参議院本会議は2013年12月4日(水)の午後1時20分過ぎから開会されましたが、こともあろうに、自民党の石井準一・議院運営委員会筆頭理事自ら「休憩」の動議を出し、休憩となりました。これは、午後3時40分から、参議院・国家安全保障に関する特別委員会の地方公聴会をさいたま市で開くためのようです。
きょう中に本会議は再開できると思いますが、後ろ倒しになった議題には、原子力賠償の時効延長法案、中国残留邦人(孤児)の配偶者遺族の保障法案、がん登録法案、国土強靭化・防災減災法案、 消費者被害の集団訴訟法案、産業競争力強化法案、民法改正法案などがきょう可決・成立する見通しでした。会期内に成立するでしょうが、綱渡りの日程となってきました。
会議は、日程第1から第3までの、末松信介・外交防衛委員長の報告から始まりました。議題は、「日本インド社会保障協定」「日本ハンガリー社会保障協定」「障害者権利条約」の3つの条約締結の承認の案件。これに対して、民主党は、正々堂々と、出席議員の5分の1以上の署名で記名投票表決を申し出ました。採決は通常の歩行ペースで行われ、参事は1分ほどで集計を終え、投票総数236、賛成236、反対0の全会一致で可決・承認しました。
この後、日程第4として、逢沢一郎・自民党衆院議員提出の「公職選挙法改正法案」の委員長報告として、民主党の前田武志・政治倫理の確立および選挙制度の改正に関する特別委員長が登壇して、報告。このさいちゅうに、自民党の石井準一議員が「議長!」と叫びました。山崎正昭議長は事務総長にうながされて、「前田君、ちょっとお待ちください」と言って、「石井準一君」と指名。事務総長に促されて、起立採決をして、動議が可決され、休憩しました。
なお、先例録によると、議員の発言中に、議長が本会議を休憩することは問題ないようです。
動議は休憩動議だったと思われます。石井議員は、昨年8月29日の参・本会議で野田佳彦首相問責決議案の賛成討論に立ち、「同い年で千葉県議会当選同期だ」と自己紹介したうえで、内閣総理大臣を面罵しました。 その議事録は残念ながら、いまだに国会図書館ホームページに載っていません。
下野を経験して、自民党はすっかり卑屈な性格で、卑怯な戦術ばかり使う政党になってしまったようです。
この日の午前の衆議院内閣委員会では、前夜までに国家公務員法改正法案で、自民党、民主党、公明党が3党合意しました。来年の通常国会で法成立する見通し。リードした後藤祐一さんは質疑で、「みなさんの机上に合意書を配布しています。各党の先生方ありがとうございました」と語りました。稲田朋美公務員制度担当相は「合意書をまとめたくださったことに感謝します。後藤委員とはことし、激しく議論をしたこともありましたが、感謝しております」と答弁。
稲田大臣が後藤さんに徹底的にやり込められた一般質疑は、3月15日付エントリーの「稲田大臣がんじがらめ!法律、所信、公約 衆・内閣委など常任委で一般的質疑」にまとめています。
後藤さんは、法案提出を担保するために、菅義偉・内閣官房長官に合意書を読み上げるよう要求。自民党席から「失礼だ」とのヤジが飛びました。菅長官は「後藤さんがおっしゃったことですから、私は読み上げます」と朗読。後藤さんは「大変失礼なのは分かっていましたが、菅長官も2期生のころ、自民党で公務員制度改革を担当していたとうかがった」としました。私は4月24日付エントリーで、後藤さんは官房副長官をねらっている、と推測しましたが、「副」ではないかもしれません。さらに、後藤さんは、役所の民間人登用について、国家公務員制度改革本部に民間から入っていた経験がある、みんなの党の大熊利昭さんを挙げて「大熊さんなんかはすぐに即戦力になりましたよ、今は国会議員になったからなれないけれど」と持ち上げました。
午前中の参議院でのNHK・総理入り特定秘密保護法案に関する質疑では、森まさこ(森雅子)大臣が福山哲郎さんが質問したカウンターインテリジェンスの統一基準の各省ごとの対応について、「衆院での議事録を読んでいただきたい。御党の後藤祐一議員にもだいぶ質問されました」と答弁。
しかし、民主党はさわやかです。
4期生の長島昭久さんが、「後藤代議士は八面六臂の大活躍。13本の議員立法を提出。脱帽」と後輩を持ち上げました。
<blockquote class="twitter-tweet" lang="ja"><p>今国会、後藤祐一代議士は質問に答弁に八面六臂の大活躍。特定秘密保護法案への対案策定を含め、実に13本の議員立法を提出!脱帽。>>“<a href="https://twitter.com/kokkai_live">@kokkai_live</a>: <a href="https://twitter.com/search?q=%23kokkai&src=hash">#kokkai</a> 民主党の後藤祐一さんが質疑。国家公務員法改正法案の3党修正合意について説明しています。衆議院総務委員会。”</p>— 長島昭久 (@nagashima21) <a href="https://twitter.com/nagashima21/statuses/408026104633376768">2013, 12月 4</a></blockquote>
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後藤さんの神奈川県の先輩である自民党の菅さんですが、県連会長として、小泉進次郎さんの人気は面白くないようで、「みなさんは私の話ではなく、小泉さんの話が聞きたいんでしょう。小泉昭男さん」と、小泉昭男参議院議員の名前を出して演説しています。
それはさておき、野田総理が面白くない石井準一参議院議員。いずれにしろ、今の時点では、戦術では自民党が優っていません。ヒューマンチェーンでは、午後1時、午後1時半と、国会議事堂を囲んだようです。(正式には未確認)。火曜日の平日にこのような光景は、20年間国会を見ていてありません。
しっかり、最後まで根気強く、必要な法案は成立させるとともに、絶対に絶対に絶対に特定秘密保護法案(185閣法9号)は廃案にしましょう。
この勝負、卑屈で、卑怯な手に出た者が負けます。