小倉将信さんが未提出の裏金(派閥パー券還流不記載)議員ヒアリングについて、弁護士さんがまとめてから提出すると明かしました。期限は明言しませんでした。国民民主党の古川元久国対委員長は政治資金規正法案の政党間協議について、早く始めようというニュアンスの質問をしました。

 予算の審議時間はきょうで45時間になりました。


[写真]甘利明・自民党元幹事長・選対委員長、7年前の2017年7月、都内で、宮崎信行撮影。

【衆議院内閣委員会 同日】
 各大臣の所信表明がありました。この後、委員長が「昨年12月13日に調査局長に命令した予備的調査は2月6日(火)に提出されました」と明かしました。万博の予算の予備的調査は、きょうは読み上げられず、会議録の末尾に記載されることになりました。私も近々にペーパーを入手できると思いますので、その際は、当サイトでも書いていきます。

●「裏金議員」がメンバーにいる参議院憲法審査会は今週も開かれません。

●参議院調査会も政局のにおい
【参議院3つの調査会】
 調査会も3つとも開かれました。このうち、資源エネルギー・持続可能な社会に関する調査会(宮澤洋一会長)では、原子力規制庁の山中伸介委員長に対する質疑がありました。1月1日の石川県能登地震の北陸電力・志賀原発に関して、国民民主党の浜野喜史さん、共産党の吉良よし子さんらが質問しました。予算審議中ということもあり、山中委員長が他の委員会で呼ばれたら、時間割を変更することもありうると与野党筆頭理事が合意して開かれました。調査会では珍しいことです。規制庁の委員長定例記者会見も前夜までに、後ろ倒しの日程で連絡されたようです。諸般の政治状況を考えると、調査会に政局ににおいがするのも、流れかな、というところです。



[写真]けさの中国新聞デジタルで、甘利明・自民党選対委員長が現金100万円を持参したとされた、第26回参院選の宮城選挙区(1人区)で、その2日前に第一声を上げた安倍晋三首相(当時、故人)と、ハイタッチをして待つよう促しながらも選挙慣れしていないことを感じさせる、国家公務員外務省から官邸出向の首相秘書官(右)、2019年7月4日、仙台で、宮崎信行撮影。

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