[画像]内閣委員長解任決議案の賛成票(白票)=左と、反対票(青票)=右、明らかに白票が多い、2013年12月5日午前2時、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。
【参議院本会議 2013年12月5日(木)】
参議院自民党は国家戦略特区法案(185閣法18号)の成立のために、12月5日(木)未明の本会議で、民主党の水岡俊一参議院議員を内閣委員長から解任しました。
投票総数236、賛成131、反対105。
まさに数の暴力です。
国会法30条の2にもとづく、委員長解任は、衆議院では例がなく、参議院でもことし4月に川口順子環境委員長が院不届の外遊のため委員会が開けなかったために解任された1例だけ。
法案の成立のために、委員長を解任したのは、衆参通じて、憲政史上初めてという大暴挙となりました。
参議院自民党のやり方に戦慄を覚えます。
自民党は、内閣委員長解任決議案(185決議案第3号)を提出。山崎議長が緊急上程について採決をとったところ、起立多数で議題となりました。
自民党の佐藤ゆかりさんが趣旨説明し、アベノミクスの成長戦略の必要性を熱弁。
民主党、みんなの党、共産党が反対討論しました。
ただ、この法案は、2013年11月5日(火)に政府は国会に提出しています。
今国会は10月15日(火)召集、12月6日(金)会期末でした。
提出が遅すぎます。
新藤義孝・地域活性化担当大臣、菅義偉・官房長官、甘利明・経済再生担当大臣がほかの答弁にとられており、参院では時間がとりづらい状況がありました。
国家戦略特区とは、地方自治体のことではなく、そこに本社を置く企業だけが規制緩和・減税の恩恵を受けるだけではないか、との観測が自民党内からも出ています。
参・本会議はなおも続いており、引き続き、参議院自民党は経済産業委員長解任決議案を議題としました・・・
【追記 午前2時40分】
続いて、経済産業委員長まで解任されてしまいました。
投票総数235、賛成130、反対105。
大久保勉委員長は、電力システム改革法(改正電気事業法)と産業競争力強化法について、衆院修正部分や参考人質疑を入れて、ていねいに審査し、可決し、附帯決議をつけています。参議院ホームページの「経過」が証拠です。
残っているのは、独占禁止法改正法案(183閣法72号)ですが、衆・委員会では3時間で審査を終えており、会期末に仕上げることもできるでしょう。
まさに参議院自民党の横暴ここに窮まりました。参議院自民党はきょうにも特定秘密保護法案(185閣法9号)も採決するのでしょうか。
【追記おわり】
【再追記 午前4時】
午後3時15分再開で、内閣委員長の選挙を堂々めぐりで行いました。結果は、
投票総数 236、
山東昭子 131
水岡俊一 105
で山東昭子さんが当選。
[画像]内閣委員長になった山東昭子・自民党参院議員、2013年12月5日(木)午前3時半。
続いて、経済産業委員長選挙が行われ、
北川イッセイ 131、
大久保勉 105
で北川イッセイさんが当選。
ともに2つとも自民党に奪われました。ただ、野党が一致して行動できたのはよかったと思います。
議長は「休憩」を宣言しました。未明なので、「散会」ではなく「休憩」を宣言するのは当然ですが、きょう午後1時から参・国家安全保障に関する特別委員会があるので、特定秘密保護法案の緊急上程がきょうある可能性も否定できません。
参議院の攻防は残り44時間となってきました。絶対に廃案にしましょう。
【再追記おわり】