麺屋彩未で昼食を摂った後、私は友人の尾車氏と合流し、クルマ見学へと出掛けた。まず向かったのはスズキのお店である。最近登場したスズキ初の3ナンバーセダン「Kizashi(キザシ)」のカタログを貰うためだった。
受注生産というこのクルマなのだが、なんとなんと、試乗車がその店には存在した!この貴重な機会を見逃せるハズはない。さっそく試乗させてもらうことに。このクルマは「2.4リッター直列4気筒DOHCエンジン」のモノグレードだが、FFとパートタイム4WDが存在する。試乗させていただいたのは、パートタイム4WDの方(CVT:税込車両本体価格299万7750円)だった。
写真では確認しづらいが、計器盤の文字は円周に沿って寝かされており、その字体と相まってなかなかプレミアムな雰囲気。
インパネのパネルはハードプラスティックだが、そんなに安っぽくは見えない。質感自体は現行BR/BMレガシィと同じくらいのレベルだと思う。ま、その価格を考えると、この辺は問題アリかもしれないが・・・ただ、Kizashiの方が空調関係スイッチの配置が上手く、スッキリとまとまっている。左右の温度調整のスイッチをロータリー式にしたのは○である。
さらに良いのが、シフトレバーのマニュアルモードのロジックだ。BMWやマツダと同じく、「引いてシフトアップ・押してシフトダウン」なのだ。これは、加減速のGの動きからいけば、自然だと思う。これには◎をあげよう。
短い時間の試乗だったが、なかなか好印象だった。エンジンの音は結構車内に進入してくるが、これくらい聞こえてきたほうが、私としては「クルマを走らせている実感」が湧くので、むしろ好意的に捉えたい。また、脚回りも、235/45R18というファットなタイヤをしっかり履きこなしており、ドシン・バタンとバタつくような挙動も皆無であった。
このクルマは、レガシィB4の強力なライバルになりうると思う。エクステリアやインテリアのセンスは、私としてはこのKizashiの方がむしろ好みだ。
ただし、4WD車のカタログ上燃費は11.4km/Lと、やや物足りない。ほぼ同じサイズの18インチタイヤを履く「レガシィB4 2.5i Sパッケージ」のカタログ上燃費は13.2km/Lだ。ま、それがDOHCエンジンとSOHCエンジンとの違いだと思えば許せる範囲か・・・
この大不況の中、受注生産という弱気な販売政策を選択せざるを得なかった、スズキ初の3ナンバーセダン、Kizashi。いいクルマだと思う。国内販売の健闘を祈りたい。